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久しぶりの野宿の夜の感動的な出来事

2016年5月29日(日曜日)
【ブルガリア】 ハスコボ






目を覚まして、寝静まった部屋の中で荷物をまとめた。


ゆうべ泊めてくれた若者たちは別の部屋で寝ており、しばらく待っていても起きてくる様子はなかった。


時間はすでに9時を過ぎている。そろそろ向かわないと。




テーブルの上に感謝の言葉を書いたメモを残し、カンちゃんとアパートを出た。


みんなありがとう。

また必ずエディルネに戻ってくるから、その時はもう一度レースゲームやろうね。




















国境行きのバス停まで歩き、近くにあったパン屋さんでパイの朝ごはんを食べた。






お気に入りのトルコのパイ。

チーズ入りのものとミート入りのものがあって、これを食べながらチャイを飲むとトルコの朝といった感じだ。


トルコ最後のご飯がこれか。


最後まで本当に美味しいご飯だった。



パイを食べ終え、バス停にやってきたボロい黄色のバスに乗り込んだ。






















バスは草原の中の一本道をのんびりと走っていく。


すると突如、二車線ある道路の右側にたくさんのトラックが綺麗に並び始めた。


どこまでも、遥か先まで続くトラックの列。






おそらく国境越えのための行列なんだろうな。

トラックの中にはこれからヨーロッパに向かうドイツやフランスのものもあった。




















バスは本当に国境のゲートの目の前で止まった。
降りる時にドライバーにお金を払う。3リラ。110円。


高速道路の料金所みたいな感じで車がバンバン通っていくゲートを、カンちゃんとてくてく歩いていく。


歩きで国境を越えるやつなんてほとんどいないんだろう。
歩道もないし、チェックもゆるゆるだ。



トルコ出国のスタンプを2秒でもらうと、荷物チェックのおばちゃんが昨日孫が生まれましたくらいのハッピー笑顔で聞いてくる。




「バッグの中には何が入ってるの?」



「服です。」



「ハバグッドトリップ。」





自己申告て(´Д` )


コカイン入ってますって言うやつおらんやろ(´Д` )























そしてついに心配していたブルガリアの入国。


果たしてブルガリアはシェンゲンに加盟しているのか。




2016年のシェンゲン加盟を目指していると何年も前から宣言しているこのブルガリア。


今年ももう5月が終わる。加盟していてもおかしくない。

もしシェンゲンになっていたら、あんまり稼げないこのブルガリアで貴重なシェンゲン日数を消費してしまうことになる。

それは避けたいのでソッコーでセルビアに抜けよう。






ていうか、お前昔シェンゲンで問題起こしてるな?この危険人物め!!と言ってイミグレーションの中で全裸にさせられてヨーグルトを体に塗られたらどうしよう。



ヨーロッパに向かうために、なんとしてもここを突破しなければいけない。




あああ!!緊張する!!!


イミグレーションが見えてきた!!



小さな部屋の中にある係官にパスポートを渡す!!




「あ、あ、あの、今ブルガリアってシェンゲンになってますか?なってないですよね?ヨーグルト好きなんですか?」



「ノー、ブルガリアはシェンゲンではない。ブルガリアのヨーグルトはミラクルだ。」











バスン!!










スタンプゲット。






どらぁぁあああああああ!!!!!
シェンゲン怖ええええええええ!!!!!!


これからブルガリアに向かうみなさん、この日記の日付ではとりあえずまだシェンゲンにはなってませんが、この先は本当わからないので気をつけてくださいね!

















ワックワクでブルガリアに突入して、これで楽しみな楽しみなヨーロッパ旅に一歩近づいたぞ。


いやー!!これから楽しみにも程があるなああああああ!!!!!


ヨーロッパだなーーーーーー!!!!!!!!


よおあおおおおし!!!早いとこ最寄りの大きな町であるハスコボまで行くかあああああああああああああああ!!!!!!!
















