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11月のイベントについて

2016年9月13日(火曜日)
【オーストリア】 シュピッツ





もう薄々っていうかブログ読んでくださってるかたは完全にお気づきだとは思いますが、僕とカンちゃんが11月に計画しているというイベントは結婚式です。


といっても正式に籍を入れたりするのはまだ先で、この大好きなバッハウで式とパーティーだけをやりたいなと思っています。

こんなに日本から遠く離れたところでやるので、友達や両親も来てくれるかどうかわからなかったのですが、嬉しいことにお互いの両親、そして仲のいい友達が行くよー!と言ってくれています。


本当に本当にありがたいです。




もちろん50人とか100人とかの大きなパーティーで披露宴でゴンドラ登場!!なんて大それたものはできません。

来てくださる人数は多くても20人くらいだと思うので、ささやかだけど、ゲストを心からおもてなしできるような楽しいパーティーを考えなければいけないです。










結婚式をすることを決めたのは3ヶ月前にこのバッハウに来た時。

あまりの美しい景色にカンちゃんがここを本当に気に入ってくれ、こんなところで結婚式なんかしたら素敵だろうなーって言いました。

僕もバッハウが大好きだったし、いろんな映画で見てきた海外のドラマチックな結婚式に憧れていたのもあり、ここでしてみる?とカンちゃんに聞いてみた。



普通の女の子だったら、素敵とは思っても実際にやるのは思いとどまりそうなもの。

でもカンちゃんは即答でやりたいー!!と言ってくれました。



海外経験豊富で、旅が大好きで、おまけに前にウェディングフォトの会社で働いていたので様々な形の結婚式を数えきれないほど見てきてるカンちゃんなので、海外での結婚式というものに免疫がありました。


というわけであれから3ヶ月間、色んなことを加味して、実際にオーストリアで結婚式が出来るものなのか?と話し合いながら北欧なんかを回ってきました。








きっと結婚式はどこでもできるものだと思います。

本人同士さえよければ、北極だろうが、無人島だろうが、散髪屋さんの中だろうが、誓いの言葉を交わして指輪を交換することで結婚できるものだと思う。

例え親に猛反対されて勘当されたとしても。



入籍という書類上のことが行われなければ正式な結婚にはならないんだろうけど、きっと結婚というのは形式上のことであって、お互いの心が決まっていれば成立するんじゃないかなと思います。



幸いなことに僕の親もカンちゃんのご家族も結婚に反対ということはなく、暖かく応援してくださっています。


本来ならば両家の親族一同の前でキチンと挨拶してお披露目するのが1番なんだろうけど、それはまた日本に帰ってから挨拶に伺おうということにカンちゃんと決めています。















結婚てなんだろう。

男女が愛し合い、一生を添い遂げるカップルになること。

でも当人だけの問題ではなく、家と家が親戚にもなる。

書類上の詳しいことは結婚のことなんてほとんど知らない僕にはわからないけど、きっと、そんなに難しいことではないんだと思う。


世の中のほとんどの人間がみんな結婚して家庭を作って生きてきてるんだもん。

多分俺たちにもできるはず。多分。




1人の男と1人の女がくっついてペアになるって、人類ってただの動物だよなって考えるとどうしてそういうシステムになってるのかわかんなくなるけど、それが人間が生きていく上で1番自然で、そしてとても人間らしいことなのかもしれない。



ただの結婚、されど結婚。


自分が結婚するなんてまったく想像できない。

結婚して何が変わる?俺とカンちゃんの間にどんな変化があるんだろう?


きっとそんなに大きく変わらないからこそ、俺たちはやろうと決めたんだと思う。




日本の世間一般的な感覚でいえば、男として、社会人として一人前になり、仕事をし、安定した収入があり、子供に人生の生き方を教えられるような立派に人間になった時に初めて結婚できるもの、というのが普通だと思う。

実際、俺もそう思っていた。


音楽をやってても収入は不安定、いつもどこかを旅してる、そんな世間的に言えばふらふらしてる根無し草。

相手の親御さんにぶん殴られそうで、いつも恋人の親にお会いするのが怖かった。





今も、結婚に対するイメージはそんなに変わっていない。

立派な社会人になってからしなきゃ、っていう意識はある。



でもそんな色んな凝り固まった観念をブッ飛ばしてくれたのがカンちゃんだった。

一緒に旅ができて、同じ歩幅と目線で感動や苦楽を分かち合える完璧なまでに理想的な人と出会えた。


これから一生一緒に生きていきたいとお互いが心の底から思えれば、結婚のタイミングはいつでもいいものなのかもって思えた。



そう、2人とも一点の曇りもない無職です。

ピカピカのニートです。


まぁ俺は印税関係でちょっと収入があるからライターとミュージシャンって一応言えるけど、人間ってのはなぁ、働いて働いて働いて家族を養うものなんだぞ!!っていう親戚のおじさんたちから見たらただのド無職です。



そんな2人が結婚?


