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気合いの19時間トランジット


こんにちは!神田です。



私、飛行機では窓際希望です。

通路側の方が人気なので、意外と希望が通ることが多いです。




で、10時間くらいまでのフライトであれば絶対にトイレに行きません。

どれだけ飲み物飲みまくっても、行きません。




かれこれ10数年くらい、このルール守ってます。




おわり










2017年11月14日(火曜日)
【アラブ首長国連邦】 ドバイ





飛行機に乗り込んで自分たちの席にたどり着くと、知らんデカいオッさんが動かざること鼻ひげの如しって感じで俺たちのシートに鎮座している。






えーっと…………






チケットを見る。





俺たちの席はAとB。


3列シートの窓際と真ん中。




でも窓際にはしずかなることケバブの如しって感じの鼻ひげオッさんが座っている。






ふーん。









ていうかなんでなの?


なんでそんなことするの?



搭乗時間が終わって飛行機が動き出したときに、もし誰もいなかったんだとしたら窓際に移動してもいいだろうけど、まだそこに誰か来るかもしれないのになんで座れるの?


なんでチケットに自分の席書かれてるのに守れないの?鼻ひげなの?ケバブ食べすぎなの?紅茶飲みすぎなの?




でもトルコ人は好き。







まぁ俺は別に通路側でもいいのでオッさんの自分勝手もほったらかしといていいんだけど、カンちゃんが嫌みたい。



もしオッさんがオシッコに行きたくなったら立ち上がって動いてあげないといけない。どんなに眠かったとしても。


オッさんがオシッコから帰ってきた時もまた立たないといけない。


じゃあ俺たちが窓際に座ってオシッコ行かないのか?っていったら、そりゃ行くかもしれない。


でもそれは窓際をたまたまゲットできた俺たちの権利だ。



すんません、そこ僕たちの席ですよって言ったらオッさんはわざとらしく自分のチケットを見て、おー、すまんすまんって感じで通路側に動いてくれた。


トルコ人、まだ理解がある。


これがインドだったら、は?予約席?何ほざいてるの?それどこの惑星のルール?ていうかサモサ食べる?美味しいよ?って言われるんだろうなぁ……………











とりあえずカンちゃんが窓際、俺が真ん中に座ることができたんだけど、オッさんの体がデカすぎて侵略することキョフテの如しって感じでめっちゃ俺のシートスペースに入り込んでくる。



ちょっとー………………

やめてよー………………



肘置きにめっちゃ腕を乗っけて眠り始めたので、オッさんの腕が俺の腕に当たってくる。



わかった。



肘置きはもう仕方ない。


肘置きは捨てた。



こうなったらこの肘置きを最終防衛線として死守するしかない。


見るとオッさんの脇腹が肘置きに食い込んで寝苦しそうにしている。


体勢が決まらずにもぞもぞ動いている。



しかしそんなこと知ったことではない。


これ以上入ってこられたらたまったもんじゃない。



絶対これ以上は入らせないぞ!!!!


西部戦線異状なし!!!








そして2秒で肘置きを上げてドッコイセと思いっきり入ってくるオッさん。


さらに足も俺のところに入ってきて、めっちゃ太ももくっつけてくる。





ねぇ…………そこって僕の足置きスペースだと思うんですけど…………





まぁ体めっちゃ大きいオッさんだもんな…………


足もつっかえてキツそうだし可哀想だもんな、って思うかコンチクショウ!!!


オッさん足伸ばせるビジネスクラス乗っとけよ!!!!!




思うんですけど、僕55キロです。

そんで追加料金で15キロ分の荷物代を払ってます。


オッさん100キロくらいあります。


そんで僕のシート、侵略されてます。



体重と荷物の総重量でチケット代決めてほしいです……………














そんなおじさんの圧に耐え続けること4時間半ほど。


飛行機は無事着陸して、俺も無事オッさんの圧から解放される。



ここはドバイ。

アラブ首長国連邦。







イミグレーションカウンターに行くと、頭に白い布を乗せて白いワンピースを着た石油王のおじさんたちが和気あいあいとパスポートチェックをしている。


これがまぁとんでもなく遅い。


隣のカウンターの人たちとみんなでお喋りして笑いながらパスポートチェックをしているんだけど、話が盛り上がってきたら仕事の手を止めてそっちに集中。



あれすげぇよな!!


