スポンサーリンク ロスリンチャペルの謎と謎の食べ物!! 2017/2/8 2017/01/01~スコットランド, ■彼女と世界二周目■ 2017年1月28日(土曜日)【スコットランド】 ロスリン ~ スコティッシュボーダーよっしゃああああああああああああ!!!!先に進めるぞおおおおおおおおおお!!!!!!日本から送ってもらっていた大事な書類が昨日ようやく届いたことでやっと移動ができるようになり、テンション高めの俺とカンちゃん!!そんなところにめっちゃ嬉しいメール!!とある人からのものだったんだけど、その内容はこう。メールをくださった女性がある日、東京の朝の通勤電車に乗っていたときのこと。ひとつの駅で元気な若者が電車に乗り込んできたんだそう。その若者たちは元気に会話していたそうなんだけど、朝の満員電車ということもあって女性は少しその声の大きさが気になっていたらしい。まぁそういう時あります。するとその若者たちが、俺最近あるブログ読んでてさー、路上ライブしながら旅してる人のブログなんだよねーって話していたんだそう。世界各国でギターの弾き語りして稼いでて毎日いろんな国の様子が更新されてるんだよねー、なにそれ面白そうやんーって若者同士で盛り上がっていたらしいんだけど、なんだか気になった女性は思わずその若者たちに声をかけてそのブログのことを質問攻めしたんだそう。そして後日ネットで調べ物をしてる時に偶然発見。それが僕のブログだったんだそう。若者グッジョブ!!!!ラーメンおごりたい!!しかもしかも、面白いことにその若者は大阪から仕事の面接をするために東京に来ていたらしいんだけど、なんとこのブログの影響を受けて大阪から東京まで歩いて行ったんだそう。よし!!悪影響!!!東京にたどり着いた翌日に面接に行ったらしいんだけど、かなりの大手だったらしくライバルも多かったみたい。しかしそこで、大阪から歩いてきました!!と言って道中の写真を見せたところめっちゃ食いついてきてくれて、他の面接の子たちそっちのけで話が盛り上がり、異例のその場合格を勝ち取ったんだそうだ。若者グッジョブ!!!!おめでとうのラーメンおごりたい!!!色んな方から色んなメールをたくさんいただいてますが、こうしたメールすごく嬉しいです。ただのアホみたいに茶化してくるメールは無視ですけど、それ以外には必ず返事を書くようにしております。みなさんいつも本当に本当にありがとう!!これからも頑張って楽しい旅をしていきます!!!!いやぁ………これでその若者が歩くのに疲れ果てて会社の面接に遅刻して門前払いだった、とかそんな悲惨なことにならなくてよかった…………というわけで久しぶりの移動スタート!!昨日チエさんにいただいたケーキを朝ごはん後に食べ、車を飛ばしてまずやってきたのは、エジンバラの町から少し南に下ったところにあるほんの小さな村。ひたすら農地が広がるだけの寂しい場所にひっそりと存在するその村の名前はロスリン。今日はあいにくの雨で、薄暗い雰囲気が余計にこの小さな村を孤立させているような感じだ。隠れ里のよう。そんな名もなき小さな村のはずれに、とある教会が立っている。名前はロスリンチャペル。グラスゴーのチエさんにオススメしてもらっていた場所だ。チエさんの話では、建立にフリーメイソンが関わっていたり、様々な謎が秘められた不思議な教会なんだそう。そいつは楽しみ!!と車を止めてチケット売り場に行くと入場料1人9ポンド。1300円。よし!!高すぎ!!!イギリスの観光地の入場料、全部高すぎなんだよ…………しかもここはプライベートヘリテイジということで、俺たちが持っているイングリッシュヘリテイジパスは使えないとのこと。しかたなく2600円払って入場料!!元取るぞコンチクショウ!!ロスリンチャペルは小ぢんまりとしており、特に外観が見事なわけではない。確かに田舎の小さな教会にしては多少凝った作りではあるけど、まぁ普通だ。しかし内部に入るとそこはもう異空間だった。おびただしいまでの石の彫刻が壁や天井、柱から窓枠まであらゆるところに刻み込まれており、まるで生き物のようにうねっている。