スポンサーリンク ローリングストーンズの聖地なのに死にかけ 2016/12/22 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月9日(金曜日)【イングランド】 ダートフォード ~ ドーバーここミックジャガーの生家。必死の笑顔に涙が出てくる。この写真の時、かなりテンションマックスです。そりゃあもうミックジャガーの生家ですから。ここにロックの神が生まれて世界をロックで染め上げたんですから。でももう風邪でそれどころじゃなくて半死でした。「も、もう……車戻ろう……………寒い………痛い………苦しい…………臭い…………あ、臭いは関係ないね……………へへへ…………あ、死神さんだ。」頭の中でペイントイットブラックが流れながらミックジャガーの生家を後にした。ダートフォードはそれはそれは寂れた小さな町だった。ロンドンから来たので余計にしみったれた感じがしてしまう。ボロい建物が多く、廃墟もあるし、歩いてる人たちも洗練された感じはなくみんなイモっぽい。イギリスは、ロンドン以外は案外こういった田舎くさい雰囲気なのかもしれないな。ではなんでそんな謎の小さな町に来たのか。それはこのダートフォードがストーンズの生まれた町だから。でも全然ストーンズ推しとかしてないのが不思議だった。さっきのミックジャガーの生家なんか、ただの住宅地の中の1軒家でしかなくて、それらしき看板とか一切なかった。情報がなければあれがそうだなんて誰も気づかない。この地球上でめっちゃ大事な場所なのに。キースの家も今は花屋さんになってるらしいし、ダートフォードがストーンズの生まれた町とは言ってもリバプールのビートルズみたいに見所はないようだ。でもここはストーンズの町。俺にとってススキノよりテンション上がる場所のはずなのに、風邪で死んでる今、何も頭に入ってこない…………しんどすぎる……………町の中でテキトーに食堂に入ってご飯を頼んだんだけど、味が全然しなくてビビった。ベロがおかしくなってるのか、感覚自体がおかしくなってるのか、とにかく嫌な感じだった。食べ物の味がしないのに何かを口に入れて咀嚼してる感じが、どこか気分を滅入らせる。ミックジャガーセンターという、ミックが作った音楽学校が町の一角にあったけど、別に何か展示物があるというわけではなくただの学校なのでちょっと入口だけ覗いて車に戻った。今はとにかく田舎に行ってゆっくり休みたい……………何もない静かなところに行きたい…………そしてとにかく車を走らせた。すると、ダートフォードの町を出るあたりで何か道路の頭上に看板が見えた。料金を支払ってねーと書いてある。おいおい………また通行料みたいなやつかよ…………ロンドンの渋滞税ってやつもまだ払ってないのにまたかよ…………でももう知らん。今はとにかく田舎に行くことだ。カンちゃんが飲ませてくれた抗生物質のおかげでほんの少し動けるようになったので、そろそろシャワーを浴びたかったこともあって、途中、高速道路のサービスエリアに寄ってみた。ドイツのアウトバーンみたいにシャワーがあればいいんだけど…………よし、あった!!しかも無料!!勝手にどうぞってやつだ!!ワイファイもあるし、食堂もあるし、高速道路も無料だし、こりゃこれからサービスエリアは頻繁に使うことになりそうだ。と思ったら、なんとサービスエリアの駐車場がマックス2時間という驚愕の事実。2時間以上は有料になるとのこと。クソ面倒くせえ……………しかも払い方がネット。クソ面倒くせえ……………機械で払おうよ…………これ以上コインでポケット膨らますのやめよう!とか書いてるけど別に気にしないですよ……………こんなシステムお爺ちゃんお婆ちゃんとかだったら絶対わからんだろなぁ……………そしてさらに理解困難なのが、ロンドンの混雑税の支払い方。マイカーでロンドン市域に入る場合、1台につき14ポンド、2050円の税金を払わないといけない。これは前払いだと少し安くなり、また月払いとか年間払いなんかもできるよう。しかしその払い方。