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俺は俺の旅の終わりへ

9月1日 月曜日
【台湾】 台南






九州男児なのにお酒弱いの?



って言ったことある人いますか?







おおおおおらあああああ!!!!

お前は九州人はみんな酒豪だとでも思ってんのかこのやろう!!!

北海道の女の子はみんなホルスタインみたいに巨乳が多いと思ってんのか!!俺は思ってる!!




あれなんなんでしょうね。
僕お酒好きですけどそんなに強くないです。
ビール2杯で気持ちいいです。

そして他県の人と飲むとかなりの確立でこの呪文を唱えられます。


九州人だけどお酒は弱いです。

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この人は樽でしか飲まなそうに見えるけどお酒まったく飲まないです。





前に、あいつは岡山県民だから約束守らないんだよー、という人がいました。

小早川の裏切りのことと気づいた人はかなり歴史好きですね。っていうかそんなの根も葉もなさすぎですよね。
こじつけすぎでしょ。


でも会津の人は忠義心強そうなイメージですよね。



まぁ何が言いたいかというと大分の唐揚げが食べたいということです。

別府在住のノリさんとはお隣の県同士、地元ネタで盛り上がっています。

大分と宮崎では九州でも存在感が薄い県同士、不思議な仲間意識があります。





なになに?

俺たちは温泉あんだよ!!宮崎と一緒にすんな!!




大丈夫ですよ。

大分もなかなか存在感薄いですよ。
僕は大好きですけどね。

国東半島とかマジヤバイです。日田の町も、鳥天も、ダゴ汁も、臼杵大仏も、福沢諭吉記念館も、中津江村も激アツですよね。鯛生金山とか痺れますよ。


みなさん、1度宮崎と大分ツアーにお越しください。







高知の人はお酒強いですよね。











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ここ数日ノリさんと過ごしていますがそんな会話ばかりしてるわけではなく、車椅子生活の実情など貴重な体験談をたくさん聞かせてもらっている。

そしてノリさんと一緒に歩くのも多少うまくなってきた。

段差があれば早めに見つけて迂回路へ向かい、坂道があれば少しゆっくり歩き、階段があればエレベーターを探す。


過剰な手伝いはいらない。
ああ!やらなきゃやらなきゃ!!って気を使いすぎるとノリさんも居心地が悪くなる。

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ノリさんは、うるせー自分でやれって言ってくれるくらいがちょうどいいんだよなーと言う。
障害者は甘やかしたらいけない。助けてもらいたい時はそう言うし、健常者と同じに扱ってもらいたいと。


でも手助けてもらったらやっぱり嬉しいし、手助けがないとどうしようもない時もある。

やっぱり健常者とまったく同じ扱いってのは無理だし、俺も大変そうな時はなるべく荷物を持つようにしている。


どういう風に接すればいいのか深く考える必要はないのかもしれないが、やはりノリさんと行動していると考えざるを得ないと感じる場面にも遭遇してしまう。

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今日、少し離れた場所にあるデパートに出かけましょうとバス停に向かった。
やってきたバスの車体には車椅子マークが描いてあった。

こういう場合、運転手はバスを停車させ、入り口にスロープを設置して車椅子を押して車内に入れてあげ、車椅子スペースの座席をたたみ、タイヤを固定するフックをかける。

ここまでやってから、親切なドライバーだと目的地を聞いた上でそれを覚えておき、目的地に到着したら何も言わずに同じ手順で下車までさせてあげる。

日本ではバスに乗る機会がなかったのでわからないが、これらのサービスはどこの国でもいつも見る光景だ。



しかし今日乗ったバスのドライバーは車椅子のノリさんを見た途端、あからさまに嫌そうな顔をした。

そしてチンタラと立ち上がってスロープを出そうとしてきた。

きっとノリさんのような身体障害を持った人たちはこうした周りの人間の微妙な表情や言動を感じ取りやすいんだと思う。
そしてプライドももちろんある。


いいよいいよ!!そんな顔するならいいよ!!とノリさんは動かない左足と痺れた左半身で無理やり立ち上がり、右足だけでジャンプしてバスに飛び乗った。
そしてよろけながら車椅子に手を伸ばして引き上げる。

バスの運転手は中国語で何か言って面倒そうにまた運転を開始した。
自分でできるじゃねぇか、という風に言ったように聞こえた。


この運転手は降りる時もノリさんに手を貸すことなく、バスの車体を傾けることもなかった。
不快感を露わにしているノリさん。

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こういった場合に遭遇するとやはり考えさせられる。

過剰な手助けはいらない。
しかし気持ちは見せてもらいたい。

ノリさんはまだ片足がきくのでいざという時は立ち上がることができるが、完全な下半身麻痺の人たちならばこうした心ない対応をされた時にどれほど悔しさを覚えることだろう。

