スポンサーリンク イギリスで1番美しい町 2017/2/10 2017/01/30~ イギリス②, ■彼女と世界二周目■ 2017年1月30日(月曜日)【イングランド】 ウィットビーどこまでも広がる高原は、背の低い茶色い草木で覆われている。そこに太陽がのぼると、大地が輝くようにざわめく。冷たい風すらも照らし出されているかのように、全てが鮮明に形取っている。とても気持ちのいい朝。伸びやかで、空が近くて、気持ちがどこか楽なのを感じる。ようやく動き出せた充実感かな。そうだよ、俺たちはもうすぐアフリカに向かう。あの果てしない大地にはどんな風が吹いているんだろう。きっと、まだ感じたことのない匂いがあるはず。高原を降りてのんびり走っていくと、やがて坂道の向こうに水平線が見えてきた。青空に引かれた海の線がすごく清々しい。そんな海にポツリと浮かんでいるように見えるいびつな建物が、遠くからもはっきり見えた。小高い丘の上にそびえる修道院の廃墟。その廃墟の周りに寄り添うようにささやかな港町が広がっている。マジで、マジで思う。このウィットビーは2ヶ月回った中でイギリスで1番美しい町だ。大好きなこの勝手知ったる町でまずはコインランドリーで溜まっていた洗濯物をスパッと洗って乾燥まで終わらせ、スパッと町中に車を止めたらホコ天通りへ向かう。相変わらず観光客は多く、ウミネコがにゃーにゃーと飛び交い、丘の上の修道院跡が町を見下ろしている。停泊した小船、古い町並み、赤い橋と伸びる桟橋。魔女の宅急便のモデルはここだっていう町は世界中にあるけど、ウィットビーもまたそれらの中にエントリーする町だ。港を挟んで修道院跡の向かいにある岬の上には、世界の海をまたにかせたキャプテンクックさんが今日も水平線を見つめている。いつものホコ天通りはあんまり人がいなかった。前回来た時のあのすごい人出はクリスマス後だったからなんだな。みんなパーティーなんかでお買い物に出ていたから町に人が溢れていたんだ。年も明けて、帰省組も都会に帰って元の生活に戻ると人通りもまばらということか。これがいつものウィットビーの姿。とりあえずここ2日くらいメールをチェックしてなかったので、ズバーっと返事を返したらのんびりギターを取り出して歌った。が、人通りが減るとお金の入りもそれなりであんまり稼げない。でもまぁいいか。この大好きなウィットビーで路上ができることだけで心が和んで嬉しくなる。演奏の合間に言葉とコードを探しながら曲作りをした。最近作っていた曲をまとめようとしていたんだけど、なんだか上手くまとまらなくてテーマを少し変えてみた。すると、あれ?といい風景が浮かんできた。おお、これいいじゃん。そうだよ、無理してテーマを広く持とうとしてはいけないんだよ。誰かが言ってた。写真の素人はすぐに山全体を撮ろうとする。そうじゃなくて、山の木、その木の枝に張られた蜘蛛の巣を撮って山を表現しないといけないって。曲のテーマもそうだ。全部を言おうとしたらダメ。ある限られた風景を切り抜いて想像力をかきたてないといけない。そうやってコードを探していると、また違う曲が浮かび上がってきた。ピースがはまると面白いことにドバドバと言葉が出てきて、あっという間にサビのリフレインまで決まった。こりゃいい。いい曲が生まれそうな予感だ。今日はそうやって曲作りばっかりやっていたのであんまり歌わずに路上は終えた。あがりは1時間で26ポンド。3700円。本当は何日かウィットビーでのんびり過ごすつもりだったんだけど、天気予報を見てみるとこれから3日間くらいずっと雨マーク。そうなると路上もできない。何もできないでうだうだやってるくらいだったら、観光しながら先に進んでいった方が良さそうだ。さぁ、次の目的地はたくさんの地元の人からオススメされていたヨーク。もしいい感じだったら何日か路上やってみようかな。ていうか気づいたらイギリスも残りわずかやし!!!もう2ヶ月経つんだなぁ!!新天地が楽しみだわー!!