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インドの結婚披露宴、慌ただしすぎ!!



こんにちは!神田です。



インドにいると、カデルと過ごす時間がたくさんあるので、普通ならなかなか聞けないリアルインド事情を聞けてすごく面白いです!


インド人の女性で顔に黄色いものを塗ってる人がいるけど、あれは昔から美容にいいとされてるターメリックだよ。とか。


普段インドの人はあのスパイスの入ったマサラティーは飲むことはほとんどないよ、風邪引いてる時だけだよ。とか。


アーユルヴェーダをうたってる商品てたくさんあるけど、偽物いっぱいだよ。ほら、あの有名な○○○とかも社長がこんな人でうんたらかんたら。とか。



フミくんが繋いでくれた縁に感謝です。



おわり








2017年11月29日(水曜日)

【インド】 チェンナイ ~ アラコナム








この2日間、いい調子でホームの子供たちに英語の授業ができていたんだけど、今日はカデルから結婚式の招待状を渡されているのでアラコナムに行かないといけない。


カデルの結婚式じゃないんだけどね………


インドの結婚式に行くのは良い経験になるよ、って全然知らん人の式の招待状をカデルがくれるという謎の状況だけど、招待状をもらったからには行かないとめっちゃ失礼だ。だよな?インドでもそうだよな?