相手の気持ちになって考える。というシンプルな思いやり。心の通わせ方。

いい訓練になる。







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三越デパートの中にうどん屋さんがあったのでかけうどんを食べ、テラスでゆっくりとお喋りした。

このところずっと毎日慌ただしかったので、久しぶりにこんなにゆったりできた。

この先進国の整備されたタイル張りの広場に吹く風がとても気持ちいい。

台湾名物のミルクティーを飲んでタバコをふかす。

もうすぐ日本だなんてまだ信じられないな。
この生活も、終わってしまうんだな。













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宿に戻ってハムさんやみんなに挨拶をして荷物をかついで外に出た。

今夜は野宿して明日の朝のバスで一気に台北に戻る。

初日にすごく反応が良かったあの淡水の海沿いで今週いっぱい稼いで日曜日に韓国へのフライトだ。



台湾にはまだたくさん行く場所はある。
田舎の小さな町も面白そうだし、自然が広がるだけの東側エリアもなかなか見所がありそう。

でも今は観光よりも歌うことを優先しよう。


金はそこそこある。
5万ほどあるので、これだけあればもう歌わなくても日本までたどり着けるだろう。

しかしゴールが近くなってきたからと言って力を緩めるようなダサいことはなにがなんでもしたくない。
最後の最後まで全力で走ってテープを切らなければこれまでの辛かった道のりと応援してくれた人たちに失礼だ。

最後まで歌いきって駆け抜ける。
歩幅の調整なんて絶対にしないぞ。













夜の公園に着き、暗がりの中でコンクリートの上に寝床を作る。

今まで何度も何度もやってきた作業。

しかし横にいるノリさんはまだまだ不慣れなもので、タオルを1枚地面に敷くだけだ。

本当に体力のある人。







ノリさんは障害をおうまでは空手をやっていた屈強な男だ。

今でもすごい体をしているし、余裕で熊みたいだ。

車椅子に乗るようになった当初はあまりのことに自暴自棄になってしまい周りに当たり散らかしたこともあったという。

自分であの頃の俺はクズだったと言うくらい。

それから間もなく、車椅子バスケに誘ってくれた方がいて見学程度で見に行ってみたんだそう。

そこにはノリさんの障害なんて比べものにならないくらい重度のハンディキャップをおった人たちがおり、みんなハツラツとバスケをしていたという。

みんなとても明るく快活で、バカな冗談を言い、障害というものがそんなに悲観するべきものではないということをまざまざと教えられたんだそうだ。




だからといって彼らが楽な生活をしてるかというとそうではない。
ノリさんは片足がきくし神経が多少残っているのでまだ立ち上がることができるが、本当になんの感覚もなくなってる人というのは想像を絶する苦労を持っている。



例えば褥瘡というもの。


人間には痛覚がある。痛みというものを感じられるのでそこをかばうことができる。
足が痺れれば姿勢を変えたり伸ばしてストレッチすることができる。

しかしそれらの痛みや痺れを感じなかったらどうなるか。


体を圧迫したまま姿勢を変えずにいると血流が滞って鬱血し、細胞が死んで腐ってしまう。

話には聞いていたが、驚くことにこの褥瘡というのはわずかに5分~10分でも起こりえることなんだそうだ。

座ってるだけでもこの危険がある。






こんなことは障害を持った人たちにとったらほんの初級の苦労であり、他にももっともっと大変なことがあるんだと思う。


それでも多くの人たちが明るく、自分の人生を楽しんでいる。

そんな先輩たちの姿を見てノリさんは大きく変わったんだそうだ。


「最初は絶望したよね。恨みしかなかったよ。でもたくさんの人たちに出会ってね、車椅子になったからってこんなにも楽しんで生きることができるんだって教えてもらってからはすごく前向きになったよ。だからこの世界一周にもチャレンジするって決めた。大好きな歌も外国で通用するか試したい。そして、ハンディキャップがあるからってやりたいことを我慢することはない!!って少しでも多くの人たちに見せることができたらっていいなって思うよ。絶対に諦めない。それをフミ君の旅が教えてくれたんだよ。」





俺は俺が楽しむために、俺の心の満足のためにひたすら前に進んできた。

おそらくノリさんも不屈の精神でチャレンジし続けるだろう。

それがもし誰かの背中を押すキッカケになったのならとても嬉しいことだ。


旅の終盤にノリさんに会えてよかった。








地面に寝転がって公園の闇に紛れる。

すぐにイビキをかきはじめるノリさん。

豪胆な人やな。



さ、俺は俺の旅の終わりを目指すぞ。







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