スポンサーリンク 結婚指輪をなくす男 2017/2/12 2017/01/30~ イギリス②, ■彼女と世界二周目■ 2017年2月1日(水曜日)【イングランド】 チェスター ~ 【ウェールズ】 ブロートン朝、道路沿いのちょっと奥に入り込んだ広々したパーキングで目を覚まし、のんびりいつもの大好きパスタ。さぁ、今日はユナイテッドキングダム3ヶ国目のウェールズに向かおう。でもその前にひとつ行っておきたい町がある。日本でお世話になってるかたにオススメしてもらっている町で、ここもまた城壁に囲まれた古い町らしい。路上やるかどうかは町を見てから決めようかな。もうイングランドもこの辺りまで南に降ってくるとあちこち高速道路まみれ。そしてイングランドで高速道路まみれってことはシャワーも浴び放題ってことだ。高速料金も無料、サービスエリアのシャワーも無料なんだからイギリスは本当に車旅に向いている。リーズを過ぎたあたりのサービスエリアに入り、トイレの奥にあるシャワールームでスパッと体を洗ってそれからメールチェック。サービスエリアめっちゃ快適。ただ駐車場は2時間までしか無料じゃなくてそれ以降は有料になるので注意が必要。へんなたてものがあったのでよく見てみたら、室内スカイダイビングって書いてあった。なにそれ!?シャワーも浴びてスッキリし、いざ一気にブリテン島を横切ってチェスターという町までやってきた。チェスターはリバプール、マンチェスターなんかの大都市が密集するこのイングランド北西部にある都市のひとつで、古い町並みが残る素晴らしところなんだそう。ここがお世話になってるかたからオススメしてもらっていた町だ。さてー、のんびり観光でもしようかなーと住宅地に車を止めたところでふと気づいた。あれ?指輪がない。………………………………………………………サーっと顔が冷める。めっちゃ血の気が引いた。指輪がない。結婚指輪が。ない…………と言った時のカンちゃんの顔。あー、いつかやると思ってたという表情。やっちまった………………俺はギターを弾くときに気になるので指輪をはずす。石鹸を使うときもはずす。いつも頻繁にはずすのでいつか失くしそうだなぁってカンちゃんに言われていた。もちろん失くさないよう気をつけていたのに……………まだ結婚して2ヶ月ちょいやし……………普段指輪とかつけない人間の末路……………終わった………………さぁ行こうか!!と出発しようとしたままフリーズして、ひとしきり車の中で悲しみに暮れる。チラリとカンちゃんを見ると奈良の大仏みたいな顔になっている。「す、すみません……………謝罪の言葉もありません……………」「はぁ…………ショックです…………」あの指輪は仮のやつだ。旅中はきっとボロボロになるだろうから、日本に帰ってちゃんとした指輪を買おうということにして、仮の安い指輪を式のために用意した。値段の問題じゃないのはもちろんわかるけど、でもあれが10万の指輪じゃなくて良かった…………はぁ………誓いの指輪だったのにーーー…………「すみません神田さん……………とりあえず観光……行きますか………?」「そうですね。私は小腹が空きました。」大仏のアルカイックスマイルみたいな顔してるカンちゃんに怯えながら車を出て町に向かった。マジショック……………途中、移動ホットドッグ屋さんで信じられないくらい美味しくないホットドッグとコーヒーで腹ごしらえし、町の中心部に向かっていくと、昨日ヨークで見たような木の可愛らしい建物が増えてきた。白い壁に黒い木の骨組みがまるでストライプの模様みたいでスタイリッシュでもある。そんな旧市街の入り口にはやはり城門があり、金色や銀色の美しい装飾の時計台が通りの頭上にたっていた。おー、こりゃよく出来た観光地って感じだ。この時計台の両側に城壁がのびており、旧市街をぐるっと囲んでいる。城壁が作られ始めたのは約2000年前。現在の形に落ち着いたのは900年ほどの前のことらしい。中心部はとにかく古い建物が密集しており、石造りと木造のものが入り混じってとても個性的だ。ヨークの町並みをグレードアップさせたような雰囲気。いやぁ、内陸ヨーロッパの麗しい町を思い出させる町並みにワクワクしてくる。ヨークと違うのは路上パフォーマーがガンガンいるところだった。通りのど真ん中で男前の兄ちゃんが甘い声でカラオケしてたり、交差点のところでギターインストのおじさんがオールディーズを弾いている。道端では座り込んだ女の子がチューニングの合ってないギターをガチャガチャやりながらノッキンオンヘブンズドアを超絶音痴に歌ってるし、パフォーマーのレベルは結構低い。ただ場所取りは大変そうだ。みんなアンプを使っているのでメインストリートには入り込む隙間はない。それに町並みは綺麗なんだけど歩いてる人たちはどこかガラが悪い。叫びながら走っている人、道端でたむろしてるヤンキーたち、通行人に絡みまくっているオッさんたち、地下道にもビールを飲んでるホームレスとかがいて、あんまり雰囲気は良くない。ギターインストのおじさんもめっちゃ絡まれて迷惑そうにしている。まぁ無理してこの町でやることはないか。今日のうちにウェールズに行ってしまってもいいし。もうひとつヨークと違ったのは大聖堂の入場が無料だったこと。このチェスターの大聖堂、めちゃくちゃ巨大。ものすごく奥行きがあり、いくつもの部屋が広がり、装飾もステンドグラスも見事で本当に素晴らしい。なにより目を引いたのが巨大なパイプオルガン。なんかの生き物みたいに教会内にそびえており、すごい迫力だ。460年以上の歴史あるもので、5000のパイプで出来ているんだそう。チェスター大聖堂、大満足。ここは外せないな。最近ずいぶん日が長くなり、少し前まで16時には暗くなっていたのが、このごろでは17時でもまだ真っ暗にならない。夕暮れのチェスターはまた旅情を誘う雰囲気でとても綺麗だ。イーストゲートの時計台も薄暮の中で静かに時を刻んでいる。さぁ、これでイングランドも残すところリバプールのみ。ビートルズの聖地は最後の楽しみにとっておいて、あと4日ほどウェールズを周りに行くぞ。いやー!!ウェールズって何があるんだろ!!楽しみだなぁ!!!何があるんだろっていうか指輪失くした…………はぁ……………やっちまった……………チェスターを出て車を走らせていると、いつの間にか地図上でウェールズに入っていた。どこが国旗だったかまったくわからないうちに68ヶ国目のウェールズに入国。もちろんスコットランドの時と同じようにパスポートコントロールもなんにもナシ。そんなアッサリした入国だったんだけど、違う国に来たという実感はすぐにわいた。道路の標識が2言語で表記されている!!英語となんか謎の言語!!!スローがアラフ!!うおおお………ウェールズには独自の言語があるとは聞いていたけど、めっちゃマジやん。もう訛りとかそういうレベル超えてまったく違う単語やん。いやぁ、地理的に考えたらスコットランドのほうがもっと独自の文化を持っていそうなのに、スコットランドでは向こうの言語はたまにしか見かけなかった。それがウェールズでは道路標識にも書かれてるレベル。もしかしたらウェールズ語しか理解できない人もいるのかもしれない。すげぇ、なんか楽しくなってきたなぁ!!というわけでウェールズで辛ラーメン!!どんな景色や人と出会えるか楽しみ!!結婚指輪なくしたけど!!はぁ…………………カンちゃんごめん………………