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イギリス入国なるかコンチクショウ!!!


2016年12月1日(木曜日)
【オーストリア】 ウィーン
~ 【イングランド】 ホーリー






ロンドン、ガトウィック空港に怪しいアジアンが1人。


入国審査カウンターの前で、緊張を隠そうと平然を装いつつも全然装えてなくて、目が泳ぎ、キョロキョロし、落ち着きがまったくない不振極まりないその男。


ヤクを密輸しようとしてる人間の動きマニュアルがあったなら完全に一致しているはず。



そう、ファミコン初期時代にあったカセット、アーバンチャンピオンで、殴り合いをしていた男たちがパトカーのサイレンが聞こえた瞬間、超しらじらしい顔で電信柱にもたれて口笛を吹くくらいの顔で順番を待っている。


ていうかアーバンチャンピオンを知ってる人がいたらビビる。




その時、先に並んでいたカンちゃんが呼ばれて端っこのほうのカウンターに歩いていった。


ぐうう!!

パスポートも新品で、どっからどう見ても平和な観光客であるカンちゃんに先に行ってもらって、その後に同じカウンターに行って、ツレですー、全部同じですーという乗っかり戦法でいくつもりだったのに、カウンターがたくさんあるからどれに呼ばれるかわからない!!


そして恐れていた通り、カンちゃんとはまったく違うカウンターに呼ばれてしまった。

初老のおじさんが手をこまねいている。








一歩一歩が重い。

怖い。



通り過ぎる手前のカウンターでは黒人の家族が何やらもめている。






心臓が破裂しそうになりながらカウンターに到着し、中にいるおじさんにパスポートを渡した。

おじさんはメガネを下げ、隙間からチラリと俺の顔を見た。

























遡ること12時間。


ウィーン空港の裏にある空き地で目を覚ました。




昨夜からの暴風は相変わらず吹き荒れており、荷物整理に車の外に出たら、髪の毛が獅子舞みたいになってしまった。


ボッサボサ。


こりゃちゃんと飛行機とんでくれるかな。









まずは昨日も行った中華料理屋さんでオーストリア最後のご飯を食べた。



うん、ここかなり美味しい。

オーストリアでも中華料理にはだいぶ助けられたよなぁ。



食後には中華料理屋らしく、フォーチュンクッキーが出てきた。





よし、これで1発入国の行方を占ってみるか。







どうだ!!





