スポンサーリンク イギリスはスーパーは安い 2016/12/23 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月11日(日曜日)【イングランド】 ドーバー変な夢にうなされて夜中に目を覚ましても、その夢の内容はすぐに忘れてしまうものだ。あんなに強烈に見ていたはずなのに夢ってのは不思議と記憶に残らない。だから、隣にいるカンちゃんにすぐに伝える。こんなだったんだよ、って教えると、そうだったのーって聞いてくれる。1人だったらどうにもならないけど、2人だったらお互いの全てを覚えようとすることができる。きっとそうやって鏡のようにお互いをうつし、メモ帳のようにお互いのことを書き記して年老いていく。朝になるとだいぶ体調が良くなっていた。体が軽くて、頭痛も節々の痛みもほとんどない。これなら明日には路上ができそうだぞ。「よかったー。でも油断したらダメだからね、最後まで治さないとぶりかえすからちゃんと暖かくしましょう!」あんなひどい風邪がこんなに短期間で治ったのは確実にカンちゃんの看病のおかげだ。マジでよかった…………でも今日までちゃんと体を休めないとな。今日は本当に久しぶりに天気が良かったので、もう一度昨日の崖を散歩してみることにした。青空の下のあの崖を見てみたかった。草むらを抜け、白亜の灯台を通り過ぎ、草原の上を歩いて行くと、青空が切れるように陸地が途切れている。本当に、いきなり陸地がなくって直角に崖が落ち込んでいるので、これはかなり危ない。柵もない。真っ白な断崖が壁のように海からそそりたっており、何度見てもあまりのダイナミックさに息を飲んでしまう。そしてやはり青空の下で見ると爽快さが違った。昨日の、夢の中の光景みたいな霧もすごく良かったけど、今日の爽快さは胸の中の影を吹きはらってくれるようだった。体に力が湧いてくるような感覚を覚える。ここはセントマーガレッツクリフという場所のようだった。ドーバーは白い崖の町と言われているらしく、こうした崖に囲まれた天然の要害とイギリスの玄関口ということもあって、町の真ん中に巨大なお城がたっている。小高い山の上にものすごくデカい城郭が広がっており、それも廃墟なんかではなく現役でも使ってそうなくらいの保存状態。相当立派だ。ちょっと行ってみようかなーって思ったんだけど入場料は20.2ポンド。3000円。笑えるくらい高い。ちなみに、こうしたイギリス国内の遺跡の共通券があるんだけど、それは1ヶ月パスで1万6千円。600ヶ所もの場所が入場料無料になるので10ヶ所も行けば元が取れるんじゃないかな。イギリスの遺跡は入場料高い。崖の上を潮風に吹かれて歩いて行く。今日は天気がいいおかげで、水平線の上にうっすらと陸地が見えた。あれはフランスか。ユーラシア大陸なんだな。そういえばずっと昔、20代前半に日本一周をしてる時、対馬から韓国の陸地を見たことがあったけど、今思えばあれが初めてユーラシア大陸を見た瞬間だったんだな。あんなに手の届くような近い場所だったのに、あの時の俺には遥か遠い別の世界だった。この世の果てのような感じだった。今俺はあの時の反対側からユーラシア大陸を眺めている。世界の中心ってのは世界中にあるもんなんだよな。ウッチャンナンチャン泳いでない?ってドーバー海峡を眺めながら歩いていたけど、さすがにまた風邪も完治しておらず、めまいがして足元がふらついてしまう。あんまり疲れることは避けないとな。車に戻り、それから少し町に出かけた。ドーバーの町はいたって小さな寂れた様子で、田舎の空気が漂っていた。建物はボロくくすんでおり、人々はどこか平凡で垢抜けておらず、小さな商店が並ぶ通りはなんだか野暮ったい。オーストリアみたいな洗練された雰囲気は一切なくて、余計なものでごちゃごちゃとまとまりがない。イギリスの人たちって同じヨーロッパなのにあんまりセンスないように見える。オーストリア綺麗だったよなぁ。町の中には一応短いけどホコ天もあり、日曜だというのにそれなりに人が歩いていた。イギリスでは内陸ヨーロッパみたいに日曜日はすべての店が閉まってゴーストタウンになるという習慣はないようだ。これなら明日は歌えそうだぞ。メインストリートの端っこにミーンビーンというかなりいいカフェを発見してそこでずっとネット作業をした。地元のオッちゃんオバちゃんたちのたまり場で、コーヒーがとても美味しくて、マスターのオジちゃんもすごく優しい。なによりワイファイがビュンビュンで、作業がはかどる。1.9ポンド、280円のアメリカーノが冷たくなるくらい集中して溜まっていた仕事に没頭した。夜になってスーパーマーケットに行ってみたんだけど、さすがにスーパーは日曜日は閉まってるようだった。まぁこんなこともあろうかとゆうべのうちにある程度の食材は買い込んでいる。今の所イギリスのスーパーはテスコが1番幅をきかせているイメージだ。郊外にめっちゃ巨大な店舗を構えており、品揃えが尋常じゃないのでここでなんでも手に入る。食品だけじゃなく生活用品ならなんでもござれ。値段も安いし、それに夜も遅くまで営業してるし、24時間営業のお店もある。このドーバーのテスコは24時間だ。パンとか水とか、尋常じゃないくらい安い。ものすごくデカいパンが50ペニー、73円。他の食材もそんなもんだ。そしてインスタント食品の品揃えがすごい。温めるだけのパスタとか、カレーとか、ピザとか、その他にも様々な煮込み料理がズラリと並んでおり、コンロしかない俺たちにはかなり楽でありがたい。とにかくイギリスの人は楽しようとしてる。野菜コーナーには、これをそのまま炒めれば野菜炒めになりますよーっていうカット野菜のパックが売られていたり、中には玉ねぎのみじん切りもパックで売られていた。みじん切りくらい自分でやろうよ……………ドーナツ美味しい。けど高い。1個250円以上する。というわけで今日の晩ご飯はボロネーゼ。それとほうれん草サラダ。鍋で温めるだけのお手軽なもので、値段は2人分で3.5ポンド。510円。イギリスは外食がウルトラ高い。ケバブで5ポンドする。730円。でもスーパーマーケットで買って自炊すればかなり安く抑えられそうだ。さぁ、そろそろ体も治った。明日は路上に出るぞ。