スポンサーリンク バスキングについて思うこと 2017/2/1 2017/01/01~スコットランド, ■彼女と世界二周目■ 2017年1月21日(土曜日)【スコットランド】 アーバイン「オシッコオシッコー!!」朝、車からカンちゃんが飛び出して行き、俺もゆっくり車から出ると、久しぶりの青空が広がっていた。気温はなかなか低く、フロントガラスが半分くらい凍りついているけど、この寒さがとても爽快だった。1人で周りを散歩してみると、河口から続く海が見えた。青い空の下で海が輝いており、遠く向こうまで砂浜が弧を描いてのびており、ぱらぱらと人影が見える。流木や石が転がっていてあまり綺麗な浜とはいえないけど、その解放感に湿った影が吹き払われていくようだった。海を見ると心が晴れる。「寒い寒いー!!」公衆トイレからカンちゃんが走って戻ってきて、エンジンをかけて町に向かった。いつもの川沿いの住宅地にスパッと車を止め、スパッとショッピングモールを抜けて、スパッとやってきたのはお気に入りのパイ屋さん。いやー、パイとスープの朝ごはんめっちゃいいわー。今日はチキン&ライスのスープとステーキパイとマカロニパイを買った。どれも飛び抜けて美味しくはない。学校の給食みたいな無難な味。それがなんだか懐かしくて、これぞ庶民の味って感じだ。路上は絶好調だった。天気の良い土曜日ということでいつにも増して人が出ており、みんな楽しそうに歩いている。昨日いたお爺さんシンガーがいなかったおかげですぐに開始でき、雨も降っていないので軒下に隠れる必要もなく通りの目立つところでギターを鳴らした。アコーディオンの兄ちゃんは向こうで安定のランバダ1本をひたすらリピートしている。気温が低いのと風があるのとで指先の感覚がなくなるくらい寒いけど、動きながら気合い入れて歌ってたらまぁなんとかなる。たくさんの人がコインを入れてくれ、そしていつものように懐こく話しかけてくる。カンちゃんは今日も、可愛いわねぇ、ウチにコーヒー飲みに来なさい!っておばちゃんにナンパされたらしい。「アレまぁ!世界を旅してるの!?この後はどこに行くの?」「ウェールズに行く予定です。」「オーウ、ウェールズ、ゴ~~~ジャス。」話しかけてきたころころした丸いおばちゃんがウェールズと聞いた途端に目をむいて興奮している。「ウェールズはアブソルートリービューティフルよ!!特に海沿いなんか行ってごらんなさい、オーウ、ファビュラス!!」ありとあらゆる褒め言葉でもってウェールズを褒めちぎるおばちゃん。そこまでないやろ!!ファビュラスて面白すぎるわ!!でもそこまで言われるとちょっと期待してしまう。ウェールズはどこに行こうかなぁ。それからもノーストレスで元気に歌い、順調にコインがたまっていく。ヤンチャなガキンチョたちがうっとおしいけど、子供が元気なのはそれだけで平和なことだ。いやー、本当子供たちが元気だなぁっていうかおいクソガキ、その地面に叩きつけてパンパン鳴らすミニ爆竹みたいなやつを俺の近くで鳴らすの止めろ。イヤッフー!!って調子乗りがおどけて俺の前に躍り出たので、こういう時は冷静に写真を撮っとこう。恥ずかしそうな笑顔でみんな笑いながら逃げていった。寒くてガクガク震えながら根性で2時間半。雨にも悩まされず、現地の人との交流もあり、久しぶりにこんなに楽しい路上ができたなぁ。あがりは2時間半で125ポンド、17700円。気がつけば6日連続で路上をやったんだな。これもずいぶん久しぶりだ。いやー!!今週はよく歌った!!やっぱり歌ってないとダメだわ!!旅だけでも、路上だけでもダメ。この前ふたりでふらりさんが、路上パフォーマーには旅をするために路上で稼いでる人と、お金目当てではなく現地の人とのコミュニケーションを楽しむために路上パフォーマンスをする人の2種類がいるって書いてたけど、旅の資金繰りに関してはそうだとしても、どっちかだけのために路上をやってるパフォーマーってあんまりいないと思う。金のためだけ、現地の人とのコミュニケーションのためだけ、っていう人はそんなにいない。その両方を同時に出来るから路上ライブってのは素敵なんだよな。僕はふたりでふらりのイクエさんケンゾーさんのこと好きです。ズバズバご意見書くところも、世界の色んなレアな場所に行くお2人の旅も素敵だなと思います。同じ九州からの旅人ということでちょこっとだけだけどやりとりさせてもらったこともあります。その上で僕の意見も少し書かせてもらいたいんですが、南米でレストランやバスの中、電車の中、信号待ちの道路でパフォーマンスをしてお金を集める人たちを僕たち外国人の物差しではかるのはいかがなものかと思います。このことに関して否定的なご意見を書く旅人さんがたまにいるのがちょっと悲しいです。アメリカからラテンアメリカ地域に入ると、いきなりこうした公共の場でのパフォーマーか増えます。