スポンサーリンク 米の山は日向の若者の青春 2016/10/7 2016/09/07~オーストリア②, ■彼女と世界二周目■ 2016年9月26日(月曜日)【オーストリア】 リンツ ドイツ語で25を言おうとすると、フンフウンツヴァイツィックというふうに、下一桁目の5を言ってから次に20の桁を足して言う。29だったらノインウンツヴァイツィックっていう具合だ。英語も日本語もスペイン語も20を言ってから9を足すので、逆に考えないといけないので頭がこんがらがる。でもそれをオーストリアの人に言ったら、まぁ確かにねー、でもフランス語のほうがもっとややこしいよと言う。例えば80を言おうとすると、フレンチではなんと20の4倍っていう言い方をするそう。なんで数字の読み方に算数入ってくるの!!日本人でフランス語を話せる人ってマジすごいと思う…………ヨーロッパって、こうして自由に行き来しているとまるでひとつの国のような感覚になってくるけど、本当はこんなにも多様で個性的な文化が間隣で密接してるんだよな。面白いよなぁ。目に見えない線をまたいだだけで言葉が変わるなんて本当不思議なもんだ。イングリッドおばちゃんとレイモンドパパとの生活のおかげでドイツ語もほんの少しずつ理解できるようになってきた。この調子で日常会話くらいはできるようになりたいな。シュタイアーからわずか30分くらいでリンツの町に入ってきた。さすがになかなかの都会で、モダンな建物が多く、道も入り組んで複雑で走りにくい。そして駐車場が高いのが困った。だいたいオーストリアの地方都市は1時間で50セント、60円くらいが平均だし、なんなら探せば無料のところはいくらでもある。が、このリンツは30分で1ユーロだ。かなり高い。しかも町の中心部も、中心部から離れた住宅の多いエリアも全部一律で同じ値段。ちょいと3時間くらい町歩きしたら700円くらい飛んでしまう。こいつは痛い。なんとか安いところはないかと探し回ったけど、どうしても見つからず、かなり離れた駅裏の寂しいエリアまでやってきた。このあたりまで来ると交通量の少ない道路脇にズラッと路駐の車が止まっている。どの車もパーキングチケットを買ってる様子はなく、みんな好きに止めている感じだ。ここまでヨーロッパをずっと回ってきて、なんとなくだけど地元の人が自由に止めているフリーパーキングゾーンの見た目もわかってきている。ここはおそらく大丈夫。今日は路上は休んでリンツの町歩きをするつもりだったので、早めに帰ってこようと車を止めて町に出かけた。リンツの町のメインストリートにやってきたんだけど、確かに賑やかだ。店も多くて人通りもシュタイアーとは比べものにならない。ただ、問題なのは道幅がかなり広く、しかも真ん中をトラムが2車線でバンバン走っている。このリンツのショッピングストリートはホコ天ではないようだ。路上をやれないこともないだろうけど、道幅が広い上にトラムが行き交っていてうるさくて生音では厳しそうだ。うーん、リンツ結構期待していたんだけどなぁ。まぁやってみないことには分からないのでとりあえず明日歌ってみるか。この肉の前についてるの自動肉切り機。ケバブも進化してる!のんびりとメインストリートを歩いていくんだけど、足を止めるのはジュエリー屋さんの前。オーストリアに戻ってきてからずっと結婚指輪を探しているんだけど、なかなか思い通りのものが見つからない。というか俺はそんなにこだわりはないんだけど、やっぱり女の子のカンちゃんは色んな注文がある。一生身につけるものだし、妥協しないでイメージ通りのものを見つけたい気持ちは分かる。そもそもだいぶ前から一応ネットとかでは探していたんだけど、結婚指輪って本当高いんだよなぁ。そして、高ければ良い物なのか?ってのもよくわからない。ヨーロッパのカップルは2人合わせて10万円くらいの指輪が普通みたいだし、2人で5万円くらいの結婚指輪をしてる人もいる。