スポンサーリンク イギリスで1番の観光地っていったらやっぱりここ 2016/12/28 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月16日(金曜日)【イングランド】 ストーンヘンジ ~ マルボロ ~ サイレンセスターリベロの武田っていう漫画を知ってますか?僕が小学生か中学生くらいの時に流行ったギャグサッカー漫画で、色んなキャラクターや必殺シュートがあって、ドッヂ弾平君に並んで結構人気の漫画だったと思います。その登場人物の中に、名前は忘れたけどボディビルダーみたいな巨漢のやつがいて、そいつの必殺シュートの名前がストーンヘンジというものでした。その巨漢の男がめっちゃチョコンとボールに触れるだけのトロいシュートなんだけど、巨漢の体重がボールに乗っており、キーパーが受け止めようとしたらあまりの重さに止めることができずゴールラインを割ってしまい、さらにはボールごと体が地面にめり込んで埋もれてしまうという、まぁただのギャグ漫画のシュート。体が地面にめり込んだキーパーの両手両足だけが地上に出ているんだけど、その姿からストーンヘンジという名前をつけたのさ!!って漫画の中で言ってたのをなんかめっちゃ覚えている。遠い遠いイギリスという国には、そのストーンヘンジっていう大きな石を積んだ遺跡があるんだーって、小学生くらいの時に宮崎県の片隅で漫画読みながら思っていた。別に想像もしなかった。それくらいあの時の子供には世界なんて無縁の場所だった。あれから何年経ったんだろ。ついにあの必殺シュートの由来になった場所に来たぞ。こういうのってめっちゃ感動するわ!!何にもないだだっ広い草原の中を走っていくとストーンヘンジの看板が出てきて、そちらに進んでいくと大きな駐車場が出てきた。駐車場は無料で、すでにたくさんの車が止まっていた。すぐ横に近代的なビジターセンターがあり、ここでチケットを購入する。値段は1人16.5ポンド。2400円。ぐううう…………イギリスの観光地、マジで高い……………しかしすでに入場料の高さでロンドンのウェストミンスター寺院もドーバーにあったドーバー城も諦めてきている。ここだけは見たいっていうところだけはおさえておかないとイギリスに来た意味がなくなってしまう。このストーンヘンジは、俺たちがイギリスに来る前からイギリスについて知っていた数少ない観光地のひとつ。2人で5000円もするけど、ここは入っておこう。「ハーイ、2人はイングリッシュヘリテイジパスのことは知ってる?これはすっごいお得よー。」するとスタッフのおばさんがノリノリで話しかけてきた。イングリッシュヘリテイジパスというのはイギリスにある数々の遺跡の入場料が無料、もしくは半額になるというお得な共通券だ。これについてはロンドンのMさんに教えてもらっていたんだけど、どうも上手く理解ができていなかった。というのもパスにも様々な種類があり、期間や入れる遺跡、金額などが違いなかなかややこしい。イギリスの居住者じゃないと取れないパスもあるとか。そんなわけでヘリテイジパスは取らないで、行きたいところだけに的を絞って観光するつもりだったんだけど、ここのおばちゃんのオススメしてくれたパスはかなり素晴らしいものだった。イングランドにある無数の教会やお城なんかの遺跡がほぼ無料。スコットランドのものはほとんどが半額になり、アイルランドのものもほとんど無料。その数400ヶ所で、期間は15ヶ月。そして居住者ではなく外国の観光客でもゲットすることができるというスーパーお得以外のなにものでもないパスだった。値段は大人のペアチケットが92.5ポンド。13500円というのはなかなかの金額だけど、このストーンヘンジの入場料を考えたらそのお得さは一目瞭然。ストーンヘンジに普通に入場したら2人で33ポンドかかる。しかもヘリテイジパスを持っていたら、普通6ポンドする日本語のオーディオガイドを無料で貸し出ししてくれる。つまり45ポンド、6600円がこのストーンヘンジだけでかかってくる。この前入り口まで行って引き返したドーバー城が20ポンドだったので、もうこのストーンヘンジとドーバー城だけで元がとれるって寸法だ。これからイギリス、アイルランドをがっつり回ることを考えたら考える余地なんかないくらいスーパーお得。というわけでイングリッシュヘリテイジパスをゲット!!!もうこれで遺跡の目の前まで来てるのに入場料が高くて諦めるなんて、心残りでゲロ吐くようなこともないぞ!!しらみ潰しに遺跡行きまくってやる!!!チケットをゲットしたら、オーディオガイドだなんていつもならビビるくらい全く縁のないラグジュアリーなものを首からさげながらストーンヘンジの観光に出発。このビジターセンターから観光の目玉である石積みのところまでは数キロあるようなので、建物の裏からシャトルバスが出ている。それに乗り込むと、バスは何もない草原の中をゆっくりと走っていく。