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生理痛は旅の天敵

2016年9月6日(火曜日)
【チェコ】 ターボル ~ チェスキークルムロフ





お気に入りのカフェに行くとフレンチブルドッグが寝そべってた。











オシャレやなぁ…………



ここのカフェはプラハのイケてる若者たちがゆっくりコーヒー飲んでネットをしたり、仕事の打ち合わせをしたりする場所みたい。





横のテーブルでは女の子が今まさにメイクアップをされていて、何するんだろ?って思ったら撮影を始めた。

確かにこのお店はめっちゃオシャレだから何してても絵になる。



居心地いいお店だったな。



















プラハを出てひたすら南下していく。


一本道がずーーーっと続いている。



周りにはボレミアの草原が広がり、吹き抜ける風がどこか寂しげだ。

ボヘンミアンという言葉に憧れて、そんな曲を作ろうとしたこともあった。



ボヘンミアンとは放浪者。
風の吹くままに、心の赴くままに。

そんな生き方に憧れていたけど、今も変わらず根底はそこにある。




「ボヘンミアンファッションって流行ってるんやよー。フリンジとかバンダナとかでユルい格好するの。」



お互い、同じ言葉でも思いつくイメージはまったく違うもの。

それが時にもどかしくて、時に嬉しい。
















途中、ちょっと大きめの町があったのでお昼ご飯に立ち寄った。



丘の上に広がる中くらいの町で、町の中心部には迷路みたいな路地が広がっていた。



どの建物もなんだか無機質で、変な夢の中に迷い込んだような感覚になる。








誰かが窓辺に人形を置いている。

日に焼けて少しくすんでいる。


あの窓からこちら見たら、どんな景色が見えるんだろう。

どんな人が住んでいるんだろう。

こんなに遠い遠いところで生きてきて、俺たちは一生交わることもなく、お互いの顔も何も知らないまま死んでいく。

お互いの人生の登場人物にならないまま。


いい友達になれたかもしれないのに。






テーブルの上の乾いたパンとスープ。

脱ぎ散らかした服。

迷信。


知らない町が胸を締めつける。








「ごめん、ちょっとゴメンね…………ううぅ…………」



カンちゃんが突然歩くのを止めて横にあったベンチに座ってうずくまった。

お腹を抱えて苦悶の表情をしてる。



カンちゃんは生理前の1週間、この痛みに襲われる。

1日に4~5回、強烈な痛みでお腹や足の付け根がえぐられるようになるんだそう。


1回に20分くらいその痛みが続き、寝ている時にもやってくるので、この1週間は寝不足になることも多い。


女の子は大変だ。

そして偉大だなぁって思う。


1日に23時間50分くらい一緒にいるので、お互いのことを隅々まで知ることができるけど、この体の仕組みの違いだけは神秘のままだ。


不思議だよなぁ。

でもそうやって人間は命を繋いでいるんだもんな。

















テキトーにピザとフライドポテトを食べたら、また車を運転して南を目指す。


このチェコの南東部、ボヘミア地方の隣にモラビア地方という場所があり、そこには言葉にならない美しい草原が広がっていると聞いたことがある。



海のようになだらかに丘陵が波打ち、作物が風に揺れ、まるでよくできた絵画のような幻想的な風景なんだそう。



ものすごく行ってみたい。

でも草原のシーズンは初夏の5月くらいらしく、今はもう作物も刈り取られて綺麗な風景は見られないよう。



いつかモラビアの草原を見られるかな。


チェコは本当に寂しげで、独特な空気がある。





















日が傾いてきたころに、ようやく南部の町、チェスキークルムロフに到着した。





中心の丘の上に大きなお城があり、その周りに寄り添うように固まっているささやかなこの町。

山々に囲まれ、川が流れ、本当に小さくて穏やかな山村なんだけど、その中世の姿をそのままにとどめた町が世界遺産に登録されており、世界中から絶え間なく観光客が訪れる観光地だ。



前回訪れた時、あまりのアジア人の多さにびっくりしたんだけど、このチェコの山里の何気ない暮らしの様子に感動して、こここそが世界で1番美しい町だと思ったもんだった。


カンちゃんにとっては初めてなので、どうしてもここには連れてきてあげたかった。














ゆっくり運転しながら橋を渡って旧市街エリアに入っていく。

ど観光地なのであんまり中に入って行きたくないんだけど、まず最初に行きたいところがあった。




くねくねした複雑な道を、おぼろげな記憶を頼りに進んでいくと、ドンピシャで見覚えのある坂道を見つけた。




あ!!ここだ!!



ボコボコの石畳、両側の古びた民家、おとぎ話の入り口みたいなこの道だ。






車を止めてカンちゃんに待っててもらい、歩いて坂道を下りていくと4年前と変わらない看板がかかっていた。









スキッピー、元気にしてるかな。













玄関の呼び鈴を押したらガチャガチャと音がしてドアが開いた。


そこにはあの浅黒い肌で黒髪を垂らしたおばちゃん、スキッピーが立っていた




「スキッピー!!!うわー!!元気ですか!?」



「あ、あああ?ああああああ!!!!あなた!!また戻って来たのね!!!嬉しいわ!!!」



「覚えていますか!?」



「もちろんよ!!さっ!入ってステファン!!」




誰(´Д` )!!

ステファン誰(´Д` )!!



