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ナイロビでスリに遭う



2017年3月24日(金曜日)
【ケニア】 ナイロビ





「金丸さんたち、ナイバシャって知ってますか?ツアーのサファリじゃないんですけど、ここから近くて自転車で動物見て回れるところがあるみたいですよ。」




昨日一緒に飲みに行ったコウキ君が、ツアーのサファリに参加する予定のない俺たちにそんな素敵な情報を教えてくれた。




なになに?


ナイロビからバスで2時間くらいのところにナイバシャという小さな町があり、そこにあるナイバシャ湖の周りをレンタサイクルで回ると野生のカバやキリンが見られる?



へー、そうなんだねー、ってカバアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!



俺がカバ1番好きなの知ってるの!!!??



あの丸っこくてずんぐりした体型で口がガパーって開くところとかもう可愛くて仕方なくて、どうしてもアフリカで見たいと思っていた動物じゃないか!!!



しかもしかも、ナイロビから多くの人が参加するマサイマラ国立公園ツアーは何万円もするけども、このナイバシャ自力ツアーはホテル代とレンタサイクル以外は無料!!なんたって道端に動物がいるんだから!!



おお!!それめっちゃいいやん!!



何万円もかかるということでサファリツアーは諦めていたけど、それだったら全然許容範囲!!


その値段で動物見に行けるなんて、節約旅の人にはもってこいやん!!




「カンちゃん!カバを見に行こう!!ほら!!このポスターみたいなやつ!!」




「このカバ、麺食べたあるね。」







いやー、ナイロビに来たはいいけども何するかまったく考えていなかった俺たち。



宿のスタッフは世界最大のスラムといわれるキベラスラムの見学ツアーをオススメしてくれたけど、何千円も出して貧しい人たちの地域に行って彼らの生活をほぅほぅと眺めるツアーってやつに結構抵抗があったのでキベラスラムはなし。



では何しようかなーと思っていたところに最高の情報だよ。


コウキ君ありがとう!!















というわけでナイバシャにカバを探しに行くのは明日にして、今日はこれからのアフリカ旅に向けての準備をこのナイロビでやってしまおう。










身支度を整え、意を決して宿を出ると、そこはもう凶悪都市と言われるナイロビのダウンタウンど真ん中。


ガイドブックに絶対に立ち入ってはいけませんと書かれているローカルエリアだ。




眩しいギラギラとしたアフリカの太陽が照りつける街を、たくさんの黒人さんたちが行き交っている。








バスや車が通り過ぎるたびに砂埃と排気ガスが巻き上がり、むせ返るような熱気をさらに濃くしている。



通りにはボロい建物が並び、無数の小さなお店がひしめき、さらに歩道に風呂敷を広げ、中古の衣料品や鍋なんかのキッチン用品、オモチャ、人形、よくわからないガラクタなどが売られている。



















品物はどれもひと昔前のもので、ケータイ屋さんに並んでいるのはノキアの小さなボタン式の物で、かろうじてスマホはあってもiPhoneはない。


人々はボロい服をまとい、肌はもちろん真っ黒で、髪の毛はチリチリにカールしている。



街には陽気なアフリカンミュージックが流れ、どこかアメリカの教会でやってるような派手なゴスペルに似ている。


そうだよな。アメリカの南部で黒人地域には行ったけど、こここそがブラックアメリカンたちの故郷なんだよな。













そんな中で目につくのは女の人の髪型。


これがカッケェ!!










ぎっちり編み込んだ髪の毛はまるで麻ヒモみたいに編み目が太く、何色か使ったカラフルなものは伊賀の組紐みたい。


先進国の人たちがやってるスパイラルってやつだ。

黒人の女の人がこれをガッツリきめて歩いているとすごくカッコイイ。







「女の人がみんなオシャレだなー。黒人さんって美意識高いからお店の服とか欲しくなるの多いんだよなぁ。」



そう言うカンちゃん。


男の人はそんなにオシャレな人はいないけど、確かに女の人はファッションにすごく気を使ってそう。


当たり前だけど、黒人さんでもイケてる若いギャルなんかはすっごく可愛い。


あー、初めての黒人エリア。



今までこびりついていた固定概念の殻がポロポロ落ちていくようだ。

















よっしゃ!とりあえずご飯食べよう!とやってきたのは宿の近くにあるローカルの食堂。



ちなみにニューケニアロッジには日本人が残していった情報ノートがあり、これを見たら日本人が欲しがるナイロビ情報はだいたい書かれているのですごくありがたい。


書いてくれた人たちに感謝。



やってきた食堂もそのノートに書いてあったところだ。





ちなみにお店の外観を写真に撮る余裕はなし。

怖くてなかなかポケットからiPhoneを取り出せない。


iPhoneを持ってるところなんか見られたら狙われてしまうだろうから、極力素早く、周りにガラの悪そうなやつがいないのを見計らって一瞬で撮ってすぐにポケットに戻す。