それがカンちゃんが問い合わせたところでは日本だと1人最低10万円はかかるそう。いやいや、一生身につける記念の指輪なんだから20万円くらい安いもんやろ?という感覚はわからんでもないけど、これから未来のために貯蓄しようと思ってる2人に20万はなかなか大金だ。そしてどうせ大金を払うならきっちりイメージ通りのものをオーダーして作ってもらいたいってのもある。このヨーロッパで、こだわりの素敵な指輪を見つけられたらそれはもうベストだ。でもなかなか良いのがないんだよなぁ。指輪を決めるのってめっちゃ大変。運命的に出会えたりしたらいいんだけどな。そんなわけで町を歩き回ってジュエリー屋さんをハシゴしまくって、ヘトヘトになって車に戻ってきた。無事、違反切符が貼られていることもなく、車に乗り込んで今夜の寝床を探した。どこにしようかなーと思いながら走っていると、リンツの町からドナウ川越しに遠く大きな教会が見えた。それもリンツの町を見下ろす山の頂上にドーンと立っており、かなりの距離があるのに肉眼でもはっきり見えるほど大きい。なんとなくあそこに向かって走った。住宅地の坂道をのぼっていくと、やがて民家が切れ、緑の多い農村風景が広がり始める。うねる畑と散らばる集落、ポツリとたつ教会。バス停がひっとりと佇んでいる。どこかの集落がひとつふたつ、誰かの帰るドアがひとつふたつ、夕焼けが強烈に大地を染め上げていく。怖いくらいの光を放って全てをオレンジに染め、でもその時間はわずかに5分くらいで終わり、やがて空は白んで、黒くなっていく。山の上の教会に到着すると、近くに無料のパーキングがあった。時間指定もなく、止め放題だ。しかも目の前には山々の景色を見渡せて素晴らしい眺望。さらには駐車場の端に綺麗な公衆トイレもある。完璧。寝床はここで決定だ。カンちゃんがトムヤムスープを作ってくれ、食べたら辛くて暑くなり汗が出てきた。せっかくなので涼みがてら頂上の教会に散歩に行くことにした。公園の中を抜け、閉まっているお土産物屋さんの横を過ぎていくと、教会の足元に出た。町から見上げたときは相当巨大に見えたけど、近くに来てみると別にそこまででもなかった。ライトアップされて白く光り、夜の闇に浮かび上がっている。それよりも教会の目の前に展望スペースがあり、予想どおりそこからの眺めが素晴らしかった。リンツの町を一望でき、夜景がキラキラと広がっていた。こんな夜景見るの久しぶりだな……………だいたいどこの町にもあると思うけど、俺の故郷の日向にも米の山という夜景スポットはある。高校2~3年生にもなるとみんな免許を取って車を手に入れ始めるんだけど、そんな同級生の車や、茶髪のお姉さんの車とかで夜の町を徘徊しては田舎の町でやることもなくて、いつも米の山に向かう。夜景を見ながらお喋りをして時間を潰し、それからジョイフルっていうファミレスに行って可愛いちょっと遊んでそうな女の子を見つけては声をかけて、っていうパターン。何か面白いことがしたい、でも何もないし、創り出すこともしないし、ただぼんやり何か面白いことが向こうからやってこないかなぁって思いながらタバコを吹かすっていう、10代のあの若い虚無感。そんな日々。カーオーディオの青いチカチカした液晶の光が車内を照らしていたのをよく覚えてる。米の山の夜景はそんな青春の1ページ。このリンツの展望台にも、チャラい若者たちがいて男女4人で騒いでいた。携帯で音楽をかけながら、大笑いしている。どこの国も一緒なんだよなぁ。この展望台が、彼らの青春の1ページになるんだろうな。カンちゃんと抱き合って夜景を眺めた。いつかカンちゃんを連れて米の山に行きたいな。~~~~~~~~~~~~~~~~~~横浜のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!野毛で焼き鳥食べながらウダウダ飲みたい!ゾンビさん元気かなぁ。どうもありがとうございます!!