確かにインドの結婚式がどんなものかってのも興味がある。

なかなかできる経験じゃない。



というわけでホテルのおじさんに、また明後日戻ってくるので荷物預かっててくださいと必要ない物を置かせてもらって出発した。













バスでチェンナイセントラルステーションに行き、ローカル電車の切符を購入。









昼前の駅は朝みたいに混雑しておらず、スカスカだ。


朝は近隣の町や村からチェンナイに仕事に来る人、そして夜勤明けで帰る人たちがいるのでウルトラ混み合う。


カデルの話では朝の5時くらいがマックスで、どの電車もすし詰状態になるんだそう。


都会だなぁ。











とりあえずご飯食べとこうかと、カデルがオススメしていたラトナカフェというお店に行ってみる。


駅舎の中にあるこのお店。

チェンナイではかなり有名なお店で、町の中心部にも店舗があるくらい。



が、なかなか高い。

さすがカデルが食べるところは結構いいところだな。



インドといえどそんなに贅沢はできないので、インスタントな感じの安い売店でビリヤニとサモサを買った。





うん、非常にマズい…………





口直しにチャイを買った。





うん、めっちゃマズい…………

薄…………



駅のご飯は美味しくないってのはどこでも同じですね……………







ビリヤニもチャイもほとんど残してしまったんだけど、そんな俺たちの前にまだらに毛が抜けて体がケロイドみたいになってるみすぼらしい野良犬がやってきた。


悲しい目でこっちを見ている。


ちょっと分けてください………って感じで、一定の距離をおいてじーっとこっちを見ている。




駅舎の中に野良犬。

ゴミばっかり食べて栄養が足りてなくて痩せ細り、様々な有害物質を体にため込んでるのが一目で分かる体をしてる。


インドの犬はみんなこんな感じだ。

ヨーロッパみたいなシュッとした清潔な犬と同じ生き物なのか?って思えてくるほどかけ離れてる。



可哀想だけど、ご飯を与えると人間に強引に餌を求めるようになるので、残りはあげずにゴミ箱に捨てた。


野良犬はそれを見届けると、はぁ……またか……といった感じでトボトボと歩いて行った。




マズいご飯と野良犬の悲壮感に若干凹みつつ、電車に乗り込んだ。
















1時間半ほどでアラコナムに着くと、駅にカデルが迎えに来てくれていた。


セルバムスクールに帰り、ママとパパに挨拶し、いつものようにゆっくり。


結婚式はアラコナムから車で1時間半くらい離れた町であるみたいで、17時に出発するみたい。


学校の先生たちもみんな行くので、スクールバスに乗り合わせて向かうようだ。



「インドってお見合い結婚と恋愛結婚ってどっちが多いの?」



「そりゃあお見合い結婚だよ。80パーセントはお見合い結婚。恋愛結婚なんてかなりレアなことだよ。」



へー、そうなんだなぁ。

そういえばインドではよく、フミたちはアレンジマリッジ?ラブマリッジ?という質問をされる。

そんでラブマリッジだよと答えると、フウウウ~~!!って盛り上がる。



よっぽど珍しいことなんだろうなぁ。

恋愛結婚っていうだけで、なんかすっごいドラマチックな、映画の中の大恋愛くらいのイメージなのかもしれん。


みんなそうしたウェスタンな文化に憧れつつも、やっぱり未だ伝統的なお見合い結婚が主流なんだな。




「カデルはまだ結婚しないの?親から催促とかされるんじゃない?」



「しないよ。今はまだしたいと思わないし。」



カデルの歳ならもう充分適齢期のはず。

でもやっぱりインターナショナルなカデルはそんな風習にはとらわれていない。



カデルは家柄のいい男。

インドでは体裁とかをすごく重んじるし、階級の意識も人々の中にはまだ残ってるし、きっといい相手をパパたちがアレンジするんだろうな。


いや、カデルだったらもしかしたら恋愛結婚もあり得るかも。






インドでは離婚はものすごく珍しいことらしく、なので再婚もほとんどないみたい。


そして独身で生涯を終えるというのもあり得ないことで、ほとんどの人が結婚するんだそうだ。


結婚も離婚も自由に選択できる欧米諸国や日本とは違って、インドではとても大切な人生の必須儀礼なんだなぁ。

結婚ってものの捉えかたが根本から違うんだろうな。



あ、ちなみにこれらはインド南部の話で、もっと先進的な考えを持ってる北インドの人たちは離婚もするし独身で仕事をバリバリやるキャリアウーマンもいるみたい。


南はまだまだ伝統が根強く残ってる地域ということ。














インドでは結婚式の招待状を郵送で渡すのはめっちゃ失礼にあたり、必ず手渡ししないといけない。


それを配って回るのは新郎新婦の親の仕事。


新郎新婦は式の1ヶ月前から寝て食べて寝て、という準備を始める。





などなど、インドの結婚式の話をしているとすぐに出発の時間が近づいてきた。


パパ、ムトゥ、サラバナン、マドバン、学校の先生たちみんなでスクールバスに乗り込み、いざ出発。


みんな今日は綺麗なシャツを着ているけど、足元はサンダルだ。

そんなラフな感じでいいんだな。







途中、アラコナムの町の中でバスを止め、時計屋さんに入っていくパパ。


すると、綺麗にプレゼント包装された大きな箱を持って戻ってきた。


どうやら結婚のプレゼントを買ってきたみたい。



「フミ、ホラ見てごらん、時計を買っただろ。インドではプレゼントに必ず時計を買うんだ。」



「そうなんだ。それって結婚式のプレゼントの定番なの?」



「いや、どんなシチュエーションでもインドでは時計をプレゼントするのが普通なんだ。なぜかね。理由はないけどみんな時計をプレゼントする。でも誰もちゃんと時間を守らない。おかしなもんだよ。ひゃっひゃっひゃ。」



それやったら結婚式の後、家中時計まみれになりそうやな……………















途中でチャイ休憩をはさみつつ、バスはブンブン走っていく。


走りながら外を見ると、いたるところでチカチカとイルミネーションみたいな電飾が光っている建物がある。


どの建物にも人がたくさん集まっていて、ウェルカムという看板も出ている。


さっきからめっちゃたくさんあるけど、何の建物だ?と思っていたら、



どうやらあれら、すべて結婚式みたい。



今日はインドの大安吉日的な日みたいで、もうあっちこっちで結婚式をやっていた。


郊外にある安モーテルみたいな電飾がチカチカしている。


すごい数だな。


同じ日が結婚記念日って人たちがすごくたくさんいるんだろうなぁ。























1時間半で着くって言ってたけど3時間経ってようやく到着。


すでに20時。

今から式に参加して、えーっと、帰り何時になるんだろう………




バスが建物の前にやってくると、もうそこはとんでもない混雑だった。


さっきのモーテルみたいな電飾が光る建物の周りに、ものすごい数の人が溢れていて、爆音で音楽が流れており、さらに新郎新婦が道路に止めた車の上に乗って相撲の優勝パレードみたいにゲストに向かって手を振っている。


おかげで道が半分くらいに狭められているので大混雑を引き起こしており、そこに俺たちのスクールバスが突っ込んでいったもんだから完全に糞詰まりになり、さらにバイクとトゥクトゥクがあらゆる隙間に入り込んでガッチリと身動きが取れなくなり、鼓膜破れるくらいのクラクションの嵐になってるその横で新郎新婦が笑顔で手を振ってるというただの地獄絵図。



なにこれ?なんのイベント?怖い。




全員がなんも考えんで我先にと突っ込んでいくのでそりゃこうなるわ。


式の家族が外に出てきてなんとか誘導しようとしてるけど、こうなることハナから目に見えてるんだからもうちょっとなんか対策とっとけばいいのに…………



結局、新郎新婦が車から降りて移動してなんとか糞詰まりが流れた。




そっからはもうてんやわんや。





















ものすごい数の人混みで押し合いへし合いになりながら建物に入ると、生バンドが爆音でインド音楽を演奏しており耳元で大声で叫ばないと会話できないくらいうるさい!!