マジ頑張ってたらマジでかい成功が待ってるよ、か。

もっともっと頑張んないとな。














空港に向かい、まずやってきたのはレンタカーオフィス。

ここのバジェットオフィスに愛車であるシュコダを返却した。





この車を借りたのは隣国であるスロバキアのブラチスラバ。


シェンゲンの関係でオーストリアを出られないのでこのウィーン空港の乗り捨てだ。

国外の乗り捨ては追加料金45ユーロ。5500円。


イングリッドおばちゃんの家である程度の物は降ろしてきたけども、それでも5ヶ月と20日暮らしたこの車には本当にたくさんの道具が積まれていた。


それらを全て車から降ろしてスッカラカンにしたら、オフィスの前にはとんでもない量の荷物が広がった。







あ、アホなのかな………………

どうやってこんな量の荷物持って移動するんだよ……………


バッグパッカーってしんどすぎだろ………………





レンタカー返却の手続きはまぁアッサリしたもので、ほとんど傷チェックなんかすることもなく終了。

車はすぐにスタッフが乗り込んでスロバキアへと走って行った。



あぁ、あの車でいろんなところに行ったなぁ。

本当に色んなところに行った。


山の谷間、大草原の真ん中、フィヨルド、高原、大都会、


照りつける夏の日、雨の日、雪の日、雷の日もあった。

雹が降り注いだ時もあったな。



ヨーロッパ車中泊の旅は想像をはるかに超えてめちゃくちゃ素晴らしかった。

こんなにも快適で、自由で、それでいて旅感は損なわず、むしろ普通のバス移動では絶対に見られない田舎や秘境にも行くことができた。

そりゃそうだ、日本でも車じゃないと絶対に行けない山奥の秘境にたくさん行ってきた。

世界にはそんな場所がごまんと存在するんだ。



現地に溶け込む旅は、ヒッチハイクよりもきっとレンタカー旅のほうがエキサイティングでロマンチック。

最高の6ヶ月だった。



あー、もう何より荷物をいつも持ち運ばなくていいのが楽すぎた。

どこでも眠れるし、どこにだって行けた。



レンタカー旅を教えてくれたアユムさんにマジで感謝。




とんでもない量の荷物を両手いっぱいに抱えたらレンタカーオフィスを後にして空港ターミナルへと向かった。





















ターミナルの端っこで、あれやこれやと考えながら荷物をバッグの中に押し込んでいく。

しかしどう考えても全ては入らないので、大きなコートは強引にジャケットの上に着込み、寝袋もバッグの外にくくりつける。


なんとかこれでまとまりはしたけど、気をつけないといけないのは見た目だ。


イギリスの入国に向けて、小汚い格好は絶対に避けないといけない。

寝袋が外にくくりつけてあるバッグなんか持ってたら、どうも!!貧乏人がおたくの国ですっごい野宿カマしますよ!!と言ってるようなもん。確実に怪しまれてしまう。





俺たちが装わないといけないのは平和な新婚カップル。

ちゃんとホテルに泊まり、普通にビッグベンとかの観光をして、さっさと出て行くっていう印象を与えないといけない。


イギリスが1番入国に対して気をつけているのは不法労働と不法滞在のはずなので、キチンと法の範囲で出国する意思を示さないといけない。





イギリスの入国審査ではものすごい数の質問をされまくるという話だ。

そこでボロが出てしまうと1発サヨウナラ。


アメリカもイスラエルもなかなかの厳しさだったけど、調べる限り今のところイギリスが最難関というイメージ。

ネットで調べても入国拒否を食らったという人の体験談のオンパレードだ。



なのでイギリスに行くと決めてから、ずっとカンちゃんと質問シミュレーションをやってきている。
ものすごい細かいところまでシミュレーションしているので大丈夫なはず!!!!





「イギリスには何しに来たのー?」

「超観光っす!!ビートルズやべっす!!」





「何日滞在するのー?」

「マジたったの8日ポッキリんこ!!」





「どこに行くのー?」

「ロンドンとリバプールでビートルズとストーンズ巡りでオシッコ漏らす予定っす!!」





「イギリスの後はどこに行くのー?」

「トルコっす!!これ8日後のトルコ行きチケットっす!!」





「なんでトルコ行くのー?」

「飯マジ美味くて遺跡まみれで日本までの飛行機が安いんですよね!!マジ困っちゃう!バルシマンチョ知ってます?下ネタみたいな名前ですよね!!」





「トルコから日本行きのチケットは持ってるのー?」

「トルコで買う予定っす!!トルコに1ヶ月くらいいる予定なので!!カッパドキアで男根祭りですよ!!」





「イギリスに滞在するためのお金は持ってるのー?」

「はい!これだけ持ってます!!ちなみにこれが日本の口座に入ってる残高です!!毎日豪遊カマしちゃおうかな!!!」






「仕事はなにー?」

「ライターです!!日本で本を出版しちゃってるんですよ!!」






「1人で来てるのー?」

「奥さんと来てます!!いやー、この前結婚式したばっかりでハネムーン?ってやつ?いやー、薬指が違和感ー。」






「美々津で1番シメサバが美味しいお店って言ったら?」

「河野鮮魚店に決まってるじゃないですか!!」







「花山薫の1番の名言は?」

「まだやるかい?」







「ゆまちゃんが好きなの?」

「大好き!!」







「おい、お前昔スロバキアとスイスでオーバーステイしてるな?どういうことだコノヤロウ?」

「オパ!!!そ、それは……………」






「そんな危険人物が入国できると思ってんのか?あ?このソーロー野郎。」

「そ、それは当時はまだシェンゲンというものを知らなくて………で、でも!!ちゃんと罰金も払ったし、違反してから3年経ってるしもう大丈夫のは、」






「お前みたいなソーローのパスポートはこうしてやる!!!」






そしてパスポートにウンコのマークを書かれて投げ捨てられ、入国できずにオーストリアに送り返されてしまい、2国間協定の期日が残り3日にしかなくてとにかくどこかに逃げなければあああああ!!!と当てずっぽうでチケット買ってたどり着いた先がエジプトで、泣きながら食べたコシャリが美味しくてコシャリ屋を始めて暮らす一生も悪くない気がする。




いやあああああああああああああああ!!!!!!!!!!


