2月23日 日曜日
【ペルー】 クスコ
たいさん、素敵な人やったなぁ。
いやー、本当に素敵な人やった。
俺が女だったら惚れてたなぁ。
いやー、本当に素敵な人やった。
と、宝の山を見ながらニヤニヤしてます。
ぬほおおおおおお!!!!
ラ王の美味さが異常すぎるううううううう!!!!
「フミー、なにそれ?」
「日本の食べ物?美味しいの?」
「やらん!!誰にもやらんぞ!!麺1本たりともあげない!!」
キッチンでおしっこ漏らしながらラ王をすすっていたら、玄関の方からたどたどしいスペイン語と英語が聞こえてきた。
な、なに!!??
この発音は日本人の発音じゃないか!!
こんな隠れ宿に日本人が、しかも女の子の声じゃないか!!
窓からのぞいてみると、そこには日焼けした健康的な笑顔の可愛い日本人の女の子がいた。
出たああああああああああああ!!!!!!
チョメチョメ確定エエエエエエエウウウウウウウリリリイイイイイイ!!!!
たいさん、日本人引き寄せありがとうおおおおおおおおおお!!!!!!
「どうも、僕の名前はレオナルドディカプリオ。クスコのことでわからないことがあったらなんでも聞いて。」
「あー、はじめましてー。有名な14角の石垣ってどこにあるんですか?」
「そんなもの知りません。」
大学生のネネちゃんとシュウ君。
爽やかな2人。
クスコにわんさかいる大学生みたいにカッチョいいアウトドアな服装ではなく、飾らないシンプルな格好。
「こんなとこよく見つけたね?」
「ボリビアのヒッピー宿に泊まってたときにドイツ人の男の人に聞いたんですよー。そこも毎晩パーティーで楽しかったんですー。」
「へー、そうなんだ。」
「金丸さんはいつもお昼は何してるんですか?」
「路上で歌うたってるんだ。」
「えー!!それってアルゼンチン人じゃないですかー!!」
南米を南から北上しているネネちゃんとシュウ君。
他の日本人旅行者たちみたいに日本人宿を渡り歩くというような旅ではなく、極力現地人たちと交流しながら回っているみたい。
アルゼンチンでもボリビアでも毎晩のように南米人たちとクラブに行ってパーティー三昧だったみたい。
「ウユニでは日本人にめちゃくちゃ会ったんですけど、中にはメルカドに入ったこともない人たちとかいましたよー。ヒッピーのみんなってすごく楽しいんですけどねー。あ、オラー、ブエナスタルデス、コモエスタ?」
宿のみんなに飛び切りフレンドリーに話しかけまくって一瞬で打ち解けている2人。
当たり前だけど、こんな大学生もいるんだな。
さぁ今日も歌うぞ。
ギターを持っていつものサンタクララ通りへ。
稼ぎまくって女子大生に死ぬほどいいとこ見せてやる!!
「あ、日本人の方ですか?すげぇ!めちゃかっこいいっす!!」
早速大学生ゲット!!でも男!!
写真撮ってもらえますか?とお願いしたら、わざわざ肩車して全体が入るように撮ってくれた。
名前聞かなかったけどありがとう!!
「か、金丸さんですか?はじめまして。」
次はギターを持った兄さん。
なにやら1度俺にメールをくれたことがあったみたい。
ギターを持って旅に出ようと思ってるんですが、海外ではどんな曲を歌ってるんですか?という質問はよくされるので名前まで覚えてなかった。
ごめんね。
兄さんの隣にはおどおどしてる可愛らしい女子大生が2人。
「あ、今夜一緒に王様ゲームでもど、」
「あ、今夜のバスで……クスコ……出るんです……」
「だよね!!気をつけてね!!本当俺っておっちょこちょい!!」
そして兄さんと女子大生2人は去って行きました。
俺も女子大生と行動したい。
喉は相変わらずボロボロでかすれまくっているけど根性で力を振り絞る。
空気が薄くて、何度も息つぎしないと声がもたない。
それでも頑張っているとドンドン人だかりは増えていき、歩道を埋め尽くすほどに膨れ上がった。
もちろん日本人旅行者は大学生だけじゃなく、旅慣れしてそうなおじさんがスマートにお金を入れてくれ笑顔でいい歌だねと言ってくれたりする。
あたりが暗くなってきた頃、最後の力を振り絞って歌っていると、人だかりの中に女子大生を発見!!