これまでインドや東南アジアでこうした石の彫刻が素晴らしい遺跡にはたくさん行ったけど、ここはそれらに引けをとらない規模だ。マジでハンパじゃないほどの彫刻が、ひたすら細かく教会内部を埋め尽くしている。ちなみに教会内の写真撮影は禁止。こりゃすげぇ…………とゆっくり見て回ったんだけど、ロスリンチャペルの本当の魅力はそれらの彫刻に無数の物語や謎が秘められているところだ。つまりこの教会自体が聖書であり、伝記であり、図鑑なんだ。作られたのは1446年。スコットランドの貴族、セントクレア家の礼拝堂として建設された。まず1番有名な逸話はこれ。かつてこのチャペルの建設を仰せつかった彫刻師が柱の彫刻を手がけた。しかしもっと完璧なものを作るためには本場の彫刻を見なければいけないと北フランスに旅に出る。その間、待っていた彫刻師の弟子。まぁ俺もやってみようかなーと1人で柱の彫刻を始める。やがて師匠が帰ってきたとき、そこにはあまりにも見事な彫刻が施された柱があった。めっちゃ完璧な弟子の作品に、嫉妬で怒り狂った師匠。お前嫌い!!とハンマーで弟子の頭をかち割ってぶっ殺した。そんな逸話がある師匠と弟子の柱は、現在も教会内に残っている。次にコーンのレリーフ。その彫刻にはたくさんの人々が描かれているんだけど、一緒にトウモロコシも彫り込まれている。コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは1492年のこと。教会が建てられたのは1446年だ。当時まだアメリカの大陸にしかなかったトウモロコシがどうしてここに刻まれているのか。この彫刻には、スコットランドの船がコロンブスよりも先にアメリカに渡り、ネイティヴアメリカンたちに助けてもらいながら冬を越したのではないか、という説があるんだそう。不思議な物語。そしてロスリンチャペルでもっとも目を引くのがグリーンマンという彫刻。教会内のいたるところに、口から何かがニュッと出た人の顔が彫り込まれているんだけど、これはあのアダムとイブの話に由来している。ある日アダムの息子が天使から授かった種をアダムの口に入れたところそれが萌芽してグリーンマンになったんだそうだ。そのグリーンマンの顔はこの教会内に100以上も散りばめられており、穏やかな表情のものから怒りに満ちたようなものまである。祭壇の中央にあるひとつのグリーンマンの顔を見ていると、なんだか寒気がしてくるようだ。怒っているのか笑っているのか、口から植物を出したその顔はあまりにも異様だった。他にも人間の本能・欲求を表した道徳の彫刻、様々な動植物が配置されたもの、キリスト教以前の様々な宗教のものまで本当に無数の彫刻があり、今も多くの謎に包まれているとのこと。この摩訶不思議なロスリンチャペル。その秘密めいた怪しさに拍車をかけるのがフリーメイソンの存在。フリーメイソンはもともと石工職人たちだったというから、このチャペルとの関係性は想像しやすい。そうした歴史から、このロスリンチャペルはあのダビンチコードのロケ地にも使われたみたいだ。あ、と思い出した。そういえば映画のラストあたりで、田舎の小さな教会の地下で秘密の扉を見つけるシーンがあった気がする。それがこのロスリンチャペルで、実際の地下も見ることができた。こんなど田舎の農地の真ん中にある目立たない教会だからこそ、ロマンがかきたてられる。スコットランドに訪れたら是非とも行ってみたい場所。ロスリンチャペル大満足!!ロスリンチャペルを出発したらひたすら南に下っていく。次の目的地はスコティッシュボーダー。これは何かの名所の名前ではなく地域の名前で、イングランドとの国境に面したエリアに広がっている。この辺りの人たちは自分たちのことをスコティッシュというよりもボーダラーと名乗るくらい、この地域を特別視しているらしい。そんなスコティッシュボーダーエリアに入り、まず最初にやってきたのはメルローズという町。ここもまた目立たない小さな町なんだけど、スコティッシュボーダーには美しい修道院の廃墟がいくつも点在するとチエさんに教えてもらっている。廃墟好きの俺からしたらたまらないエリアだ。