スポンサーリンク 車旅の醍醐味はどこで寝るか 2016/6/22 2016/06/11~ オーストリア, ■彼女と世界二周目■ 2016年6月13日(月曜日)【オーストリア】 フェクラブルック~ 【ドイツ】 ベルヒテスガーデン寝るときに枕がなくて頭のポジションが決まらなくてあまり眠れなかった。うん、枕は大事だ。すぐに買わないとな。あと自炊用にガスコンロも買わないといけない。前回の旅でやってたように枯れ木を集めて火を起こしてもいいんだけど、やっぱりそれだと時間がかかる。ガスコンロがあれば、景色のいいところに車を止めてコーヒーを飲むことも辛ラーメンを作ることもできる。こうやって旅しながら必要なものがわかってから買っていけばいい。最初から揃えすぎたら使わないものが絶対に出てくるからな。これから3ヶ月この車で旅するんだ。快適な空間を作り上げていこう。ちなみにルートはドイツからデンマーク、ノルウェー、フィンランド。フィンランドのヘルシンキからフェリーでエストニアに行く。フェリーの値段は車で渡って5000円程度だというから結構安い。そこからバルト三国を降りてポーランドに入って、チェコ、オーストリアに戻って、最終的にまたスロバキアに車を返しに行くという流れだ。スロバキアまで返しに行くのが面倒なので、ウィーンで乗り捨てしてもいいですか?とレンタカー会社に問い合わせてみたんだけど、それは出来ないようなので、やっぱりブラチスラバまで行かないといけない。ちなみにスロバキアで借りたレンタカーで国境を越えようと思ったら国境越え費用で35ユーロ+税金という追加金を払わないといけない。いやー!完璧!!完璧なるルート組み!!と思っていたら、なんとバルト三国は国際免許証が通用しないという事実が発覚。つまりレンタカーでは行けない。なんてこった…………美しいタリンの町とか他の国も楽しみにしてたのに…………しかしレンタカーの旅を選んだ以上、行けないもんは行けない。となるとフィンランドからバルト海を渡ってスウェーデンに戻るというルートになる。そこからまたデンマーク、ドイツまで行ってポーランドに入るのがベストだ。まぁバルト三国には行けなくても愛する北欧を車で自由に旅できる喜びに比べたらどってことない。またいつか行く機会もあるだろう。車を降りて体をのばすその目の前には、空を映す美しい湖が広がっている。あぁ、最高の目覚めだ。ペットボトルの水でカンちゃんと歯を磨き、カンちゃんがルンルンルーン!とお化粧をしている間に俺は日記書き。なかなか日記が遅れてしまっている。運転して、町に着いたらすぐに歌って、また少し走って眠る。いつもは移動のバスや電車の中で日記を書いていたので充分な時間があったんだけど、自分で運転するとなるとやることが多すぎて時間が足りない。運転して歌って、フミ君ばっかり働かせてゴメンと言ってるカンちゃん。でもカンちゃんにも大事な仕事がある。それはナビ。俺が運転してる横でグーグルマップを見ながら指示してもらわないといけない。海外の道のナビなんて普通の女の子には難しい仕事だ。2人きり、力を合わせて進んでいかないといけない。グムンデンの町は本当に小ぢんまりしたものだった。湖のほとりに町の入り口の塔が立っており、その下をくぐって市街地に入る。ヨーロッパではだいたいどこの町もこうした塔の下のゲートをくぐって町に入る。昔はこのゲートの中にだけ町があり、時代とともに町はゲートの外にも広がっていった。都市に行くと、大きな町の中に城壁に囲まれた旧市街があるのはそのためだ。今も、そのゲートのおかげでかつての町の姿を想像することができる。グムンデンは静かで、どこか上品で、路地の上空にはカモメの飾りがぶら下げられていてなんとも可愛らしい町並みだ。古い石造りの家並みが湖沿いに密集しており、カフェの中では地元の人たちが新聞を読みながらエスプレッソを飲んでいる。まだ朝早いのでカフェ以外どこのお店も閉まっているんだけど、そんな中でパン屋さんだけはどこもオープンしている。人々はそのパン屋さんでパンを買い、コーヒーを飲んで朝ごはんにしていた。