だよなぁー!!


あはははー!!



そんで話がひと段落したらいきなり真顔になって早くパスポート出したら?って感じで超冷たく並んでる人に言っている。



石油王としての心の余裕ハンパない。



小さなことには動じない。

世界は彼らを中心に回ってる。




こんな夜中なのにめっちゃ長蛇の列ができていて、欧米人なんかは何してるのよ!!って感じで顔をしかめて前をのぞいている。


石油王たちはペチャクチャお喋りしながらゆっくりゆっくりパスポートチェック。



みんなさすがに眠くて疲れて、イライラしてるのが伝わってくる。



俺も眠いわ……………


全然寝てねぇ……………









そんな石油王たちにようやくスタンプをもらったら荷物クレーンへ。


ドバイはただのトランジットなんだけど、乗り継ぎの航空会社が違うので一旦ここで荷物を受け取らないといけない。

ということは入国しないといけない。



うーん、そろそろパスポートのページがなくなってきたなぁ。


インドネシアあたりで増刷しないとな。














さて、ここからまた19時間耐久トランジット待ちの開始ですね。


19時間て………………


長すぎるやろ………………




でもわざわざ外に観光に出かける気にもならないし、ドバイ空港は無料ワイファイがガンガン飛んでいる。

トイレ前にはちゃんと給水器も設置してある。


こりゃ過ごしやすい。










よーし、それじゃあ思いっきりネット作業を決め込むためにも19時間過ごす快適スペースを確保しようかなぁ!!と空港内を歩き回ってみる。




が、なんかめっちゃ狭い。




端から端まで100メートルくらいしかない。


売店がひとつとカフェ、それとインド料理屋さんがあるだけ。



あぁ、ここってあれか、到着ゲートか。



そうだよね、出発ゲートに行かないとゆっくりできる場所なんかないか。











というわけで疲れた体で重い荷物を担ぎ、トレーラーに乗っけて近くの出発ゲートに向かった。


外に出るとまったりとした夜風が肌にまとわりついた。



うわ、空気が変わったぞ。



あの乾燥したヨーロッパの空気から、一気に中東の生暖かい湿気を含んだ夜風に変わった。


なんて怪しくて、艶かしい風なんだ。




すると、タクシードライバーが俺たちを見つけてププー!!っとクラクションを鳴らした。


うわぁ、もうここは客引きでクラクションを鳴らすエリアか。


客引きなんてあまりに懐かしくて、不覚にも少し興奮してしまった。


いつもはあんなに鬱陶しくてイライラするものなのに。





めっちゃ変わった。

なんもかんもヨーロッパとは違う。


文化が変わるってこんなにもエキゾチックなことなんだということを思い出して嬉しかった。















歩いてターミナル2にたどり着いた。


今夜俺たちが乗るフライドバイの飛行機はここから出るので、このままターミナル2で過ごすことができたら完璧だ。



が、しかし、ターミナルがウルトラ狭い。


なんかどっかの孤島の飛行場みたいな感じ。




え?どういうこと?


ここってあのスーパーラグジュアリーカントリーのドバイだよな?


なんでこんなに質素なの?


カフェが2軒あるだけで、ご飯食べるところなんてどこにもないし、落ち着けそうなスペースもない。





すぐにネットで調べてみた。


すると忘れていた驚愕の事実発覚。






ドバイ空港は世界に名だたる超ラグジュアリー空港。

一流の施設が整備されたスーパー快適空間。


が、それはターミナル1とターミナル3のみの話。



俺たちがいるのはLCC専用のターミナル2。


つまり貧乏人が集まるターミナル。


LCCに乗るような貧乏人にはこれくらいで充分だろ?っていうことらしい。





さらにこのターミナル2は、空港を挟んでターミナル1と3の真裏に位置しており、なんと驚くべきことにシャトルバスなどの交通手段がない。


ターミナル1とかのラグジュアリー施設に行こうと思ったら自分たちでタクシーに乗るしかないという姥捨山状態。


しかも空港タクシーは一般タクシーよりも値段が高いという理不尽さ。



まるで孤島に置き去りにされて見捨てられた漂流者のような扱い。





19時間この孤島で過ごすのか……………


それとも往復2000円くらい払って向こうに行って快適に過ごしてまた戻ってくるのか…………?







