こんにちは!神田です。
シェンゲンがきれているので、私たちは今オーストリアに監禁状態です。
せっかくすぐ近くでオクトーバーフェスがあるっていうのに国境を越えられなくてうずうず。
でもその時期はオーストリアでもいろんな場所でオクトーバーフェスもどきのイベントがあるそうなのでそれに期待!!!
毎日飲んでるけど、フェスで飲むビールは格別♪
おわり
2017年9月10日(日曜日)
【オーストリア】 ザンクトヴォルフガング ~ ヴェルス
亜麻の実って知ってますか?
またの名をフレックスシードって言うそうです。
これです。
カンちゃんが買ってきて喜んでます。
俺はもちろんまったく知らないんだけど、これって最近日本でも流行ってきてるみたい。
健康食品のひとつなんだけど、その効能についてカンちゃんが力説してきます。
★女性ホルモンが増える
★美肌効果
★アンチエイジング
★生理痛の軽減
★子宮癌、心筋梗塞、うつ病、その他いろいろの予防
★ダイエット、内臓脂肪の燃焼に効果
★冷え予防
★便秘予防
★記憶力とか脳の老化を防ぐ
もうこんだけ聞くと、なんでそんなスーパーすごいもんが一般的に出回ってないの?って思います。
俺が知らんだけかな?
日本では輸入が難しいものらしく、それが原因かもしれません。
日本ではチアシードってものがもっと有名で、それと効能は似てるそう。
この亜麻の実。
ドイツでは有名で一般的なものらしく、この200gの袋が89セント、115円です。
これを毎日のご飯に混ぜたり、サラダにまぶしたり、なんなら水と一緒に飲むだけでもいいそうです。
僕は健康食品食べないので興味ないです。
効果あるの?って疑ってしまいます。
でもこの亜麻の実は女性ホルモンを増やすという。
それはもしかして髪の毛が増えるのでは……………
せめて抜け毛のペースが落ちてくれれば……………
まぁもう35歳なんでそんなに気にしてませんけどね。
フェイスブックで同級生とか見ると、すでに完成してしまってる人とかいるような年齢です。
前は25歳までもてばいいなぁ!!って渇望してたけど、気づけば35歳。
よくもちました。
カンちゃんがハゲ嫌いじゃなくて良かったです。
健康食品に興味のあるかたはヨーロッパ旅行の際に亜麻の実、是非試してみてください。
快適な寝床だった脇道のパーキングで目を覚ました。
周りはひたすら森が広がっており、一晩中降り続いている雨せいで鬱蒼とした雰囲気だ。
厚い雲が空を覆い、山々が煙っている。
気温もかなり低く、そろそろコートがないと厳しくなってきたな。
車中泊用の布団も調達しないと。
車の中を整理し、少し走っていくとのどかな田舎道の脇にたくさんのパーキング看板が出てきた。
ここはザンクトヴォルフガングという町。
ヴォルフガング湖のほとりにある小さな町で、バートイシュルからほんの15分くらいだ。
この湖の対岸にはいつも泊まっているキャンプ場があり、向こう側からいつもこっち側を眺めていた。
あー、なんか綺麗そうな町があるなぁと思っていただけで実際来たことはなかったんだけど、昨日ネットでバートイシュル周辺の観光地を調べてみたらすぐにこのザンクトヴォルフガングが出てきた。
なんならバートイシュルよりもみんなこっちに行くような有名なところみたい。
険しい山々の隙間に70を越える美しい湖が散らばり、湖畔にいくつもの小ぢんまりした町が点在するこのザルツカンマーグート地方において、1番有名なのはもちろんハルシュタット。
そして次がこのザンクトヴォルフガング、そしてザンクトギルゲンみたい。
どこも湖岸にひっそりと佇む美しい町で、民家には花々が咲き誇り、伝統衣装の人たちが歩き、オーストリアらしい風景を見るならばこのエリアが1番。
すでにオーストリアの名所はほぼ見尽くしたと思っていたのに、こんな近くにこんな有名なところを見逃していたなんて。
ザンクトヴォルフガングのついででバートイシュルも寄ってみましたー、って普通の観光客はそんな感じ。
あの美しいバートイシュルをそんな扱いにするなんて一体どんなところだ?
