こんにちは!神田です。
最近会う知り合い会う知り合いに、あ。この前鼻からゲロ・・・。みたいなこと言われます。
いや、鼻からゲロってフミくん書いてましたけども、口から吐くように鼻からぶーーーー!!とか出てませんからね。
逆にそれできたら特技にできる。
おわり
2017年10月31日(火曜日)
【オーストリア】 クラインザンクトパウル ~ レオーベン
寒……………
めっちゃ寒いやん……………
ていうかこんなんで寒いとか言ってたら前回寝袋1個で野宿してた時、どんだけ体の機能イカれてたんだろうって思うわ……………
マイナス15℃の雪の中で寝袋にくるまってベンチの上で寝てたよなぁ。
工事現場の中とか、廃墟の中とか。
泥まみれで指が切れそうになりながらびしょ濡れのテントをたたんだりしてたなぁ。
今日はマイナス5℃!!フォウ!!超あったかい!!マジラッキー!!とか言ってたなぁ…………
泣ける…………
それに比べて今は雨風しのげる車の中だし、野犬は来ないし、ホームレスが枕元に立って30分くらい微動だにせず見下ろしてきてオシッコちびりそうになりながら寝たふり決め込むとかそんなこともないし、めっちゃヨユー。
それで寒い寒い言ってるんだから、人間は環境で適応能力も変化するってことだ。
神田さんは寒くなると毛布の民に変身します。
うひー、さみさみ。
「うわああああああ!!!!レソトの滝見たかったなああああああああ!!!!」
「この毛布、サイズちょうどいいわぁ。レソトの人あっかいの着とるわぁ。」
真っ青な空に、雪山が夢の中の光景のようにくっきりと線を引いている。
教会の塔が寂しげに佇み、その周りに小さな村が広がっている。
そんな静かな村をいくつも走り過ぎていくと、あちこちにお城の姿が見える。
岩山の上にそびえるドラキュラ城みたいなお城。
もはや崩れて原型もなくなり、木々に侵食されて山と同化し始めているお城。
それらを見上げていると、不思議な気持ちになってくる。
日本にも、地方ごとにいくつものお城があって、朽ちた古城が山の上に取り残されていたりする。
こんなに海を隔てた遠い国なのに、世界中どこも人間の作り上げるものはだいたい同じようなもんだ。
もののあはれも、わびさびも、きっと日本人特有のものではなくて、世界中の人の心動かされる感情なんじゃないかな。
枯れ木に覆われたお城の廃墟が、時の中でうずくまっていた。
うひー、さみぃさみぃ。
変なおじさんでお水補充。
水も凍ってる。
2時間ほど車を走らせてレオーベンの町にやってきた。
今回のオーストリアですでに2回も外してしまっている縁のないレオーベン。
1回目は子供マラソン大会、2回目はなんかめっちゃデカいフェスティバルをやってて全然路上できなかった。
3度目の正直。
これでもしハロウィンイベントで町中がゾンビまみれになってたら、もう開き直って俺もゾンビの格好してイマジン歌ってやる。
意外と超稼げるかもしらん。
いやー、ていうか日本じゃ今ごろハロウィンでとんでもないことになってるんだろうなぁ…………
ノリノリでみんな大騒ぎしまくってるんだろうなぁ。
ちょっと思うけど、日本でコスプレってオタク文化じゃないですか。
コスプレしてたら、うわーオタクー、ってちょっと白い目で見られる系のやつですよね。
でも渋谷に代表されるようなハロウィンエリアには普段コスプレイヤーを白い目で見てるイケイケのパリピたちがコスプレして行くわけですよね。
オタクの人たちは行かないようなイメージ。
普段からコスプレしてる本気の気合い入ったオタクの人たちは、はっ!!我々と一緒にしないでくれるかな!!って感じなのかな。
ちなみに気になって調べてみたら、仮装とコスプレの違いは、扮装するキャラに対する愛情があるかどうからしいです。
ほとんどのハロウィン仮装の人たちはキャラへの愛情なんかなくて目立てばいいって感じでしょうね。
オタクの人たちからしたら面白くないだろうけど、まぁ楽しかったらそれでいいと思います。
パーティー大好き外国人さんたちにも渋谷ハロウィンは浸透してきてるみたいだし、もしかしたらどんどん人気が出て、スペインのトマティーナとかニューヨークのニューイヤーみたいな世界中から人が集まるイベントになるかもしれないですしね。
経済効果ハンパない。
