スポンサーリンク あの美男美女旅ブロガーさんってこんな人たちだったんだ!! 2017/4/1 2017/03/16~ エジプト, ■彼女と世界二周目■ 2017年3月21日(火曜日)【エジプト】 カイロ2段ベッドの上で目を覚ました。建物の外からはカイロの街の喧騒と、何重にもなったアザーンが聞こえてくる。ここは有名な日本人宿、サファリ。2段ベッドなのにハシゴがないというアクロバットベッドを降りて共有スペースに行くと、古びた棚にズラリと並ぶ日本の漫画の本。壁に貼られたインフォメーションの文字も全部日本語だ。さすがは老舗日本人宿。朝ごはん付きということだったけど、出てきたのはガンジーしか我慢できないような内容のものだったけど、まぁいいか。「あ、みなさん良かったらこれ食べませんか?」ダハブに比べてスピードの速いワイファイで作業をしていると、1人のおじさん旅人さんが外から帰ってきて関西なまりでそう言った。朝の散歩に行ってたらケーキ屋さんを見つけたのでショートケーキを買ってきたらしく、みんなで食べましょうと言う。共有スペースには俺たちともう1組日本人のカップルさんがいて、5人でお言葉に甘えてご馳走になることに。「いやぁ、このケーキ、5個で日本のケーキの1個より安いんですわ。でもエジプト人の平均月収って1万円くらいやから、10ポンドのコシャリでも結構贅沢なほうの食べ物なんやろなぁと思うと、あんまり安い安い言っとったらあかんなぁ思いますわ。」沢木耕太郎世代って感じの、白髪が似合うおじさんは山下さん。パソコンとかiPhoneとかそういった電子機器は一切持たず、地球の歩き方の情報だけを頼りに旅してらっしゃるようで、チケットも全部日本を出る前に買ってから旅に出ているんだそう。「今の旅人さんたちはパソコンでチャチャっとチケット買って明日出発しますーって感じやけど、ワシはようわからんのよなー。困るのは最近ではビザとかもそういったオンラインビザになってきてるやろ?申請とかも。全然わからへんから旅行代理店の代行サービスに頼まないかん。そうしたら高い高い。コンピューターがわからんと最近は旅もしにくいですわー、はっはっはー。」ほがらかに笑う山下さんのお話は聞いててとても楽しく、俺たち若者世代の話も、へー、そうですかー、と丁寧に聞いてくださってとても素敵なかただ。こうやって宿でみんなでケーキを食べましょうーと声をかけてくれ、そうして輪を作って旅人同士を繋げてくれる。そんな先輩旅人の気負わない自然な雰囲気がすごく心地よかった。実際山下さんのおかげで、目の前にいた日本人カップルさんともお話することができたんだけど、これがまた超が付くくらい感じのいい美男美女カップルさん。旦那さんは沖縄出身のノリさんで、エグザイルにいそうなワイルドな男前。奥さんもめっちゃ可愛らしいかたで、愛され女子!!って感じの人。驚いたことにブラジル出身の日系のかたなんだそうだ。2人とも本当この上なくいい人たち。やっぱりバッグパッカーの安宿は楽しいなぁ。「えーっとねぇ、宿でて通りを左に行ってアタバの地下鉄駅からギザまで行きます。そこから乗り合いバンに乗るんやけどちょっと駅から離れたほうが安くなりますわ。」すでにカイロに3週間滞在してるという山下さんにピラミッドまでの完璧な行きかたを教えていただき、宿を出た。俺はピラミッドは前回行ってるけどカンちゃんは初めて。やっぱり世界を代表する遺跡、ピラミッドは一生に一度は行っとくべきだ。ただピラミッドといえば有名なのがうっとおしい客引き。前回俺がピラミッドに向かっていた時、ふたつのうっとおしいエピソードがあったのでご紹介。エピソードその1。