1番のネックは過去のオーバーステイーーーーーーーーーー!!!!!!!!!






4年前にやっちまったシェンゲンのオーバーステイ。

すでに全ての罰則がリセットされてはいるものの、もしパスポートチェックの時にそんな過去のデータが出てきてしまったらかなり苦しいことになる。

ていうかまず入国させてもらえないはず。



俺のパスポートはすでに大量のスタンプでめちゃくちゃになっているので、スタンプからそんな過去の傷を見つけ出すのは難しいはず。

でももしコンピューターの中に記録が残っているのだとしたら一巻の終わり。



怖すぎるよー…………………

入れなかったらマジでおしまいだよー……………



すでにホテルとか色んなものを予約しているし、人と会う約束もしているし、捨てチケットも無駄になるし、今からどっか他のところに飛ぶなんて予定も全部オール崩壊。




なんとしても、なんとしても入らないといけない。



そのためにヒゲもバッチリ剃って髪の毛もいい感じに整え、服装も今持ってる1番清潔感のあるカッコいいやつを着ている!!!

用意すべきものは全て準備している!!!!


これで完璧のはず!!!!!!




ぐああああああああああああああああいあ!!!!!!!!

怖すぎるううううううううううううううう!!!!!!!!




















親指の爪を噛みながらガクガクガクガク震えているとチェックインの時間になり、イージージェットという航空会社の窓口へとやってきた。


ちなみに今回の飛行機代はウィーンからロンドンガトウィック空港まで、荷物3つの計60キロまでを追加で払って2人合わせて17000円。


ギターはもちろん預け荷物になるんだけど、今回はラッピングはなし。

だってすでに超守られてるから。



前のギターケースはケースっていうかただのボロキレだったので、ギター自体ほぼむき出しだった。

今考えたらむき出しのギターを預けてよく壊れずに今までやってこれたもんだ。


新しいギターケースは放り投げても多分大丈夫なくらいのクッションなのでまず壊れることはないはず。


ちなみにラッピングは12ユーロ。1450円。










荷物を預けたら搭乗ゲートへと向かう。

人の流れに乗って歩いて行くと、向こうのほうにイミグレーションカウンターが見えてきた。


ここも気になっていないこともない。

ただの出国ゲートなので問題ないはずなんだけど、俺たちは今回シェンゲンエリアに5ヶ月と20日滞在している。

これがオーストリアインのスタンプだったら、6ヶ月滞在できるという2国間協定の説明もしやすいんだけど、俺たちが捺されているのはハンガリーインのスタンプ。


シェンゲンに3ヶ月滞在した後にオーストリアに戻ってきて、それからはオーストリア内だけを旅してきた。

なので法的には問題ないんだけど、実際問題、俺たちがその3ヶ月の間にオーストリアを出なかったという証明はできない。

国境チェックなんかなしでドイツやチェコに抜けることができるんだから。




ウィーンの日本大使館にまで行ってキチンと事情を説明して、大使館の人から大丈夫ですという言葉ももらっているのでモメることはないはずだけど、一応俺たちは俺たちでこのオーストリア滞在中の毎日のお買い物レシートも取ってある。

もし何か言われても、これを出せば一応ルールを理解してそれに準じようとしていたアピールにはなるはず。

きっと大丈夫。



よっしゃ!!パスポートをカウンターにタッチダウン!!!!




