スポンサーリンク 安定のドイツ、超最高 2017/7/26 2017/07/08~ ドイツ③, ■彼女と世界二周目■ 2017年7月8日(土曜日)【ドイツ】 トリール目が覚めると最高の天気だった。車から出ると木漏れ日が揺れ、緑が輝いている。少し高い坂の上で寝ていたんだけど、木々の間から見下ろすと目の前に小さな川が見える。ほんの細い川で、両岸に民家が並んでいて、子供のころにゲンゴロウを捕まえてたようなどこにでもある田舎の川。でもこれは国境。向こう側はルクセンブルク。俺たちがいるのはドイツ。昔、貧しいドイツの人たちが仕事を求めてルクセンブルクに行こうとこの川を泳いで渡っていたそうなんだけど、国境警備の人たちによってよく撃ち殺されていたそうだ。目の前流れるこんな穏やかな川が、人々をはっきりと分断していたということ。シェンゲンがある今、ルクセンブルクとドイツの間にパスポートチェックはない。でも数十年前までは、ヨーロッパの国々にも当たり前に国境警察官がいて、イミグレーションオフィスが稼働していたんだ。その当時を知る人たちからしたら、現在のようになんのチェックもなしに国を行き来できる今のシステムは相当革命的なことだったんだろうな。川の向こうを自転車でゆっくり走っている人が見える。あの人はルクセンブルク人なのか、それともドイツ人なのかな。さぁ、久しぶりのドイツ!!!!!もうめっちゃ楽しみで楽しみで仕方なかった!!!!!もはやヨーロッパの中でオーストリアと並ぶホームですね。なにこの安心感。半端ないくらい心が落ち着くんですけど。本当ゲルマン人好き。カンちゃんと一時期、ドイツに住む方法とかちょっと調べたくらい。ドイツで唐揚げカンちゃんっていうお弁当屋さんやって激流行ってめっちゃ儲かって、朝はパグ連れてパン買いに行って、夜はパグ連れてバー行ってビール飲んでヤバい超楽しそう!!とかいつもそんな妄想してます。そしてドイツ人英語めっちゃ喋れます。英語大丈夫ですか?って聞くまでもなく、普通に喋ってくれる。イタリアすごかったよなぁ。ハウマッチもわかんないのが普通だったよなぁ。ドイツ人は英語が喋れるだけじゃなく、外国人に対してすごくオープンなので、みんなガンガン話しかけてきてくれてコミュニケーション余裕でとれる。本当みんな外国人に対して垣根がない。ヨーロッパで1番外国旅行に行く国民はダントツでドイツだと思う。アフリカとかドイツ人だらけだったもんな。もちろん英語に甘えずドイツ語勉強したらもっともっと仲良くなれるんだろうけど。いやー、本当滞在することになんの不安も不満もない。とにかく今日は土曜日。昨日金曜日を潰してしまったこともあるので、今日は確実に歌わないといけない。すぐに車を飛ばして国境近くの町にやってきた。あ、そうそう、昨日ルクセンブルクでガソリンを満タンに入れといた。ドイツのガソリンはリッター1.28ユーロ、166円。ルクセンブルクだと1.11ユーロ、144円だ。ミニ国家は税金が低いからガソリン代が安い。そして今回のドイツ1発目にやってきたのはトリールという町。程よい大きさの地方都市だ。うー、久しぶりのドイツの路上どんなことになるのか楽しみだなぁ。ワクワクしながらまずはパーキング場所を探して回ったんだけど、これがなかなか見つからない。イタリア、フランスではそこらじゃうにあったのに、ドイツでは相当町から離れた奥まで行かないと規制のないフリー路駐ポイントが見つからない。そうだよなぁ、これだから前回のヨーロッパでは必ず有料の路面パーキングに停めてたもんなぁ。でもそこはもう俺たちもヨーロッパの運転に慣れてきてますからね、町からそこまで離れない近場で路駐場所を発見。ちゃんと周りに看板がないことを確認するのも忘れずに。ここは2時間まで無料ですよー、時間制限ありますよー、ここはレジデンツ、住民専用ですよー、なんていう看板がないことを確認し、地元の人たちに混じって車を止めた。綺麗な庭園の中を通って町の中心部に行くと、まぁ素敵なホコ天がかなり長くのびていた。真ん中の広場を中心に3本のショッピングストリートがのびており、どこでやってもいいくらいに人通りがある。広場の周りには美しい建物が集まっており、中世の古めかしさと現代のモダンさが融合した、いつものドイツの風景だ。あああ、ミュラーがある、dmがある、懐かしいドイツの風景だー。