ギザに向かう電車の中で1人の爽やかな大学生が話しかけてきた。日本からなのー!?俺日本めっちゃ好きなんだよー!!って感じで話してるうちに仲良くなり、俺の家ピラミッド方面だから一緒に近くまで行こうかってことになって乗り合いバンも止めてくれたりしてピラミッドの入り口前まで行った。しかしバンはピラミッドの前を通り過ぎ、寂しい裏通りのほうにやってきて、もうこの辺りで大学生が嘘つきだということは分かってたんだけど、面白そうだからどうなるんだろうと着いて行った。すると兄ちゃんが、君とはずっと友達でいたいからフェイスブックを交換しようよ!!と言ってきた。うん、と言うと、よし!!じゃああそこのオフィスでペンを借りて僕の名前を教えるね!!とすぐそこにあった建物に入っていく兄ちゃん。そして建物に入るとアラ不思議!!そこはラクダや馬でピラミッドを回るサービスのオフィスという偶然!!着いた瞬間、ラクダの勧誘が始まった。ピラミッドの中は広大な砂漠になっていて15キロくらい歩かないといけない、それに政府の保護地区だからちゃんとしたラクダか馬のツアーじゃないと入ることができないんだよと一生懸命説明してくるおじさん。いや、別にいいです、1人で歩いて回りますと言っても、1人だと観光客ゲートからしか入れなくてそっちは外国人価格なので入場料が500ポンドかかる。でも僕と一緒なら現地人価格で入れるからお得だよ!!って感じ。とにかく馬に乗ってみるといいよ!!と強引に馬に乗せられ、もう簡単には逃げられない状況に。 「ほーら!!馬はいいだろう!?君はフレンドだから特別プライスでいいよ!!」「そうですか…………でも僕お金ないんです。」「ノープロブレムさ!!そこにATMがあるからね!!」「カードもないしなんにもないです。」「じゃ、じゃあ、宿にはあるんだろ?宿に帰って持ってきてくれればいいよ!!」「宿にもないです。ストリートミュージシャンで、旅しながらお金稼いでるんです。でも現地人価格でスペシャルプライスなんですよね?やったー、ありがとうございま」「降りてくれないかな。」金がないとわかった瞬間、キレて馬から降ろされ、大学生に対しても、お前こんなやつ連れてくんじゃねぇよ!!ボケ!!みたいな感じに。「ちょっと待ってください!!保護地区だから1人で入ったらダメなんですよね!?それに1人だと外国人価格になってしまうんですよね!!困ります!!どうすればいいですか!?」「ああ、あっちから入れるから勝手に行けば?」そんな感じで金にならないと分かった瞬間ゴミみたいに放り出されたんだけど、大学生は最後まで諦めずに、なぁお金持ってるんだろ?なぁなぁ、って着いてくる。そして、せっかく友達になれたと思ってたのに残念だなって言ったら、最後に彼は、実は俺は客引きなんだ、観光客を連れて行ったらマージンをもらえるんだ、と申し訳なさそうに白状した。「どうして最後にそれを言ったの?」「だって僕はいいムスリムだから。嘘つきのままで終わりたくなかったから。」そう言って彼は去っていった。都合のいい話だよなぁ。それで罪悪感が薄れるんだとしたら、嘘を突き通すやつよりもよっぽどタチが悪いよ。エピソードその2。嘘つき大学生と別れてチケット売り場に行き、普通に情報通りの60ポンド値段でチケットを買って、いざ中に入ろうとするとモギリのオッさんがチケットを見せろと言ってきた。それでチケットを渡すと、よしカモン、レッツゴーと俺を先導して歩き出した。ん?なんだこれ?と思いながらも着いていくと、えー、スフィンクスはここからの写真が綺麗だよー、そんであればテンプルでねー、といった感じでピラミッドの中の案内を始めた。