スポンサーリンク 2人旅は毎日が素敵なデート 2016/9/5 2016/08/19~ドイツ②, ■彼女と世界二周目■ 2016年8月26日(金曜日)【ドイツ】 ビスマル ~ フレンスブルグ昨日思い出した、デンマークに車のパーツを置き忘れてきた事実。はぁ………やっちまった…………とにかくすぐに倉庫に置かせてもらっているメグミ姉さんにメールした。送ってもらうとしたら今から行こうとしているオーストリアのイングリッドおばさんの家。ただ送料はどんなもんなんだろう…………忘れてきたブラインドは1.5メートルくらいの形なので、日本でいう規格外郵便物。しかもそこそこ重い。日本の感覚でいったら5000円は超えると思う。さらに送料をメグミ姉さんの口座に振り込もうと思ったら、かなりの海外送金手数料がかかるはず。ていうか何よりメグミ姉さんに送ってもらうというご迷惑をおかけすることになる。スカンジナビアを回るために車の中のスペースを少しでも確保しようとメグミ姉さんに車のシートとブラインドを置かせてもらっていたのに、今度は郵便で送ってくれなんて申し訳なさすぎる………………でも、俺たちはすでにドイツまで来ていて、日曜日までに行こうと思っていたベルリンまでもう少しの場所。今からデンマークに戻るのはかなり遠い。一応メグミ姉さんにメールして、送っていただけないですか?と聞いてみた。どうやって送ればいいか調べてみるよーと返事してくれた姉さん。うーん……………どうしよう……………もやもやした気持ちのまま、ギターを持ってビスマルの町にやってきた。この数日、めちゃくちゃいい天気で青空から太陽の光が降り注いでいるんだけど、今日はいつにも増して暑い。あまりの暑さに歩いているだけで汗が出てくる。この夏は北欧を回っていたので、日本のみんながフェイスブックで猛暑だー!と言っているような暑さとは無縁の快適な日々を送っていたけど、ここに来てようやく夏らしい暑さがやってきた。気温は33℃。蝉の声も、盆踊りの音頭もここにはないけど、少しは日本のあの残暑が肌に張り付いている。そんなギラギラした太陽が降り注ぐショッピングストリートの真ん中でギターを鳴らす。今日は初日にやった花屋前のスペースを早めから来て確保できたので良かった。ここはホコ天の通りが交差するど真ん中なのでめちゃくちゃ目立つし、カフェが周りにあって人の数も多く、音も響く。毎日、日替わりで色んなパフォーマーがなにかしらやっているステージのような所だ。曲が終わるとカフェのテラスから拍手が起こり、人々がコインを入れに来てくれたり、あれは歌えるかい?と曲のリクエストをしに来る。暑くてたまらなくて汗が流れる。でもまぁこんな北ドイツの暑さなんて今まで路上で経験してきた灼熱に比べたら春先の爽やかさだ。1.25リットルのコーラをがぶ飲みしながら曲を進める。順調にコインは入る。CDもちょいちょい売れる。楽しいはずの路上。が、しかし……………歌いながらどうしても気になるのはメグミ姉さんのところに忘れてきたブラインド。メグミ姉さんにこれ以上迷惑をかけてしまうのは申し訳なさすぎる。試しにグーグルマップでデンマークのオーデンセまで何キロあるのか調べてみた。お、400キロか。想像していたほどじゃない。ドイツとデンマークは高速道路が無料。しかも速度制限が100キロ超えなので、かっ飛ばせば4時間くらいで行けるかも。「カンちゃん…………デンマーク戻る?」「うーん、そうだね、メグミ姉さんに色々やってもらうの考えたら取りに行ったほうがいいかもね!」往復800キロならガソリン満タン分くらいだ。7000円くらい。それならもしかしたら郵送代と送金代よりも安くつくかもしれない。「そうだ、それだったらまたフレンスブルグを通るからベンに会いに行こう。アレ返さないといけないし!」「あ、そうだね!そうしよう!!」よし!!そうと決まればすぐにメグミ姉さんにメールした。いいのかいー?でももし来るんだったら今週末はオーデンセはアンデルセンフェスティバルをやってるから見られそうだねーと返事が来た。そうだ!!この前オーデンセに行った時に、来週がアンデルセンフェスティバルなのにもったいないねーと言われていたのだ。