「ん?あんたたちシェンゲンに6ヶ月近く滞在してるじゃない。どういうことなの?ハンガリーから入ってどこをどう回っていたの?シェンゲンは90日しか滞在できないっていうルール、知らないとは言わせないわよ?」




という焦るシチュエーションは…………………






うん、まったくなかった。

ほぼ素通りレベルでパスポートに出国スタンプを捺され、俺たちは無事オーストリアを出国。


よかったー。



日本人はオーストリアに180日滞在できるという2国間協定。

オーストリアインのスタンプでなくても、シェンゲンを3ヶ月旅した後にオーストリアに逃げ込んで残り90日を過ごすというやり方もこれで証明することができたぞ。





ふぅ、まぁここは問題じゃないんだよ。


大事なのはこの先だ…………………


















飛行機は多少揺れながらも離陸し、あっという間にウィーンの灯りが眼下に広がった。


オレンジ色の宝石のようなきらめきが大地に寄り添っていて、周りはどこまでも黒が広がるのみだ。


この陸地に、あの美しいヨーロッパの町が、人の暮らしがあるのかと思うと、世界地図で見てきたあののっぺりとした陸地の繋がりが立体化していく。


何度も飛行機の窓から新しい土地を見下ろしてきたけど、それぞれに違う文化と違う習慣と言葉があった。


上空からの見た目はどれも一緒なのにな。

こんなに様々なものが違うなんて面白いよな。



土地に根付いた人たち。
そのルーツ。
宗教。
自然。
気候。


地球って面白いなぁ。
人種って言葉ってすごいなぁ。

人の種って、どこから繋がってきたんだろうな。



















震える指で日記を書くと2時間半。

飛行機はスムーズに高度を下げ、振動もほとんどないまま着陸した。



ついに………………到着してしまった……………


イギリスに………………




「か、カンちゃん………着いてしまったね……………うわぁ!!俺入れるかな!!??入れるかな!!??」



「き、きっと大丈夫だよ!!でも前のシェンゲンのことがバレたら………ヤバイかもね…………」



「逆に俺が入れてカンちゃんが入れないってパターンになったらどうする!?」



「ええええ!!それはない!!私イミグレーションでもめたことはいもん!!いつもスルスルなの。」




超絶ビビりながらも他の乗客に混じって飛行機を降りる。

みんな足早にターミナルの中を歩いて行き、俺たちもそれに遅れないようについていく。





イミグレーションでは列の最後のほうになってしまったら係官ものんびり仕事ができるので突っ込まれることが増えるかもしれない。

ある程度行列の真ん中あたりで、後ろにも人が並んでる状況でのぞめば、係官も早くこなさなきゃってチェックもゆるくスタンプをくれそうな気がしないでもないというアレ。


手荷物のバッグは頭に寝袋をくくりつけているけど、これはコートを上にかけて見えないようにしている。


ギターや巨大なキャリーバッグを預け荷物にしているのは助かる。

なんでこんな荷物があるんだ?って突っ込まれることがない。
















そしてついに!!!!!!





地獄の1丁目!!!!!!





イギリス入国カウンターが目の前に広がった!!!!!!!










かなり広い空間に100人以上の長蛇の列ができており、よーし平常心だぞおおお!!とその後ろに並ぼうと思ったら、イギリス人じゃない外国人パスポートはこっちという看板が横に書いてあって、そっちに進んでいくと10人くらいしか並んでなかった。


アヒョウ!!!!心の準備が!!!!





ちょっと待ってよいきなりかよ!!って焦りまくりながら列に並んぶ。



ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク。




入国審査カウンターの前で、緊張を隠そうと平然を装いつつも全然装えてなくて、目が泳ぎ、キョロキョロし、落ち着きがまったくない不振極まりないその男。


ヤクを密輸しようとしてる人間の動きマニュアルがあったなら完全に一致しているはず。



そう、ファミコン初期時代にあったカセット、アーバンチャンピオンで、殴り合いをしていた男たちがパトカーのサイレンが聞こえた瞬間、超しらじらしい顔で電信柱にもたれて口笛を吹くやつくらいの顔。


ていうかアーバンチャンピオンを知ってる人がいたらビビる。





その時、先に並んでいたカンちゃんが呼ばれてしまった。

ぐうう!!

パスポートも新品で、どっからどう見ても平和な観光客であるカンちゃんに先に行ってもらって、その後に同じカウンターに行って、ツレですー、全部同じですーという乗っかり戦法でいくつもりだったのに、カウンターがたくさんあるからどれに呼ばれるかわからない!!