なんなら音楽系だけでなく、いきなり電車の中で寸劇を始める人たちもいます。長距離移動のバスの中でも突如コントを始める人たちもいます。もちろん現地の言葉で。そうしたパフォーマンス系だけでなく、満員電車の中にスピーカーを持ち込んで爆音で音楽を流しながらコピーのCDを売る人もいるし、人でごった返す逃げ場のない状況で、ぶわああああああっとシャボン玉をまきちらかす物売りさんもいました。まぁさすがにこれはキツイですけど、でも僕はレストランにやってきて演奏をしてくれるマリアッチの人たちが大好きでした。僕がパフォーマーだからってのもあるんでしょうけど、ラテンアメリカ、特にメキシコなんかではマリアッチというのは文化として存在するものです。ベテランマリアッチさんがレストランに来て礼儀正しく挨拶し、年季の入ったベサメムーチョを演奏してくれたりするのは、ラテンアメリカならではの旅情を感じさせてくれるものです。上手い人にはもちろんチップを払います。電車の中でもバスの中でも信号待ちの道路でも、彼らはこれを何十年も毎日毎日やっているんです。町の人々にとってもそれはごく日常の風景になっていることでしょう。そこに僕ら外国人旅行者が行って、こんなの信じられないとその国の文化を否定するのってちょっと強引じゃないかな。欧米人やラテンアメリカンが日本に来て満員電車に乗って、なんでみんなこんなに無言なの!?黙りこくって退屈そうで、もっと楽しくしようよ!!って否定するのと同じような感じなのかな。その国その国に独自の文化や日常があるんだから、旅人は多少迷惑で違和感を感じたとしてもそれを受け入れるべきなんじゃないかなぁと思います。ムカつくボッタクリとかは許せないですけどね。僕は南米人の友達とレストランマリアッチをやったり、バスの中で歌ったりしましたからね。なので彼ら寄りの意見になると思います。中にはお金を入れてくれるまで頑なに要求し続ける横柄なパフォーマーもいますが、そういう人に当たれば確かに運が悪いと言えるかもしれません。でもそれも含めて彼らの日常だろうし、僕が実際レストランマリアッチやバスバスキングをやってみた限りでは、現地の人に文句を言われたことは一度もありません。むしろ多くの人が率先してチップを渡してくれました。決して悪習というものではなく、ラテンアメリカンはそうしたパフォーマンスを楽しんでくれる陽気な人たちだと思いました。貧しい地域でのバスキングに関してもみなさん様々なご意見があると思います。確かに日本人は裕福な国民で、そんな僕らが途上国でパフォーマンスして月収2万円とかの人たちからチップをもらうことに違和感を感じる人もいるかもしれません。でもそれを言ったら世の中のアーティストたち、みんな超金持ちですから。みんな超金持ちでも途上国でバンバンコンサートやってます。現地の人たちは毎日汗水たらして働いて得た稼ぎから少しずつお金を貯めて、やっとその大好きなアーティストのライブに行ってパフォーマンスを楽しむんです。誰にでもお金を払ってアートや娯楽を楽しむ権利があるはずです。野たれ死ぬかライブに行くかでライブを選ぶ人はいないでしょう。みんな可能な限りで楽しんでいるはずです。路上パフォーマンスならなおさらです。良いと思ってくれた人だけがお金を入れてくれればいいんです。入れてくれなかったからってこのボケなんて思わないですよ。路上の稼ぎはその国の人々の収入にそのまんま比例するので、北欧で歌えばたくさん稼げるし、貧しい国で歌えばもちろんそれなりにしか稼げません。でもお金だけの問題じゃなくて、笑顔で親指立ててくれただけで嬉しいし、子供が楽しそうに踊ってくれたりなんかしたら最高です。そしてお金をもらうんだったら北欧でもインドでも、同じように覚悟を持って自分のベストのパフォーマンスをするよう心がけることが礼儀であり、パフォーマーとしての責務です。その覚悟があれば、月収2万円の人たちでも快くチップを入れてくれるし、その対価に対して不安にならなくて済みます。まぁ、未だに日本では路上パフォーマーのことを物乞いみたいに考える人もいますし、捉え方は人それぞれだと思います。この考え方も僕のものですし、押しつけるものではありません。芸事ってのは人間が生きる上では必ずしも必要なものではありません。そこにお金を落としてもらっているということを忘れず、決して思い上がってはいけないといつも肝に銘じ、これからもパフォーマンスをしていきます。イクエさんケンゾーさん、生意気なこと言ってすんません!!でもお2人が日本人の女の子の路上ライブを見て感動したと書いてあって勝手に嬉しかったです!!!!元祖長浜もう行きましたか!?僕今超行きたいです!!さてー、明日は日曜日。ゆっくり起きてのんびり観光でもするかー!!