石畳がのびる路地裏の中心地を散策してみたけど、路上演奏するほどまでの通りはこの町にはないみたいだ。美しい町だけど、路上ができないなら他に移動しないといけない。大丈夫、このヨーロッパには路上できる町なんて腐るほどある。地図を見ていたらグムンデンからほど近い場所に懐かしい名前の町を見つけたのでそこを目指すことにした。わずか1時間も経たずにやってきたのはフェクラブルックという町。前回の旅の時に、どこでもいいやー!とザルツブルクの町からテキトーに切符を買って電車に乗ってやってきたこの町。小さな町だけど、ここにも素敵な旧市街があり、それなりに稼いだ記憶がある。河原でテントを立てて寝た思い出もある町だ。やはりここも旧市街の入り口に塔が立っており、その下の城門をくぐって中に入ると一気にタイムスリップ。そこには石畳の道が伸び、両側に美しい家が並び、ちょうど街道の宿場町のような感じだ。あぁ、たまらんなぁヨーロッパ。旧市街の中は歩行者天国になっているんだけど、その手前に道路脇に止めるチケット式のパーキングスペースがある。ヨーロッパではこのスタイルが多いみたいだ。値段は1.5ユーロ、200円で2時間。悪くない。きっと大都市に行ったらもっとするんだろうけど、日本の激高いコインパーキングに比べたらだいぶマシだ。カフェが両側にある真ん中のポジションで早速路上スタート。暖かな日差しの中、優雅にビールや白ワインを飲んでる人たちがカフェのテラスから拍手をしてくれる。わざわざカフェからこっちにお金を入れに来てくれる人たち。今度は店員さんが近づいてきたので、やば、止められるかな、と思ったらチョコレートのケーキを差し入れしてくれてウィンク。ぐおおおおおおおおおおお!!!!!!トルコではチャイだけどヨーロッパではチョコレートケーキイイイイイイイイイイイ!!!!!!ケーキはカフェでネット作業しているカンちゃんにあげて、俺はそれからもゆっくりと、メリハリをつけながら軽快に歌っていく。向こうで物乞いをしているバルカン半島の顔立ちをしたジープスたちがチラチラとこっちを見て何か言っているがそんなのはお構いなしだ。お互い流れもん。芸で稼いでナンボだ。大きな町ではないので人通りはまばらだけど、かなり調子が良くて10ユーロ札がどんどん入る。このままいけばかなり稼げるんだけど…………やっぱりこの時期は雨がすごい。ノリさんもだいぶこの雨に悩まされていたみたいだけど、本当に毎日毎日降っている。おかげで雨が降ったら車に避難して、また止んだら歌って、という面倒なことを繰り返して、なかなかしっかり歌えない。最終的には警察が来てストップ。お巡りさんが言うには、この町でもパーミッションがいるということ。週に2回演奏できて、1ヶ月間のパーミッションが30ユーロ。4000円で8回分の路上チケットというとこだ。こんな小さな町でもこんなにしっかりしたバスキングルールがあるんだなぁ。今日のあがりは2時間しかできなかったけど135ユーロ。16300円。カンちゃんも嬉しそうだ。お金が厳しい状況だとどうしてもカンちゃんに申し訳なくなってしまうからな。ちゃんと稼いで美味しいもの食べさせてあげなきゃな。フェクラブルックを出たら、さぁいい加減ドイツに入るぞ。南にある大好きな町、ケンプテンまで行き、友達に会ってそこからドイツの中央をまっすぐ縦に割るルートで北上していく。ドイツは大国だ。大都市以外にも歴史のある地方都市が無数に存在しているから町のチョイスも難しい。完全に地図を見て、直感で選ぶことになる。でもそれこそが車旅の醍醐味だよな。走り出してすぐに大きなホームセンターを見つけたので入ってみた。ドイツに入ってからよく見かける郊外型の大型ホームセンターだ。ドイツでもやはり郊外に行くと大きな駐車場のあるスーパーマーケットや家具屋さんが並んでいる光景は日本と一緒。やっぱり車旅をしているとそういうところも見えて、よりその国に親近感が湧いてくる。巨大なホームセンターの中をガスコンロあるかなーと探していると、アウトドアコーナーで見つけることができた。