マジでなんもない。



バス停とかなんもない。



タクシーすらいない。





国境のゲートを越えたところにあったのは、ただひたすらに草原の中の一本道。

なんにもない。




ここって、そんなに歩きで国境越えするやついないんだね………………




「フミ君、どうする………?これ。」



「え?こういう時こそヒッチハイクだよ。」



「え、でも大丈夫……?私ヒッチハイクしたことないから緊張するなぁ………止まってくれるものなん?」



「止まってくれるよ。みんな優しいから。ホラ、国境越えてきた車がいるよ。やってみよっか。」























0.5秒。



「すごい!本当に止まった!!なんなの!フミ君すごいの!?」



「ハイガーイズ!どこに行くんだい?」



「ハスコボです!」



「オーケーカモン!レッツゴー!!」




乗せてくれたのはトルコ人のアリさんとブルガリア人のズラちゃん。
2人とも英語は単語のつなぎ合わせって感じだけど、一生懸命たくさん話してくれてとてもとても楽しいドライブ。


しかも途中止まったガソリンスタンドでアリさんが飲み物やサンドイッチを買ってくださった。









「ブルガリアはどこに行く予定なの?」



「カザンラクに行きます!あとはテキトーです!」



「お、カザンラクだったら確か今週末がバラ祭りなんじゃないかな。バラ祭り知ってる?カザンラクはバラで有名な町なんだよ。」



「あ!なんかその祭り聞いたことある!!すげぇ!!なんてタイミングだ!!」





なんてこった、めっちゃ偶然にもあのバラ祭りとドンピシャとは!!

どんな祭りかまったく知らんけど!!






でもバラ祭りよりも、ブルガリアに来た理由は他にあった。

ブルガリアに来たからには絶対に会いたい人がいる。









3年前。カザンラクという田舎町にたどり着いた。


あれはクリスマスが終わって年末に近づいている寒い夜だった。
ささやかなイルミネーションが町を彩っていた。




その日も凍えながら路上を終えて、野宿場所を探して町を歩き、中心部から離れたところに公園を見つけた。


寝静まった町に夜の匂いがたちこめていた。





ここで寝ようと思い、公園へ続く階段を登ろうとした時、横にレストランの明かりが見えた。


ログ調の、どこか不思議な雰囲気のある木に囲まれたレストラン。





時間は24時を少し過ぎていて、もう閉まってるだろうなと思いつつも、お腹が空いていたのでダメ元でレストランのドアを開けた。


中には閉店の準備をしていたおじさんとおばさんがいた。



こんな真夜中に大きな荷物を抱えてやってきた謎のアジア人を追い出すこともせず、2人は俺をテーブルに座らせてくれて、暖かいご飯を食べさせてくれた。


体も温まり、お腹も膨れ、これで今日も野宿できるぞとお会計をしようとした時、お店のママが言った。



「お金はいらないわ。それと表にあるホテルの部屋とったからそこで寝なさい。」



ママは鍵を手渡してくれた。




え?どういうこと?


狐につままれたような気持ちでレストランの道路向かいにあるログハウスホテルの部屋に入った。

バルカン半島では極寒の野宿が続いていたので、フカフカのベッドで眠れてすごく嬉しかった。





次の日の朝、お礼を言いにレストランに戻ると、なんとそこには朝ごはんが用意されていて、それから2日間、ママとパパのレストランでいつもご飯を食べさせてもらい、信じられないくらい優しくしてもらった。


なんの見返りも求めず、ただひたすらに優しくしてくれたママとパパ。


マジで奇跡的な出会いだった。








ブルガリアに戻ってきたのはカザンラクに行ってあのママとパパに会いに行くため。



それがなんと!!この週末があの有名なバラ祭りだなんて!!
タイミングよすぎる!!

もうなんかの縁があるとしか思えない!!





ヨーロッパ中、世界中から観光客が大挙するこのお祭り期間中に路上やったらめっちゃ稼げるんじゃなかろうか。


カザンラクめっちゃ楽しみになってきたぞ。





















国境からほど近くにある地方都市のハスコボに到着。

町の中心部まで乗せて行ってくれ、わざわざ車を止めて一緒にショッピングストリートを歩いて案内してくれた。






やはりヨーロッパのショッピングストリートは綺麗だ。

あらゆるものが綺麗に整備されている。






ただうっかり忘れていたけど、キリスト教であるヨーロッパは日曜日が完全なる休日になって町のほとんどのお店が閉まり、人々は家で家族と過ごす。

おかげでハスコボの町はゴーストタウンみたいにひと気がなくて静まり返っていた。







こりゃ路上は無理だ。


13日連続で歌ってたからな。そろそろ休めということだろう。




















ハスコボのゆるキャラ。怖い。








アリさんとズラちゃんと連絡先を交換し、大きく手を振って彼らの車を見送ったら、カフェに向かった。


ほとんどのお店が閉まっているけど、カフェはチラホラ開いている。


まず驚いたのがヨユーでビールのメニューがあるということ。


あああ………ようやくお酒に厳しい国々の旅も終わったんだなあと実感した。




次に驚いたのが値段。


なんとビールが2.5レフ。160円。

店で飲んでこの値段!!!


ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!!!どこでも飲める上にこんなに安いなんて天国でしかない!!




「カンちゃん!!ここはもういっちゃいましょう!!」



「いっちゃいましょうか!!」




今日は路上はなし。だったらもう昼から飲んじゃおう!!

いやー!贅沢すぎる!!贅沢すぎるのに2人で300円くらいやし!!








さらに驚いたのは、カフェを出てから見つけたピザ屋さんの値段。

顔くらいあるでっかいピザの横に1.2レフと書いてある。






文字がキリル文字で想像もできないくらいまったく理解不能ではあるけど、多分この1.2レフというのはピザの値段だろう。



でも待て。1.2レフということは75円だ。
このでかいピザが75円?

何かの間違いだろう。インドでもそんなことない。










でもマジで75円。







ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!物価死ぬほど安いいいいいいいいいいいいいい!!!!!!






しかも商店でビール買ったら1レフ。63円。


アル中確定。





前回はヨーロッパのほうからゆっくり降りてきたのであまり大きな変化は感じなかったけど、トルコから入ると宗教も物価もかなり変わるのでマジで面白い。


あぁ、そうかー、3年前のあの日々に戻ってきたんだなぁと感慨にふけっていると、いきなりゴーン、ゴーン………という鐘の音が響き渡った。





マジで震えた。

教会の鐘だ。アザーンじゃない。



ここから先、ずっと教会の鐘が鳴り響く町を進んでいく。





冷たくて、寂しくて、孤独だけど充実していた前回のヨーロッパ旅。

でも今回はカンちゃんが一緒だ。


あの時みたいな旅はもうできないけど、今回は今回しかできない素敵な旅にするぞ。



あぁ、鐘の音があの日々をフラッシュバックさせる。




























さて、そろそろ今日最大のミッションを開始しよう。

野宿だ。


俺はまぁ慣れたもんだけど、カンちゃんにとっては昼間のヒッチハイクと同じく初体験。

バッグの中にはこの日のために野宿セットを入れている。




地図をにらみつけ近場の大きな公園を探すと、中心部から10分くらいのところに整備された公園があるようだ。


航空写真に切り替えると、木々が多く、遊歩道もあり、大きなスタジアムも見える。


ここに狙いを定めて歩いた。









夜の町をあてもなく、大きな荷物を持って歩くのは普通の人ならそこそこ不安になると思う。

でもカンちゃんは何も言わずについてきてくれる。


あ、着いてくるって言ったらカンちゃんに怒られてしまう。


これは私にとって、フミ君に着いていく旅、ではなく、2人の旅なんだからとカンちゃんに言われている。

















坂道を登っていき夜の公園に入っていくと、どうやらそこは夜景スポットみたいになっており、あちこちに若者たちがたむろして騒いでいた。


高校生くらいの子供たちが夜遊びする場所みたいになってるようだった。

暗がりに人の姿がたくさん見える。


害はないだろうけどあんまり騒がしいと眠れない。

ここはダメ。







遊歩道を歩いて奥に進んでいくと、スタジアムらしき建物が見えてきた。

ただかなり寂れており、使われているのか怪しい雰囲気が漂っている。



夜の中で見るとなおさら不気味だ。





「カンちゃん大丈夫?」



「うん………ちょっとドキドキするかなー。でもフミ君がいるから安心!!」




確かにこうやって夜の建物の横の細い道を歩くのはかなり怖いはず。

街灯もなく、足元もよく見えないくらい真っ暗だ。


いきなり横の藪から男が飛び出してくるかもしれない………なんてことも想像してしまうかもしれない。


俺はむしろ、今人が俺のことを見たらマジでビビるだろうなと思って全然怖くはない。




「フミ君はこうやって世界中で1人で野宿しながら回ってたんだね………私には無理だなぁ。」



うん、カンちゃんは1人で野宿なんか絶対しないでね。























スタジアムの裏手に回ると大きな駐車場に出た。

お、ここ良さそうだな。


駐車場の一角に屋根の出っ張った小さな建物があって、この下なら夜露も防げそうだ。

ここにしよう。






荷物を降ろし、マットを敷いて寝袋を出した。