楽しみでワクワクしてくる。
ところで、全然関係ないけどヴォルフガング・クラウザーのカイザーウェーブのデカさには戦慄しましたよね。
僕ら世代はヴォルフガングと聞いたらクラウザーを思い出す人多数だと思います。
1日3ユーロ、390円のパーキングに車を止めたら傘をさして町へと向かった。
雨も強くて、空も暗くて、寒くてやってらんない天気だけど、せっかくの日曜日は観光を楽しみたいし、こういう時に新しい路上場所も探していかないと。
町の中は迷路みたいだった。
細い路地がいくつも入り組み、建物がせまって空があまり見えないほど。
その建物の隙間隙間からヴォルフガング湖ののびやかな湖面が見え、すごく綺麗だ。
建物自体もすごく古めかしいし、ベランダには花々が咲き、壁には特徴的なフレスコ画が描かれている。
地元の人たちはおとぎ話みたいな民族衣装を着ており、とても可愛らしい。
これぞオーストリアといった、町自体がひとつの美術品みたいな雰囲気だ。
そんな路地にはこれでもかってくらいお土産物屋さんがひしめいていた。
初めて来たけど相当な観光地だなこりゃ。
たくさんの観光客が歩いており、カフェもレストランもたくさんあるけど、でもケバケバした派手な観光地というよりかは、おだやかな穴場スポットって感じだ。
通好みって雰囲気に嬉しくなってくる。
オーストリアはまだまだ素敵なところがたくさんあるなぁ。
「あらー!!今日はプレイしないの?!」
「え?はい?」
「昨日バートイシュルで見たわよー。素敵な演奏ね!!今日はこの町ではしないの?」
歩いていたらお土産物屋さんのおばちゃんがニコニコしながら話しかけてきた。
昨日バートイシュルで歌ってる時にチップを入れてくれた人のようだった。
早速地元の人に受け入れられてるのは嬉しいことだけども、今日はこの天気。
軒下で根性でやれないこともないだろうけど、日曜日で閉まってるお店もあるし、また今度ゆっくりやりに来よう。
やれそうな場所はたくさんあるし。
そうしてしばらく町の中を散策し、湖を眺めながら湖畔を歩いて車に戻った。
小ぢんまりとした町だけど、文化や風俗がギュッと濃縮された美しい町だ。
ザンクトヴォルフガング、またいいところ見つけたぞ。
それからマックに行き、ティラミスを食べながらコーヒーを飲んでネット作業。
マックの中にマックカフェってのが併設されてるのって日本でも普通なのかな。
本格的なコーヒーを出してくれる、ちょこっと贅沢なブースだ。
いつものマックのカウンターでコーヒーを頼めば1.2ユーロくらい。150円。
でもマックカフェのカウンターで頼むと1.9ユーロとかだ。250円。
ちゃんとそこで豆を挽いて本格的なコーヒーを淹れてくれるという、違いのわかる人たちのためのカウンターだけど、まぁ俺はよくわからんので普通のコーヒーで充分。
このマックカフェにはケーキも売ってるんだけど、たまには食べてみようかとティラミス買ってみたんだけど、これがめっちゃ美味しい。
どうせマックのスウィーツやろ?ってなめてたけど、めっちゃ美味しい。
カンちゃんとびっくりしながら食べた。
値段は2.8ユーロ、370円。
いやぁ、オーストリアのマックは本当オアシスだわー。
最近ではビールも出してるし。
ハンバーガーを分解してナイフとフォークで食べてるツワモノ発見した。
向こうのオッちゃんが宇宙人見るような顔で眺めてた。
夕方に作業を終えて車を走らせ、ヴェルスの町にやってきた。
去年、モグネルメグルのボブ君と一緒に飲んだこの町。
リンツなんかが近くにある中部の都市で、結構大きい町なんだけど、路上は稼げない。