俺どっからどう見てもステファンじゃねぇやろ……………




「あーあーあー!!フミ!!フミよね!!ごめんね、このビジネスはものすごくたくさんの人に会うからね!!さ!コーヒーをいれるわ!!」




前回チェスキークルムロフに来た時に町の中で歌っていたら、1人の女の人が声をかけてくれた。

そしてウチに泊まるといいわと言ってくれて連れて行ってくれたのが、ゲストハウス、スキッピーだった。


この女の人は宿で働いている人で、オーナーであるスキッピーは宿にいた。


スキッピーはギターの弾き語りをやるシンガーで、野太いかすれた声がめちゃくちゃ渋く、チェコ語のロマンチックなフォークミュージックを聞かせてくれた。


スキッピーも俺の歌を気に入ってくれ、狭いキッチンで一緒にギターを弾いてセッションした。


そういえばあれが初めて、外国でゲストハウスってやつに泊まった日だった。旅に出て3ヶ月くらい経っていたのかな。


とても印象に残っていて、チェスキークルムロフに戻ってくる大きな理由のひとつだった。




「フミ!!あれからどうやって旅したの?ちゃんと日本に帰ることができたの?」



「はい、チェコを出てすごく寒くなって死にそうになりながら中東、アフリカって進んで、2年4ヶ月かけて日本に帰ったんです。路上の稼ぎだけで!!」



「スーパーだわ!!それは本を出さないといけないわね!!」



「あ、僕本出したんです。世界一周の旅の本!!」



「え?!そうなの!?それで出版するのにいくらかかったの?」



「え?もちろん無料ですよ?出版社が出してくれたんです。僕は印税をもらうだけです。」



「ワーーーオオオオ!!!コングラッチュレーション!!!!フミやったわね!!」




あの時、ズタボロで路上で歌ってたアジア人が今は本も出して車で旅をしてるって状況、はたから見たらすごい出世みたいに見えるのかもな。

我がことのように喜んでくれたスキッピーとハグをした。






残念ながら今夜はスキッピーの宿は満室らしく、紹介してもらった他の宿に泊まることにした。


なぜかというと、今夜はどうしてもシャワーが必要だから。




明日はついにオーストリアに戻る日だ。

二国間協定であと90日の滞在をもぎとらないといけないので、イミグレーションで疑われないために身綺麗にしていないと。


シャワーを浴び、ヒゲを剃り、綺麗な服を着て、いやーオーストリアってまじハイジっすよね!って人畜無害なジャスティンビーバーになることが必須。ジャスティンビーバーは悪いか。



清潔な好青年と箱入りお嬢さんみたいな感じでオーストリアに戻り、日本大使館に行って事情を説明し、それから最寄りの警察に行って入国審査を受けてパスポートにスタンプをもらう。


これが明日のミッション。

ものすごく重要なミッション。


ミスは絶対に許されない。




ボロボロの服で髭もじゃで内ポケットに手を差し込んでニヤニヤしながら警察署に行って奇声をあげて走り回ったらどうなるだろう?


いやぁ、緊張する。

大丈夫。大丈夫なはず。



でも緊張するなぁ。





またスキッピーに明日の朝来る約束をして、紹介してもらった宿に入った。

ダブルルームで740コロナ、3100円。


しこたま体を洗いまくって髭も剃り、これで明日バッチリなはずだ。



















それからカンちゃんと手ぶらで町の中を歩き回った。









優しい川の流れ、狭まる建物の隙間からのぞくお城の塔、麗しい中世の建物、窓辺の花たち。

相変わらずチェスキークルムロフは完璧に出来上がったヨーロッパの代表的観光地だ。
















それにしてもアジア人観光客の数がマジで尋常じゃない。

ここ中国?って錯覚してしまうくらい視界に中国人しか入らない。


マジでここにいる人口の半分は中国人か韓国人のはず。

日本人はちょこちょこいるくらいだ。




これ全部中国人。







あぁ、この場所で歌ってたなぁ。このお城の下の道にあるベンチ前。ここがこの町のお気に入りの路上スポット。

あの時も尋常じゃない数の中国人に写真撮られまくって歌ってたなぁ。



















ぐるっと町中を見て回ったら通り沿いにあるカフェでビールを1杯。35コロナ、150円。





店員の態度が半端じゃなく悪くて、メニューを置く時もビールを持ってくる時もびっくりするような激しさでテーブルに置く。

最後にお会計に行ったら吐き捨てるように70!!って言われて、やめときなよーみたいな感じで周りのウェイターたちが笑い出した。


あまりのなめくさった態度に俺も笑えてきてしまった。



顔にコイン投げつけてやればよかったかな。


チェコにはもちろんいい友達もいるけど、観光地のやつらはアジア人を見下してくるので、どうしても教育レベルや人間性の低さを感じてしまう。

いい国だからこんな感情持ちたくないのになぁ。









というわけで気分悪くなったので中華料理食べに行った。










まぁ、ここの中国人店員さんたちの優しいこと。

そしてご飯もウルトラ美味しかった。





チャーハン
麻婆豆腐
スーラータン
ビール2杯


これで298コロナ、1260円という驚愕の値段。



残念ではあるけど、昨日のブログ記事で書いてたお店の評価。


ここは10のうち8で、チェコで行ったお店で1番だわ。

あー、美味しかったー。






さぁ、明日ついにオーストリア。


謎に閉ざされた二国間協定の真実がわかる時だ。





ていうか何気にホテル泊まるの2ヶ月以上ぶり!!







~~~~~~~~~~~~~~~~~~


パリのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


サプライズの思い出がある花の都パリ、本当にスリにお気をつけください…………


どうもありがとうございます!!

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