今回の寝袋は2人野宿のためにスペシャルなものにしている。

右利き用と左利き用にしているのでふたつをひとつにドッキングできるのだ。


ファスナーを繋げると、ひとつの大きな寝袋が完成。

その中に入るとくっついて眠ることが出来るのでカンちゃんも安心できる。









星空を眺めながら寝袋に下半身を入れ、バッグから取り出したのは、ビール。

真っ暗な中でこうやって飲むビールが大好きだった。



「いいねー、ドキドキするけど美味しいね!」




ビールを飲みながらカンちゃんがガサゴソやってるので何かと思ったら、バッグからメイク落としを取り出した。




「野宿のために水を使わないメイク落としにしといたんだ!」




オイルのメイク落としで顔を拭いているカンちゃん。

そして落とし終わったら化粧水をパシャパシャ塗っている。


野宿で化粧水て聞いたことないわ( ^ω^ )




「野宿はいいのに化粧水はするって女子力高いのかどうかわからんね。」



「ねー。」






ビールで気持ちよくなり、買っておいた1リットルの水で歯磨きして寝袋に包まる。

そこまで寒くはないけど寝袋がなければ震えてしまうくらいだ。


大きな寝袋の中、2人でくっつくと暖かくて張り詰めてる緊張感がやわらいでいく。


静かな夜の駐車場。これなら眠れそうだ。















というところで、少し事件が。


いや、事件というほどでもないんだけど、向こうから車がやってきて一直線にこっちに向かってきた。


ヘッドライトが俺たちのことをガッチリ照らし出している。


おいおい、やめてくれよ………と思っていると車は俺たちの前で止まった。



それはパトカーだった。














3人のポリスが出てきて俺たちのところにやってきた。

ブルガリア語で声をかけられ、何を言っているかわからないがいつものようにパスポートを差し出した。


野宿していて警察が来るのはよくあることだ。

今まで何度もこのシチュエーションにはなっている。


俺の慣れた対応にカンちゃんも安心してくれている。





「ここでなにしてるんだい?」



1人英語をしゃべれるお巡りさんがいたのは助かった。



「ここで寝ます。」



「ホテルには泊まらないのかい?」



「お金を節約したいんです。」



「そうかー、でも泥棒が来て物を盗まれるかもしれない。オススメできんなぁ。」



お巡りさんは俺たちのことを心配してくれ、今から入れるホテルを探してくれ始めた。



「40レフのホテルが今から入れるけど、どうだい?」



「40レフ………2500円かぁ。今手持ち5000円くらいだもんなぁ。大丈夫です、節約しますので。」



「そうかー。うーん、わかった。それじゃあ何かあったら112に電話するんだよ。エマージェンシーナンバーだから。ハバグッドナイト。」



そう言ってお巡りさんたちはパトカーに戻って走り去って行き、駐車場はまた真っ暗な静寂を取り戻した。




「ドキドキするね。でもワクワクもする。」



カンちゃんの体を抱き寄せて寝袋に包まった。


























しかし、この日の出来事はまだ終わらなかった。


カンちゃんが横で寝息を立て始めたころ、また遠くの方からヘッドライトが近づいてきた。


今度はなんだよと、日記を書く手を止めてこっそりとそっちを見てみると、それはまたパトカーだった。


おいおい、無理やり追い払われるんじゃないか?こんな夜中にまた移動なんて勘弁してくれよ………と寝たふりをしながら様子を伺っていると、パトカーが止まり、お巡りさんが降りてきた。



しかしそのお巡りさんは俺たちの横を通り過ぎ、裏手に周り、しばらくしてまたパトカーに戻った。


そしてそのまま物音を立てなくなった。


ずっとそこに止まっていた。












まさかこのパトカー、さっきのお巡りさんで、俺たちのことを心配して見守りに戻ってきてくれたんじゃないのか…………


俺たちの寝ている周りを巡回してくれ、そしてパトカーを横に止めて悪い奴が近づかないようにしてくれている。


寝ている俺たちに声をかけることなく、そっと何も言わずに守ってくれていた。


寝袋の中で寝たフリをしながら感謝の気持ちでいっぱいだった。







パトカーは夜が明けるまでずっとそこに止まってくれていた。





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