いやぁ、怖え…………


もし襲われたらこれまで刃牙を熟読して頭の中だけで培ってきた妄想を駆使して剛体術で強盗に正拳突きして手首折れる!!!




インパクトの瞬間に全身の数十カ所の関節を固定して俺の体重が55キロだから55キロの鉄球になって…………と考えてる俺たちの前に運ばれてきたご飯はこれ。







チキンウガリとスワヒリピザ!!!!



ついにザ・アフリカンな食べ物と対峙してしまった!!!



なんだこの白いカタマリは!!!

味が1ミリも想像つかん!!!




スワヒリピザはとりあえずチージとかカケラも入っていないただのミートパイで、作ってる人ピザ食べたことあんのかな…………というもの。





さぁー、じゃあ問題のやつをいってみるかー…………




刃牙と対戦しててピンチになった瞬間、死んだ刃牙の母親とそっくりの愛人を連れてくるという人間力なめんなよ!!あ!!それイガリか!!


ウガリいってみよう!!






口に入れた瞬間、頭の中に渦巻くはてなマーク。



うわぁ……………なにこのなんとも言えない食べ物…………



とりあえず味がしない……………

無味無臭の密度の濃い蒸しパンという、なんかもうごめんって感じ……………




チキンはそりゃ不味くしようがないので食べられるんだけど、このウガリを口に運ぶたびに少しずつ切なくなってくる。



なんだろうこれ…………もの食べてる気がしない…………
しかもめっちゃ多い……………



周りの席を見たら地元の人たちが手でモシャモシャとウガリを食べている。


ア、アフリカさすがだなぁ……………




申し訳ないけど半分以上残してしまった。


値段はチキンウガリが200シリング、220円。
スワヒリピザが100シリング、110円。


















ご飯を食べたら次にやってきたのが銀行。


アフリカではユーロよりもアメリカドルが強く、宿やバスもドル払いができ、国境のビザ代もアメリカドルでの支払いになる。



なのでなるべくドルは持っておきたいんだけど、アフリカではドルをおろせるATMがとても少なく、ナイロビを出たらこの先しばらくはないとのこと。



というわけでナイロビでドルをゲットすべしなんだけど、まぁこの街でATMでお金をおろすところなんか見られようもんなら、奈良公園で無数の鹿たちに突撃されてせんべいを強奪される勢いで一瞬で奪われてしまう。



いやぁ、怖いなぁ…………と思っていたんだけど、銀行の近くまで来るといきなり空気がガラリと変わる。






さっきまでいたダウンタウンエリアから、車が通る大きなメインストリートを挟んだ反対側に来ると、近代的な建物が並ぶビジネス街になった。


歩いている人たちもスーツをピシッとキメた品のある人たちばかり。



ダウンタウンにいるボロい服を着た人たちは、俺たちを見るなりチャイナー!ニーハオ~!!チンチョンチャン~!!とおちょくってくるけど、ビジネス街の人たちは別に俺たちに見向きもしない。



おおー、道1本挟んだだけでこんなにガラッと変わるもんか。


おかげで比較的怖がらずにATMに並んでドルを下ろすことができた。


















ヒルトンホテルの下を通ってるアーケードにあるお土産物屋さんは外国人にもアフリカンにも人気みたいで、たくさんの人がお買い物に来ている。



ピアス、指輪、木のお皿やさじ類、置物、壁掛けの絵、アフリカの伝統衣装などなど、ここに来ればこれぞアフリカっていうお土産が揃えられそうだ。

















値段もどれも200シリング、220円とかで相当安く、変なところでぼったくり値段吹っかけられるよりだいぶマシ。


ピアスとかは数十円だ。



気が早いけど早速お世話になってる人へのお土産を色々買っておいた。















「嬉しー!お土産が素敵な国って嬉しいなぁ。」



「そっかー、俺はお土産とかほとんど買わないからわからんなぁ。」



「男の人と女の人でお土産に対する考えかたって違うのかな。男の人はそこに行ったという事実があればよくて、女の人は思い出せる物も欲しくなったりするのかも!もちろんそうじゃない人もいるだろうけど。」




