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2人でただ歩くだけの青空



2017年3月2日(木曜日)
【モンテネグロ】 コトル





朝、タバコを吸いにテラスに行くと、ウルトラ最高の天気だった。





雲ひとつない真っ青な空。


目の前には覆いかぶさるような岩山がそそりたち、その足元に旧市街の赤い屋根が敷き詰められている。


ここは崖と湾に挟まれたひっそりとした隠れ里、コトル。




宿のママがいれてくれたバルカン半島のコーヒーを飲むと、口の中に粉が広がり、その濃さが朝にぴったりだった。


なんて気持ちいい日だー。1日延泊してよかった。




















こうなったら俄然やる気が湧いてくる。

ギターを担いで勇んで旧市街に出て、路地を抜けてメインゲートのところに行くと、たくさんの人が歩いていた。


たくさんと言っても数えられるほどではあるが、この閑散期のコトルにしたらかなり賑やかなほうだと思う。
















いくつかのカフェがメインゲートの表と外にあるんだけど、この陽気もあって見事に満席だ。

どこにこんなに人がいたんだ?ってくらい活気がある。







でもその分、ジプシーの家族も張り切って物乞いしており、子供たちが分散してカフェのテーブルを回り、かなりしつこくお金をせびって回っている。

ほとんどの人が追いはらうが、あまりにしつこいのでお金を渡してどっか行ってもらう人も結構いる。




こんな、小学校に上がる前くらいの小さな子供のころから親の物乞いを見ながら育ち、自分もそれをやってお金を得て、そのまま大人になり、お金をもらいながら生きながらえて年老いていく。


手を差し出していれば、誰かがお金をくれる。

それで生きていける。


考えてみるとすげぇ人生だな…………

もはや逆にストイックなのかもしれん。















とにかく俺は俺のパフォーマンスをしよう。

昨日旧市街の中ではやっちゃダメと言われたので、ゲートの外の広場の真ん中にセッティング。


後ろが車道なので結構うるさいけど、旧市街の中でやったらダメならもうここしかない。



さてー、最高の天気で人出も多いぞ。

きっちり稼いで次のアルバニアに向かおう!!




「ハーイ、ここでパフォーマンスしたらダメだよー。」




警察来て演奏前にストップ。


マジですか……………




「旧市街の周りはこういったパフォーマンスはダメなんだよー。ごめんな。その代わり2ヶ所だけ許可されてる場所があるからそこでならやっていいよ。」



お!!そうなんだ!!

旧市街の外のゲートから離れた並木とベンチの通り、そして旧市街の中のシネマスクエアというところがそのふたつだという。







よーし!そういうことならば!!







と、やってみるが……………まぁ並木のほうは全然ダメ。





車道の真後ろなのでなかなかうるさくて声が聞こえない上に、人通りが散ってまばらになってあまり前を人が通らない。


反応も薄く、ギターケースには数えられるくらいしかコインが入っていない。



うーん………寂しい。



目の前には旧市街の城壁、その後ろにそびえる断崖絶壁、後ろには輝くハーバー。

最高のシチュエーションなんだけど稼げないのはキツイなぁ。


やっぱりドブロブニクにしてもそうだけど、世界遺産みたいなど観光地で路上をやるのは規制が多くて難しいわ。


あがりは1時間で14ユーロ、1650円。








ちなみに旧市街の中の路上が許可されている場所、シネマスクエアはマジでビビるほど人っ子ひとりいないので、もしやってもただの練習で終わりなのでやらないほうがいい。


これがサマーシーズンだったらどっちもいい感じなのかもしれんのかな。














モンテネグロでもやはりシエスタの文化があるのかお昼を過ぎると人通りが減るので、路上はこの辺にしてコトルで1番楽しみにしていた山登りをすることにした。


旧市街の頭上にそびえる崖を登る石段があり、どうやら頂上のお城まで行くことができるみたいだ。


せっかく登るなら天気のいい時がいいなぁとは思っていたけど、今日の快晴なら素晴らしい景色が見られるはず。


というわけで宿に荷物を置いたら身軽になって山登りスタート。















民家の間を抜けて行くとすぐに荒れた石段が始まり、崖にさしかかる。

なかなかの急勾配でハァハァ言いながら登っていると、まぶしい太陽の光で暑くて汗をかいてきた。


もうすっかり春の気候だ。















石段の途中にはボロボロの廃墟が散らばっており、それらがなんとも寂寞を漂わせており、いいハイキングロードだ。


中間地点にある古びた教会にさしかかったころには眼下には素晴らしい景色が広がっている。


赤茶けた屋根が密集する旧市街、その周りに広がるいくつもの建物、深く静かに入り込んだ湾の周りを取り囲む壮大な岩山のダイナミックさ。

息を飲む美しさだ。














こうして黙々と歩くだけの道を行くとき、1人だったら物事を考える時間には困らない。

いつも1人で旅してきて、自問自答をしたり自己肯定をしたりしながら思いを巡らせる。



でも今こうしてカンちゃんと旅していると、お互いの考えに常に意見をくれる人がいて楽しい。

会話して、2人で色んなことを考えて、整理して、お互いの将来についての話に花が咲く。


子供の名前はどうしよう、どうやって稼いでいこう、帰ってからどんな面白いことをしていこう。



これまで1人で考えていたワクワクすることが、2人だともちろんまったく同じではなくて、でもそれぞれのやりたいことを擦り合わせてその中でベストの道を見つけていくことの嬉しさって、1人の時よりも大きいかもしれない。



それはやっぱり俺がカンちゃんのことが大好きで、カンちゃんの喜ぶ顔が見たいからだ。

カンちゃんも俺の考えをよく優先してくれるけど、それが私の望むことだと言ってくれる。





甘えあったらいけない。お互いが一緒にいることで高め合わないといけない。

大事な人ができたからって、1人でいる時の向上心や野心を捨ててしまったら男としての魅力はきっと落ちてしまう。


ちゃんと依存しすぎず、お互いを律し合える関係でいないとな。


今でもそう。
旅中だからってダラけてないで、お互いのやるべきことをキッチリやって生産性のある時間を過ごさないと。


1人でしかできなかったことを軽く超えていけるような、2人でしかできないことをやっていけたらな。












頂上にのぼり、崩れた廃墟の上から山々と湾を眺めた。


















ポツポツとまばらに散らばる可愛らしい集落。



綺麗だなぁ。

カンちゃんと見られて嬉しいなぁ。





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