スポンサーリンク トランポリンで首が取れかけた思い出 2016/8/13 2016/08/01~ フィンランド, ■彼女と世界二周目■ 2016年8月2日(火曜日)【フィンランド】 ロバニエミ昨日、勝美さんというめっちゃ素敵な北欧ライフを満喫されているかたにお会いでき、今日もまたたくさん人に会うぞおおおおおおお!!!!!というわけで車を走らせてロバニエミの郊外へ!!!うん!!この道覚えてる!!!4年前、ロバニエミの町からかなり遠いこの道のりを歩いていたアジア人のアホ!!そう俺!!深い森の中をさまよい、わけわからんところで線路に出てスタンドバイミーし、力尽きて途中のバス停で寝て、次の日さらに歩きまくって、俺何してるんだろ?こんな北の果てでアホなのかな?と思って笑えてきたところでたどり着いたその場所とは!!そう!!こいつの家!!!!!おらぉまた来たぞコノヤロウ!!!!これ4年前。やること一緒。「4年前とやること一緒だねー。」「ねー、前は1人で自撮りでこれ撮ってたんだよー。なにあのモンゴロイド?みたいな顔でみんなに見られてさー、もう本当なんかごめん。」サンタクロース村来たぞおおおおおおおお!!!!!北極圏との境目であるアークティックサークルの線の上に作られているこのサンタクロース村。あのサンタさんはこの場所から世界中にプレゼント配りに行ってます。完全におとぎの中の場所。世界中の子供たちからしたら発狂レベルのこの世の果てですよ。日本にいたころは、きっとサンタさんはとんでもない北の果てから来てるんだろうなぁってなんとなく思うもの。そして大人になってからも、サンタクロースがいるっていうフィンランドの北のほうなんてきっと雪に閉ざされたものすごい秘境なんだろうなぁ思ってた。それが今こうやって自分で車運転して来られちゃうんだもんなぁ。不思議な感覚だ。俺は2回目だけどカンちゃんはもちろん初めて。「カンちゃん緊張するやろ!ここにサンタさんいるんだよ!!会えるんだよ!!」「別に緊張しやん。こんな小さな町だからサンタさんも知り合いに会いそうやね。あら、何々さんー、昨日は醤油どうもねー、つって。」そんな丸顔のカンちゃんと手をつないで敷地を歩いていくと、たくさんのお土産物屋さんが並んでおり、1番奥にひときわ大きな建物がある。ここがサンタさんの家だ。建物の中に入るとお土産物屋さんになっているんだけど、その一角に、サンタイズヒア、と書かれた扉が閉ざされている。この先にサンタさんが待ち受けている。前回の旅はずっと野宿だったので、俺はここに荷物を全部持ってきている。みんなが手ぶらで楽しそうに歩く中、デカいバッグパックとギターを持ってサンタさんの部屋に入り、サンタさんがオーウ!何かジャパニーズソング歌ってプリーズ!!と言ってきたので、マンツーマンで思いっきりばちあたりもんを歌ったのはいい思い出。ばちあたりもんってのは俺のオリジナル曲。今さらだけどサンタさんにばちあたりもんて…………そう、またサンタさんに歌を聴いてもらいたくて今回もギターだけ車から持ってきた。サンタさんがキレてなかったらまた聴いてくれるはず!!入場無料のドアを開けて中に入ると、そこは異空間。薄暗い通路は氷の道や不思議なモニュメントで演出されており、巨大な時計のある吹き抜けに出てくると階段で2階にあがる。まるでサンタクロースは、異空間の奥地に住んでいるという雰囲気だ。そんな通路を奥に進んでいくと、そこに現れるのはサンタクロースのコスプレをしたキャバ嬢……じゃなくて女の子。うん、ミニスカートサンタではない。サンタさんの部屋への受け付けの女の子だ。「ハーイ!ようこそ!フィンランドは初めて?この国は好き?」「大好きです!でもこれはもっと好きだけどね!!」そうしてすかさず後ろに回ってサンタコスプレのスカートを捲り上げて後ろから子供達の夢もろともバックトゥーザティーチャー!!というのはやめといておとなしく順番待ちです。バックトゥーザティーチャーっていうバックトゥーザフューチャーをパロッたエロビがあるのでみなさん見てみてください。僕は見たことないです。「フォッフォッフォー!!ハロー!!ウェルカーム!!コンニチハー!!フォッフォッフォー!!」部屋の中に入るとサンタさんが椅子に座っていた。ヒゲ超長い。