ただ、想像していた日本で鍋をやる時に使うみたいなガスコンロではなく、よくアウトドア好きの人が持ってる縦長のコンロだった。丸っこいガス缶を下に装着するやつ。これだとバランスが悪いし火力も弱いから簡単な料理くらいしか出来ないんだよなぁ。ちなみに値段は25ユーロ。3000円。それにガス缶が2.5ユーロ。300円。このガス缶ひとつで2時間、火をつけることができる。その横に、よく家庭で使う縦長のガス缶があったので値段を見てみたら、なんと6.5ユーロもする。800円!!日本だったらこれ250円くらいだよな?ドイツってそんなに日本と物価かわらないけど、物によって全然値段違ったりするんだよな。しょうがないけどこの縦長のアウトドア用ガスコンロを購入した。それからすぐ横にあったペニマこと、ペニーマートにも行ってみた。あ、この名前は俺たちが勝手にペニマと呼んでるだけです。ここもまたドイツに入ってからよく見るスーパーマーケット。ディスカウントスーパーらしく、生鮮食品とかは少ないけど、その分生活用品や飲み物、簡単な食材がかなり安価で売っている。ドイツの玉出、ペニマ。ここでこいつをゲット!!!クーラーボックス!!お肉や野菜とかの傷みやすい食材はこの中に入れておけば少しは長持ちするだろう。値段は10ユーロ!!1250円!!よし!!車の中荷物多すぎ!!寝るスペース、マジで皆無!!「買い物楽しいー!!」「ねー!!もう食材も買おうぜー!!」玉ねぎや豚肉、ポテトチップスなんかも買いこみ、ウキウキでまた車をとばした。草原の中を走り抜け、やがてドイツ国境の町、ザルツブルクに着いた。ここもまた由緒あるハプスブルク家のあった美しい町なんだけど、ちゃんと回るのはオーストリアに戻ってからだ。ちなみにシェンゲンの裏技のひとつに、オーストリアの特別な決まりがある。それはオーストリアと日本が独自に交わしている二国間協定。シェンゲン加盟国においてオーストリアだけは日本国籍者に対して特別なルールがあり、日本人はオーストリアにシェンゲンを含む6ヶ月間の滞在が可能になっている。つまりこれからシェンゲンを3ヶ月回って、85日くらいでオーストリアに入れば、そこから95日オーストリアに滞在できるということだ。これは日本にいるうちにオーストリア大使館に問い合わせて確認しているのでおそらく大丈夫。大使館の人から言われた注意点としては、シェンゲンを回っている時の旅行の詳細がわかるようホテルや買い物のレシートを取っておいてくださいということくらい。それを持って3ヶ月後にオーストリアに戻ってまた大使館にキチンと確認しに行こう。さて、ザルツブルクを抜けたらそこはもうドイツだ。大好きなビール大国で吐くほどビール飲みまくるぞ!!と勇んでアクセルをふかしたら思いっきり道を間違えて住宅地の中に突入。道が複雑すぎてカンちゃんには難しく、上手くナビができない。ラウンドバウト、陸橋、一方通行、そんな道が混ざり合っているのでどこを曲がればいいのかわからなくて、何度も同じ道を行ったり来たりで、一向に国境にはたどり着けない。ああ!難しい!!!そしてもうわけわからん道に乗ってしまい、引き返すこともできずにどこまでも走ってしまい、めっちゃ辺鄙なところまで来てしまった。ああー、もうここどこだよー、せっかく今日のうちにケンプテンまで行ってしまいたかったのに……………と、ふと、たどり着いた町である看板の文字が目に入った。ん?アルプス?アルプスって書いてるよな?あれ?そこら中に壁のようにそそりたってる雪をかぶった山々がそうなの?そう、道間違えてアルプス来ました。道間違えてアルプス来ちゃいましたとかウケるうううううううう!!!ヨーロッパすげえええええええええ!!!!!そういえばたどり着いたこの町、山の中のリゾート地の雰囲気が漂っており、木でできた可愛らしい家が緑の中に散らばっている。白馬ですか?そんな素敵すぎる風景にテンションが上がってる俺の横でカンちゃんが元気がなくてしょんぼりしている。どうやら上手くナビできないことに悲しがっているようだ。