スポンサーリンク シチリア最後の夜にこんなことやめてください 2017/7/5 2017/05/29~ イタリア, ■彼女と世界二周目■ 2017年6月17日(土曜日)【イタリア】 タオルミナ1ヶ月の計画をしていたイタリア旅も後半に入ったわけだけど、実は最後のほうに人と会う約束をしている。1人はよく知ってる友達で、もう1人は俺が海外の旅を始める前から知っていた伝説の旅人さん。めっちゃくちゃ楽しみ。なので22日までにフィレンツェ近郊までたどり着かないといけないんだけど、地図を見たらなかなか笑えてくる距離。しかもその間にはあのナポリとローマがある。4日間でこの大移動、しかもイタリアを代表する二大都市の観光もしながらの北上。こりゃマジでブッ飛ばさないと間に合わない。まぁ高速を使って走りまくればなんとかなるはず。今日は土曜日。このシチリア最後の夜の路上で思いっきり稼いで高速代と観光代をまかなうぞ!!てなわけで朝。カンちゃん特製ツナパスタ、フューチャリング爺ちゃんがくれたシチリアレモンで気合いを入れてタオルミナの旧市街へ。もはやシチリアのホームグラウンドと言ってもいいくらい馴染んできたこのタオルミナ。最初はタオルミナのあまりの高級感に、ただのナメクジですスンマセン!!ってなってたけど、今では行きつけのカフェのおばちゃんやお土産物屋のおばあちゃんなんかの顔見知りも増えた。いつもお話していた絵描きのおじちゃんに差し入れで冷えた水を持っていき、明日出発しますと言うと、おいー!!明日行くなんて言わないでここに住めばいいじゃないかー!!みんなお前の音楽を楽しんでるよ!!って嬉しい言葉を言ってくれる。あー、こんなお金持ちの保養地で俺の路上が受け入れられるか不安だったけど、ここまで馴染むことができるなんてなぁ。大好きならシチリアにこんな場所が作れたことが嬉しくてたまらないよ。ていうかただのセックスアンドザシティー。結婚式をしてる人たちが絵になるなぁ。シチリアはヨーロピアンにとって結婚式のスポットとしても人気なのかな。このレモンTシャツ着てる人たくさん。いつものカフェ145で猛烈に集中してネット作業をし、シエスタ明けで人が出始めるころに路上開始だ。と、その前に腹ごしらえ。昨日パスティツェリアで食べた揚げ物のコロッケみたいなのが美味しかったので調べてみたら、あれはアランチーニっていうシチリアの名物だったみたいで、今日もそれを食べることに。このお店がタオルミナでは美味しいアランチーニが食べられることで有名。店内にはピザやパニーニなんかのスナックが並んでいて、若者が集まっている。シチリアにはマクドナルドはほとんどないけど、これが島スタイルのファストフード屋さんだ。アランチーニはひとつ2.5ユーロ、310円。この丸いほうのやつ。たくさんの味の種類があったのでテキトーに頼んでみたんだけど、これがめっちゃ美味い!!!昨日のアランチーニも美味しかったけど、このお店はさすがに人気店だけあってめっちゃ美味しい!!!大きな丸い揚げ物にかじりつくと、カリっ、モチっとした食感で、まずはお米が出てくる。そしてその中に入ってるのはたっぷりのチーズ。とろけるチーズとお米の味付け、外の衣が絶妙にマッチして、まさにクリームコロッケみたいな感じだ。優しい味わいにホッとする。これはいいわー。イタリアにはチェーンのハンバーガー屋さんとかほとんどなくて、食も文化もめっちゃ保守的だけど、そりゃこんなに美味しいものが自国にあったら外国のもんなんかいらねーってなるか。あー、美味しい。よっしゃ腹もふくれたらシチリア最後の路上!!!!たかが3日連続くらいで喉が若干へたってきてるという情けないコンディションだけど、イタリアではいい町で3日連続できるっていう状況がなかったので、喉が鍛えられてないんだよな。それでも頑張って2時間!!いつも聞きに来てくれる犬の散歩のおじちゃん、近くのお土産物屋の陽気なおじさん。みんな本当にありがとう!!ついでに目の前でサングラスとケータイバッテリー売ってるバングラデシュ人のオッちゃんたちも元気でね!!ていうかおとといあんだけ警察に品物をゴミ箱にダンクシュートされたばっかりなのに根性すげぇ!!!そして20時を過ぎ、町に街灯がともったらこっからが本番だ。イタリアでは街灯がともったらチップが入りだすという、この分かりやすい流れ。さぁー、この高級保養地の雰囲気を壊さないよう、ロマンチックに演出しよう。ギターをポロポロ鳴らすと、両側のお店の人たちが出てきて、早速笑顔でコインを入れてくれた。これで気合いが入らんわけがない。もー、人だかりハンパない。通行の邪魔になるくらいの人だかりが歩道に出来上がり、1曲ごとに拍手がおこる。チップもバンバン入って、俺の喉もこのころになったら絶好調だ。