うん、じゃあ旅を終えて日本に帰って何かしらの仕事をして安定した収入を得られるまで待つとしたらあと何年後になるだろう?

2人とも30代後半になってしまう。


働いて働いてええええ!!っていうおじさんたちには申し訳ないけど、今結婚するのも数年後に結婚するのも一緒なんじゃないか。

お互いが一生寄り添う覚悟があるのならば。



それに世界をご夫婦で旅してる人たちなら、みんな漏れなく無職だ。

ちょっと勇気づけられる。



旅が人生だった2人ならば、旅中に結婚ってのもありなんじゃないかなって、カンちゃんとならそう思える。









ただ……………ここはヨーロッパ。


来てくれる人たちからしたら、ウルトラ遠いし!!江戸時代だったらそこ行くまでに何年かかるんだ!?ってくらいの距離。


幸いなことに現代には飛行機はあるものの、それでも移動だけで丸一日はかかるし、当たり前だけど旅費も高いし、仕事も休んでもらわないといけなくなる。


俺たちがバッハウが好きだからという理由だけでそんな超絶ご足労を願わないといけない。


俺たちはそんなにお金があるわけではないので、遠来のかたに交通費を渡すっていう世間一般のマナーも果たせない。



なので、本当にヨーロッパ旅行のついでに行ってやるかーくらいの感じで来ていただけたらと、限られた親しい人たちにだけを声をかけさせてもらった。

やはりそんなに長期間休みをとれない人がほとんどなんだけど、嬉しいことに行くよ!と言ってくれる人もいた。



2人だけの結婚式には、とりあえずならなさそうだ。







なんの映画か忘れたけど、何かに追われている男女が、追っ手から逃げながらも愛を育み、街角で知らない通りすがりのオッさんに聖書を渡し、ここを読んでくれ!!とお願いする。

わけがわからないままオッさんは聖書を読むと、男女はキスをしてそのまま走り去る、というわずか数秒の結婚のシーンを見た覚えがある。


子供ながらに素敵だなぁ!って思ったあのシーンが今でも記憶に残っていて、なんならそんな感じでいいんじゃないか?とすら思えてくるけど、やっぱりやるからにはちゃんとやろう。


ここバッハウでやるということを最大限に活かして、遠くから来てくださるみんなが来てよかった!!と思ってもらえるようなおもてなしをしよう!!



















というわけで今日はシュピッツの町を散策して結婚式の会場となる場所を探す日にすることにした。

もうだいたい目星はつけているんだけど、こんなに素敵な町にいるんだからもっとドンピシャ理想的な場所があるかもしれないので、時間の許す限り色んなところを見て回るに越したことはない。



早速出発。の前に朝昼ごはん。





イングリッドおばちゃんとレイモンドパパのために今日はチキンの照り焼き炒め物。

いやぁ、いいキッチンだと料理が楽しい。



「スーパー!!これはどうやって味付けしてるの!?砂糖と醤油と白ワインとガーリックだけ?んんん…………アジア人はみんな料理が上手なのかしら?」







喜んで食べてくれる2人を見てると作り甲斐もあるってもの。

そしてこのバルコニーの気持ちいいこと。


2階のバルコニーにあるテーブルに料理を並べ、太陽の日差しはパラソルで遮る。

午前の爽やかな風が吹く中、こうして外で食事をすると本当に気持ちいい。


外で食べるってのは日本にはない習慣だよなぁ。

これだけですごく贅沢なことをしてる気分になる。



アイスが美味しい!!ヨーロピアンはアイスの盛りつけが上手だなぁ。














ご飯を食べたらイングリッドおばちゃんたちと4人で町に出た。


今のところの結婚式会場は、シュピッツの町の真ん中にある小高い丘の上だ。


3ヶ月前にイングリッドおばちゃんたちに連れてきてもらった場所なんだけど、シュピッツの町とその前に悠々とたゆたうドナウの姿を一望できる場所で、上の広場には十字架がたっている。


