スポンサーリンク コッツウォルズの村々 2017/1/2 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月21日(水曜日)【イングランド】 バイベリー ~ ハル田舎の一本道。田舎の一本道にはパーキングがたくさんあるので眠る場所には困らない。朝起きて車を降りると、いつものように濡れた地面。イングランドは今日も安定の曇り空。この国では乾いた地面になかなかお目にかかれない。今日はイングランドを一気に北にのぼろう。ロンドンも行ったし南の海岸線も、ストーンヘンジも行った。地方都市もそれなりに見て回ったけど、別にこれといって代わり映えもしないし、イングランドには町が無数にあるのでこの中から楽しそうな町を見つけ出そうと思ったら時間がいくらあっても足りない。せわしい都会はもう疲れた。田舎の地方都市でゆっくりしたい。というわけでどの辺りまで北上しようか考えながら地図を眺めていたら、イングランド北東部の海沿いにスカボローという名前の町があった。フォークシンガーとしてこれは気になる。サイモン&ガーファンクルの歌の名前だ。まぁなんの関係もないんだろうけど、ここを目指してみることにした。町を選ぶ理由なんてそんなもんでいい。スカボローの周りを見るとそんなに道もごちゃごちゃしていないし、田舎ののどかそうな雰囲気だし、クリスマスはこのあたりでのんびりするかな。さて、もともとこのサイレンセスターという何にも知らない地方都市に来たのは、バイベリーという美しい村に行くのが目的だったわけなので、北上する途中にしっかり見ていこう。このバイベリーについてもまた何にも知らないんだけど、サイレンセスターにいる間に少しこの辺りの地方についてわかったことがあった。本屋さんとかでポストカードを見てみると、なにやらコッツウォルズという文字をたくさん見かけた。どういう意味なんだろう?と思っていたんだけど、どうやらこれはこの地方の名前らしく、ネットで調べてみると、イギリスの中でも伝統的な農村風景が残るエリアとしてちょっと有名なところなんだそうだ。ポストカードにある写真を見てみると、茅葺屋根の民家やくすんだ黄色の石造りの民家がこのコッツウォルズの特色らしい。そういえばこのサイレンセスターの町並みもくすんだ黄色の古めかしい建物ばかり。それは当然で、というのもサイレンセスターはこのコッツウォルズの州都にあたる町だった。車を走らせている間も、窓に過ぎ去る村々はどれもその特色通りで、とても味がある。曇り空の下、霧の中に現れるその石造りの民家は、まるで絵本の中のように朧げで幻想的だ。そしてたどり着いたバイベリーの村は、そんなコッツウォルズという絵本の中でも1番に名前が挙げられるだけあってとても美しいところだった。ただの緑豊かな小さな農村なんだけど、流れる川と木々の間にくすんだ石造りの民家が散らばっており、童話の中の小人が住んでいそうな雰囲気だ。森の中の小径には苔むした柵があり、静寂の小川の底には落ち葉が沈んで積もっている。きっとここの子供たちは夏になればたくさんの虫を捕まえて遊んだりすんだろうな。田舎育ちからしたらとてものどかで心安らぐ風景が広がっていて、そして探検心をあおられてワクワクしてくる。あの森の向こうには何があるんだろう。この小径の先にはどんな大木があるんだろう。村の大きな教会の裏手には苔の絨毯が広がっており、そこに古びたお墓が傾いて並んでいた。静寂の教会内にはささやかなステンドグラスがあり、村の人々の暮らしを思うと、どんな秘密の風俗や昔話が伝えられているんだろうとロマンを感じてしまう。やっぱり田舎はいいなぁ。コッツウォルズ、すごくいいところだなって素直に思えた。ささやかな探検を終えて車に戻り、大満足でバイベリーを後にした。それからもいくつものコッツウォルズらしい風景が残る村々を通り過ぎ、やがて地図上でコッツウォルズ地方を抜けると分かりやすく風景が変わった。民家がどこか新しくなり、赤いレンガ造りで洗練された雰囲気だ。こうきっぱり風景が変わると、さっきまでのコッツウォルズが本当に絵本の世界だったように思えた。きっとイギリスは、一口にイギリス、イングランドと言ってもそれぞれの地方によって色んな特色や方言があるんだろうなぁ。北に行けば、日本の東北みたいに味わい深い場所がきっとあるはずだ。そう思うと北に向かうのが本当に楽しみになってくる。中部にもたくさん面白い場所があるんだろうけど、これもまた縁だ。オックスフォード、ノーザンプトンを過ぎてから、シャワーを浴びようと高速に乗ってテキトーにサービスエリアに入った。シャワーはやはりここも無料であったはあったんだけど、17時という時間帯もあって3~4人の人が順番待ちをしていた。んー、やっぱり仕事終わりの人とかが入りに来るんだろうな。というわけでもう少し高速を走り、19時くらいになって別の小さなサービスエリアに行ってみたんだけど、ここが当たりだった。シャワールームがふたつあり、簡素ではあるけどちゃんと温かいお湯が出て快適なシャワーだった。でもカンちゃんに聞くと女性シャワールームは普通の家にあるようなガラス張りの立派なものだったらしく、最高だったとのこと。こうしたサービスエリアでシャワーを浴びるのはだいたいトラックの運ちゃんとか肉体作業員が多いだろうから、女性で浴びる人はほとんどいないんだろう。その分ちょっと贔屓して贅沢になってるのかな。それにしてもイギリスの高速のサービスエリア、めっちゃ便利。しかしガソリンはヤバい。そろそろガソリンがなくなりそうだったのでサービスエリアのガソリンスタンドに行ってみた。高速のスタンドは高いという話は聞いていたんだけど、まぁそこまででもないだろうとタカをくくっていたのが大きな間違い。町のスタンドではだいたいディーゼルは1.18ポンドとかそんなもん。169円。しかし高速のスタンドはなんと1.369ポンド。199円!!!!ぐおおおお!!!今までの人生で1番高え!!!!!これからイギリスでガソリン入れる人は高速のサービスエリアでは絶対入れちゃいけません……………そんなこんなありつつもとにかく走りまくり、高速の終点まで走って、22時くらいにようやくキングストンアポンハルという港町に到着した。いやー、今日はよく走った。地図を見ると今いるのはイングランドの北東部。ブリテン島でいったらちょうど真ん中のあたりだ。ここからもう少し北上するとそこからスコットランドが始まり、エジンバラなんかの都市エリアを抜けたらそこから上は広大な大自然エリアが広がるのみ。いやー、ワクワクするなぁ。ノルウェーの大自然に負けないような秘境がたくさんあるんだろうなぁ!!前にカナダに行った時、街が固まっている南部だけを旅し、北部にはまったく行かなかった。地図を見れば半端じゃない広大な陸地が広がっていて、きっと想像を絶する大自然が広がっているんだろうなってロマンを抱いた。道もほとんどなくて、山と森と湖だけの野生動物たちの王国。そんな中に点在する小さな村にはきっとすごい暮らしがあるはず。でもあの時俺は行かなかった。そんな広大な大自然の中をバスを乗り継いで旅するのは時間的にも財布的にも厳しすぎた。今俺たちには車がある。食材さえ買い込めば、何日かかけてかなりの秘境にだって突入することができる。地図を見て、面白そうな山道があればガンガン入って行って絶景を探せる!!スコットランドめっちゃワクワクするわ!!でもその前にこのイングランド北部を思いっきり満喫するぞ!!あー!いい町があったらいいなー!!ていうかミニキャベツってこうやってできるんだビビる!!