「いやー、どうもー。」「あ、荷物はそっちのテーブルに置いてね。フォッフォッフォー!!」2秒でギターを荷物扱いされて隔離される。「日本のどこからきましたかー!!フィンランドは何回目ですかー!!フォッフォッフォー!!」見た目は立派なサンタさんなんだけど、なんかどこか事務的。マニュアル通りの会話って感じだ。あれ?前もこんなだったかなぁ。前のサンタさんはもっとノリノリだった気がするんだけど…………「実は僕ここに来るの2回目で、ここで歌ったこともあるんです。ギター弾きながら。」「フォッフォッフォー!!そうなのかいー!!……………もちろん覚えているよー!!フォッフォッフォー!!」ゼッテー覚えてない…………当たり前だけど。そしてあえてギター今日も持ってきてますアピールをしてみたんだけど、完全にスルーされて、はい次々ーっていうこなす感バリバリなのでちょっと残念だった。「約束してください、次来るときは子供たちも連れてくるんだよ。フォッフォッフォー!!」そして最後に写真を撮ってモイモイー!!って言って部屋を出ると、物売りサンタが待ち構えていて、イヤッホゥ!!今撮った写真と部屋の中での動画が40ユーロ、5000円だよ!大特価!!と言ってきたけど、歌えなかったし別にいいかと何も買わずに帰った。サンタさんによってちょこっと当たり外れがあるのでみなさん気をつけてくださいね。土産物コーナーはトロールまみれ。ここはもうトロールの故郷のラップランドだ。マリメッコどっこにでもある。さて、2人目の会うべき人に会い、次は路上だ。昨日かなりいい感じで稼げたロバニエミ。ちゃんと3時間やったらそこそこいくはずだ。いつものホコ天にやってくると相変わらず人はまばら。そしてヤンチャな子供たちが自転車とスケボーでブイブイいわしており、あちこちに座り込んでタバコを吸っている。みんな暇そうだなぁ。親がサマーバケーション連れて行ってくれなかったのかな。そう、この光景を見ると思い出す。あいつのことを。オンニが2年前にヘルシンキに引っ越ししていたことがわかったのは、つい昨日のことだった。ロバニエミ来たぜー!ってメールしたら、俺今ヘルシンキやし!!って返事が返ってきた。まぁヘルシンキに行く用事が出来たからいいんだけどね。あそこには初めて外国でお泊りさせてくれたピーターがいる。あの時も、このロバニエミで歌っていたら暇そうな子供たちが絡んできて、そいつらと仲良くなって一緒に遊んでいた。その中の1人だったオンニはまだ背も小さくて、幼くて、悪ぶってるのがまたすごく可愛かった。俺の歌える場所を探してくれたり、家に泊めてくれて夜中までネットで遊んだり、本当に弟みたいに可愛いかった。あれから4年経って、きっと成長してるだろう。どんな男になったのか見るのは来週までお預けだ。ヘルシンキに行くぞ。歌っていると雨が本降りになってきた。パラパラは降っていたけど我慢して歌うのもこれが限界だ。すぐにギターを片付けて軒下で震えていたら、歌を聞いてくれていた人が近づいてきて、ウェルカムトゥラップランドと言った。雨と寒さ、これがラップランドの気候なんだよなぁ。ていうか天気予報を見たらここから1週間先までずっと雨。フィンランド全土で。ぬー、フィンランドでもキチンと稼いでおきたいところなんだけどなぁ。今日のあがりは1時間で32ユーロ、3600円。気を取り直して、ロバニエミ最後の会うべき人との待ち合わせ場所へと向かった。田舎の寂れた路地裏を歩いて行くと1軒の小さなレストランがあった。でも中に入ると小洒落たインテリアなのはさすが北欧。ていうかちょこっと緊張するな。やっぱり4年ぶりってのはさすがに久しぶりだもんな。「ハーイ!!フミー!!」声がしてお店の端を見るとそこには懐かしい顔があった。「リンダー!!久しぶり!!」思いっきりハグをするとリンダの細い体が可愛かった。テーブルの向かいにはすでにビールジョッキを目の前に置いたパパがいた。「ティモさん!お久しぶりです!」「フミ………世界一周やったらしいじゃないか。話を聞かせてくれ。」あれは4年前。ロバニエミの路上で歌っている時に声かけてくれた地元のおじさんとバーに飲みに行き、そのお店で知り合ったのがこのティモさんだった。うちに泊まるか?