広場ではなにやら特設ステージが組まれ、テーブルや食べ物の屋台なんかが出ており、イベントが始まりそうだったのでホコ天の奥のほうで早速路上開始。もう、すぐ人だかりできる。すぐ拍手おこる。なんなのドイツ人。みんな笑顔でコイン入れてくれて、少し会話してにこやかに去っていく。反応良すぎ。本当ゲルマン人素敵だわー。こんなに顕著に反応が違うと不思議になる。歌ってる曲は一緒。スタイルもシチュエーションも一緒。でもイタリア人はほとんど路上でチップを入れてくれない。フランス人もそこまでたくさんの反応はない。それがドイツに入った瞬間、ここまで違う。同じヨーロピアンなのに、こんなに趣味嗜好が違うってことなんだろうなぁ。なににお金を使うかってところに国民性が出てくる。こうやってヨーロッパの中をたくさん回って、人と話し、歴史を感じ、路上で国民性を見ていると、少しずつだけどヨーロッパの深さが見えてくる。様々な場所から、様々なルーツを持った人々が侵略と占領を繰り返しながら国土を持ち、入り混じり、長い長い年月をかけて文化を培ってきている。こんな小さな国がたくさん密集していて、どこの国にも大きな違いはないように見えるけども、そこにある微妙な違いの中にこそ、各地域の土壌が育んだ人間性が出ている。シェンゲンがある今、ヨーロッパというひとつの国のように思えてしまうけども、実はそれぞれに深い歴史があって、独立した文化があるんだよなぁ。そういうのが見えてくるとヨーロッパというところがさらに面白くなってくる。まぁ世界中どこでも、ひとつの地域を深く知れば魅力的になっていくんだろうけど。太陽の位置が変わり、日なたになってからも根性で歌った。暑くてたまらなくて頭がクラクラしてくるけど、反応が良いので路上が楽しくてしょうがない。太陽がエグいくらい照らしてきて、でも湿度が低いので汗をほとんどかかないところがヨーロッパだよな。これがインドやアジアならギターまでびしょ濡れだ。直射日光で弦のチューニングが狂いまくって、いくら合わせてもまた狂うので、その度にチューニングしながら歌った。あー、路上が楽しい。お巡りさんもニコニコしながら前を通り過ぎていく。こんなにのびのびと歌えてるの久しぶりだな。やっぱりドイツは肌が合うわ。今日のあがりは4時間で319ユーロ、41400円。よっしゃ、昨日のミスを取り戻したぞ。男前の地元シンガー。ハスキーだけど甘い声。モテますか、ええそうですか。路上を終えたら観光客に変身し、広場のイベントでやっていたライブを見たり、出店を見て回ったりした。そんな広場の真ん中に人を集めている屋台があった。みんな楽しそうに白ワインのグラスを傾けている。ワインスタンドだ。ちょっと隣のマクドナルドでワイファイに繋いでネットで調べてみたいところ、どうやらこのトリールは白ワインの産地として有名な町みたいだった。ドイツワイン発祥の地らしく、モーゼルワインという銘柄で世界的に有名なんだそう。それはラッキー!!!!しかも町のいたるところに見られるローマ帝国時代の浴場跡や円形闘技場、大聖堂は世界遺産に登録されており、特に町の中でひときわ立派なトリール大聖堂にはキリストが着たとされるローブが保存されており、数十年に一度、公開されているとのこと。なにそれ!!テキトーに選んだ町のクオリティが高すぎる!!!ドイツあるある!!!「オッちゃん!!ツヴァイヴェインビッテ!!」「オーケー、ダンケシェーン。」俺もカンちゃんもちょっとくらいはドイツ語の単語を覚えてきてるので、こうして片言のドイツ語が通じるとすごく嬉しい。そしてワインが美味い!!!!!!めっちゃ美味しい!!!!!ワインの味なんて全然わかんないけど、このドライでスッと消える綺麗な味わいがたまらなく美味しかった。よく冷えた白ワインが喉を滑っていく。「あ、カンちゃんどうしよう、俺ドイツ好きです。」「私もおおおお……………ドイツ居心地いいよおおおお…………このグラスで2ユーロだよ?イタリアとかフランスで飲んだら5ユーロくらいするよ。はぁあああああ…………ドイツ好きいいいいい……………」「あああ、夜風が気持ちいいいいいい…………ヨーロッパ最高すぎるううううう……………」マジドイツ住めるわ……………スーパーの物価も安いし、町は遺跡まみれだし、建物は全部で綺麗でしょうがないし、治安はいいし、人はみんな優しくて適度に几帳面だし、こんだけ稼げるし。辛ラーメン美味いし。うわあああああああああああああ!!!!!ドイツ満喫するぞおおおおおお!!!!!!