スポンサーリンク イギリス、マジでしんどい……… 2016/12/24 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月12日(月曜日)【イングランド】 ドーバー ~イーストボーン布団の中で目を覚まし、体を起こしてみる。うん、全快ではないけど体に力を感じるぞ。まだ頭が少しフラフラするけど体力的には問題なさそうだ。歌うぞ。いつもの崖の横にある道の端っこから車を動かし、ドーバーの町にやってきた。空は昨日の天気がまるで嘘のようにいつものイギリスの曇天。やっぱりこれが基本なんだな。1週間に1回青空が見えたらマシって感じか。車はいつもの住宅地の中の静かな通りに止めた。イギリスでは住宅地の中はだいたい無法地帯で、車も路駐し放題だ。もちろん気をつけないといけないところはあって、道路の端に黄色い線が引いてあるところは注意しないといけない。黄色の線が一本のところは停車オーケー駐車禁止。線が2本のところは駐停車禁止だ。あとは白い線で囲ってある駐停スペースはだいたい住民の専用駐車場になっているので、周りにある看板を見逃さずにチェックしないといけない。オンリーレジデンスパーミッションホルダー、と書いてあったら住民専用。あとは2時間だけオーケーだよーって書いてるところもあるのでちゃんと看板のルールに従うこと。地面になんにも書いてないところは止め放題だ。とりあえずパーキングマシーンが面倒くさすぎる。ナンバー入れないといけないマシーンとか初めてだよ……………車を止めたら久しぶりにギターを持って町に向かう。このギターと路上セットが入ったバッグ。これを持って町に行くとやはり自分の中で気持ちが切り替わる。緊張感で、歌うスウィッチが入る。入国して10日経ってまだイギリスではロンドンで一度だけしか路上をやっていない。そして俺のイギリスでの路上最高記録、今の所32ペンス。46円。な、なんとかこの伝説の記録を塗り替えないと……………メインストリートにはかなりの人が溢れていた。ホコ天が飛び地になっており、真ん中だけ車が通っているという変則的な通りだけど、とにかく人は多い。さすがはイギリス。こんな田舎の小さな町でもこれほどの活気があるんだな。片方のホコ天に1組だけ路上ミュージシャンがいた。生音でアコギの弾き語りをやっており、なかなか上手い。イギリスに来てから、内陸ヨーロッパにいたジプシーたちのような、なんとなく物乞いの延長で楽器をいじってるだけ、みたいなやつらは1人も見ていない。みんな本気で音楽をやっており、セミプロレベルなんか普通にそこらへんにいる。そしてセミプロレベルでも人だかりを作ってるやつは見ていない。その地元ミュージシャンから離れてもうひとつの方のホコ天に陣取ってギターを抱えた。ふううううう……………緊張するぞー……………前回のロンドンでの記憶が蘇る。足を止めるどころかまったく誰も振り向いてくれず、完全に壁の模様と化したロンドンでの路上。なんとかあれを払拭しないと。あの雪辱を晴らさなければこの先のイギリスでやっていけないかもしれない。ここはロンドンではない。小さな地方都市なので人々もそんなに路上パフォーマーにすれていないはず。今までの経験上、この町のこのホコ天はイケる気がする。ふううううう…………緊張する。ギターを抱えても俺に視線をやる人は誰もいない。みな、ネイティヴな英語を喋りながら足早に通り過ぎていく。俺はこんな英語が母国語の国で、ビートルズの国でビートルズの曲を歌おうとしているのか?いや、それの何がいけない。俺は俺の好きな曲を好きな場所で歌うためにこの道を選んでいるんだ。これまでの人生をかけて気合いで歌え。思いっきりギターを鳴らして声を張り上げた。キツい。全然足を止められない。みんなスタスタと通り過ぎていく。でもロンドンよりはお金は入る。無表情で入れていく人もいれば、弾けるような笑顔で親指を立てて1ポンドを入れていってくれる人もいる。でも反応は薄くてしょうがない。こんなにレスポンスが薄いと、歌っている自分がまったく意味のないことをしてるような気に落ち込んでしまう。こんなところで歌なんか歌ってることが滑稽にすら思えてくる。なんとか、なんとかこの状況を打破しなければと頑張っていい声を出そうと努力するが、人々は変わらず通り過ぎていくだけ。結局、1時間経ったところで雨が降ってきてしまい終了。あがりは12.5ポンド。1800円。悪くはない。3時間やれば6000円にはなるので、旅するには充分な日銭だ。でもこれでは貯蓄することなんて到底不可能。レンタカー代を取り戻すことも考えたら、こんなあがりではまったく話にならない。マジか…………せっかく病気も治ってやっと稼ぎ始められると思ったのに、余計に気分が落ちてしまった。「こんなこともあるよー。病み上がりなんだしさー。まだまだ町はたくさんあるんだからこれからイギリスに慣れていこー!」落ち込んでいる俺をカンちゃんが明るく慰めてくれる。え?そんな稼ぎでいいと思ってるの?こらからどうするつもり?ねぇ?どうするの私たち?ねぇ?そんな風に、カンちゃんが上手くいかないことを全部男のせいにするような女の子じゃなくて本当に良かったよ……………マジでなんとかしないと。イギリスで金減らしてたらこの先マジでヤバくなってしまうぞ。悔しくて、なんとかこの町を攻略してから次の町に出発したかったんだけど、そんなことしてたら日数がいくらあっても足りないので先に進むことにした。進みながらどうにか稼ぐ道を模索していこう。カンちゃんの言うように町はまだまだいくらでもある。早いところ内陸ヨーロッパのやり方からイギリスのやり方にシフトしていかないといけない。かつてスイスからカナダに飛んであまりにも環境が変化して戸惑いながらも北米の路上のやり方に慣らしていったように、頭を切り替えていかないと。夜の海沿いをかっ飛ばし、しばらくして次の町が見えてきた。そして町外れの静かな草原の中にあったパーキングに車を止めた。だだっ広い暗闇がどこまでも広がっている真ん中で、夜の底にポツリと俺たちの車だけが取り残されていた。~~~~~~~~~~~~~~~~~~タイのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!最近、タイ欲がどんどん大きくなっていて行きたくてたまらない。一度行ってあの自由な空気を知っているだけにいつも頭の中でタイは大きくなるなぁ。タイにハマる人の気持ちがめっちゃ分かるわ。どうもありがとうございます!!