スポンサーリンク スコットランドで1番美しいお城と秘境の島 2017/1/19 2017/01/01~スコットランド, ■彼女と世界二周目■ 2017年1月7日(土曜日)【スコットランド】 ネス湖 ~ スカイ島このあたりスコットランド北部の地域をハイランド地方というようなんだけど、なんか色んなところに謎の言葉を見かけるようになった。ウェルカムの横にファイルテみたいな言葉が書いてあったりして、これどういう意味だ?って思ったら、なんとこれ、スコットランドの言語のよう。まったく違うやん。もう訛りの域でてるやん。イギリスって言っても本当色んな地域があるよなぁ。そして今日、これまでのイギリスとは全然違うまったく別の顔を見ることになった。いやー、今日はすごかった。これぞスコットランドという大自然のオンパレードだった。まず朝起きたら目の前ネス湖。うわあああああああああ!!!!!ネッシーどこおおおおおおおおおおお!!!!冬休み旅行でイギリスに来てるメガネOLどこおおおおおおおおおおお!!!!!メガネOLに俺のネッシイイイイイイイイイイ!!!!!!!というわけでお城来ました。駐車場歩いてたらマジで日本人の女の子が2人いて超ビビりました。カッコつけて歩いて素通りした後にコンクリートに頭打ち受けてこのクソ野郎!!!なんで声かけない!!!車あるので良かったらどこか送って行きますよとかいくらでもやりようがやるだろう!!!チークいっぱい塗ってタレ目メイクのイマドキな女の子だったじゃないか!!!!ああいう乙女に見せかけといて実は気の強い女の子の顔にかけてやりたいだろう??あああ!?話かけろ!!話しかけて顔にかけろ!!違う!!まずは話しかけろ!!「あのー、ちょっとすみませんー、花山薫とスペックだったらどっちかっていったらどっち派ですか?」普通にお城見学しました。テンションおかしいです。でもこのお城は500年代に作られたものだそうです。最初は小さな砦のようなものだったのが、何百年もかけて少しずつ大きくなっていき、1500年代に最盛期を迎えたんだそう。かつてはこのあたり一帯の水運の拠点として大いに栄えたとのこと。しかし今残っているのは崩れた廃墟のみ。わずかな城壁と、半壊した塔。建物の基礎が見てとれるくらいだ。石の崩れた姿があまりにも寂しげに黙りこくっている。ネス湖のすぐほとりに築かれているこのアーカート城は、その開放感もあって、なんだかすごく置いてけぼりにされた悲しさがあった。お城は廃墟になるもんだなぁ。このお城に住んでた人はネッシー見たことあったかなぁ。アーカート城。入場料は1人8.5ポンド、1220円。俺たちはイングリッシュヘリテイジパスを持っているので半額。アーカート城を出てからネス湖沿いに南に下り、しばらくしてから西に行く道に入る。沿岸部に向かう一本道なんだけど、このA87号線がたまらなくヤバかった。もうこの辺りまで来ると都市はなく、まばらに村が散らばっているくらいで、どこまでも人の手の加わっていない原野が広がっていた。静寂の湖、草原、放牧された羊はいつもの光景ではあるんだけど、これまでとはまったく違う自然のエネルギーが満ちている。久しぶりにノルウェーを思い出させる、あのダイナミックで人工物の気配がない恐ろしいほどの荒野が大地を支配していた。真横にある静寂の湖があまりにも神秘的で美しかったので、思わず車を止めて歩いてみることにした。背の低い草が苔のように地面を覆っていて、ところどころに丸い小さな糞がある。おそらく羊のものだ。こんなまるで黄泉の国のような、恐ろしいほどの最果てでも、羊はのんびり暮らしている。しばらく歩くと湖岸に出た。耳が痛くなるほどの静寂が張り詰めている。鏡ばりになっている湖面は一切なにも動いておらず、まるで時が止まっているかのような錯覚に陥る。水際に、朽ちた木の根がさらされていた。いびつに歪んだ黒いシルエットが何かのオブジェのようでもある。ここに生えていた木が死んで、こうなったのか。空が広くて、無表情に俺たちのことを見ている。こんな大自然の中に2人きり。どこにでも行けるようで、どこにも行けない悲しみが石と転がっている。絶景はそれからも続き、思わず車を止めたくなる景色のオンパレード。これほどのドライブコースなかなかないぞ。鏡張りはこうやって見ると目が変になる。悠然とした地球の営みの姿にため息をつきながら車を走らせていると、しばらくしてとんでもないものが目に入った。ぬおおお!!なんだあれ!!ソッコーでハンドルを切って車を止めた。ヤバすぎ……………これはヤバすぎだろ…………完全にファンタジーの世界やん……………ファイナルファンタジーだったらめっちゃ伝説の剣とかゲットできる系のお城が、静寂の湖の上にポツリと浮かんでいた。陸地から石の橋がのびてお城と繋がっている。怖くなるほどの美しさに呆然としながらカンちゃんとお城を眺めた。スコットランドすげぇ。これだよ、これこそイメージしていたスコットランドの旅だ。このアイリーンドナン城。入場は有料みたいだけど、今日はビジターセンターが閉まっているようでチケットを買うことはできなかった。残念。と思ったんだけど、なんとお城は解放されており、無料で橋を渡ってお城へと行くことができた。ただお城の中にまでは入ることはできず、歩いて島を一周するだけだった。でもそれだけで大満足。間違いなく今の所イギリスで1番美しいお城だと思えた。周りに大きな町はなくアクセスは大変だけど、だからこそ、この孤立した美しさは他に類がない。スコットランドらしい、北の寂しさと美しさを代表するスポットだ。さてさて、あの大荒野を駆け抜け、フィヨルドが広がる険しい東海岸にまで出てきたのにはもちろん目的地があるから。窓に見える風景はまるで瀬戸内海みたいな穏やかで、いくつかの小さな漁村を駆け抜けて行っていると、遠くのほうに大きな大きな橋が見えてきた。あれだ、あの先がスカイ島だ。スコットランド北西部にあるスカイ島。なにもないこの世の果てみたいな僻地の島なんだけど、この島のどこかにフェアリープールと呼ばれる場所が存在する。険しい山々に囲まれた中に、エメラルドグリーンの水をたたえた池があり、無数の滝が織りなすその場所は妖精のプールと呼ぶにふさわしい景観とのこと。この世のどこかに妖精たちの王国があるのだとしたら、確かに俗世から隔絶された秘境にありそうな気がする。そしてこのスカイ島はそれに相応しい秘境感に溢れていた。大きな橋を渡って島に入り、それから漁村にあったスーパーで食材を買い込み、奥地を目指した。雰囲気としては岩国の下にある大島みたいな感じだ。ただ最果て感は比べものにならない。やがて日が沈み、島が暗闇に覆われると、外灯も民家もほとんどない道は世界に取り残された僻地の空気をより一層濃くした。ヘッドライトで照らし出された分かれ道を、細い道へと細い道へと入っていく。広大な暗闇。何も見えない。最後の明かりはいつだったか?と思えてくるほど人の気配のない奥地へと進んでいく。少し怖くなる。それくらい真っ暗闇しかない。このドキドキが嬉しかった。スコットランドは路上には向かないけど、旅をしてる実感はこれでもかってくらい与えてくれる。もっといくぞ。もっともっと奥深い場所まで潜り込んで、妖精の王国を見つけてやるぞ。