良いホコ天があるのに人々の反応が薄いんだよなぁ。
そして移民が多くて、なんとなく暗い雰囲気もある。
この町ではもう歌わんだろうな思ってたんだけど、そろそろ車の中の食材ストックが底をついてきたのでアジア食品店に行くためにこのヴェルスに戻ってきた。
明日午前中に買い出ししたら、メルクに移動して路上やろうかな。
ヴェルスの寝床といえば駅裏の無料駐車場。
ここ、無料駐車場の上になんと駅のフリーワイファイが飛んでいて寝ながらネットができるというただの快適ホテル。
今日もいつもの場所に車を止めたら、荷物を移動させてベッドを作った。
そしてカンちゃんが作ってくれた美味しいパスタを食べながら、パソコンをネットにつないでユーチューブサーフィン。
いやー、贅沢。
ビールを飲み、千鳥の動画に大笑い。
大笑い…………………
なんとも平和な夜の光景……………………
まだこの時は知る由もない…………………
この数時間後に、この旅でもっとも身の毛のよだつ出来事が起きてしまうことなど………………
「おやすみー。」
「おやすみー。」
ほろ酔いで歯を磨き、パジャマに着替えて横になり、寝袋をかぶる。
最近は寒くなってきたので寝袋だけでは足らず、薄手の毛布もかけている。
プライマークかどっかで買った安物だけど、この毛布がすごく暖かい。
電気を消し、おやすみのキスをし、目を閉じる。
さぁ、明日からまた1週間頑張るぞ。
そして何時間か経った時だった。
なにやら、口元に違和感を感じた。
ムニムニしてる。
あ、まーたカンちゃんが俺の寝顔見ていたずらしてるなぁ。
可愛いなぁ。
いつも2人でお互いの唇をムニムニして、そんで指を甘噛みする遊びをしてるので、トイレに起きたカンちゃんがいつものように俺の唇をムニムニ触ってるのかと思った。
まったくもー。
こんな夜中にー。
と思いながらも、俺も寝ぼけた頭で、というか半分寝たままカンちゃんの指を甘噛みした。
あむあむあむ。
が、それはカンちゃんの指ではなかった。
グミみたいな感触、ヌメッとした舌触り、
あるイメージが頭の中に浮かんで、勢いよく跳ね起きて口元のモノを吐き捨てた。
サーーーッと血の気が引いた。
普通そんなモノのイメージ、車の中にいるのに頭に浮かぶはずもない。
でも思い浮かんだのには理由があった。
あれはゆうべのこと。
いつものように寝ていると、枕元で手を動かした時に何かが当たった。
あれ?なんだ?と思ってそれをつまむと、柔らかいグミみたいな感触がして、ヌメッとした。
一瞬にして頭が爆発しそうなくらいに血が逆流して眠気が吹っ飛び、ドアを開けてその物体を外に投げ捨てた。
そう、それはジャーマニーだった………………
色んなカラーをして、ヒダヒダが体全体についた気持ち悪いことこの上ない巨大ナメクジ。
ドイツ・オーストリアエリアでよく見るので、俺とカンちゃんの中でジャーマニーって勝手に呼んでるやつ。
こいつ。
小指の爪くらいしかないような日本の可愛らしいナメクジじゃない。
成人男性の中指くらいの大きさがある、めちゃくちゃまがまがしいやつ。
そいつがなぜ車の中で寝ている俺の枕元にいたんだ!!
見るのも気持ち悪くて、いつも、ウエエェって避けていたあいつが、スヤスヤ寝ている枕元にいて、それをあろうことか手で直につまんでしまった。
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
俺のただ事じゃない叫び声にカンちゃんも飛び起き、事情を説明して車の中に他にいないかライトをつけて捜索。
しかしそれ以上他にジャーマニーはいなかった。
なんで車の中に?
