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リンツの路上は少しガラが悪い


こんにちは!神田です。



最近フミくんがよく、眠ってる私に隣でいろいろ囁いてくれます。



「今日もありがとうー。」とか、「いつも一緒にいられて幸せだよ。」とか。




すごく幸せな気持ちでまた眠りにおちていきます。




おわり









2017年10月25日(水曜日)
【オーストリア】 リンツ ~ ペンドルフ









「ほらー、フミ君そろそろ起きるよー。今日から路上するんでしょー。」



「うぃぃい~~~………今日も休んじゃおうかなぁ~~~、ホラ~~~~、カンちゃんも一緒に布団の中でもぞもぞしようよ~~~~~。」



「うぃっふー!!もぞもぞー!!」



こんな寒い朝は布団の中で昼の13時くらいまでグータラして暖かくなってから動き始めればいいよね!!


そうそう!!文武のふはフヌケのふ!!つって!!


ていうか、ぬがああああああああああああああああ!!!!


いかん!!ダメ人間なる!!!




布団跳ね飛ばして車から飛び出してパジャマ脱ぎ捨てて全裸でラジオ体操第二!!!!


と見せかけて車戻って布団潜り込んでキャンディークラッシュで廃人レッツゴー!!!!









うん、マジでいかん。

そろそろちゃんとしよう。



旅するにこいちとバイバイして池田さんちライブも終わってすっかり気が抜けてしまったけど、オーストリア生活はまだあと3週間。

ここで最後までしっかり稼いでからインドに向かわないと。


のんびりするのもここまでだ。

ちゃんとしよう。












というわけで久しぶりのリンツの町にやってきた。





オーストリア第3の都会で、ちょうど国の真ん中にあるので行きやすい町ではあるんだけど、リンツの町はあんまり路上に向いてないのでずっと足が遠のいていた。


人通りは確かに多いし、綺麗な町ではあるんだけど、幅広のホコ天をトラムがガンガン行き交っていて生音ではやりにくいリンツのメインストリート。


でももうずいぶん来てなかったし、新鮮さが欲しいので久しぶりにリンツの町でまたやってみることにした。





リンツはさすがに都会で、駐車場代が1時間2ユーロもする。260円。

そんなん払ってられないのでだいぶ中心部から離れたところで探していると、1.3キロくらい離れた住宅地にようやく無料エリアを見つけた。


エクササイズエクササイズ。

少しくらい運動しないと体がなまってしまう。


カンちゃんとお喋りしながらテクテク歩き、地下道をくぐったり大きな橋を渡ったり、都会の慌ただしさを感じつつ中心部へ向かった。










やがて大きな塔が立つ広場が見えてきて、いかにもヨーロッパらしい建物が並ぶ市街地になる。

広場から先にのびるショッピングストリートにはたくさんの人が溢れており、その真ん中をトラムが行き交っている。









そうだそうだ、こんな町だったな。

前回来た時はまだ結婚式前で、カンちゃんと歩きながらジュエリー屋さんを覗いては指輪を探してたよなぁ。


もうずいぶんリンツに来てなかった。













というわけで早速路上開始。





トラムがいない間は建物にはね返っていい感じに音が響く。

そうなると人々が足を止めてくれ、軽く人だかりができていく。


よーしよし、この調子で見せ場のサビに入って盛り上げてい、



トラム、ゴオオオオオオ!!

反対車線からもやってきてゴオオオオオオ!!



どんぴしゃサビの部分がなんも聞こえん!!