まぁ関係ない通勤の人とかにはめっちゃ迷惑だろうけど。
ゴミ散らかすのもやめないだろうし。
「カンちゃんはコスプレするなら何する?キューピーマヨネーズ?」
「マヨネーズには愛情あります!!」
というわけでレオーベンの町中にやってくるとキューピーマヨネーズの格好してる人なんか1ミリもいませんね。
カトリックの本場のヨーロッパではこんなもんです。
せいぜい雑貨屋さんにちょびっとだけ安い仮装グッズが売ってるくらい。
ハロウィンとはもともとは古代ケルト人が信仰していたドルイドという宗教から由来している。
ドルイドでは10月31日が1年の終わりと考えられており、この時に霊界との門が開いて悪い妖精がやってくるので、魔除けとして仮装をしたり、かがり火を焚いたりする風習があったとのこと。
もともとケルト人の土地であったアイルランドでは今も純粋なハロウィンの行事が残ってるみたい。
それがやがてアメリカに渡り、霊が帰ってくる日なのであの世に連れて行かれないようにお化けの格好をして気づかれないようにするっていう子供向けの風習が始まり、それから日本に渡って今に至る。
つまりハロウィンはキリスト教のお祭りではない。
むしろ一部のキリスト教派ではハロウィンを祝うことは禁止されてるそう。
だからカトリックのヨーロッパではこんなに静かだ。
なんでもありジャーン!!楽しけりゃいいジャーン!!っていうアメリカなんかとは違い、ヨーロッパ人は真面目だ。
ややこしいのは、カトリックでは11月1日は諸聖人の日という祝日になっていて、ハロウィンとはまったく別物の行事が行われていること。
この諸聖人の日は日本のお盆のようなもので、先祖が帰ってくる日。
なので人々は教会に行き、お墓参りをし、里帰りして家族と穏やかに過ごす。
ヨーロッパではそんな日。
ハロウィンは諸聖人の日のイブという意味だとどっかで読んだことがあるけど、実際はまったく別の宗教だ。
ケルト文化を衰退させるためにカトリックがわざと諸聖人の日を同じ日に設定したなんて話もある。
宗教や民族が入り乱れるヨーロッパでは、元をたどっていくのがすごく興味深い。
まぁ、というわけでこのオーストリアでカンちゃんがキューピーマヨネーズの格好してたらただの変人ってことですね。
いや、逆にめっちゃウケるかな。
というわけでとうとうレオーベンでのリベンジ路上スタート!!!
うおらぁ!!めっちゃ反応いいぞコンチキショウ!!!
めっちゃたくさんの人が足を止めてくれてポンポンコインが入っていく!!!
5ユーロ札も多い!!
レオーベンの市街地はすごく広いガラーンとした中央広場から何本かのホコ天が伸びる形なんだけど、おかげで人が分散される。
かろうじて北の角にショッピングモールがあるので、その入り口付近が路上ポイントになるんだけど、周りに建物がないことで音の響きはゼロ。
いつもと具合が違うのでいい感じの声を探していかないといけない。
でも町の人の反応はバッチリ!!!
これまで2回外してきた分、思いっきりやらせていただきます!!
最初のひと回しは太陽の光が当たって暖かかったんだけど、影になった瞬間グッと気温が下がった。
コートを着込んで歌っていく。
サマータイムが終わって日が沈むのがめっちゃ早くなり、16時には暗くなり始めてしまう。
そうして17時には街灯がともり、吐く息が白く照らされる。
まだ17時。
この間までは、さぁこっから路上スタートですかね、くらいの感じだったのに、もう気持ち的には家に帰ってコタツ入って鍋つつきながら世界まる見えですよ。
暗くなるとどうしてもそんな気分になるなぁ。
まだまだこれからって時間なのに。
通り過ぎる人たちもみんな足早に家に向かってるように見える。
レオーベンの大きな教会がライトアップされ、薄暮の白い空にぼんやりと浮かびあがる。
透き通る美しさがあり、少し不気味でもある。
うー、寒い。
手がかじかんで指が動きにくい。
そろそろやめようかとカンちゃんに言うと、ニコニコしながら帰ろーって言ってくれた。
もうあの頃みたいに今から眠れる公園のベンチを探さなくていい。
帰る場所と、一緒に帰ってくれる人。
それがこんなに心を満たしてくれるとはなぁ。
今日も寒いだろうけど、暖かくして寝ようね。
リアルキューピー。
さみぃさみぃ。