本当に本当に素晴らしい眺望で、ここでウェディングドレス姿のカンちゃんと結婚式ができたらどんなにロマンチックで素晴らしいことだろうと思った。




が、問題は雨。

シュピッツの11月はそんなに雨は多くないみたいだけど、もし降ったらここには屋根はない。

見渡す限りなんにもないので雨が降ったらかなり悲惨なことになってしまう。


なので丘の上でやるのは最優先としても、雨が降ったときのために屋内の場所を確保しておかないといけない。






あとは式の後のパーティー会場だ。

来てくれたゲストのみんなに美味しいオーストリアのご飯を食べてもらいたい。



飲み物はもちろん白ワインだ。

世界屈指の白ワインの産地であるこのバッハウ。そのど真ん中にあるシュピッツの町にはものすごくたくさんのワイナリーがあり、世界中の人たちに飲まれている。


レストランやカフェでは誰もが白ワインのグラスを傾けているし、パーティーでも家でも毎日白ワインだ。


そんなシュピッツなので品質のいい白ワインは無限にある。


できることなら日本のお祝いの時みたいに酒樽を木槌で割って飲むみたいに、樽から白ワインを飲めたら最高だ。



というわけで美味しくて、雰囲気のいいレストランを探さないといけないので、オーストリアに帰ってきてから毎日のようにシュピッツを回って町のレストランを覗きに行っていた。








が、ここで大きな問題が発生した。


現在バッハウは花が咲き誇り緑が輝くベストシーズン。

その美しい景色を求めてたくさんの観光客が訪れているし、実際結婚式パーティーをやっているグループも結構見る。


太陽が輝く下、ドナウ川沿いのガーデンで立食パーティーをやってるのなんて見ると、素敵すぎてワクワクしてくる。






でも!!


俺たちが計画しているのは、11月。


なんと11月はローシーズンということでバッハウのほとんどのレストランやバーが閉店し見事なまでのゴーストタウンと化してしまうんだそう。




イングリッドおばちゃんそういうの早く言ってえええええええええええええええ!!!!!!!!




さらには気温も寒く、木々は枯れ果て、霧がたちこめ、この世の終わりとまではいかないけど、なかなかの寂しい景色になるという…………


もうシュピッツに帰ってきてからすぐにイングリッドおばちゃんやアシュールおじさんにそんな絶望的なことを言われまくってカンちゃん半泣きになっていた。


店が開いてないならパーティーやれないやん…………




もはや来てくれる人たちは航空券の予約もしているので、いまさら日付を変更するわけにはいかない。


11月という閑散期ではあるけど、なんとか開けてくれるレストランを探し出さないといけない。


それにバッハウは写真集を見ると全てのシーズンが美しい場所だ。きっと11月も寂しいなりの美しさがあるはず。


なんならドナウ川に霧が立ち込める様子なんてロマンチックと言えなくもない!!


多分!!












イングリッドおばちゃんの妹がやってるペンションとか、近くの小さなチャペルとか、色々と見て回った。


























どこも素敵なロケーションではあるんだけど、ここしかない!!と思える場所が見つからない。


最近ずっとカンちゃんと色んなところを探し回っているけど、ピンとくる場所がなくて、なかなかテンションが下がってしまっているんだよなぁ…………



そんなところにまたイングリッドおばちゃんが、11月は寒くてノーツーリストで店は全部閉まってなんなら雪もたまに降るの!!とマイナスなことを言ってきてカンちゃんまた涙目。


イングリッドおばちゃん…………もう11月がローシーズンなのは分かったからあんまり凹むことを言わないで…………











「じゃあ、あそこの◯◯に行ってみる?」



イングリッドおばちゃんが言ったその場所。


それはシュピッツの町にあるとある建物だけど、詳しくは来てくださるゲストのために今は書けません。




ていうかその建物の中に入ってみて驚いた。


こ、こいつはすげぇ…………


味が半端ない…………




「どう?フミ。何を隠そう私とレイモンドも30年前にここで結婚したのよ。」



「そうなんだ!ここはすごいよイングリッド!!めちゃくちゃすごい!!ここで結婚式ができたら素敵だけど…………色々問題があるんじゃない?それにこんな立派なとこなら使用料もかかるかもだし…………」



「よし、ちょっと待っててね。聞いてあげるわ。」




そう言ってイングリッドおばちゃんは裏にある建物に入っていき、中にいたお爺ちゃんに挨拶した。


どうやらこの白髪の可愛らしいお爺ちゃんが責任者らしい。


事情を説明しているイングリッドおばちゃん。
それを後ろでドキドキしながら見てる俺たち。




「んあ?ここで結婚式やりたい?いいよー、やっていいよー。お金もいらないよ。おめでとうねー。ニコニコ。」





神きた。。



ええええええ!!!!やっていいの!!??