おかげで見事に人だかりが崩れてしまってまた1からやり直し。



こ、これだよね……………

だからリンツではずっと路上やってなかったんだよね…………






まぁそんなんでもずっと足を止めて聞いてくれる人もいたり、わざわざトラム線路の向こうから渡ってきてチップを入れに来てくれる人もいる。


俺の他にパフォーマーはいないし、お巡りさんも素通り。


まぁノーストレスでのんびりやるかー。







と言いたいところなんだけど、


この町ジプシーの物乞いめっちゃ多い……………


新聞売りから赤ちゃん抱えたお母さん物乞い、小学生くらいの子供物乞い、そんな人たちがそこらじゅうウロウロしながら通行人につきまとっている。


このジプシーのアグレッシブな物乞いがいると町が暗く見えるんだよなぁ。

みんな顔をしかめて、悲しそうな苦しそうな表情で強引にカネカネカネってせびっている。



もちろん俺の前で演奏を聞いてくれてるお客さんにもせびりに行く。



するとずっと聞いててくれてたおばさんが、あっち行きなさい!!と追い払った。

赤ちゃんを抱えたジプシーのお母さんは何か捨てゼリフみたいなのを吐いて歩いて行った。


おばさんは横にいたカンちゃんに話しかける。




「もう本当うんざりだわ!!今日だけで5人以上にお金ちょうだいって言われてるのよ!?全員にあげてたらキリがないわ!!誰だってお金が必要なのに!!この子のお父さんが死んでしまって、なんて言われたって本当かどうかなんてわからないし、だいたいハンガリーから来てるとか言ってるけど、戦争してるわけじゃないんだし国に帰ればいいのに!!まったくもう!!」



プンプン怒ってるおばさん。


そりゃそうだ、仕事もしないでパフォーマンスもしないで、何かティッシュを売るとかいうことをするわけでもなく、ただ腹が減ったから金をくれなんて言われたらいい気分はしないのが普通の感覚だと思う。


それが1人だけならまだしも、町を歩けば1ブロックごとにそんなやつらに絡まれてたらウンザリもする。


子供作ったんなら働けよ、っていうのが一般的な意見。

みんな金を得るために頑張って働いてるんだから。




でも彼らはジプシー。


職業差別があるだろうし、どうしても仕事がなくてこうやって豊かな国に来て物乞いをやってるんだと思う。

物乞いしか選択肢がないのかもしれん。

マフィアとの繋がりもあるというし。


弱い存在である彼らは、彼らなりに必死に生きてるはず。



でもなぁ…………なんか仕事ないのかなぁ。


この社会福祉の整ったヨーロッパで、こうしたジプシーを支援する派遣会社くらいあってもよさそうなのに。





またジプシーの男の子がやってきて俺の前に立った。

でっぷり太ってて、前髪に金のメッシュを入れてる。


そして顔をしかめて、ギターケースの中を指差して1ユーロ1ユーロ、ハングリーなんだって言ってくる。




おい、おのれはジャイアンみたいな体してまだ食うつもりか?



ジャイアンに俺の体を見せた。


俺、細い。

お前、でっぷり。


どっちが腹減ってる?って言って、ジャイアンのまん丸したお腹をなでなでした。


するとちょっと恥ずかしそうな顔をしてやめてよーって感じで笑い出すジャイアン。


うりうりー。お腹なでなで。

やめてよー!!ウキャキャー!!



なんか仲良くなってジャイアンはニコニコして歩いていった。


普通の子供なのになぁ。

普通じゃないんだろうなぁ。

ジプシーという存在も、それを取り巻く社会も。


もっと勉強しないと。





「ウィイィィィ~~~~!!ニイちゃん!!…………いい歌………歌うじゃ………………ねぇか!!!」



「アヒーーー!!!俺のワイン…………ちょうだいちょうだい!!!アヒャヒャヒャーーーーーーーー!!!!どっこいせ。」






目の前に泥酔したオッさんが座ってしまい、めっちゃガラが悪くなって通行人の邪魔になってしまったので、仕方なく今日は1時間半で終了。


やっぱ都会の路上はガラが悪いわ。












車に戻り、エンジンをかける。





夕日の中を走りながら、明日の町はどうだろうっていつも思う。

平和な路上ができるといいなって。



誰もを笑顔にすることができたらすげぇんだけどなぁ。





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