これは偽ガイド。「チケット返してください。」「なんでだ!?俺はウォッチマンだ!!政府に雇われたウォッチマンなんだ!!観光客は1人でピラミッドの敷地を歩くことはできないんだぞ!!」「そんなことあるわけないやん。それだったらどんだけウォッチマン必要なんだよ。チケット返して。」「ダメだ!!返さない!!ウォッチマンだから!!はい、ではこちらがスフィンクス!!ほっぺにチューしてるように写真を撮ろうね!!」これがなかなかしぶとくて本当に返してくれなくて、結構先まで無理やりガイドをされながら歩いた。最終的には、返せ返せ返せ返せー、おいー嘘つき返せー、お金ちょうどしか持ってきてないからガイド代も払えんぞーってずっと言ってたら、ベロベロバー!!って舌を出しておちょくってきて逃げていった。マジ小学生……………ピラミッドに行こうとして、まだピラミッドにたどり着きもしてないのにふたつも面白エピソードを提供してくれる観光地エジプト人の実力。世界三大ウザい国のひとつにエジプトが入ってるのは、間違いなくこうしたピラミッド周りにいる観光客相手の客引きのおかげだ。さぁさぁ、久しぶりのピラミッドだけど今回はどんな手で楽しませてくれるかなぁ。楽しみだなー!!アタバの地下鉄駅から1人1ポンド、6円という、もうタダでいいんじゃない?みたいな安さのチケットを買って電車に乗り込む。ここでまず驚いたのが、地下鉄の入り口に荷物検査ゲートがあることもそうだけど、乗り込む人たちが電車のドアの両側に立ち、降りる人に先に譲ってから電車に乗り込んでいるところ。エジプト人、めっちゃしっかりしてるし!!それに比べてインドなんなの!?なんなの、あの駅ごとに繰り広げられる降りる人と乗り込む人のラグビーのスクラム!?バカじゃないの?とりあえずエジプト人は混んでてもちゃんと列を作って順番を待ちます。しっかりしてる。そして俺たちが乗ってくると、混んでる車内で、サッとスペースを作ってくれてカンちゃんを角の楽なところに入れてくれた。ありがとうと言うと、笑顔で手をちょっと上げるのが可愛らしい。本当エジプト人男性は女性に対して優しいよなぁ。そういう文化なんだろうなぁ。日本だったら妊婦さんが乗ってきても譲らない人とかいるもんなぁ。なんなら満員電車に子供連れで入ったら怒る人とかいるし。エジプト人のことを民度が低いとかエジクソ人とかって言う日本人がたまにいるけど、いやいや、あんまり言えないよなぁって思う。今の所エジプトに入って、エジプト人めっちゃ優しくてみんないい人ってイメージだ。ギザに到着し電車を降りると、可愛らしい子供がハロ~!!ってあどけなく声をかけてきた。あんまり可愛くてハローって返事して手を振る。いやぁエジプトいいなぁ、と思ったら、その子のお父さんが、どこから来たんだい?と笑顔で聞いてきた。あ、日本からですーって言うと、そうかいそうかいー、日本人はみんないい人だよねぇと言ってくれる。いやぁ子供も可愛いしオジさんもいい人そうだし、みんな優しいなぁ。「ああー、子供可愛いー。あんな小さな子供が声かけてくれて嬉しいねぇー。」「そうだねぇー、でもあれはピラミッドの客引きだから着いて行ったらダメだけどね。」「えええ!?ウソ!!なんでわかるの!?もう始まってるの!?」「ほら、ずっと俺たちのスピードに合わせて前を歩いてるやろ。そしてあの声のかけかた。タイミング。間違いない。」「ウソー………全然わからんしちょっとショックー…………」「君たちはピラミッドに行くのかい?私たちの家もあっちだから一緒のバンに乗ろうか。」「いや、いいです。」「ピラミッドにはツーリストの入り口とエジプシャンの入り口があるけどどっちから入りたい?」