すげぇ混雑!!!


建物内は2階建てのパーティーホールみたいな感じで、中は吹き抜けの広間になっていて、ステージもあって、ミニ体育館みたいな感じ!!!


椅子がたくさん並べられて、人々が座っている!!!






そして人の流れに乗ってステージに上がる列に並んだんだけど、まぁ押し合いへし合いが半端ない!!!!









花で飾り付けられたステージ上には新郎新婦がいて、みんな新郎新婦と記念写真を撮ったりプレゼントを渡すために列に並んでいるんだけど、


これ見てください。





わかりますか?



ステージの両サイド、どっちからも人が上がろうとしてるんですよ。ギッチギチにくっつきながら。


ちなみにこの写真のときはかなり空いてる状態です。



この階段めっちゃ細いんですよ。

細い階段に何人も押しかけているからぐっちゃぐちゃです。



おかげでステージから降りる人ための通路がないので、みんなこの階段上でラグビーのタックルを繰り広げていて、その度にステージから転落しそうになっててマジで危ない。



普通どっちかを入り口にしてどっちかを出口にしませんか…………?

そしたらものすごくスムーズにいくと思うんですけど…………



一事が万事これだよなぁ…………




「カデルー!!すっごい人だね!!500人くらいいるんじゃない!?」



「そうだよー!!でもこれは中流クラスの結婚式だよ!!もっとデカい結婚式なんかいくらでもあるよ!!」



インド人は結婚式にウルトラ金をかけて盛大にやるとは聞いていたけど、こりゃ確かにすごい盛り上がりだわ!!

っていうか無秩序にもほどがある!!!













ちなみに後から聞いた話では、この結婚式、1500人ゲストが来たらしい。

普通レベルでこれなんだそう。


すげすぎるやろ……………












インド人たちに揉みくちゃにされて息がつまりそうになりながらなんとか新郎新婦までたどり着き、大慌てでセルバムチームで記念写真撮影。


爆音の中、どうぞご飯食べて行ってくださいね!!と新婦さんが言ってくださったのを、ジェスチャーと口の動きでギリ判断し、おめでとうございますを言う暇もなくあっという間にステージから飛び降りた。


慌ただしすぎる!!!



そして人をかきわけて端っこにある階段のところに行ってフゥとひと息ついたと思ったら足にカコンと何か当たったので見てみると、ズボンとブーツに白いドロドロした液体がべったりとかかっている……………


気づくと足元は食事の食べカスや容器が散乱していてゴミまみれ。


この白いのはインドのスウィーツで、バニラアイスを溶かしたような甘い甘い食べ物だった。


それがそこらじゅうに捨てられて放置してある。









なにこの終わってるトラップ?


そんな甘いベトベトしたもんがズボンとブーツに思いっきりかかって、しかもブーツの中にまで流れ込んできて靴下にも染みてきている。





ふーん。

















帰っていいですか?










なんで結婚式場の床がゴミまみれなの?



なんでちゃんとゴミ箱に捨てないの?



インド人なんでゴミを散らかしたいの?



これ結婚式やん?めでたい席やん?綺麗にしようよ?

それともゴミまみれにするのが礼儀的なんかそんなのあるの?




あまりのショッキングな出来事に全ての機能が停止してボーッと足の汚れを見ていると、カンちゃんがすぐにウェットティッシュを出して拭いてくれた。


カンちゃんありがとう。

でもこの階段の真ん中にスウィーツを放置していったボケだけはマジでぶっ殺す!!!!