ぐううううう……………


やっぱりドバイは貧富の差が激しい……………





そしてトイレびしょ濡れ………………





イスラムの人たち水でお尻洗うのはいいけど、次の人どうやってこのびしょ濡れ便座に座るんだろう……………?

どこにも紙なんかないし…………


謎だわ………………




ちなみに僕は便座を上げて便器の上に和式の要領で座ってしてます。















おとなしく到着ターミナルに戻ってタンドリーチキンでも食べますか。





もうちょっとしたらインドで拷問くらいカレーのみの生活が待ってるというのになんで今インド料理食べてるの?

バカなの?



でもめっちゃ美味しいですけど。


インド料理やっぱ美味い。


チキンとオニギリとかなにその贅沢な組み合わせ?




ちなみにこのタンドリーチキンはコーラとセットで29ディルハム。880円。


イスタンブール空港を脱出したのでやっとまともなご飯が食べられる!!!


オニギリだけじゃ我慢できない!!!














さて、2000円を節約して孤島であるターミナル2側で過ごすことにしたんだけど、こっちのほうが正解だったかも。


メインのターミナルである1と3だったらもっともっと人通りが多くてゆっくりくつろげないはず。


それが孤島のターミナル2なら人も少ないし、貧乏人ばっかりなのでなんか勝手な連帯感もある。



というわけでおやすみなさいませ。






マジもう限界くらい疲れた…………

眠い………………


















アザーンらしき声で目をさますと、目の前のベンチ横で老夫婦がお祈りをしていた。


お爺さんのほうが低い渋い声でアッラーホエックペル………と唱えながらお婆さんとこうべを垂れている。


寝転がりながらその不思議な光景をぼんやり眺める。



時計を見ると1時間くらい眠っていたみたい。
少し頭がスッキリしている。





俺たちもベンチに座り、またぼんやりしながら日記を書いたりネット作業をした。


ワイファイが早い。


充電もそこらじゅうにコンセントがあるから問題なし。




するとそこに1人のおじさんが声をかけてきた。


おじさんはあまり教養のある感じでなく、英語が喋れないみたいだった。

おそらくドバイに出稼ぎにきている中央アジア系の人だろう。



このドバイ空港でも、掃除スタッフとか荷物運びのような下働きは黒人やアジア系の出稼ぎ労働者がやっている。


選ばれし者たちであるドバイの石油王たちはそんな下々の仕事はしない。



この安い飛行機が出ているターミナル2には、国に帰ったり新しくやってる出稼ぎ労働者が溢れていた。




英語の喋れないおじさんは、ジェスチャーで何かを伝えてくる。


手にケータイを持って、何かを入れるようなジェスチャー。



あぁ、充電か。


もちろんいいですよと俺の充電ケーブルを渡した。


笑顔のおじさん。



でもケーブルが入らない。


よく見たらおじさんのケータイはアイフォンではなく、ギャラクシーだった。



残念そうなおじさん。でもそれはどうしようもない。








すると、しばらくしてまたおじさんが話しかけてきた。


なに?今度はなに?


どうしたの?と聞くと、目の前にある自販機で飲み物を買いたいけど、買い方がわからないという。



ちょ、子供じゃないんだから…………



その自販機は空港とかによくある前面が透明のガラス張りで中が見えるようになってるやつで、商品の番号を入力すると機械がUFOキャッチャーみたいに動いてウィーン、ガシャンと下に落としてくれるやつ。