ああ、確かにそうかもなぁ。


俺もなんか自分の物買おうかな。キリンのフォークとか。

使うかな…………
























お買い物を終えて次に向かったのはここ。





結構大きなスーパーマーケットで、ここは食材だけじゃなく生活用品も売っており、テントや蚊帳なんかもゲットすることができる。



アフリカではキャンプ場に泊まる機会が増えるはずなのでテントはとても大事。



マラリア対策で蚊帳を買って、宿で寝るときにキチンと使用するのも大事だ。



というわけで2人用の簡易的なテント、2200シリング。2400円。




レジのこういうところすごい。インドには絶対ない。






暑くてアイス美味しい!
















それにしても、ほぼ100パーセントの確率で英語が通じるところがすごい。


スーパーの店員さんも、路上の物売りも、爺さんも婆さんもみんな普通に喋れる。


インドも英語圏とはいうけども、このケニアの英語普及率に比べたら全然まだまだ。


ヨーロッパの先進国よりもよっぽどすごい。





これってケニアの言語事情が関係しているみたいで、ケニアは国内だけで40もの言語が存在するらしく、お互い理解し合えないので共通言語として英語を使用するんだそうだ。


すげぇ、日本だったらみんな東京弁で統一するけど、ケニアではスワヒリ語で統一するんじゃなくて英語なんだ。



スーパーでレジに並んでいる時も、ケニア人同士が英語で会話しているのを見るし、テレビでやってるニュース番組も英語で喋ってる。


アフリカといえば衛生環境が悪く、飢餓が蔓延し、子供は教育を受けることができない、というイメージだけど、実は結構就学率も高くなってきてるのかな。





ちなみにナイロビでは外でタバコを吸ったら1万シリングの罰金らしい。11000円。


うーん、無法地帯に見えて実はすごく先進的な国なのかも。






日本食屋さん、テリヤキジャパン。




高いし期待できないのでやめといた。


















最後にマラリアの治療薬を薬局で購入したら、これでナイロビでやらないといけなかったことは完了。




よし、それじゃあアレやりましょうか。







死刑台に向かう男の背中。









ふううううう……………緊張するぜえー……………



宿に戻った時にコウキ君もいて路上を見に来てくれたんだけど、コウキ君が言うにはアフリカの人たちは音楽が大好きで大好きで、きっとみんな喜びますよ、とのこと。


うん、俺もそう思う。


中東でも南米でもインドでも、ギター1本あれば無敵だ。

すぐにみんな仲間になれる。



アフリカで路上なんて怖いけど、音楽の力はハンパないぞ。









宿のスタッフに書いてもらったスワヒリ語の看板を立てると、みんなチラチラとこっちを見てくる。


さあああー!すっごい人だかりできるんじゃないかーー!!!!




と思っていたら、意外なことにそんなにすごい反応ではなく、みんな、へー、そうー、って感じで通り過ぎている。



あれ?そんなもん?


もっと黒山の人だかりができて、めっちゃ盛り上がって演奏に合わせて踊り倒してくれる、っていうパターンじゃないの?






とにかく!!気合いを入れて演奏開始!!






みんなレゲエが好きそうなのでボブマーリー中心に3曲!!



ああああああ!!!若い女の子がコイン入れてくれた!!!!



ああああああ!!!今度は兄さんが入れてくれた!!





うわあああああああああ!!!!怖いけど楽しいいいいい!!!!










が、でかい人だかりを作るにはいたらず。



結構意外…………

ケニア、意外だらけだな…………



いってもナイロビの大都会の人たちだからみんなシビアだな。




3曲終えてソッコーで荷物を片付けた。


あがりは40シリング!!45円!!


ジュースくらいなら飲めるぞ!!

ありがとう!!


















いやー、一応路上もできたし1日街を歩き回ったし、なんか結構慣れてきたな。


最初はビビりまくり倒していたのに、今ではちょっと大胆にiPhoneを取り出して街の写真を撮ったりしている。


いやー、街はボロくて汚いけど、実はナイロビは結構ルールによって統制のとれた街なのかもしれないなぁ。


だったらそんなビビってることないやん。

もしかしたらそこまで気を張ってなくても楽しめるのかなしれないなぁ!