まさかこのドンピシャのタイミングでオーデンセに戻ることになるなんて。そして、フレンスブルグで家に泊めてもらってお世話になったベンに返さないといけないものというのは、シャンプー。ベンの家でシャワーを浴びさせてもらった時に、間違えてベンのシャンプーを持って帰ってきてしまっていた。フレンスブルグを出発して次の町に着いてから気づいて、ベンすまんー!!とメールをしたら、シャンプーくらい気にすんなよー!と返事が来ていた。ベンのシャンプーはダブの小さなやつで、2ユーロしないやつだ。230円。俺たちも同じものを使っていたので、うっかり自分たちのやつだと思って持って帰ってきてしまった。ベンは気にすんなよー!!と言ってくれたけど、やっぱりどこかで引っかかっていた。デンマークに戻るならまたフレンスブルグは通るのでベンにシャンプーを返しに行くことができる。これはもう全部オーデンセに戻れってことだ。車に戻ってエンジンをかけたらハンドルを北に向けてアクセルをふかした。ビスマル最後のあがりは2時間で150ユーロ。17000円。やっぱりドイツの高速道路は早いもんで、1時間半もかっ飛ばしたらやがてフレンスブルグの町に入ってきた。ここからデンマークはもう目と鼻の先だ。でもオーデンセには明日の夜に行けばいい。明日の夜にアンデルセンフェスティバルの目玉イベントであるプロジェクションマッピングによるライトショーが行われるようで、その前にメグミ姉さんの家に荷物を取りに行って、ついでにライトショーも見よう。そうとなったら明日はこの大好きなフレンスブルグの町で路上をやってからオーデンセに向かうことにした。止め慣れたいつもの駐車場に車を止めたら、手ぶらでフレンスブルグの夜の町を歩いた。すでに時間は22時を回っており、町は閑散としていた。街灯が石畳を鈍く照らしている。ガランとしたメインストリートを人がちょぼちょぼと歩いていた。そういえばまだドイツでドイツらしい食事をしていない。これからデンマークに荷物を取りに行ったらすぐにベルリンに戻り、そしてポーランドに抜ける。ドイツを出る前に少しいいものを食べようかと、この時間でも空いているレストランを探した。するとショッピングストリートを北に上がっていったところにぱらぱらとお店のテントが通りに出ているのが見えてきた。お、あのへんかな?と思って近づいていくと、そこにはいくつものレストランやバーが並ぶ飲み屋街が広がっていた。古くて大きな教会が夜空にそびえており、その目の前の四角い広場で人々が酒を飲んで盛り上がっていた。おお、こいつはいいや。めちゃくちゃ地元っぽいぞ。カンちゃんのリクエストで、ドイツの贅沢といえばソーセージの盛り合わせ!!ということになったんだけど、実はそんなにソーセージを出してるお店ってあんまりないようで、レストランを聞いて回るけど、どこも首を振られてしまう。ソーセージはわからないけど、そこのお店はベリーグッドレストランよ、と言われた広場の角のお店に入ると、メニューも豊富で値段もそんなに高くなく、何より雰囲気が良かったのでここで食べることにした。テラス席に座ると英語ペラペラのダンディなおじさんウェイターさんがメニューと一緒にブランケットを持ってきてウィンク。ヨーロッパの人はブランケットに包まってでも外でご飯を食べたがる。でもその気持ちが最近ではよく分かる。夜空の教会、古い町並み、この美しい中世の景色の一部になってご飯を食べられるなんてあまりにも贅沢なことだと思う。もちろん乾杯はフレンスブルグの地ビール。蓋をポンッ!と開けるのが楽しい。バラ売りさんもまた雰囲気を演出するなぁ。「うわああああ!!美味しいーー!!これめっちゃ美味しい!!ヤバい!!」ジャガイモにほうれん草とフェタチーズを乗せてソースをかけた料理がたまらなく美味かった。これ本当にビックリするほど美味しい。そしてもうひとつソーセージの料理を頼んでいたんだけど、ソーセージ料理といったらだいたいどこのお店にもカレーワーストしかない。ワーストってのがソーセージの意味で、ソーセージにカレーソースがかかったもの。