確かに普通の自販機とはちょっと違うけど、商品の横に番号が書いてるし、パネルもあるしだいたいわかるやろ…………






こうしたおじさんみたいな人が、ドバイにはたくさん働きにきている。


学歴もないだろうし、自販機の買い方もわからないくらい辺鄙な国から来てるのかもしれない。


そんなこのおじさんは、きっとめちゃくちゃラッキーなほうなんだろうな。

何倍もの確率でドバイ行きを勝ち取り、いい給料を国に送ることができる。






久しぶりのこの民族が入り混じった感じにかなり違和感がある。


オーストリアはほぼ単一民族。

トルコ人とか中国人は混ざっているけど、大多数はゲルマン民族だ。


それがこのドバイでは本当のドバイ人のほうがマイノリティで、あとは世界中からの寄せ集め。


なにが本当の顔なのか見えてこない。


前回のドバイでも感じたことだけど、この国では腰が落ち着かないな。




















心頭滅却して時間を過ごすこと17時間。













あと6時間でインドに行くというのにまたインドカレーを食べ、カッピカピに乾いて哀れなことになってるカンちゃん特製おにぎりを少し食べる。



24個とかヨユーで作りすぎ。






そしてようやくチェックインの時間に。





カウンターに向かうと、ここから先はトロリーはダメなので手で荷物を運んできてください、と書いてある。


そういうことならばと荷物を担いで列に並ぶと、普通にめっちゃトロリーを押してカウンターに来ているアラブの石油王たち。



彼らにルールなんて通用しませんね。

彼ら自身が世界のルールって感じ。



そんな白い服を着たおじさんたちが、大きな鼻をくっつけ合う独特な挨拶をしている。



なんで鼻くっつけるの…………?


異文化すぎて怖い……………





そして石油王たちの預け荷物、めっちゃなんか獰猛そうな鳥たち。






鳥預ける人たち初めて見た………………


怖い……………





お土産物屋さんにあった置物。





手前は首がふらふら動く張り子の虎みたいなやつ。


奥は塩コショウ入れ。



怖い。










そんな石油王たちがのんびりゆっくりとカウンターを占領しているのでまったく列が先に進まない。


空港職員たちもめっちゃチンタラ。



マジでチンタラ。



お喋りしながらのーーーーんびりやってる。



列に並んでる欧米人たちが顔をしかめている。



はぁ、オーストリアの人たちがいかに真面目で仕事テキパキやる人たちなのかがよくわかるわ…………




そしてなんか態度も横柄なんだよなぁ。


石油王たちじゃなく、出稼ぎに来ているであろうアジア系の外国人ですらめっちゃ横柄に接してくる。


なんかこっちを見下してる感すらある。


ベルトコンベヤーに置かれた預け荷物を足で蹴って転がしてる女性職員。

その荷物の持ち主の目の前で。


信じられねぇ。



あー、オーストリアの人たち丁寧だったなぁ。













搭乗ゲートにはもはやインド人しかいなかった。



ていうかもうおデコに赤い点つけてしまってるやん…………



ゲートが開いたら、物凄い勢いで一斉にカウンターに押し寄せて我先にと飛行機に乗り込もうとしている。


そんな焦らんでも乗れるやん……………



ああ、インドだなぁ…………






飛行機に乗り込んでも、目の前のオッさんがガコン!!ってシートを倒してきたり、一気に会話の声が相当デカくなったりして、正直、人種がめっちゃガサツになった。


疲れもあいまって、うんざりしてるカンちゃん。



ふぅ…………覚悟決めないと。


こっからしばらくはこの自分勝手王国インドだ。



あー!!!

ついにインドーーーー!!!!



怖えよおおおおおおお!!!!!


でもちょっとワクワクするよおおおおおおおおおお!!!!!!










どうも!!金丸文武です!!

日本はもうすっかり寒くなってきてると思いますがみなさん体調を崩したりしていませんでしょうか。

僕らはリアルタイムはインドに滞在しておりますが、いまのところ下痢にもならずに元気にやっております!!

奇跡!!!



長かったヨーロッパが終わり、これからアジアに向けて進んでいき、日本へのラストスパートをかけていきます。

それにともなって、これまでずっとランキングのポイントを海外旅行カテゴリーに振り分けていたのを世界一周カテゴリー1本に戻したいと思います。


みなさん、いつもランキングのクリック本当に本当にありがとうございます!!!

残りもう少し!!旅もブログもランキングも全力でいきます!!!


最後までお付き合いいただければ幸いです!!






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

名古屋のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


やばとんの味噌カツ食べたいです!!
やばとんー!!!


どうもありがとうございます!!



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