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白夜の世界の始まり

2016年6月26日(日曜日)
【デンマーク】 オーデンセ
~ 【ノルウェー】 ラルビク







「この教会は900年前のものでね、特殊な技法で描かれた壁絵が有名なんだ。郊外のあまり目立たないところだからそんなに観光客は来ないけど歴史的に重要な教会なんだよ。」




朝、寒さにブルブル震えながら小さな教会の中にいた。





ジョンさんの家から歩いてすぐのところにあり、小さな白い外観が特徴的だった。

尖塔が立つ、いつもの教会とは違い、どこか北欧らしい。















静謐な朝の空気の中、ジョンさんが教会の中を案内してくれる。


近所の女の子がパイプオルガンの練習をしており、とても神聖な雰囲気だ。














天井には写実が多いキリストの宗教画においてなかなか砕けた感じの絵が描いてあった。


ところどころかすれており、色もシンプルで、どこか古代の壁画のようでロマンをあおる。


そんなラフな感じのタッチで描かれる地獄の絵が、逆になんだか不気味に思えた。













「それじゃあ、何か困ったことがあったらいつでもメールするんだよ。そしてオーデンセに戻ってきたら連絡してね。いつでも2人のことを待ってるよ。」



素敵な笑顔で手を振ってくれるお2人に背を向けるのが心苦しかった。

また、世界で大好きな人ができた。


この縁を大事にしたいな。
薄れることなく。


ジョンさん、コニーさん、また戻ってきます!!どうかお元気で!!

























今日は日曜日。





ほとんどのお店が閉まるので町は静まり返っており、人の姿もほとんどない。

野外フェスの音楽も聞こえない。


ジョンさんの話では、昨日までの盛り上がりで会場に行ったら恐ろしい量のペットボトルが散乱しているので、地元の人たちが散歩がてら会場に行ってペットボトルを集めてスーパーで換金しているらしい。


半端ない量になるだろうから、かなりの金額になるんだろうな。








そんな感じなので今日は路上もできないので1日移動だ。

ヨーロッパでは日曜日を移動日にするのがいいと思う。







今日の目的地はデンマークの最北にある小さな町、ヒルトシャルス。ヒルトシャルスって読むかな?


この小さな港町からノルウェー行きのフェリーが出ている。

航行時間は4時間くらいで、値段は車と同乗者1人で11900円。


この前まではスウェーデン経由でノルウェーに行こうと思っていたんだけど、スウェーデンに車で行こうと思うとなかなか大変。











コペンハーゲンから海峡をくぐる海底トンネルがスウェーデンのマルメーという都市に続いているんだけど、この通行料が4000円らしい。

そこからノルウェーまでかなり長いこと走らないといけないので、ガソリン代や時間を考えたら得策ではない。




もうひとつ、フェリーでデンマークのグレーノからスウェーデンのバールベリに渡るルートもあるんだけどこれは9000円くらい。

やはりガソリン代を考えると高くつく。



ただ1ヶ月前とか早めにフェリーチケットを予約すれば5000円とかで買えるので、予定がかっちりしてる人ならこのルートもアリだと思う。



というわけで走行距離や様々な値段を考えたら、少し高いけど直接ノルウェーに渡るフェリーに乗るのがベストかな。


















デンマークは国土が小さいので少し走ればすぐに町がある。


ドイツやオーストリアみたいに広大な草原の中の一本道という雰囲気ではなく、だいたい視界に建物が入ってくる。


でも人口はたったの500万人。

こんなに少ないのにデンマークには素敵で有名なものがたくさんあるんだから精鋭軍団だよなぁ。











でも、オーデンセのあるフュン島を出て北に向かっていくと、やはりいつもののどかな田舎の風景が広がりだした。


どこまでも続く波打つ農耕地の海が広い空の下にうねっている。

風になびく作物がとても爽やかで美しい。



北欧の空はとても青くて、近い。









そんな中に大きな風力発電の風車が散らばっている。

まるで大地から生えてきたもののように背筋を伸ばして地平線に向かい、風を受けてクルクル回っている。



ノルウェーでは水力発電が主で、国内で消費しきれない余った電力は国外に売っているんだとヒッチハイクしたおじさんに聞いたことがある。

デンマークではどうなんだろうな。






お、リドル発見。


買い出し買い出し。












イチゴ腐っとるから。


さすがは激安スーパー!!




ビールも安い!!!
