メルローズの修道院跡は町の真ん中に佇んでいた。小雨が降る陰鬱とした空の下、崩れた修道院の廃墟がいびつに取り残されている。屋根が落ち、壁が倒れ、石積みが芝生の上に散らばっており、かつてここがなかなかの大きさの建物だったことがうかがえる。こうした歴史の遺物が人間の性を教えてくれている。日本には廃墟ってあんまりないもんな。どれも綺麗に修復されてるので、イギリスみたいに歴史の生々しさとは距離がある。ちなみにこのメルローズ修道院跡の入場料は5.5ポンド。780円。ヘリテイジパスを持っていたら半額。スコティッシュボーダーの田舎道は森が広がる鬱蒼とした雰囲気だ。狭い道が木々の間をクネクネとのびている。どこに向かってるんだろうと少し怖くなるようなおぼろげな道を走っていくと、少し見晴らしのいい山の上に出た。見渡す限りに広がる森と山々のうねり。霧がけむって小さな集落を隠している。あそこにどんな人が住んでるのかな。やがてドライボロという村にたどりついた。集落の姿も見当たらないような村のはずれを進み、次の修道院跡に到着。チエさんの話ではこのスコティッシュボーダーには4つの有名な修道院跡があり、このドライボロのものが1番美しいんだそう。さっきのメルローズのものには入場しなかったけど、こっちはちゃんと入ってみることにした。入場料はさっきと同じく5.5ポンド。780円。やはりヘリテイジパスを持っていたら半額だ。敷地の奥に歩いて行くと、薄く霧がかかった林の中に崩れた廃墟が現れた。芝生に埋もれた基礎、空にそびえる高い壁の一部、修道院らしい彫刻の装飾が風化して向こうの風景をのぞかせている。天気の悪い日だからか、あまりにも目立たない名所だからか、俺たちの他に観光客の姿はなかった。2人だけでゆっくりと濡れた芝生を踏んで歩く。小さな小部屋がたくさんあり、中にはささやかな石の展示物がおいてあったり、狭い螺旋階段の見張り塔のようなものもあった。気温が低く、陰になった部分が凍りついており、滑ってなかなか危ない。カンちゃんの気をつけてーという声が、寂しく廃墟に響く。数百年前にここで人が祈りを捧げていたんだよなぁ。その人たちはここが廃墟になって、数百年の後に人々が訪れる観光地になるなんて思ってなかっただろうなぁ。ここにたくさんの人がいた当時のことを思い浮かべると、今俺が生きているこの時代もいつか風化して歴史の一部に埋もれてしまうんだと心に風が通り過ぎていく。遺跡は本当に胸を震わせる。遺跡や発掘物は決して死んだものなんかじゃない。雄弁に歴史を解いてくれる語り部だ。スコティッシュボーダーの修道院跡は他にもたくさんあるが、このふたつで充分満足。これでもうスコットランドに思い残すことはない。さぁ、イングランドに戻るぞ!!いや……………思い残すこと、あとひとつだけあったな……………そうだ、アレを試さないことにはスコットランドは出られないぞ……………勇気を出していってみよう。いざ!!かかってきやがれ!!!ハギスこの野郎!!!!!そう、ハギスとはスコットランド名物の大衆食!!羊の内蔵を羊の胃袋に詰めた羊もビックリの料理!!なかなか独特な味なので好きな人と嫌いな人に分かれるということは聞いていたけども………まぁ俺ほど世界中の謎の食べ物いっぱい食べてきたやつからしたらイギリスの郷土料理なんて、え?何が独特なの?イキってるの?ってくらいのもんだよね!!いやー、イモムシの炒め物とか食べたことある?あれ結構美味しいからね!!イグアナ焼いたやつとか!!さーて、変わり者気取りのハギスちゃんで白飯3杯いっちゃおうかなああああああ!!!うわぁ、すっごい微妙。なにこのもにゅもにゅ感……………なにこのむわってくる臭い……………ていうかイモムシもイグアナも別にあえて食べるもんじゃないよね……………ていうか俺そういう怖い郷土料理できる限り避けてきましたよね……………慣れたら美味しいんだろうけど……………外国人にとっての納豆とかそうなんだろうね……………う、うん……………これでもうスコットランドに思い残すことはないかな……………ウィスキーと古城と大自然とハギス。スコットランド、これでもう本当に思い残すことはなし!!