と言ってくれ、お言葉に甘えて家に行くと、そこには笑顔の素敵なママと娘のリンダ、ティナがいた。みんなで晩ご飯を食べながらたくさん色んな旅の話をしたんだけど、あの時ティモさんに言われた言葉を今もよく覚えている。あの夜、路上ライブの稼ぎだけで世界一周をしますって言った時、ティモさんは飛行機代はどうするんだ?大西洋とか越えないといけないだろう?と聞いてきた。そこはなんとか稼いで少しずつ少しずつ貯蓄して頑張ってチケットを買いますと答えると、ティモさんはウェイクアップ、と言った。目を覚ませって。どこにでもいる普通のお父さん。現実的に考えてそんなの無理に決まってるだろう、っていう普通の社会人だ。俺自身、あの時のこの言葉は結構ビビった。まだ旅が始まって2ヶ国目。この先に待ち構えるアフリカ大陸、大西洋越え、いやその前にヨーロッパを生き抜けるかさえもまったくわからない序盤の序盤だった。日本でそれまでうんざりするほど言われてきた言葉、目を覚ませ。ヨーロッパの人にすらこう言われたことはなかなかヘビーだった。横にいた、まだ高校生だったリンダが、パパいいじゃないの!そんな風に言わなくても!ってかばってくれたよなぁ。なにくそとも思ったよなぁ。絶対にやってやる、って。そして俺はやった。ティモさんに、俺はやりましたよ!!!!やってやりましたよ!!って言うためにどうしても再会したかった。しょうもないことかもしれないけど、自慢したかった。と、意気込んでいたんだけど、ティモさんの表情を見ていたら、なんかそれを言う気にもならなかった。「ほう!あれから2年4ヶ月もかけて63ヶ国を回ったのか!路上ライブの稼ぎだけで!そいつは本を出さないといけないな。」「僕、出したんです本。世界一周路上ライブの旅の本。」「なに!本当か!」ティモさんも、あの夜俺に言った言葉をきっと覚えていたんだと思う。こいつやりやがったなって思いつつも、そんなに簡単に褒めてやらないぞっていう頑固そうなところもあって、その日本にもよくいるおやっさんって感じがすごく親近感が湧く。「ティモさん、あの日一緒に川で泳いだの覚えてますか?」「もちろん。今も泳いでるぞ!」それからチキンウィングを食べながらビールを飲み、旅の話、ティモさんやリンダの話で盛り上がった。リンダはもう20歳になっており、今は薬剤師さんになるための大変な勉強をしてるそう。リンダは本当に本当に可愛い素直な子で、パパもママも、あの子は本当に手がかからない子なんだよって言うくらいだ。「そうだリンダ、あのトランポリンはまだやってる?」「あれはもう売っちゃったわ。もう子供じゃないしね。」懐かしいよなぁ。リンダと一緒に庭にあったトランポリンをやって首と腰を痛めたのも今じゃいい思い出だ。本当に、何もかもが新鮮だった。フィンランドにいたのに、フィンランドがどんな国なのかもまったくわからなかった。だって人生2ヶ国目だったから。他の国と比べることも出来なかった。今ならこの北欧の美しい国がどんなおとぎの世界だったのかがわかる。北欧の中でも他の3国に比べてどこか異質で、地名とかが英語圏とはちょっと変わってて、言語もガラッと変わる。青い空、どこまでも広がる森と湖、サンタクロースとムーミン、今ならこの国の個性がわかる。世界2周目って、こういう感じかたができるもんなんだなぁ。「フミ、親はなんて言ってるんだ?当ててやろうか。日本に帰って定住して…」「仕事して結婚して子供作ってお爺ちゃんになって孫と遊ぶ。ってやつですよね?」「そうだ。でも次またこっちに来ることがあったら子供連れてこいよ。」そう言ってニヤリと笑ったティモさんの親父の顔がすっげぇいい感じだった。イカしてたな。ティモさん、リンダ、ママ、そして風邪ひいいて来られなかったティナ、あの日の小さな出会いからまたこうして再会できたこと、本当に嬉しいです。みんなも、遠い国の友達ってそう思ってくれたなら最高だ。出会いって本当に面白いなぁ。友達もっとたくさん作りたいな。~~~~~~~~~~~~~~~~~~タイのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!パタヤとかいーっぱいたくさん面白いところがあるんだろうなぁ。バンコクだけでもまだ行ってないところ多すぎる!!どうもありがとうございます!!