2016年3月24日(木曜日)
【インド】 アラコナム
ゆうべからとある人とメールのやりとりをしていた。
イクマさんという日本人のかた。
日本で旅イベントを主催している人で、毎回都内の色んな場所でゲストを迎えて旅の話をしてもらうという会をやっている。
去年、東京で色々活動している時にとある縁でこのイクマさんと繋がって、2回ほどイベントに出させていただいた。
旅イベント?なにそれ?
旅の出会い最高?
世界の絶景見に行きたくないか?
この広い世界に羽ばたこう?
世界のために自分にも出来ることがあるんだよ!!
美しい地球に乾杯!!生きてるって素晴らしい!!
仲間大好きいいい!!ワンピースのポーズで写真撮ろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!
いや、その通りですね。
ていうか旅の勉強ってなに?
旅セミナーとか行って、事前に勉強して、仲間作って、そんなことしてる暇があったらさっさと行けばいいと思う。
セブ島で英語留学?
日本人宿行って日本人としか行動しないでシェア飯最高ー!とか言ってないで地元の人と喋ってたら勝手に覚えるよ。
誰かの作った綺麗な舗装された道を、判で押したような旅をするとかつまんなくないか?
前回、世界一周に出てから色んな旅人に出会い、世界一周が今どれほどブームになってるかってのを知ったわけだけど、1人で回ってた俺はいつもそんなふうに思ってた。
それくらい最近は世界一周ってやつがメジャーで、王道ルートがあって、みんな同じところに行く。
今はそこまで極端には思ってないけど、まぁ少しは思ってる。
そうして世界一周を終えて日本に帰った時に、色んな旅団体とか旅イベントから出てもらえないかとお誘いをいただいた時には結構悩んだ。
行って何を話す?
それこそ旅の豆知識とか、素敵な世界遺産とか、感動的なエピソードとか話すのか?
うわぁ、なんか自分で自分が気持ち悪いなぁって思った。
でも、色んな旅団体の代表の人たちと話をしていくうちに、少しずつ考え方が変わっていった。
みんなとても素敵な人たちだったから。
自分がちっちゃく見えるくらいカッコいい人もいた。
それに旅ブームに揉まれて、俺の考え方が古くさすぎるのかなっていう風にも変わっていった。
今じゃiPhone片手に高校生でも世界一周に出るような時代だ。
大学生も卒業旅行でバババッと世界一周してる。
そういう感じの旅をこれからしたいっていう人たちが集まる旅イベント。
ならば逆に俺が出る意味もあるかもしれない。
見果てぬ地平線に向かって進み、荒野の中で焚き火しながら星を眺めて眠る、なんてのが俺の中の旅人のイメージだけど、そういう話をしにギター片手に旅イベントに何個か出させてもらった。
ためになる話なんかひとつもしなかったけど、旅の風景を感じてもらうんだったらギターで歌えばいい。
最近は別に他の旅人のことはどうも思わない。
若い頃は周りと自分を比較するものだ。
そうして自分の道を確かめる。
今はもうあんまり比較することもない。
比較するってのは自分が定まっていないことの表れだ。
あ、ひとつだけ旅イベントでこれから海外に行きたいって人たちにアドバイスさせてもらったことがあったな。クレジットカードは絶対に持って行ったほうがいいですって。
クレジットカードがなくてどれほど苦労したことか……………
今もないけど……………
まぁそんな感じでイクマさんのイベントでも歌わせてもらっていた。
今日、そのイクマさんがこのアラコナムの学校にやってくる。
最初行きますって言われたときは話半分で聞いてたんだけど、まさか本当に来るとは。こんな田舎に。
しかもしかも!!!!
なんとJDと一緒に来ると言うではないか!!!
じぇいでぃーと!!!
いやああああああ!!!!チョメ祭りいいいいいい!!!!!
でもじぇいでぃーのノリについていけなさそうで怖いいいいいいいいいい!!!!!
