スポンサーリンク ガレットが美味しいっていうOLをヒーヒー言わせたい 2017/7/14 2017/05/29~ イタリア, 2017/06/26~ フランス, ■彼女と世界二周目■ 2017年6月26日(月曜日)【イタリア】 ジェノバ ~ 【フランス】 マントンフランスまで一直線で行きたかったのに高速の分岐を間違えてジェノバのインターで降りてしまった。カンちゃんも油断して地図を見てなかったし、俺も道路看板を理解できなかった。道を間違えるのは運転してるほう、ナビしてるほう、両方とも悪い。料金所のおじさんに、間違えたので横から戻させてもらえませんか?とお願いしたけど全然ダメだった。ピサからジェノバまで、16.5ユーロ。2050円。でもおかげで、軽くだけどジェノバの町を見られたのはよかった。ジェノバはかつてジェノバ共和国として栄えた海沿いの港町。海に面した山の斜面にビッシリと大きな建物が密集しており、どこか神戸を思い出させる雰囲気だった。かつての強大な国の面影を残す風格ある佇まいに、ここもまた面白い町なんだろうなと思った。このまま道を間違えたついでにこの町を探検してみようか…………そんな思いがふと後ろ浮かぶ。でももういい。イタリアはお腹いっぱいだ。Uターンしてもう一度同じインターから高速に乗り込んだ。数時間後、イタリアとフランスの国境に到着。高速料金はジェノバから国境のヴェンテミーリアというところまでで19.5ユーロ、2400円だった。イタリア、マジで最後の最後まで金かかったな………………イタリアは車で回ったら相当金かかります。ガソリン世界1高いし。気を取り直して、こっからはフランスだ。うわあああああ……………フランスだって……………フランスってあんまり興味ないから俺の中ではヨーロッパの中でも影の薄い存在なんだよな。本当はヨーロッパ屈指の大国で、世界トップ5に入るような経済国なんだけど、なんだか俺の中では個性がない。4年前に来た時は友達のサプライズのためにスペインからパリまでぶっ飛ばしたので、気になっていた南フランスを一切見ていないし、その後スイスで強制退去になったので、めっちゃ有名なあのモンサンミッシェルも行けていない。サラッとパリだけしか見ていないから今みたいな印象になってしまってるのかな。今回もそんなに時間は取れてないけど、できる限りいろんなところを見に行ってやるぞ。あー、このイメージの薄いフランスでどんな場所にたどり着けるか楽しみだ。朝ごはんはフランスらしい感じで。イタリアの国境を越え、山側からフランスに入ったんだけど、坂道の下のほうにきらめく海とひとつの町が見えた。あれはまだイタリアから続いている地中海だ。フランスのこの南部は地中海に面したリゾートエリアになっており、ニースを中心にどこまでも長くビーチリゾートが広がっていると聞いていた。なんかフランスって農業ばっかりやってるイメージで、ビーチリゾートってどうも想像がつきにくい。でもニースって言ったら高級リゾート地としてものすごく有名な場所だよなー。どんなところなのか全然想像つかないな。ただ山の上からチラリと見えた海外線と、そこに密集する美しい町並みにいてもたってもいられなくなって寄ってみることにした。あそこはマントンという町らしい。「うわー、カンちゃんなんかワクワクしてくるね!!ここフランスやね!!」「おフランスやね!!フランス人ってなんか気難しい人たちってイメージ!!あれ?なんかやってるね?」すると国境を越えてすぐのところで、道に警察が何人か立って検問のようなことをしていた。おお、国境の検問なんて今までヨーロッパでは北欧に行くときくらいしかなかったのに、やっぱりテロの影響でフランスは警備が厳しくなってるんだな。「ボンジュュュコォォル。」ウケる!!!窓を開けるとお巡りさんが本当にボンジュールって言った!!ヤバい!!本物のフランス語すげぇ!!!発音がすごすぎて喉が痒い人みたい!!!