これがマジでドイツにはどこにでもあるんだけど、あんまり美味しくない。いや、美味しいんだけど、ただ単にソーセージにカレーソースがかかっただけの、それ以上でもそれ以下でもない料理なので、特別これが食べたいということにはならない。なのでダンディな店員さんに、カレーワーストでカレーソースをかけずにもらえますか?と注文していた。すると別の若いスタッフさんが、見事にカレーソースのかかった状態のものを持ってきた。うーん、まぁ別にいいか、と思ったんだけど、そこにすかさずやってきたダンディなおじさん。彼はこの店の看板ウェイターさんなんだろう。どのお客さんに対してもとてもフレンドリーで丁寧で、見事な接客をしている。おじさんは、本当に申し訳ない、少し待っててねとお皿を持って戻っていき、すぐにカレーソースのかかっていない状態のものを持ってきてくれた。めっちゃ丁寧。いや、日本だったらこんなの普通。でもヨーロッパではなかなかそうもいかないので驚いてしまった。「美味しい!!ソーセージはそんなに美味しくないけどこのポテト料理が美味しすぎる!!」カンちゃんとの贅沢なディナー。ヨーロッパの美しい町のレストランでビールを飲みながらご飯を食べる。いつもケバブとかで節約しているけど、こうやってレストランでご飯を食べると、途端に自分たちがヨーロッパの一員になれたような気がする。ちゃんとヨーロッパを楽しめているような感覚になる。「フミ君とこうしてデートできてるのが嬉しいなぁ。こういうお店に来られて嬉しい!」やっとカンちゃんに美味しいもの食べさせてあげられるようになったなぁ………思えば数ヶ月前、インドで明日のお昼ごはんどうする?なんて言いながら、その日の晩ご飯に小さなご飯を2人で分け合ったりしてた。マジでまったくお金がなくて、この先本当にやっていけるのかってめっちゃ不安になってたなぁ。イスタンブールでもアユムさんとビール飲みに行けなくて情けない思いをしていた。ヨーロッパは稼げる。稼げる国だけを回っていればあんな情けない思いはしないで済むし、贅沢な旅が出来る。でも路上は金だけのためのものではない。訪れた国や町に深く入っていくためのコミュニケーション手段でもある。これからヨーロッパが終わったらアフリカに入る。アフリカの人々を少しでも知ろうと思ったら路上はとても有効なことだ。今まで世界中のどこだろうがやってきたので、アフリカでもやってみたい。けど、やっぱり怖いよなぁ。カンちゃんもいることだし、アフリカでは慎重にしていないとな。ていうかまたバッグパック旅とかできるのかな…………泥まみれになって……………なんにせよ、今は稼げるヨーロッパを思いっきり堪能しよう。ギリギリの旅は好きだけど、それでカンちゃんにお金のことで苦労させてたらダメだよな。今は1人旅じゃないんだから。お会計は驚きの21ユーロ。2400円。ビール3本飲んでお腹いっぱい食べてこの値段だったらケバブ食べてるのとそんなに大きく変わらない。美味しいご飯とダンディおじさんのサービスに感動して25ユーロを払うと、いいんですか?と一度聞いてくれるおじさん。アメリカみたいに、チップは20パーセントですー、足りないっすよーなんてクソ横柄なことを言われなくてよかった。ドイツ、やっぱり最高だ。「美味しかったー!!気持ちいいね!!」ニコニコしているカンちゃんの手を握って夜のフレンスブルグを歩く。そして外灯が光る静かな住宅地に入り、ベンの家の前にやってきた。メールを送ってはいるんだけど、フェイスブックがオンラインにならないのでどこかバケーションにでも出かけてしまったのかな。仕方ないのでベンのアパートのドアに袋を引っかけた。袋の中にはベンの家から持ってきてしまったシャンプーと、さっき買った新品のシャンプー。マジでごめんね、と手紙を添えておいた。ベン、またどっかで会おうな。~~~~~~~~~~~~~~~~~ミャンマーのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!今回の旅中にミャンマー行けるかなぁ。ビザ取らないといけないんだよなぁ。羨ましい!!どうもありがとうございます!!