俺を見て、あ!みたいな顔をして立ち止まった!!
俺のこと知ってるふうな感じ!!
2人ともかなり可愛いぞ!!
仲良くなりたい!!
歌に合わせて体を動かして手拍子してイェーイって言ってくれてる!!
笑顔が可愛い!!
あ、あれ、なんだろう?この気持ち。恋?
もう演奏しながら、歌にまったく集中できてないですね。
やぁ、これから一緒にインカコーラでも飲みに行かない?
という口説き文句を考えながらハーモニカを吹いて、最後の曲を氷室並みのポージングで終了。
たくさんの拍手が起こり、みなさんにお辞儀をする。
するとその女子大生2人がこっちに近づいてきた!!
イ、インポ……じゃなくてインカコーラに誘うぞ!!
「あ、あの、すごく良かったですぅ!!キャピ。」
「やぁ、綺麗な指してたんだね知らなかったよ。ところで僕とインカコーラでもど」
「ケビエン!!」
「スウェルテスウェルテ!!」
「ムイボニート!!コングラッチュレーション!!」
女子大生たちを押しのけて観衆のみんながわらわらと一斉にお金を入れてくれ、さらにガンガン話しかけてくる。
「あ、そ、そうです!日本から来ました!!あと2日くらいクスコにいます!!次の国はボリビアです!!ちょ、あ!!ちょ!!」
地元の人たちに群がられているのを見て、入る隙間がなくなった女子大生たち。
諦めて背を向けて歩いていく。
「あ!!ちょ!!ちょっと待ってえええええええええええ!!!!!インカコーラアアアアアア!!!!!」
「スウェルテスウェルテ!!」
「ムイボニート!!コングラッチュレーション!!」
コングラッチュレーションじゃねぇ!!
というわけでたくさんの日本人と接触はしたもののFacebookの交換すらできないまま路上終了。
あがりは157ソルと色んな南米のお金。
60ドルくらい。
「あー、フミさーん、歌終わったんですかー?ご飯行きます?」
宿に向かって歩いていると、ネネちゃんとシュウ君を発見。
そういえばネネちゃんも女子大生か。
キャピキャピ感がねぇ(´Д` )
嘘、ネネちゃんも可愛いよ^_^
ちょうどメルカドの横の大きな教会でミサをやっていたので覗いてみた。
立派で美しい教会内はものすごくたくさんの人で溢れており、厳かな聖歌が流れている。
いつもの敬虔なカトリック教会。
でもお祈りしているのは民族衣装を着たインディアンのおばちゃんやおじさんたち。
かつてインカ帝国を築いたこのケチュアの民も今ではスペインがもたらしたカトリックを信仰しているんだ。
と、その時不思議な鳴り物のリズムが教会内に響いた。
同時に、通路に並んでいた奇妙な格好をした集団が声をあげながら踊りはじめた。
顔に白いマスクをかぶり、背中にアルパカかなんかの人形をぶら下げ、なんとも奇妙な姿。
腕を組み、体を前後にのけぞらせながらリズムに合わせて揺れている。
意味はわからない。
わからないが、これが神に対する畏敬の表現であるということはわかる。
キリスト教という同じ宗教でも、土地が変わればこんなにも異なった祈り方が生まれる。
違う人種、違う大陸なのに、宗教ってなんでこんなに人間を支配するんだろうな。
人間の心はひとつだ。
深く考えることはないと思う。
辛い時に救ってくれるのは周りの人の優しさだし、苦しんでる人に優しくするのも人間の自然な感情だ。
こうして世界中の人と触れ合いながら旅していると、宗教なんて大して重要なものじゃないように思えてくる。
もっと深く人間を見つめていきたいな。
それからネネちゃんシュウ君と3人でご飯を食べに行き、宿に帰り、仲のいいやつらとみんなで踊りに行こうぜということになり、夜の町へ。
道ばたで会ったバスキング仲間のアコーディオン弾きの兄ちゃんたちも誘って8人くらいでバーへ行き、生バンドのめちゃくちゃ最高のライブでハイパー盛り上がった。
フロアーを占領して夜遅くまで踊りまくった。
女子大生とのインカコーラはおあずけだけど、今夜も面白い夜。