車の中にジャーマニーがいるなんて恐ろしすぎる!!!!!
とりあえず、外に置いていたサンダルにジャーマニーがくっついており、それに気づかずに俺たちがサンダルを車内に直したことで侵入したんじゃないのか、という推測を立てた。
ていうかそれしか考えられない。
これからマジで車内に入る時にはジャーマニーが靴にくっついていないか確認しようね、ということでまた横になった。
あまりのショッキングな出来事に呆然としてしまい、なかなか眠れなかった。
それがゆうべの出来事。
そして今夜。
もう何が口にいたのか、みなさんお気づきですね………………………
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
今年イチ。
確実に、ダントツに今年イチの絶叫出ました。
人生3本指に入る恐怖体験でました。
この!!!
こいつ!!!!!
このキモさレベル8億のこいつを!!!!!!
甘噛みしました…………………
「キエエエエエエエエエエエ!!!!!!カペッ!!カペペッ!!!!ポピポピ!!!!ウキョウ!!!アヒュウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
「ちょ、ふ、フミ君どうしたの!!?どうしたのフミ君!!!」
パニックを起こして発狂していると、カンちゃんがあまりの事態に飛び起きてきた。
「フミ君!!大丈夫!!何があったの!!!」
「コポ!!コポポッ!!!ケペッ!!!オモオモオモ!!!オエエッ!!!オエッ!!!メエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」
「え?なに?そこに何かいるの!?!?……………きゃあああああああああああ!!!!」
さっき俺が吐き捨てたジャーマニーが車の内壁にへばりついて、ウニョォォォン………と動いていた。
あ、僕死ぬかもしれない。
頭おかしくなって死ぬかもしれない。
あへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへ、
巨大ナメクジ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ噛んだ、
えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、
「ひいいい!!ういいいいい!!!!」
俺が壊れているのでカンちゃんが頑張ってティッシュ越しにジャーマニーを掴んで外に投げ捨てた。
そして水で2億回、口をゆすいだ。
昨日の今日、完全にトラウマ。
別人格作って多重人格になりそう。
なんで!!!
なんでなの!?!?!?!?
なんで車内にジャーマニーがいるんだ!!!!!!!!
しかも2日連続で!!!!
今までこの車で何ヶ月も車中泊してきて、こんなこと1回もなかったのに!!!!
ああああ!!!泣きたい!!!
巨大ナメクジに唇を陵辱された!!!
キモい!!キモすぎる!!!
あのグミみたいな歯触り、ザラザラ、ヌメッとした舌触り、大きさ、
あ、宮崎帰ろう。
「あへあへあへあへあへあへあへあへ、実家に帰ってしんごと遊ぼう。チキン南蛮食べたいなああああああああああああああああああああああああああああ。」
「フミ君ここ!!ここにナメクジの跡がある!!」
頑張ってナメクジの痕跡を探してくれていたカンちゃんが、俺の枕元にある通気口みたいな穴のところにカピカピしたものを発見。
これは確かにナメクジが歩いた跡のてかり。
間違いない。
ジャーマニーはこの通気口から侵入してきていた。
タイヤから登ってきてボディの隙間に入り込み、そしてこの通気口から出てきたんだ。
恐ろしすぎる…………………
カンちゃんがライトで照らしながらすぐにティッシュを詰め込んで通気口を塞いでくれた。
見た感じ、この穴は開けておかないと何かが過熱して故障に繋がる系の穴ではないよう。
とりあえずこれで入ってはこれないはず。
いや、こんな隙間から出てこられるんやったら、車内には穴なんていくらでもある。
「怖いよぉぉ!!!カンちゃん怖い!!!」
「はーいはい、大丈夫ですからねー。穴ふさいだから大丈夫よー。」
「もうナメクジ食うようなサイコとはカンちゃんキスしてくれない!!!」
「そんなことないですからねー。大丈夫ですよー。」
カンちゃんになぐさめてもらったけど、この夜は一切眠れませんでした。
2日経ったけどまだ精神がやられてます。