そんな感じなの!!???


顔洗って出直してこいとかそんなんじゃないの!?






嘘だろ…………ここでやれるの!!??


このいくつものアレがアレでアレがヤバめのアレしてるアレなのに!!!



いかんいかん。あんまり書いたらいけない。


もっと、内部の説明とか書きたいんだけど、ここのところ、カンちゃんに釘を刺されている。






結婚式はゲストに楽しんでもらわないといけない。

どんな場所でどんなふうにやるのかをブログで書いてたら面白くないとのこと。


この前ウェディングドレスの写真をブログに載せようと思ったら、ダメダメー!!どんなウェディングドレスを着るのかってのも来てくれる人たちは楽しみにしてるんだから!!特に女の子は!!と止められてしまった。



そんなもんなんだなぁ。

やっぱり女の子のカンちゃんは結婚式にかける意気込みが俺とは違う。









え?ていうか俺たち本当にここでやっていいの?







そう、結婚式会場、決定。


丘の上の景色も素晴らしいけど、この場所はさらに半端なく素晴らしい上に雨の心配もしないでいい。



会場決定。


カンちゃんと2人して大興奮!!!









あとはパーティー会場だ。


この場所で式をしてからパーティー会場に行って、お食事と白ワインで飲めや歌えやの宴会という流れを計画している。


今の所、目をつけているのは町の真ん中の広場の一角にある地元のレストラン。


ここは11月まで開いてるという話を聞いているし、ご飯も美味しいとのこと。



ただ店があまりにも普通で、バッハウでやってるというスペシャル感が薄いんだよなぁ。

ここでやるからには、ここにしかなさそうなロケーションを選ばないと。








パパに懐く広場の猫。







町の路地にある民家でひっそりと売ってるお菓子。これすごく美味しくていつも買って食べてる。













ブドウ畑の列の先頭にバラの花が植えてあるので、これってなんなの?と聞くと、どうやらこのバラの花の咲き方や元気具合を見て、その列の土の栄養分を測っているんだそう。






ここで良いブドウが育つかどうか、バラの花が教えてくれるってわけだ。いちいちロマンチック。











強引なイングリッドおばちゃんに誘われてドナウ川の渡し舟に乗った。





人が片道1.5ユーロ。
車も4台くらい載せられる。車は3.5ユーロ。

対岸に行こうと思ったら橋を渡って40キロくらい迂回しないといけないので地元の人たちにとっては日常的な交通手段になっている。










1.5ユーロでできるちょっとしたドナウ川クルーズだ。
















町を回りながら数軒レストランを見に行ったけどめぼしいところは見つからず、時間がなくなって家に戻った。


でも今日は本当に本当に大きな収穫があった。

あの場所で式ができるなんて素晴らしいすぎる。


あとは、ここしかない!!と思えるようなレストランをなんとか見つけ、最高の形でパーティーをやるぞ。

ここでいいや、って妥協せずにいい場所を見つけないと。







この夜はまた家で俺とカンちゃんが料理した。

ピーマンの肉詰めとサラダとスープ。




夜ご飯もまた、家の中のガーデン。



鈴虫の鳴き声に囲まれ、ほのかに秋めいてきたように感じる。


ちょっと前まで夜が暗くならない白夜のエリアにいたというのに、ここではしっかり夜は真っ暗だし、星空も見える。


もうすぐ谷は紅葉に染まり、ブドウの収穫が始まるんだろうな。









カンちゃんのウェディングドレスはすでに買ってイングリッドおばちゃんの家に保管してある。

ウェルカムボードはとある大好きなイラストレーターさんにお願いしている。



結婚指輪、装飾してくれる花屋、俺の衣装、2人のプロフィールカード、ワイン樽、カンちゃんのアクセサリー、レストランと料理メニューの打ち合わせ、二次会の場所などなど、やらないといけないことは余裕で頭が混乱するくらいある。



まだ11月まで2ヶ月あるのでなんとかなるだろうけど、余裕をかましているわけにはいかない。


これからオーストリア国内を隅々回る予定だけど、ある程度の準備が整うまではここシュピッツに滞在だ。



いい結婚式をしよう。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~


インドネシアのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


カンちゃんが大好きなバリ島のあるインドネシア。アジアでかなり楽しみにしてる国なので早く行ってみたいです。


どうもありがとうございます!!

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