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なにかの病気にかかった日

7月4日 金曜日
【ラオス】 ルアンパバーン






あまり寝ていない。

ゆうべ寝たのが2時くらいで目を覚ましたのが5時。

どこか体がだるい。



寝不足のせいだろうと思いながらもなかなか怠くて起き上がれないでいると、急に便意をもよおしてトイレに入った。

ゆうべから下痢気味だったが、もともとお腹はゆるいほうなので海外に出てもそんなにお腹を壊したと感じるようなことは今までもなかった。

今回もそんなもんだろうと思いながら眠い目をこすって早朝の町に出た。









まだ5時半の町には人の姿はほとんどない。
薄暗く、静けさに満ちている。

すると1人のおばさんに声をかけられた。

トゥモンク、と言って何かを差し出してきた。

僧侶へ、という意味か。

お供え物の食べ物を買って托鉢に加ろうということだろう。

托鉢は別に金銭を渡しても構わないものだろうが、このルアンパバーンでは食べ物だけというのが一般的らしい。

渡した食べ物はもちろん僧侶たちの食事となり、仏の使いに善行を行うことで徳とし、魂を清め、来世の平安を得ることができる。

日本でももちろんこの考えは深く根付いており、四国のお遍路中には地元民たちがお遍路さんたちに食事や宿を提供するお接待が今も日常的に行われている。
俺もだいぶいただいた。


その心が今もこんなに習慣レベルで残ってるということに東南アジア北部の人々の清らかさというか、素朴さというか、敬虔のひとことでは片付けられないものを感じずにはいられない。

ヨチヨチ歩きの子供でさえ合掌をするし、テレビのお笑い芸人ですら番組の始まりと終わりに合掌をする。

ただごとじゃない信仰心。

キリスト教もイスラム教も巨大な宗教だけど、これほど人間に対して与える影響力の大きな宗教はないんじゃないかな。






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人々は道端に並び、そこにオレンジ色の袈裟を着た僧侶が来ると、1人1人の入れ物に食べ物を供えていく。

驚いたのは信心の深い老人だけではなく、まだ10歳そこそこの小さな女の子までもが1人で道端に座って僧侶が来るのを待っていた。

とても神秘的で、美しい光景だった。

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しかしその美しい出来事の最中にもお腹は悲鳴を上げていた。

何度も公衆トイレに駆け込み、水を出す。

体が疲弊しているのはどう考えても寝不足のせいではなかった。



「おーい、フミ君ー、起きたんだねー。」


違う場所で托鉢を見ていたコータ君が眠そうな顔で声をかけてきた。

ゆうべはあれからチェコ人のやつらとだいぶ遅くまで飲んだくれていたみたいだ。


俺はこれから宿に戻ってもう1度寝たい。

コータ君は朝の9時発のバスでバンビエンというヒッピータウンに向かうみたいだ。

せっかく久しぶりに会えた戦友との別れだというのに、体がダルすぎて彼の笑顔に応えるような表情を作れないまま手を振った。


コータ君、この数日楽しかったよ。
また会ってくれてありがとう。
次に会うのはいつ、どこの国かな。
お互いこの地球を楽しもう。
そしてリッチな生き方をしよう。

元気で。












宿に戻ってトイレでまた水を出しベッドに倒れこむが、すぐにまたお尻がグルグルと鳴りだしトイレに入る。

マジで1時間に3回以上の間隔。

すでに出るものなどなにもないのに、茶色い水だけがおしっこのように出てくる。

何度も何度も拭いているので肛門が痛くなり、触れられないほどになってきた。

それでも横になってしばらくすると耐えられなくなる。



完全に腹を壊したとかそういうレベルではなかった。

俺の異常な状態をカンちゃんが心配してくれる。


「お水飲んで。きつくても飲んで。下痢しすぎて脱水症状になるんやで。お願い。」


下痢のしすぎで脱水症状って。
そんなこと全然思い浮かばなかった。










昼までに20回近くトイレとベッドを行き来して、もう立ち上がるのもきつくなってきた。

体が熱くて熱も出ているよう。
汗が噴き出してベッドの上でのたうち回り、またトイレに行く。


一体なんだ。何かにあたったか?
これが食中毒ってやつなのかな。

アジアに来てたしかに屋台の不衛生なものばかり食べていたけど、それでここまでになるのか。






こいつは何か食べないと本当にヤバイと思い、なんとかカンちゃんに肩を借りながら外に出て、その辺のカフェへ。

ルアンパバーンは田舎なのでエアコンがきいてるようなレストランはほとんどない。

なのにこのうだるような暑さで意識が朦朧としてくる。


ブログは、iPhone内に書いている日記をコピペして写真を貼るだけでいいのでまだ出来るが、日記を書いたり、インド行きの航空券を調べたりビザ取得のためにやらないといけないことなどはとても考えられなかった。


冷たいアイスティーを飲み、小さなチャーハンを食べると少し落ち着いたが、やはりトイレに行かなければいけないのは変わらず、体力はどんどん消耗していく。

今日の夕方から次の町へと出発する予定だったが、こんな状態で10時間ものバスに耐えるのは不可能だと判断し、バスの日にちを明日にズラしてもらうことにした。

レストランの兄ちゃんに事情を説明してバスターミナルに電話をかけてもらったが、面倒なことに変更するためにはわざわざバスターミナルまで行かないといけないとのこと。


「お願い、ここで休んどって。ウチだけで行ってくるから。」


カンちゃんはそう言ってくれるが俺の事情でカンちゃんまで巻き込んでる。
それを言ったら俺のことは構わずカンちゃんだけで先に進んでと言いたいところだけど、正直今1人になるのはつらい。

ごめんカンちゃん。
ありがとう。









一緒にトゥクトゥクに乗ってバスターミナルにチケットの変更をしに行き、それから宿でずっと死んでいた。

夜になるとさらに発熱がひどくなり、下痢も完全に水だけしか出てこない。

晩ご飯にもほんの少ししか手をつけられず、もうぶっ倒れて寝てしまいたいのに、30分以内に襲ってくる下痢で眠りに落ちることができない。







こいつはヤバイ。
今までで1番ヤバイ。

ベッドで汗をかきながらのたうち回っているとどんどん弱気になってくる。

もしかしたらマラリア?デング熱?赤痢?エボラ?

それぞれがどんな症状かもわからないけど、旅の中でよく聞く病気の名前が次々と頭に浮かんでくる。

もしそうだったら入院?
これ以上足止めを食ったらインドに行けない。

もうやめてしまうか………





意識が朦朧とする。
トイレに行きたいのに立ち上がるのもキツイ。

何か効くかもしれないと、シンガポールでエリさんにもらった風邪薬のパナドール飲んだ。

気を紛らわそうとテレビをつけてサッカーを見ようとするが、頭を起こしておくのがきつくてすぐに消した。






今までも色んな体調不良があったけど、今回はヤバイ。

明日ひどかったら病院に行こう。

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