「あ、僕もうピラミッド何回も来てるので大丈夫です。」そう言うとスーッ去っていった親子。うーん、可愛い女の子にハロ~と挨拶させる作戦はさすがピラミッドの客引き、芸が細かい。こうして一般人のフリをして近づいてトラベルエージェンシーに連れていて行ってラクダとかに乗せる作戦はもはや古典的なパターンだ。「本当だったー…………わかんなかったー…………」「ねー、やりかたうまいよねぇ。俺も前回は全然わからくて現地の友達ができたーって嬉しくなって着いていったらアレだったからなー。」ピラミッドに行くみなさん、ギザの駅で声をかけてくる人の良さそうなエジプト人にはご注意を。でもこんな絡みもすぐ発生するけど。駅を出て道端で乗り合いバンを拾ったら、あとはピラミッドの目の前まで乗せて行ってくれる。乗り合いバンは3ポンド。20円。バンを降りたらもうそこにはピラミッドのシルエットが空にそびえてるのを見ることができる。さてー、今回も楽しいウォッチマンに絡まれるぞーと入り口にやってくると…………あ、あれ?なんか記憶と違うな……………確かケンタッキーが目の前にあって、もっと小さくてボロいゲートだったはずだけど、目の前にあるのは巨大なオフィスと広々とした門。めっちゃ警備員とか立ってて、ウォッチマンらしき胡散臭いやつは誰1人いない綺麗な入り口。ええええ…………ウォッチマン楽しみにしてたのに……………ピラミッドって入り口2ヶ所あるのね……………こっちがメインエントランスなのか…………いやああああああ!!!!今回の旅ことごとくなんにも起きねええええええ!!!渋川剛気並みにトラブルに近づけねえええええ!!!もはや護身完成した俺たちにはトラブルが一切近寄ってこず、快適なピラミッド観光スタートです。入場料は80ポンド。430円。そこからそれぞれのピラミッドの内部に入るのに別料金がかかるシステム。メインのクフ王のピラミッドに入るには200ポンドもするので無視!!1200円!!4年前は入場料60ポンドで、ピラミッドが100ポンドだったのにめっちゃ値上がりしてやがる!!っていうかデカい!!やっぱピラミッドすげぇ!!このギザのピラミッドには大小9つのピラミッドがあり、1番大きのがクフ王のピラミッド。中は細くて狭い階段がひたすら続いていて、ピラミッド中心部に小部屋があってトゥームレイダー気分を味わうことはできるけど、正直別に入らなくてもいいと思う。いやー、それにしてもピラミッドでけー。2500年も前に作られたものが、こうして今も残っているなんて半端なさすぎるよなぁ。地球すげぇ、エジプトすげぇ。そしてラクダの客引きのすげぇ。「ヘイ!!マイフレンド!!ラクダで回ろう!!分かるかい!!ここは砂漠だ!!とても歩いて回れる場所じゃないし、俺は政府公認のガイドだから問題なさすぎて自分で自分が怖い!!鼻ひげ!!ラクダ可愛いだろ!!カワイイラクダ~!!ヤマモトヤマ~!!」ウゼェ!!日本語混ぜてくるのウゼェ!!しかもかなりしつこくて、はっきり断っても最低5分は横にくっついてひたすら喋りかけてくる。岸辺露伴にくっついた背中見られたら死ぬスタンドくらい面倒くさい。ゆっくり見て回りたいのにそうやってひたすらくっついてきてワーワー言われるので気が散ってしょうがない。せっかくの超有名観光地なんだから、イメージ下げるようなことしないで欲しいのになぁ。そんな感じでうっとおしい客引きのオッちゃんとラクダに気を取られていた時、いきなりビビることが起きた。カンちゃんが持ってたセブンアップの1リットルペットボトル。それを写真を撮るために足元に置いていたんだけど、パッと横を見ると、知らないエジプト人のチンピラたちが思いっきりラッパ飲みしていた。