と、思っていた瞬間だった。

マジで一瞬の出来事だった。







スーパーに食材を買いに行こうと、1番賑やかな通りを歩いていた。



人通りの多い混雑した歩道だったんだけど、みんな道を譲りあって行き交っている。



その時、目の前からやってきた男3人が見えた。



男たちは横に並んで歩いてくる。

俺たちに道を開けることなくまっすぐ歩いてくる。



そして、路上の物売りたちで歩道が狭まっているポイントにさしかかったところで、ふん詰まるように俺たちに激しくぶつかってきた。


明らかに意図的に。

でもそんなこと瞬間的にはわからない。




その時、左ポケットを触れられた感覚に気づいた。


反射的に横にいた男の手を力任せに掴むと、カランカラン、と俺のiPhoneが地面に落ちた。



そして周りの仲間の男が、オーウ、ケータイ落としたぜ、とわざとらしく声を出した。





人ごみの中、即座にケータイを拾い上げたんだけど、スリをかましてきやがったことにカッと頭に血がのぼって男を突き飛ばした。


やってくれんじゃねぇかこのボケが…………と詰め寄ろうとすると、カンちゃんが後ろから俺の腕をガッと掴んだ。




あ、と我に帰り、すぐに振り向いて男たちから離れた。














スーパーの中に入ってiPhoneを見てみると、画面にヒビが入っていた。


クソゥ………あのボケども…………



スリをして、もしバレたら手を離して、地面に落としたよ?と言って逃れるやり口だ。



俺にできたことはなんだろう?


あそこであいつらをふん捕まえてスリとして警察に連れて行くか?


大声出して周りの人たちの協力を仰ぐか?




いや、無理だよなぁ…………

この壊れた画面を弁償しろってことすら通用する世界じゃねぇよなぁ…………





そもそも俺がiPhoneを取り出して迂闊に写真撮ってたのがいけなかったんだよ。


おそらくそれを見ていた男たちが先回りして待ち構え、タイミングを見計らってぶつかってきたんだろう。




そしてズボンもいけなかった。

今日履いてたズボンはポケットが浅く、iPhone本体が全て隠れないもの。


スリからしたら簡単につまみあげることができるはず。




完全に油断。ただの油断。







ていうかただのスリでラッキーだったんだよ。


もし羽交い締めにされていたら力ずくで盗まれていた。

ピストルが出てきていたら死んでたかも。


実は周りに倍の数の仲間がいて、あそこで俺が突き飛ばしたことで逆上して袋叩きにあっていたかもしれない。




カンちゃんは女。
最悪の事態だって考えないといけないのに、マジで油断してた…………





「金丸さん、大丈夫ですか?いやぁ、僕アフリカを旅してきてこんなの初めてですよ。やっぱりナイロビは怖いですね。」




コウキ君にも被害を及ぼしてたかもしれないんだよな……………

やっぱり都市では最大限の注意払っていないと。



剛体術で全身の関節を固定して鉄球ぶちこむとか言ってる場合じゃねぇよホント…………

















反省して今日はビールなしにして、3人で近場のレストランにご飯を食べに行くだけにしといた。









チキンカレー美味しい。


パクチーがいい感じ。



ケニアのご飯の値段はだいたい200~300シリングから相場みたいだ。330円。

物価はとんでもなく安いってわけでなく、東欧と同じような感じかな。














まだまだアフリカは始まったばかり。

大きな事故が起こる前に最初に今日のことがあって良かったのかも。


このiPhone画面のヒビはいい勉強代だ。見るたびに思い出せる。






これは俺が弱そうなアジア人だからではない。


この2日後に宿にいたブラジル人のバッグパッカーも、街を歩いている時に2人組の現地人に羽交い締めにされてバッグパックを丸ごと強奪されたんだそう。



そのブラジル人バッグパッカーは体格もよく、そう簡単に襲われるような見た目ではない。

それでもやられている。


襲われるかどうかは運も大きいけど、最低限気をつけるべきところは守っていないとな。







気を取り直して明日の自力サファリでカバ見るぞ!!



コウキ君、会えて本当に良かったよ!!いろんな情報ありがとう!!

エジプトまで縦断マジで気をつけてね!!


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