そして恐れていた通り、カンちゃんとはまったく違うカウンターに呼ばれてしまった。

初老のおじさんが手をこまねいている。








一歩一歩が重い。

怖い。



通り過ぎる手前のカウンターでは黒人の家族が何やらもめている。









心臓が破裂しそうになりながらカウンターに到着し、中にいるおじさんにパスポートを渡した。

おじさんはメガネを下げ、隙間からチラリと俺の顔を見た。












お爺さんは鼻歌を歌っていた。

鼻歌を歌いながら俺のパスポートをスキャンし、パラパラとページをめくっている。


よし!!!ご機嫌さんじゃねぇか!!!!

なんかいいことありましたって感じだ!!!!!



しかも全然質問してこない!!!




も、もしかしてこのまま質問もなしに素通りパターンか!!!!!!





と思った瞬間、お爺さんがゆっくりと口を開いた。






「えーっと、バケーションかい?」



「はい、サイトシーイングです。」



「どれくらい滞在するんだい?」



「8日です。」



「ふーん…………いつ日本を出たの?」



「あ、えー、あの、えっと……………ジャニュ………ジュ、ジェ、」




もはやあまりの緊張に2月のフェブラリーという言葉がぶっ飛んで出てこない!!!!


どもったらダメだ!!!

スムーズに会話しないとどんどん突っ込まれてしまう!!!!


しかし焦るほどにどもってしまう!!!!




「だから、いつ日本を出たんだ?」



「に、に、に、2月です。」



「じゃあお前は10ヶ月も何してるんだ?」



「イ、イ、インドやヨーロッパを、りょりょ、りょ、旅行しています。」



「10ヶ月もか?」



「は、」



「日本に帰るチケットを見せろ。」






俺の返事に食い気味でかぶせてくる爺さん。


き、きてしまった…………

俺の中でかなり危険レベルの高いこの質問にたどり着いてしまった………………



ヤバイ!!これはヤバイ!!!!


顔を下げ、老眼鏡の隙間から上目遣いで俺のことを見ている爺さん!!!


さっきまで鼻歌うたってたくせに、今はもう、これまで入国拒否で送り返した人数分の星のバッジを胸につけてそうな極悪人しか見えない!!!




「あ、い、今は持っていません。」



「あああ?なんで持ってないんだあぁぁああ?どういうことだコノヤロウ?」



「と、トト、トル、トルコで、向こうで買う予定なんです。(終わったもう終わった、終わった。)」



「いやダメだ、日本行きのチケットを見せろ。早くしろ。」




あまりにも空気がドンドン悪くなっていき、頭が真っ白になっていく。

ヤバイヤバイヤバイヤバイ…………

なんとかしないと!!




すると、カウンターの向こう側にカンちゃんがひょこひょこ歩いてきた!!!

俺の窓口の後ろでニコニコしてる!!!


うわああああ!!カンちゃんクリアーだ!!


お、俺も行くぞ!!!!





「で、でもイギリスの後はトルコに行くのでそのチケットは持ってます。」



「チケット見せてみろや。」



「これです。」




ここで預け荷物のプラス料金まで払っている信ぴょう性の高いトルコ行きチケットを見せる。

爺さんはそのチケットを見ながら、仕事は何をしてるんだ?と聞いてきた。


ライターですと答えると、うんうんと頷いた。


おお、こ、これはもしかして………………

















バスン。















スタンプゲット。


イギリス入国完了。

















ぐおおおおおおおおおおおおおおおおたお!!!!!!!!!


よっしゃオラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


過去にシェンゲンでオーバーステイしたことありながらイギリス入国もぎとったぞコンチクショーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!



どうだコノヤロウ!!見たかコノヤロウ!!!!!

しゃあ!!よっしゃ!!





「ああああ!!よかったー!!フミ君いろいろ質問されてたからダメかと思った!!」



「マジ危なかったー!!あの爺さん、絶対鼻歌うたいながら虫とか殺せる人やわ!!」



「私のほう超絶良い人だったよ。質問2個くらいしかなかったし、旦那さんと来てますって言ったら、それなら2人一緒に窓口に来れば良いんだよーハハハーって言ってた。簡単だったー。」




ぬぐうぅ!!そっち一緒に行けばよかった!!




でもとにかく!!!!!!





入国したぞ!!!!!!!!!!



よっしゃああああああああああああああああ!!!!!!!

イギリス入れたあああああ!!!!!
















トイレの1個1個に手洗いとエアータオルがあるううううううううう!!!!!イギリス怖えええええええええ!!!!