え!?え!!?な、なにしてるの!!??そのチンピラ、ぷはー!と美味しそうにラッパ飲みしてまた蓋を閉めて足元に起き、何事もなかったかのように歩き出した。ええ??!誰!?エジプトで生き別れた弟!?そんなんおらん!!「オーケージャパニーズ!!ラクダのピクチャーカモン!!グッドメモリーマイフレンド!!」「いや、もういいです。もういいわ。さよなら。」ぽかんとしてる俺たちに写真写真と言ってくるラクダのオッちゃん。しかしいきなりめっちゃ気分が悪くなった。勝手に飲まれた!!気持ち悪っ!!「おい!!おい!!ちょっと待てや!!やるよこれ!!やるよ!!」あんなどこぞのやつが口つけた物なんかもう飲めるか。向こうのほうを歩いてたチンピラたち。やると言われてイヤッホーラッキーって感じで走って戻ってきた。ゲスすぎる…………「オオオオラアアアアア!!!!てめーら殺すぞボケコラアアアアア!!!俺の客に何さらしてくれてんだサルどもが!!!てめーの脳みそ全部かき出して代わりにコシャリ詰め込むぞボケ!!!」すると商売の邪魔をされたラクダのオッちゃん。すさまじい勢いでブチ切れてチンピラたちとつかみ合いの取っ組み合い開始!!「てめーらみたいなカスがいるからエジプト人はダメとか言われるんだよゴミが!!」「うっせー!!死ね老いぼれ!!」するとチンピラたち、手に持ってたセブンアップをピラミッドに投げつけて中身ブシャアアア!!ゴミを放置して怒りながら歩いていった。俺たちのセブンアップ……………いや、そこらじゅうに警備員さんいるのに、なんでこの騒ぎで誰もかけつけないの?あまりの慌ただしい展開に呆然としていると、そこにジュース売りのオッさん登場。「セブンアップいるかい~、ジャパニーズ~、セブンダウンもあるよ~。」いらねぇ!!ちょっと面白いし!!「本当にすまない!!あんなボケどもがたまにいるんだ!!でもエジプト人みんながあんなやつらじゃないから!!本当にすまない!!」取っ組み合いを終えたラクダのオッさんが申し訳なさそうに謝ってきてくれた。「いや、まぁいいですよ、あんなバカはどこにでもいますから。」「そうだよな、本当にすまない!よし、じゃあラクダの写真撮ったチップをもらっていいかな。」ウザっ!!ウゼェ!!それからも10分くらいくっついてきてチップくれ、ラクダ乗れ、ヤマモトヤマ、とひたすら言ってくるオッさん。チンピラよりタチ悪い…………いやぁ、疲れる………………なんとかオッさんを振り切り、ピラミッドから離れ奥の砂漠のほうへと歩いていくと、客引きたちもいなくなり急に静寂が広がった。あたり一面、本当になんにもなく、ただひたすらに砂漠の丘陵が広がってるのみ。その砂漠の中を砂に足を取られながら歩いて行く。しばらくして数人の人影が見える丘があったのでそこに向かった。ラクダ乗りが広大な砂漠の中を歩く姿はまるでおとぎ話みたいに雰囲気がある。ぽつりと雲が浮かび、その影が走る。丘の上には警備員のおじさん2人とラクダ乗りのおじさんかいた。彼らに挨拶すると笑顔でコーヒー飲むか?と言ってきてくれた。コーヒーをいれてるのが黒ずんだフルーツ缶だったので丁寧にお断りし、横の岩場に座った。目の前にピラミッドがある。ちょうど大きなメインのピラミッドがうまい角度で重なり、絶好のビューポイントだ。しかも他に観光客はおらず、この絶景を独り占め。綺麗だな。すごいなこの建造物。なんて形と大きさだよ。こんなもんがいきなり砂漠の中にポンと存在するなんてエジプトすげぇよ。生ぬるい風と暑い日差しが肌が焦げる。「俺はこのピラミッドで20年働いてるんだ。でも最近は観光客が少ない。