電話かネットで支払ってくださいってことなんだけど、カンちゃんがパソコンで色々やってみるがなかなか面倒くさいよう。ネット世代のカンちゃんですら苦戦するほど面倒なんだから、爺ちゃん婆ちゃんには全く理解できない人もいるんじゃないかな。ガソリンスタンドでも支払えるということだったんだけど、実際行ってみると店員がインド人でそのシステムについてすら知らなかったり、スーパーマーケットで支払えるよと言われて行ってみたらここじゃ無理だけど郵便局で支払えるよとたらい回し。結局払えないまま数日が過ぎているんだけど、今日またネットで調べてみたら、なんともうすでにペナルティが発生している状態になっているので、こちらから送られてくるペナルティ番号を入力しなければ支払いが出来ないというウルトラ面倒くさいことに発展してしまっていた。すでに俺たちに課せられているペナルティ、50ポンド、7300円……………嘘だろおおおおおお!!!!マジか!!??サイトの説明によると、14日以内に払えば50ポンド、14日を超えると100ポンド、14600円という恐ろしい金額になるらしい……………マジかよ…………ロンドンに行っただけなのに…………じゃあペナルティが発生したのっていつからだ!?って調べてみて驚いた。ロンドンに入ったその日の夜中。は………?じゃあ入った当日にその面倒くさい手続きをして支払わないといけなかったのか?期限短すぎだろ……………その日のうちに払わなかったらもうペナルティで罰金て……………なんか罰金とるためのシステムみたいやん…………おかげでまだ混雑税を払うことはできず。イギリス、色々ネットでシステム化しようとしてるみたいだけど、分かりにくすぎてついていけないよ。ちなみに今日いたダートフォードも何かの交通料金をオンラインで支払ってねーと道路沿いに書いてあったので、町の小さなコンビニに行ってみたところそこで支払うことができた。値段は2.5ポンド、360円。ダートフォードのやつは安いんだな。そんな面倒なことが重なったこともあって、気疲れで余計に体が重くなっていく。悪寒がして、鳥肌がたち、ガクガクと震えながら運転し、なんとか海沿いの町まで降りてきた。ここはドーバーという港町。そう、あの有名なドーバー海峡の町。地図で見る限り、フランスの陸地と1番海が狭まっているところだ。地下トンネルとフェリーが内陸ヨーロッパとつながっており、ここがイギリスの島の玄関口になっているよう。これだけ田舎まで来ればリラックスしてゆっくりできるはず。と思ったんだけど、これだけロンドンから離れた田舎でも、車がバンバン走っていて人も多い。スーパーマーケットも24時間営業の巨大なやつがこうこうと光ってる。マジかよ…………オーストリアでは20時を過ぎれば誰も外に出なくなって対向車もほとんどいない静かな場所だったのに……………イギリスのこの慌ただしさにどうも居場所が見つからない。誰もが忙しく昼も夜もなく働き、経済大国としてのイギリスを支えている。なんだか日本みたいだ。慣れないとこの慌ただしさの渦に飲み込まれてしまう。とにかく静かなほうへ静かなほうへと逃げるように走り続け、街を抜け、住宅地を抜け、未舗装のガタガタ道を進み、やがてなんにもない真っ暗な牧草地の端っこまでやってきた。さすがにここまで来れば誰もこないし、とても静かだった。カンちゃんがすぐにご飯を作ってくれたんだけど、俺の体のことを考えて野菜をたくさん入れた鍋にしてくれた。これはこの前モグネルメグルさんがくれたプチっと鍋の素だ。優しい鳥パイタンの味に落ち着く…………と言いたいところなんだけど、やっぱり体がおかしなことになっていて、結構濃いはずの味がほとんどしなかった。カンちゃんに薬を飲ませてもらい、早く寝ようと横になって布団に入ってみるけど寒くて震えが止まらない。隣のカンちゃんは暑がっているくらい今日は気温が高い。14°Cくらいある。でもそれでも布団をかぶってなお寒い。そのくせめっちゃ汗が出てくる。あの病気の時に悪い夢を見る感覚が体を支配する。そんな俺の顔を心配そうになでてくれるカンちゃん。うー……………久しぶりに半端なくしんどい…………こいつはキツいわ…………