今の俺の声クリストファースロス並みに透き通ってる。あまりの調子の良さに数年前からずっと歌ってなかったジョージアオンマイマインドとかサムシングとかの準レギュラーも歌った。ただ昨日と同じく土曜日の夜は人通りが半端なさすぎて雑踏で演奏がかき消されてしまう。騒がしい集団がガヤガヤと通り過ぎていくと、そこで聞いてくれてる人たちも集中力が切れて流れていってしまう。集中集中、いくらうるさくても声を荒げずにいい歌を心がけよう。人通りは23時を過ぎてもとどまることを知らない。こりゃさすが土曜日は3時くらいまでやれそうだ。でももうこの辺にしておこう。シチリア大満足だ。もう思い残すことはない。あがりは昼が2時間で60ユーロ。夜が1時間半で115ユーロと5フラン。計22300円。ほどよい疲れで旧市街のメインストリートを歩いた。人波が行き交い、どこにこんなに人がいたんだ?ってくらいの大混雑。誰もがドレスアップして、この町の一員になりきっている。中央広場に行くと、いくつもあるレストランそれぞれで生演奏が繰り広げられており、たくさんの人だかりが出来上がっていた。人だかりの真ん中では、サックスおじちゃんがバンドに合わせて渋い演奏をしており、しかもそのおじちゃんすごくコミカルで、客を煽り、客をいじり、とにかく盛り上げ倒している。人々はみな笑顔でおじちゃんとやりとりし、恋人たちは抱き合い、上品な老夫婦も手をつないでいる。誰もが街灯に照らされて音楽を聴き、笑顔になっていた。なんて平和なんだ、タオルミナ。本当いい町だったよ。これでもうシチリアでのミッションは全て完了。車に戻って、賑わう土曜の町を背に山をくだった。明日の朝にはフェリーに乗ってイタリア本土に帰る。これでシチリアともバイバイかぁ、と暗い海岸線を北へと走っていく。ああ、シチリア本当に心から素晴らしいところだったって言えるよ。これが最後の夜かー。あっという間だったなぁ。と思っていたそのとき、とんでもないことが起きた。いきなりフロントガラスの下から黒い細いものがにゅっと出てきた。ん?なんか葉っぱが引っかかってるのかな?と思って気にしてなかったら、カンちゃんが悲鳴をあげた。「フミ君、ヘビ!!!」「きゃああああああああああああああ!!!!!」ヘビ!!!フロントガラスにヘビ!!!!!ニョロっとガラスにへばりついており、舌がチロチロと動いてるのが見えた。ひいいいいいいい!!!!!ヘビとかそこまで怖くはないけど、あまりに至近距離すぎてパニック!!!!窓ガラス越しだけど、超近え!!!!「あひいいいいいいい!!!!!」「みゃあああああああああああ!!!!」カンちゃんと2人でパニックになって危うくガードレールにぶつかるところだった!!!こ、怖え……!!!!とにかく窓を閉め、ゆっくり走りながらこいつをどうするか考える。えーっと、えーっと、えーっと………………そうだ!!ワイパー!!!ワイパーで外に飛ばしてしまおう!!というわけでワイパーおりゃあ!!!するとあまりにワイパーの力がしょぼくて、ヘビの上を通過していき、さらに戻りでヘビをボンネットの中に押し込んでしまうという悲劇。ぬおあおおおおおおおおおおおおお!!!!!!ちょ、待てえええええええ!!!!そんなとこ入れたら面倒くせえぞおおおおおおおお!!!!!出てこんなったら不安で寝れんぞおおおおおおおおおお!!!!!急いで車を脇に止めて、恐る恐るワイパーのところを見てみるがヘビの姿はない。こりゃもうやるしかないと勇気を絞ってボンネットを開け、明かりで照らしながらヘビ捜索。こ、怖すぎる!!!この中にヘビが潜んでいるのかと思うと怖すぎる!!!!だいたいなんでこんなところにヘビがいたんだ!!!!おそらく今日、昼間に車を駐車していた場所の横が植木になっていたので、そこから迷い込んでしまったんだろう。車にヘビが出るとか人生初!!!それからも頑張って20分くらいヘビ探しをしていたんだけど、どうやっても見つからない。こりゃもしかしたら、ていうかおそらくさっきのワイパーでボンネットの中に入り込み、勢いで下から落ちたんじゃないのかな。でも落ちた確証はない……………ボンネットの隙間からボディの内側に入り込んでる可能性もある……………怖すぎるんですけど……………ヘビの大きさは1メートルくらいで、太さは男の親指くらい。多分毒はないだろうし、ボディづたいに車内に入ってくることはできないはず。だとしても寝てる車のどっかにヘビがいるとかマジ勘弁してほしいんですけど……………でも、もうどうしようもない。いくら探しても出てこないので、こりゃもう落ちということで自分たちに言い聞かせて車に入った。あーもう、最後の最後にビビらせてくれるわー。事故らんくてよかった………………