今はこんなに平和なんだけどな。」ラクダ乗りのオッちゃんもここまで歩いてきた俺たちにはしつこい客引きはしてこず、横に座って世間話をした。やっぱりテロやデモの影響で観光客はグッと減ってしまってるみたい。さっきジュースを飲まれたのはあったけど、まぁあのレベルのことはどこの国でもあることで、今回はエジプトで治安の悪さは一切感じてない。みんなのんびりしてて、ゆったりした空気が流れ、平和そのものって感じだ。前回訪れたときのエジプトは政変中だったのでかなり荒れていたけど、今の平和なエジプトこそがこの国のノーマルな顔なんだろうな。エジプトは本当に平和な国で、人々も穏やかだと思う。「俺は妻が3人いるんだ。4人いるのも普通だよ。でもそのうちの2人が子供ができなくてね。今は1人の奥さんが3人産んでくれてるんだ。」静かにピラミッドを眺めながら、オッちゃんと色んな話をして、すごくいい時間だった。ここめっちゃオススメだ。オッちゃん楽しい会話をありがとうね!「歳?俺は32歳だよ。」ビビる年下!!下手!!下手!!スフィンクス超すげぇ。顔が人間で体がライオンて。古代の人の感覚でこんなものが作られたんだよなぁ。お土産物も安くてすごく可愛いものばかり。ラクダゲット。20ポンド。120円。安っ!!ピラミッドを堪能して外に出て、歩いているとちょっと小腹が空いたので、地元の人で賑わってる食堂へ。あ!!懐かしいファラフェルサンドがある!!イスラム圏ではよく食べられているベジフードだ。ひよこ豆のコロッケで、これを薄い生地のパンに挟んで潰し、サラダやホムスを入れて一緒に食べるサンドが大好きだった。久しぶりに食べてみると…………うわ!めっちゃ美味い!!カリッとした衣はほどよくしょっぱくて、ホムスも美味しい、サラダに入ってるパクチーも絶妙!!「うわー!!美味しい!!これ好き!!」パクチー大好きカンちゃん。初めてのファラフェルだったみたいで、大喜びしてる。そしてその値段!!なんとひとつ2ポンド!!13円!!!!チロルチョコより安いいいいいいいいいい!!!!!エジプト安すぎ!!!腹ごしらえしたら今度はお茶がしたくなってきた。ファラフェル屋さんの数軒隣に感じのいいローカルなカフェがあったので、そこでティーを注文。やってきたのはリプトンの濃い紅茶なんだけど一味違う。ポットの中にミントの葉っぱが入っていて、香り豊かなミントティーになってる。これに砂糖を多めに入れて飲むと、めっちゃくちゃ美味しい!!これで2人で15ポンド!!95円!!「いやああああ!!美味しい!!そしてみんな優しい!!エジプトすごい好きだわー。」カンちゃんが喜んでいると、店員さんや周りのおじちゃんたちがニコニコしながら手を上げてくる。人懐こくて、でもそこまで絡んでこず、女性に対してすごく紳士。エジプトすごいなぁ。前回の荒れたエジプトはなんだったんだろう。4年前。政変で荒れるカイロに着き、あんまりデモとかやってる辺りには近づかないほうがいいよと聞いていたのに、俺は怖いもの見たさでタハリール広場に行った。大きなラウンドの交差点なんだけど、不気味なことに車道に1台も車が走っておらず、消えた信号機が放置されていた。なんだこれ怖…………と思いながらも奥のほうへ歩いて行くと、道の脇に突如、焼けた車があった。完全なる暴動の跡といった様子。それでもさらに奥に行くと、いきなり大きな道路が巨大なコンクリートブロックで封鎖されており、周りでタイヤが燃やされて黒い煙をあげていた。さらにそのブロックの上で子供たちが向こう側に投石しており、半端じゃない状況だった。俺は好奇心でその写真を撮ろうとしたんだけど、1人の子供に気づかれた。