ロリコンじゃないです。
年上好きです。
40代最高。
というわけでJD到着。
今回やってきたのはイクマさんとJDのミナちゃんだけじゃなくて、チェンナイ在住のユウキさんというかたも一緒だ。
JICAではなく、日本のとある団体のメンバーでこのタミルナドにある学校で日本語の先生をしていたかた。
今はその日本語教師の任期を終えて、インドを回っているところなんだそう。
色んな縁でイクマさんたちと同行されているみたい。
昨日はこの3人で、俺も先日訪れていたコズエさんの学校に見学に行っていたみたい。
「コズエさんのところどうでした?かなり僻地でしたでしょ?いやー、僕だったらあそこで2年はキツイなぁ。」
「そうですか?僕は好きでしたけどね。」
平然とそんなことを言うイクマさん。
ミナさんは富山の女の子で、一度イクマさんのイベントでお会いしたことのある子だった。
路上でギターの弾き語りをする女の子。
ユウキさんは23歳という若さで英語も上手く、笑顔の爽やかな若者だ。
金丸さんがインドでどんな感じで活動しているのか見に行ってもいいですか?ということで今回いらっしゃった感じ。
まぁだからといって別にこれといって特別なことをすることもない。
いつもどおりの授業を見てもらおう。
カデルはゲストが大好きだ。
ショータ君の友達である俺やカッピー、マキちゃん、そして俺がこの前連れて行ったコズエさんにも分け隔てなくとても良くしてくれる。
本当にいいやつ。マジでいいやつ。
パパもママもみんな優しくて、すでにかなり滞在しているにも関わらずまだ恐縮してしまう。それくらい優しい。
そんな俺がさらに見知らぬ日本人を3人も連れてきたとなったら、この3人が家族やスタッフのみんなに感じよくしてくれるか若干心配ではある。
イクマさんとミナさんは東京で数回お会いしただけだし、ユウキさんにいたっては初対面だ。
でもそんな心配をよそにカデルの家族は3人を快く迎えてくれて、すぐにお昼ご飯と紅茶を出してくれた。
午後は学校の中を歩き、生徒たちもたくさんの日本人を見て恥ずかしそうに手を振ってくる。
それに笑顔で手を振るみんな。
歌の授業は、土曜日に行われる科学の文化祭の準備で生徒たちがめっちゃ忙しいということもあって、そこまで時間がとれなかった。
イマジングループと翼をくださいガールズ、それぞれを20分ずつ。
あまり時間がなかったので、いつも通りサレガマパダニサの発声練習から歌の合唱をやった。
生徒たちはもうすっかり俺のやり方に慣れてくれており、ハキハキと歌ってくれる。
とてもいい感じで歌を歌い終えると3人から拍手をもらった。
そしてせっかくなのでミナちゃんにも演奏してもらった。
ミナちゃんは有名な曲はほとんどやってなくて、俺も全然知らない最近の若い女性アーティストの曲を歌ってるとのこと。
ミナちゃんが歌うというアーティストの中でかろうじて知ってるのはユイくらいだった。
ミナちゃんがいまどきな感じの若い曲を演奏し終えると、翼をくださいガールズたちから拍手が起こった。
学校の中は科学の文化祭、サイエンスエキシビションの準備で大忙しだ。
明日がクリスチャンのグッドフライデーという祝日で学校が休みなので、今日がラストスパートということもあってみんなバタバタと工作に追われている。
3人の中のユウキさんが今日アラコナムを出発し、ミナさんが明日、イクマさんだけ残ってサイエンスエキシビションまで見ていきますということになった。
夕方になり、いつものバレーボールタイム。
今日は日本人が多いこともあって、インド人VS日本人チームで試合をした。
いつもバレーボールをやってるこのインド人メンバーが相手だったら厳しいかなと思ったんだけど、そこは学校の体育である程度バレーボールをかじってきている日本人。
みんなインド人メンバーに引けをとらないほど上手い。
中でもユウキさんがハンパなく上手かった。
いきなりすごい勢いのジャンプサーブかまして、インド人先生たちがやっとのことで返してきたボールをネット際でスーパースパイク。
ぜってー取れない角度で見たこともないスピードのボールを叩きつけた。
あまりのレベルの高さにインド人たちポカーン。
「ちょっとやりすぎですかね。いやー、高校の時にだいぶやりこんだんで。」
俺もこの数週間、毎日のようにバレーボールをやっていたからお手本見せてやるぜ!くらいのつもりだったけど、みんな上手くて俺足引っ張りすぎ。
ご、ごめんなさい…………
「ユウキ!!ファンタスティックプレイヤー!!」
「グッド!!グッド!!」
優しい先生たちも日本人たちを迎えてくれて、とても楽しく汗を流した。
晩ご飯には、ママがゲストのためにいつもより豪華なご飯を出してくれた。
バナナの葉の上に並べられた美味しいご飯にみんな美味しいと喜んでいた。
ちなみにバナナリーフには解毒作用があって、こうして食器に使うことで体にいい効果があるんだそう。
インドの伝統的な医学であるアーユルベーダでも、全身にバナナの葉を巻いて体の毒素を出す方法があるんだそうだ。
晩ご飯を終えたらチェンナイに帰るユウキさんを駅まで送っていき、この夜はイクマさんたちをアラコナムのホテルに降ろして、少ししゃべってカデルの家に戻った。
せっかく日本から来てくださったのにあんまりみっちりと予定を組んであげられなかったのは申し訳ないが、ちょうどタイミングがよくなかった。
明日は学校は休み。
カデルが明日は寺院に観光に行こうと言ってくれた。
本当いいやつだ。
カデル、ありがとうね。