「フランス語はわかないかい?じゃあ英語だね。何かタバコとかのグッズは持ってる?」「何も持ってないですー。ジダンって禿げてるけどすごいっスー。」「ウィーウィー。それじゃあボンボヤージュ。」だから発音がすげぇ!!!!いやぁ、イタリア語全然わからないけどさすがに1ヶ月もいたからイタリア語に耳が慣れていたけど、国境越えた瞬間まったく違う言語に変わった。こんなに話す言葉が変わるもんなんだよなぁ。面白いなぁ。ていうかフランス人、英語喋ってくれるんだな。なんかそれだけですごく安心感がある。山を降りていき、しばらくしたらマントンの町に入ってきた。古めかしい歴史的な町が海岸線に密集しており、道路を挟んで綺麗なビーチが広がっている。海水浴の人たちも結構いて、ここもそれなりの観光地なのかな。なんだかワクワクしてきて、この町で路上をしようと、中心地から少し離れた駅裏あたりで車を止められる場所を探した。イタリアでは市街地の中心部以外は路駐天国だったけど、ここフランスではどうなんだろ?まだ国境を越えたばっかりなのでなんの情報もないので迂闊なことはできない。罰金の値段もわからないし、1発500ユーロとか言われたらマジで死亡する。一応、みんな白の点線のところに車を止めていて、ここはなんとなく大丈夫そうな気がする。中心地のほうは白線の横にパーキングマシーンがあったのでおそらく有料だろうけど、この辺りはなんの看板もないし、止まってる車のボンネットを見てみてもチケットらしきものを置いてる車はない。うん、大丈夫かな。地元の車に混じってうまいこと隙間に車を止めた。ギターを持って町に行くと、いい感じのホコ天がのびていた。おお、こりゃいい雰囲気だぞ。道幅も人通りもちょうどいい感じ。ただ両側にお土産物屋さんとかカフェ、レストランが並んでいて、なかなかやれそうな場所がない。んー、やっぱり結構な観光地なんだなぁ。すると、ひとつのレストランで、メニューの写真が目に入った。あ、これガレットだ!!!ガレットってフランスの食べ物だったんだ!!昔、大阪でお世話になっている社長さんに、ちょっと珍しいもん食べに行こかーと誘っていただいてガレットを食べに行ったことがある。やってきたのは堀江あたりにあるただのめっちゃオシャレカフェで、アロエが主食ですみたいなOLさんしかいない店内に社長さんと僕で入って超ソワソワですよ。女子トイレでおしっこしてるような変態感。メニュー取りに来てくれた女の人もすごい垢抜けた人で、と、とりあえず唐揚げ定食くださいって言いかけたけど、出てきたのは今までの人生で見たこともない物体。なんか黒っぽいクレープ生地の上にハムとか卵が乗ってて、端が折りたたまれてるという、完全に未知との遭遇。味は…………やはり未知との遭遇。と、都会のOL怖ええ…………ってすごい美々津の海が恋しくなりました。しかも値段1000円くらいして、OLサイズだからお腹いっぱいにならないし、マジ唐揚げ最強やなぁって思ったといういい思い出です。社長さんにはもちろんめっちゃ感謝してます。なかなか出来ない経験させていただきました。俺だけだったら日本でガレットとか絶対チョイスしないもんなぁ。あれから何年経っただろ。本場来ました。モノホンのガレットです。うわああああああ!!今度堀江のOLたちに、やっぱりガレットはマントンのビーチ沿いで食べたのが1番だったかな、あ、水もらっていいですか?シルブプレ、ってイキりたいいいいいいい!!!!!ていうかシルブプレて!!!!プリーズがシルブプレて!!!!堀江のOLの凱旋門に俺のエッフェル塔をジダンさせて、ホーラ、もうこんなにここがシルブプレになってるよ~とか言わないですけどねそんなこと。普通。ていうかガレット、14ユーロします。なんでクレープの上にハムと卵乗せただけのやつが1800円もするんですか?何考えてるんですか?怖ええええええええええええ!!!!!!フランスの物価やべええええええええええ!!!!!