俺を見つけて何かを叫んだ子供。その瞬間、子供たちが一斉に俺のほうにダッシュしてきて取り囲まれ、髪を引っ張られ、服を引っ張られ、バッグの中の荷物を引きずり出され、マジでヤバい状況になった。そしてついにポケットの中のiPhoneも抜かれたときにこいつはやるしかないと思ったんだけど、そこにエジプト人の大人たちが走ってきて、子供たちを蹴散らし、盗られた荷物を奪い返してくれ俺を逃がしてくれた。おじさんたちは俺を道端に座らせてくれ、水を買ってきて飲ませてくれた。そして、今エジプトは荒れててみんなおかしくなってるんだ、すまないと謝ってくれた。子供ではあったけど、あれはマジで怖かった。しかし、4年ぶりに訪れたタハリール広場はあの頃とまったく別物だった。大きなラウンドの交差点には無数の車が行き交い、たくさんの人たちで溢れ、あの時止まっていた信号機もキチンと光がともっている。人々は縁石に腰掛け、芝生で寝転がり、いたって平和そのものだ。警察の交通整理も多く、あのころの不気味な空気は微塵もない。そうか、政変のデモももう過去のことになったんだ。これがいつものエジプトの日常なんだ。エジプトはもう平和だな。あー、アイス美味しい。エジプシャンガールたちもアイス大好き。アイス、ダブルで15ポンド、95円!!近所で野菜を買って宿に帰り、秘蔵の辛ラーメンを食べていると、朝お喋りした美男美女カップルさんがいた。「あ、金丸さんですよね?やっぱり!そうかなーって思ったんですよー。ブログ読ませてもらってます!」おお、ありがとうございます!!ていうかなんとこのカップルさんも実はブログをやっていることが発覚。「ああ!知ってる奥さんがブラジル出身のかたのやつだ!!」ちょっと前にカンちゃんが、このブログのカップルさんすごい美男美女だよーって言ってたのを思い出した!!旅するにこいちさんだ!!やべー!!実物はさらに美男美女!!しかもこんなに穏やかで柔らかくていつもニコニコしてる素敵なお2人だなんて!!「あ、良かったらコーヒー飲みます?僕ら豆持ってるので。」そう言って持ち歩いているコーヒーミルで豆を挽いて美味しいコーヒーを入れてくれたノリさんとユキさん。やることもオシャレ!!なにこの非の打ち所のない素敵なカップル!!そこにもう1組日本人のご夫婦さんがいて、6人で美味しいコーヒーを飲みながらお喋りタイム。ちなみにサファリは宿内アルコール禁止だ。こちらのタカシさんミホさんカップルも素敵なお2人なんだけど、距離感がとても面白い。この後旦那さんのタカシさんはアフリカを南下していくみたいなんだけど、奥さんのミホさんはアフリカにあんまり興味がないからヨーロッパに向かうんだそう。つまり別々に旅をするということ。「2人とも趣味が全然違うんで、僕はヨーロッパに特に興味がないんで2ヶ月くらい別々に旅してまたどこかで合流する感じです。」すごいなぁ、旅中にお互いの行きたいところが違ったら、だいたいどちらかが折れてついていくというパターンだと思うけど、それがお2人はお互いの行きたいほうに別々に向かうというやり方。サバサバしてるというか、いい距離感が保ててるんだろうなぁ。きっとそういうところも夫婦が仲良くやっていく秘訣なのかもな。夫婦旅人が3組も揃ったら話題もそっち方面になり、旅中にケンカした時の対処法だとか、自炊のご飯はどんなのを作るかとかで盛り上がり、気がついたらあっという間に24時前になっていた。いやぁ、久しぶりにこんなに旅人同士でお喋りしたなぁ。日本人宿にはあんまり行かないけど、やっぱり来てみるとこうして新しい出会いや友達ができたりするもんだよな。いやー!!エジプト楽しい!!