通り過ぎる小さな町々で、面白い光景を目にした。

なにやらド派手に飾り立てた工事用みたいなトラックがゆっくり走っているんだけど、その荷台にたくさんの子供たちが乗ってホイッスルを吹いたり大声を上げたり、中にはダンスミュージックをかけたりしながら町を回っていた。


どこの町でもこの光景を見るので、なんだこれ?と思っていたんだけど、どうやらこの週末がデンマークの高校の卒業式だったらしく、デンマークでは卒業生たちはこうしてトラックの荷台に乗って大騒ぎしながらクラスメイトの家を一軒一軒回るという伝統があるみたいだ。


トラックを通り過ぎるたびにクラクションを鳴らすと、みんなノリノリで手を振って大声をあげていた。


きっと、みんなのいい思い出になっていく。

























5時間くらいと思っていたのに意外にも時間がかかってしまい、デンマーク最北の町、ヒルトシャルスに着いたのは20時くらいだった。

もちろんまだまだ日は長く、フェリー乗り場は明るく照らされていた。

海の上に、町のどの建物よりも大きな巨大フェリーが停泊している。






ここでいいのかな?とノロノロ走りながら港湾に入っていく。


フェリー乗り場の看板はいくつかあったけど、俺たちが予約していたフェリー会社の名前の看板が出ていたのでそちらに進んだ。


カラーラインという名前だ。









少しすると、フェンスに囲まれた道の向こうに、ゲートが見えてきた。

窓口で止まるとここがチケットポイントで、iPhoneの予約画面とパスポートを渡すと、すぐにチケットを渡してくれた。














ゲートをくぐって前に進むと、だだっ広い港の岸壁が広がっており、その中に何やら不思議なトラックが見える。

レスキューの車でも、工事作業車でもない。



あれなんだろう?と思いながら近づいていくと、係りの人たちが俺たちの車の前にタイヤを乗せるスロープを設置しだした。



おお………このスロープの上に上がれというわけですか…………

下手くそにはできん注文だぞ。








左ハンドルでタイヤの位置もよくわからない状況だったけど、とりあえず1発でスロープの上にタイヤを乗せて上がる。


すると外に降りるよう指示された。




「ハーイ、車には何が入ってる?」



「え、えーっと、食材とかビールとか衣類とかです。」



「ホリデーで旅行してるんだね。ノルウェーではどこに行くの?」





そんな簡単な会話をしていると、さっきの不思議な車がゆっくりと動きだした。

車の横には大きな門のようなものが付いている。




そう、これってスキャン装置。



よく国境でバッグを機械に通して中身をスキャンするけど、それを車丸ごとやっちまう機械のようだった。





すげぇ!っていうか中身大丈夫か!?


中にはガス缶とか料理用の包丁とかの危険物が入っている。


こんなもん持ってフェリーに乗られるわけねぇだろうがボケ!って言われてもおかしくない。






ええ!!もしかして没取!?

ノルウェー用にたくさん色々買ってきたもの全部没取?!



ビールとかめっちゃ大量に買ってますけど!?













が、没取なんてことなくアッサリ通過。


うん、やっぱりシェンゲン内はチェックもゆるい。


一応警察犬も。


























そこから乗船待ちの車の列に並んだんだけど、まだまだ乗船開始する気配がなかったので、そのまま車の横でご飯を作った。


朝から何も食べてなかったのでお腹ペコペコで辛ラーメン。

周りに止まっている車の人たちが微笑ましく俺たちのことを見てくる。



みんなもたくさんの荷物を車に積んでおり、これから北欧を回ろうという雰囲気の車もチラホラ見られる。

きっと7月の半ばくらいになれば、サマーホリデーの旅行車がこの港からすし詰めでノルウェーに渡るんだろうな。
























乗船開始の時間になり、車の流れに乗って巨大なフェリーに乗り込む。


ギュウギュウになりながらかなり急なスロープを上がって乗り込むので、坂道発進ができないと1発で事故ってしまう。








フェリーの中はまぁ日本の大きな客船と同じくとても豪華で、レストラン、カフェなどなんでも揃っている。


ただ値段はもちろんめっちゃ高くて、ワイファイも受け付けで買わないといけないやつだ。























出航前に甲板に出てみた。


ウミネコが飛び回り、声を上げている。


遠く水平線に真っ赤な夕日が沈んでいる。風が冷たい。








22時過ぎの明るい空がこれからの白夜の世界の始まりを告げていた。











~~~~~~~~~~~~~~~~


ベルリンの宿をアゴダでとってくださったかたがいました!!


まさかあの人か……………


ドイツ大好きだー!!

どうもありがとうございます!!







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