ガレット超無視して町の中歩き回ってみたんだけど、ケバブが6ユーロする!!!!!780円!!!!安い食べ物がない!!!!あまりにも怖くて最終手段のマクドナルドに逃げ込んだんだけど、チーズバーガーが2ユーロする。250円。カンちゃんと怯えながらいくつか注文したらソッコーで8ユーロになってしまった。1030円。マクドナルドですら安くねぇ……………フランスってこんなに物価高かったっけ……………こりゃ自炊メイン決定だな………………こうなったら路上で稼ぐしかない。こんだけ物価が高いならば路上の単価も高いはず。4年前にフランスに来た時は確かそんなに稼げなかった記憶があるけど、今だったらもっといい反応がもらえるはずだ。イタリアで路上に苦戦した分、フランスでどんな感じになるのかってのも楽しみ。はやる気持ちを抑えながらホコ天をひととおり歩いた結果、真ん中にあるカフェとレストランが集まる広場の前が一応やれそうな雰囲気だ。んー、でも久しぶりの国なので緊張するなぁ。なかなかギターを下ろすことができない。フランスってどんなだったっけ?冷たく注意なんかされたら凹んでしまいそう。そうしてもじもじしていると、いきなりカフェのテラスに座っている兄さんが声をかけてきた。あ、やば、早速注意される………………「あ、フランス語わからないんだね。そこで演奏するの?いいよいいよ!ガンガンやっちゃって!!」きた。いきなりウェルカムきた。他のお客さんも笑顔で、やってやってー、と声をかけてくださって、緊張感が一気にほぐれた。よし、4年ぶりのフランスでの路上。やってみるかー。めっちゃ楽しい。なにこれめっちゃフランス楽しい。曲が終わると拍手が起こってすぐにコインが入り、テラスのお兄さんが話しかけてきてくれた。上手な英語を喋り、元カノが日本人なんだよーと会話が盛り上がり、早速フランス語の現地語看板を書いてもらった。そしてそのままフェイスブックの交換。え?イタリア1ヶ月いたのにフェイスブックの交換したの1人だよ?最後の町で。それがフランスでは初日にいきなり?兄さんだけじゃなく、とてもたくさんの人がコインを入れながら声をかけてくれ、しかもアリガトウとかドウイタシマシテとかの片言の日本語を知ってる人がとても多い。フランスってこんなに親日の国だったんだ。ていうかマジで会話の発生率がイタリアとは段違い!!!!!いや、これがいつものヨーロッパでの路上だったんだよ。あああ、本当イタリアでは地元の人との絡みがなかったよなぁ…………すげぇ特殊な国だったんだよなぁ…………久しぶりのコミュニケーションに嬉しくなりながら歌っていると、家族連れの子供たちが近づいてきて目の前で可愛く動き出した。お父さんお母さんもニコニコしながらそれを見つめている。するとまだ小さな男の子がテクテク歩いてきて、横にいたカンちゃんの服をつかんだ。あまりの可愛さに大喜びのカンちゃん。さらにはまた違う小さな男の子がぽてぽて歩いてきたので、カンちゃんが折り鶴をあげると、その子、メルシィィって言いながらカンちゃんのほっぺたにキスをした。もうカンちゃんメロメロ。お母さんニコニコ。周りのカフェのお客さんたちもニコニコ。向かいの建物に住んでる人、窓から拍手。はい、フランス大好き。ごめん、イタリア超えた。初日で。イタリア超えたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!いや!!イタリアはめっちゃ良かった!!!あのヨーロッパにあってヨーロッパじゃないような独特な文化と風土は、本当に心に触れるものがあるし、保守的なところも旅し甲斐のあるものだった。でも!!!!やっぱり路上が楽しいことって重要だよ。地元の人と絡めないとその国のこと見えてこないもん。やべええええ…………フランスやべええええ…………「カンちゃん!!フランスめっちゃいいやん!!」「ああああ!!!子供たちが懐こいいいい!!!