「フミ君ばっかり歌ったり運転したりして働いてるのに私はナビもちゃんと出来ない…………私ダメすぎるなぁ…………」「いいんだよカンちゃん。日本でも難しいのに海外だったら道も難しいもん。誰だって間違えるよ。それに間違えたおかげでこんな素敵なところに来られたんだもん!カンちゃんのおかげだよ!ありがとう!!」「うんー………ありがとう。でもちゃんとナビしたいなぁ。」いつも思う。道を間違えて、引き返さなきゃって思いながら走ってる時、すごく長い時間に感じる。でも不思議なことに、Uターンができた後、元の道に戻る時間ってかなり短く感じる。これってすでにその道がどれだけの距離だったかを知ってるからそう感じるんだと思う。先の見えない道を走るとき、果てしない遠く、長く、そして辛く感じるもの。でも一度走ってしまえば、それからはきっとなんてことない。そうやって、きっと色んなことを経験して、成長していくんだろうなって思う。カンちゃん、これからも2人でいっぱい道を間違えて、引き返して、新しい道を走って、成長していこうね。「もうこうなったら辛ラーメン食べるしかねぇ!!」「うん!食べよう!!でもどこで作る?」「ここに最高のキッチンがございまする。」バス停。屋根と壁があって雨も防げ、さらにベンチという名の台もあるので完璧!!時間はすでに20時でバスも終わってるので人が来ることもない!!というわけでこのレンタカー旅最初の自炊はアルプスの麓のバス停というなんかもう半端ないシチュエーション!!玉ねぎ、にんにく、豚肉を切ったら早速さっき買ったガスコンロの出番だ。イングリットおばさんにもらった底の深いフライパンで具材を炒めたら、それを一旦お皿にうつし、今度は水を入れて沸騰させる。雪がどっさり残っているような山の麓でやっているので、寒くてなかなか水が沸騰しないのが結構もったいない。貴重なガス缶を無駄遣いしないように、今度は鍋のフタも買わないとな。そして出来上がりがこれ!!!!辛ラーメンフミ君スタイル、アルプスの麓にて!!やべぇ!!超うまそう!!「いただきまーす!!」「いただきまうめええええええええええええええええええええええええええええええ………………………」アルプスの山々に絶叫が響き渡った。外で食べる辛ラーメンの美味さが完全にあらゆる麺類のたどり着ける境地を超えている!!!な、なんてポテンシャルだ!!!辛ラーメン!!美味すぎる!!辛ラーメン開発した人ありがとうおおおおおおおお!!!!!「はぁ、美味しかったね。」「うん、ヤバかったねー。」「さぁ、それじゃあご飯食べて元気出たことだし、頑張ってケンプテン目指して走るかー。」しかしそれはお腹いっぱいになって走り出してすぐのことだった。10分くらいして急な坂道にさしかかり、ズンズン登ってかなり標高が上がったところでカンちゃんが声を上げた。夜の闇が訪れる前の紺色の空に、アルプスの山々が丸出しになっていた。もう、なんかもう、丸出し。他のカッコいい表現が浮かばん。山、丸出し。「ぐおおおおお!!は、ハンパねぇ!!」「すごい!!アルプスがこんなに近くにあるー!!」「よし!!もうここで寝よう!!ここしかない!!」「えー!これ明日起きた時、絶対ものすごいと思う…………」坂道を登っていき、さらに脇道に入って静かな見晴らしのいいところにあったスペースに車を止めた。すぐ目の前に広がる大パノラマ。しかし今は夜の中だ。うっすらシルエットは見えるけど、これが朝ならとんなとんでもないことになるのか。やばいー!!車最高すぎる!!!「よっしゃ!!ビール飲もう!!」「ビール飲もうー!!アルプスに乾杯ー!!」「ハイジに乾杯ー!!ってマズ!!このビールマズ!!うわぁ!!10本も買ったのに!!ハイジイイイイイイ!!!」車旅、超絶満喫中。~~~~~~~~~~~~~~~~~~マレーシアのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!ツインタワーに初代トロールいないかなぁ。どうもありがとうございます!ご旅行楽しんでください!!