曇天の空、茫洋とした草原がなんとも寂しげで、その雰囲気がまた謎多きストーンヘンジの魅力を引き立てているようにも思える。紀元前3000年以上前の先史時代の遺跡として知られるこのストーンヘンジ。この一帯にはその時代の遺構がいくつも発掘されており、マップを見るとかなり広域な範囲に渡って見所が点在しているよう。この場所にかつて人々が存在していた証拠がたくさん確認されている。とはいっても厳重に保護されたエリアになっているため見学通路が整備されており、ロープの外には出られないので見られるのはほんの一部だけだ。バスを降りてその見学通路を歩いて行き、遠くのほうにあのあまりにも有名な石積みが見えてきた時にはさすがに震えるものがあった。いつくもの巨石が人工的に積み上げられており、サークルを形成している。オーディオガイドによるとこの巨石をどのようにして積み上げたかは謎のままらしいけど、まぁそんな謎はピラミッドとか世界中にあるのでそこまで珍しくはない。三朝の投げ入れ堂も麓で作ったお堂を役行者が念力でとりゃー!と山の上の崖に飛ばしたというし、イングランドの人にもそれくらいはできたかもしれない。面白いのはこの巨石が数百キロ離れた西ウェールズのほうから運ばれてきたものだということ。こんな巨大な石を何百キロも離れたところから運んできたという労力を考えると、当時の人たちにとってこのサークルがどれほど重要な場所だったのかが伺える気がする。夏至の日の出と冬至の日没が正確にこの石積みの上に重なるように作られていることから、ストーンヘンジはカレンダーのような役割を持っているという説があり、これを設計した古代の人はかなり進んだ天文学的知識があったんじゃないかって言われてるそうだ。それにしても不思議な景観だった。草原の中にポツリと存在する巨大な石積み。その淋しげで歴史の謎を秘めたたたずまいに地球のロマンを感じずにはいられなかった。まぁパワースポットとかそんなことよりも俺にとってはリベロの武田に出てきたあのシュートの由来ってのが1番デカい。ストーンヘンジ、めっちゃよかった。イギリスの観光地はどこも淋しげで感傷的になってしまう。そんな場所を求めてる俺にとってこれからのイギリス旅、すごく楽しみだ。大きな目的地だったストーンヘンジを終え、次の目的地をどこにしようか考えたんだけど、カンちゃんの話によるとここから少し北にのぼったところに小さな美しい村があるとのこと。カンちゃんも写真で見たことがあるくらいで詳しくは知らないみたいだけど、目的地を決める理由はそんなもんで充分。次はそこに向かうことにして車のエンジンをかけた。しばらく走っていくと、マルボロという町に入ってきた。ほんの小さな町なんだけど、名前が気になったのでちょっと寄ってみることにした。俺はずっと昔からマルボロのメンソールばっかり吸っていた。10年以上ずっと銘柄を変えずにそればっかり吸っていて、メンソール吸ってると立ちが悪くなるよなんて何度言われたかわからない。ただマルボロは海外では結構値がはる。なので前回の一周中に巻きタバコを覚えてからは長年吸ったマルボロメンソールから離れてしまった。タバコの銘柄にも思い出ってやつはたくさん詰まってるもんだ。毎日たむろしていた友達の家とか、バーのカウンターとか。そんなのもあって、この町に寄ってみることにした。きっとタバコとはなんの関係もないんだろうけど。そんなマルボロの町はまぁめっちゃ小さかった。中心に大きなショッピングストリートがあるんだけど、車道に面していてうるさい上に人がバラけていいポジションがない。かろうじてチョロチョロと人が集まっているスーパーマーケットの前では、サンタクロースが音楽をかけながらチャリティー募金活動をしていた。そうかー、もう気がつけば来週にはクリスマスなんだよなぁ。また歳をひとつ重ねるなぁ。やれそうな場所がほとんどないけど、まだつかめていないイギリスなのでもしかしたら意外な場所が稼げるかもしれない。というわけで小さなお店がパラパラと並ぶ歩道の上でギターを鳴らして歌ってみた。うん、超絶むなしい……………人通りはまばら、車が通るのでうるさい、このアジア人はなにやってんだこんなところで?って滑稽さ丸出しだ。パラパラっとコインが入りはしたけど、あまりにもピエロみたいなのでそっとギターを下ろした。あがりは10分で3ポンド。430円。うん、ここは場所間違えた…………さっさとマルボロの町を出発して、カンちゃんの言う美しい村、バイベリーに向かって車を走らせていると、すぐ近くにちょっと大きめの町があったので寄ってみた。古めかしい石の家が迷路のように並び、町の真ん中には大きな教会の塔がそびえている。なかなか雰囲気のあるいい町だな。町の中心部にあったほどよい感じのショッピングストリートにはたくさんの人が歩いており、こりゃ俺のスタイルに向いてそうだ。サイレンセスターという名前の町だった。明日はこの町で歌ってみるかな。本当、イギリスは町が多い。