可愛いいい!!フランス人ってみんなすごく優しいね!!想像と全然違う!!」なんだろ。いつものヨーロッパの路上に戻ってきた気がする。路上に吹く風とか、町の雰囲気とか、音の響きとか、いつも歌ってきた平和な、ほどよい歴史の町だ。荷物抱えてボロボロの格好で歌っていた前回の旅がよみがえる。あああ、体が馴染む。イタリアも良かったけど、やっぱりこの空気だよなぁ。フレンチブルおるし。本場あああああ。「ていうかさー、どっかこのあたりの南フランスにコートダジュールっていう町があるはずなんだよね。全然知らないけどコートダジュールって有名な町だよね。そこはちょっと行ってみたいかなー。」「あ、それなんか聞いたことあるね。」「ね、なんかすごい憧れの町って感じじゃない?」「ちょっと調べてみるね。えーっと、そこのカフェのワイファイをー…………………はい、パスワード解読。コートダジュールは……………ハゥアッ!!!!」「ど、どうしたのカンちゃん?」「あば、アババババ、アババ………………金丸さん…………ここ、コートダジュール…………」「え?どういうこと?」「コートダジュールってのは南フランスの海沿い一帯のことらしいです!!!なのでここもコートダジュールです!!!」はい、コートダジュールで路上したという称号ゲット。ええええええええええええええ!!!!!!!!コートダジュールってなんかこう有名なビーチリゾートの町かと思ってたああああああああああああ!!!!!「フミ君!!なんかすごいね!!」「あ、ごめん電話だ、ちょっと待ってて。はいモシモシ、あーはいはい、え?延岡でライブ?いやぁすみません、今コートダジュールにいますもので延岡とかマジどこ?って感じですよね、あはは~。とか言ったら嫌われる?」「嫌われるけどコートダジュールってすごい!!」まさかのいつの間にかコートダジュールだったというパターンに驚愕しながらも、楽しくて楽しくてたまらない路上。今日は3時間でフィニッシュ。あがりは60ユーロ、7700円とあんまりいい数字ではなかったけど、ここからまた頑張って上げていこう。あー、久しぶりにのびのび歌えたなぁ。街灯がともり始めた町を背にしてスーパーマーケットに行き、車に戻って駐車違反のチケットが貼られていないのを確認したらエンジンをかけて走り出した。めっちゃ充実した気分で海岸線の山の上をくねくねと登っていく。この辺りは本当に海と山が迫った地形になっており、道も狭くて、どこか隠れた保養地といった感じだ。ポツポツと坂の上に別荘みたいな民家が散らばっていて葉山とかの雰囲気に似てる。この辺りで寝たら明日の朝、起きた時に景色がいいだろうねーと話しながら、外灯もまばらな山道を走っていると、ひとつのカーブを曲がったところで向こうにすごいものが見えた。え!?っと驚いて車を止めて、ガードレールから山の下を覗いた。真っ暗な夜空、真っ暗な海、その狭間にものすごい規模の大夜景が広がっていた。こんな山と海に囲まれた狭い狭い場所に、そこだけ大きな高層ビルが立ち並び、山の斜面にもビッシリとマンションみたいな建物が密集している。ハーバーには大きな船の姿もあり、とんでもないきらびやかさだった。「すげえええ…………カンちゃん、あれモナコだね……………」「そうだね…………モナコだね…………カジノとかあるところやね…………」フランスにある小さな小さな独立国家、モナコ。モンテカルロカジノで有名なこの国は世界中からセレブが集まるラグジュアリーな場所で、住んでいる国民がみんな金持ちというとんでもないところだと聞いている。世界で2番目に小さな国で、あの夜景が見えてる部分がだいたい国土全域くらいだ。とにかく、あの夜景のすごさがモナコのラグジュアリーさをこれでもかと物語っていた。カンちゃんとしばらく夜景を眺め、それから車に潜り込んだ。モナコの真上で寝るって、なんて贅沢な車中泊だろ。明日はモナコに潜入だ。あー!!フランスいきなり楽しいぞー!!!