めっちゃテンション下がりながら1階に降りると、そこは食事スペースになっており、とんでもない数の人が一斉にご飯を食べていた。













参列者が長テーブルに並んで座り、いつものバナナの葉のお皿にスタッフが料理を盛って回っている。


大きなバケツみたいな容器を持った数人のスタッフが、隊列を組んで1人1人のお皿にズバアアアア!!っとカレーやサンバルを流れ作業で入れていく様子は結構アレです、餌あげてるみたい。






みんなもちろんめっちゃ手。









ぐっちゃぐちゃ。

すげぇなぁ…………










なんとか席につくことができて、やっとゆっくり食事できると思ったら、俺の横に座ってた知らんオッさんがずっと俺のことを凝視してくる。


真横で首こっちに向けて凝視。



そしてカデルと話してるときに俺がイエスとかノーとか言うと、横でずっと小声で、イエェェス、ノオォォ、とか言ってる。



あぁ、面倒くさい系の人の横に座っちゃったなぁ…………





















俺の横、面倒くさい系のおじさん。







このオッさん、ひたすら俺の世話をしてこようとする。


最初にバナナの葉が配られたときに、水をパッパッと垂らして手で軽くなで、葉を清めるという作法があるんだけど、俺がそれを知らないと思って勝手に水をかけようとしてくる。


ちょ!!やめて!!

知らんオッさんの手でお皿をなでないで!!



その様子を特に気にしていないカデル。

まぁ世話焼きな人はどこにでもいるし、そんなもんなんかなぁ。



ご飯は美味しい。














今度は俺がカレーを食べていて、サンバルが減ってくると、いきなりスタッフに声をかけてここにサンバルを入れてやるんだと指示をするオッさん。



おい、なんで俺が食べるものをお前に勝手に決められんといかんとか?


違うポテトのやつを食べたいと思ってたかもしれんじゃねぇか?




ちょっともう鬱陶しいわーこのオッさんーと思いながらカデルに言うと、あぁタミルの人はお世話焼きが多いからね、親切にしたいだけなんだよと笑ってる。


まぁまぁ、日本でも酒がなくなったらこの人のお酒注いであげてー!とかそういうノリあるもんな。





そうそう、これがタミル人のキャラクターっていうことなんだろうな。うん。


決して悪意があってやってるわけじゃなくて、ただ人との距離感がめっちゃ近くて空気があまり読めないってだけのことだよね。


そうそう彼は悪くないよ。



俺が気にしすぎなんだよな!!

ごめんねおじちゃん!!






するとご飯を全部食べ終わったオッさんがおもむろに俺の皿に手を伸ばして最後にとっておいたスウィーツを鷲掴みにして半分くらいとって食べ、立ち上がって去っていった。




うんうん、そうだよね、自分のを食べ終わってから足りなかったらちょっと隣の人から分けてもらうっていうのもタミルの文化なんだよね。


助け合いの心っていうか譲り合いの心っていうかさ、人類みな兄弟なんだから人のご飯を勝手に食べたってもちろん何にも問題はないよね!!インドの素晴らしいカルチャー!!




「ええ!?今のおじさん、フミのお皿のスウィーツを食べたのかい!?クレイジーだ!!嘘だろ!?」




めっちゃビビってるカデル。



いや、知ってますよ。

知らん人の皿のご飯勝手に食べたらダメなの世界共通だと思います。




もうー…………

せっかくスウィーツ楽しみにとってたのにー……………


半分くらい残ってるけどオッさんがご飯食べてたニチョニチョの手で触られたもんなんか食べられるわけないやん……………















とりあえず色々戸惑うことだらけだけど味はとても美味しくて、お腹いっぱい食べさせてもらって食堂部屋を出た。


さぁ、次はなにをするのかなー。



と思ったらゾロゾロと外に出て行くセルバムチーム。



え?あれ?


どこ行くの?







まさかの終了。

新郎新婦と写真撮って飯食ってめっちゃバタバタして嵐のように終了。


それで終わり。


滞在1時間。



あ、あっさりいいいい……………



新郎新婦の挨拶とか思い出を振り返ったりとかそういうの一切なしで、全部流れ作業でさようなら。


新郎新婦と過ごす時間ほぼなし。



そりゃ1500人も来るわ……………

そりゃ知らん人めっちゃおっても気にせんわ……………




手土産はココナッツ。











いやー、でも新しい経験できた。


これがインドの結婚式であって、俺たちの結婚式と違うから劣ってる、なんてことは当たり前だけど1ミリもない。


むしろ仏教と神道の国なのに結婚式の時だけキリスト教の神様に誓いを立ててる日本人のほうが、インドの人からしたら滑稽に見えるかも。



日本人は基本恋愛結婚だし、離婚もたくさんするし、再婚もたくさんするし、独身で生涯を終える選択をする人もいるし、


インド人からしたらそれこそ理解できないことのオンパレードのはず。



そう考えるとどっちが幸せかなんて決められることじゃないよな。





あー、それにしても、







慌ただしかった!!!!!








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