あまりにも興奮してしまってターミナルの端から端まで前転で往復してやりたいところだけど、時間はすでに23時。

早くホテルに向かおう。


ガトウィック空港ってロンドン市街からかなり南に離れているので、今夜はこの空港近辺にホテルをとってある。


ロンドンに向かうのは明日だ。






まずは換金しておこうと、空港ターミナルにある換金所にやってきた。


えー………ゼロコミッション、手数料なしって書いてあるな。


ってあれ?

よく見たら300ポンド以上換金したら手数料なしか。

ややこしいなぁ。



ケータイで調べると300ポンドは350ユーロ。43300円。


まぁ色々かかるだろうから300ポンドくらいやっとくか。




「えーっと、すみません。300ポンド換金するなら何ユーロですか?」



「はいよー、420ユーロねー。」





はぁ!!!!

たっか!!!!

高い!!!!!


正規レートで350ユーロなのに、420ユーロ!!??

4万ちょい替えるのに8000円も負けるってどういうことだコンチクショウ!!!


ロンドン怖っ!!!

イギリス怖っ!!!



あまりにも割が悪いので、ここはひとまずATMで100ポンドだけキャッシングし、街の換金屋さんに行くことにした。














分かりにくい自動券売機で切符を買い、電車に乗り、空港から一つ先の駅で降りた。




郊外の寂しい駅は、夜中ということもあって人の姿はなく、薄暗い電灯の下で静まり返っていた。





ホームを出ると駅前も暗く、町は寝静まっている。


すると少し向こうに明かりが見えた。

ゴロゴロとキャリーを転がして近づいてみるとそれはケバブ屋だった。




よかった、どうやらケバブ屋はイギリスにもあるみたいだ。




田舎の食堂という雰囲気が漂う店内には暇そうなアラブ系の兄さんがいて、流暢な英語で何にする?と聞いてきた。


英語なのはありがたいんだけど、逆に英語があまりにネイティヴすぎてたじろいでしまう。

テキトーにケバブバーガーとコーラを買ってホテルに向かった。













暗い住宅地をトボトボと歩いて行く。

外灯がまばらにあり、遠くで車が走る音が聞こえる。


夜の闇に紛れて、動く2人の影。







感じる。めっちゃ感じる。



この空気は、新しい国の空気だ。


これまでの陸続きのヨーロッパの国々とは明らかに違う。

見知らぬ土地の匂いがする。


うー、たまんないな。とうとうイギリスっていうあの由緒正しい大国にやってきたんだ。


世界にはまだ知らない世界の中心がたくさんあるんだ。














あまりの荷物の重さに肩が外れそうになり、何度も休憩を挟みながら歩き続け、ようやく住宅地の中にポツンとホテルが見えてきた。


どうやらモーテルみたいな雰囲気だ。

空港を利用する人たちが使ってるところなんだろうな。


中に入ると、こんな時間だけどレセプションにお婆さんがいた。

映画の中に出てきそうな田舎のホテルって感じだ。



「はいよー、あんたらの部屋はマインドアを出て左側ねー。」




マインドア?何のこと?どういう意味の単語だ?

カンちゃんもハテナ?って顔をしてる。





………あ、マインドアって、メインドアのことか。

イギリス発音すげぇ……………




「明日ロンドンに行くんだね?だったらライルワイスタイションから電車だね。」




もう全然わからん(´Д` )

イギリス英語わからん(´Д` )





ていうか、イギリス英語って言葉もおかしなもんだ。

英語は元々イギリスの母国語なのに。


ジャパンジャパニーズって言ってるようなもん。


そうだよ。

ここは英語が母国語の国なんだよ。

このイギリスが世界を開拓したと言っても過言ではないんだよ。



あー、そんな歴史ある強国。
これからどんなことが起きるだろう。

楽しみすぎる。
















ホテルの部屋に入り、椅子に座ってゆっくりとさっき買ったマズいバーガーを食べた。


うん、イギリス最初のご飯は相当マズかった。


でもそのパサついた味が、この安っぽいモーテルによく合っていた。


これがイギリスだ。

この大国を隅々まで旅してやるぞ。





イギリス編、スタートだ。








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