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ジャングルの人々

2月11日 火曜日
【エクアドル】 テナ





朝早くに起きた。

まだみんな眠っている。

虫の鳴き声、聞いたことのない鳥の綺麗な鳴き声が森のどこからか聞こえてくる。

ジャングルの生活も何日経ったのか。





今日こそは歯医者さんに行かないといけない。

壊れたネコ車の上でまきに火を起こして、水を張った鍋を置く。

お湯を作って30セントで買ってきたインスタントコーヒーを作ってパカリナが起きてくるのを待った。









「ハーイ、フミ、ブエノスディアス。」


寝巻き姿のリーナが起きてきて、ヘロニモたちも目を覚ました。

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どヒッピーのロドリゴは1人で煙をくゆらせてどこかへ出かけて行った。

みんなでバナナを揚げたスナックで朝ごはんを食べる。
南米ではこの緑色のバナナを様々な方法で食べる。
日本のバナナみたいに甘みは少なく、サツマイモみたいな味。

塩をパッとかけて食べると、とても美味しいし腹にたまる。

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家の裏の林で知らない人が何やら歩き回っていた。


「フミ、あれ面白いぜ。チョコレートを作るんだ。」


どれどれ?と見に行ってみると、1人のおばさんが長い棒で木の枝をつついていた。

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するとボトボトと何かが落ちてくる。

見慣れない大きな実。
そういえばそこら中の木の枝からこの実がぶら下がっている。


そして落ちた実をもう1人の女の人が拾い集め、実を手の上に乗せて大きな鉈を振り下ろしてサクッと切り開く。

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ちょっと手元が狂ったら指を落としてしまいそうな危ない切り方。
でも慣れた力加減で鉈を振り下ろしていき、華麗に実は中身をあらわす。

白い実の中身。
大きな種みたいなものがブドウのように詰まっており、それを袋に収穫していく。

photo:05





なるほど、これがカカオか。
これが原料になってチョコレートが作られるんだな。

お茶からチョコレートからバナナからアボカドまで、なんでも裏の森から調達できてしまうリーナの家。


「リーナもチョコレート作れるの?」


「もちろんよー。」


本当にリーナは色んなことができるなぁ。







「リーナはケチュア語は全部わかるの?」


「うん、ぜーんぶ分かるわよ。教えてあげようか?」


「いや、いいかな。インディアンの人たちってもっともっと深いジャングルの中にも住んでるの?」


「そうよ。道もないような奥地にも住んでるわ。でもフミは行っちゃダメだからね。私も行かない。特にヤスニっていうナショナルパークには絶対に入っちゃダメ。」



どういうことか尋ねてみた。



エクアドルは小さな国土だけれども、海岸線沿いのエリア、アンデス山脈のエリア、山脈とジャングルの境界のエリア、そしてジャングルエリアと4つの地域がある。

海岸線沿いはエクアドル最大の街であるグアヤキルという大都市がある先進的な地域となっており、アンデス山脈の懐に抱かれた高地エリアには首都のキトやクエンカといったインカ帝国時代からスペイン征服時代の面影を色濃く残した街が隠れるように連なっている。

山脈を降りるとジャングルが広がるわけだけど、その境界にこのテナは存在している。

ここから内陸はどこまでも広大なジャングルのみが支配する密林地帯になって、道もほとんど通っていない。

手つかずの大自然のみがあるのみ。


その中にも人間は住んでいる。
文明から隔絶されたインディアンたちが。



彼らはこのレインフォレストでのみ生き、他の文化や自分たちの部族以外との接触を極端に拒絶する人たちらしく、特にヤスニ国立公園に住むインディアンたちは他の部族を大きな槍で殺していたんだそう。


それ自体は昔のことならまだ分かる。

しかし現代には人類皆兄弟の道徳というものがある。

その彼らの殺戮を止めようと、40年前にとある団体が彼らの元へ向かい、コンタクトをとったんだそう。

人を殺すのはいけませんよ。

そして彼らも殺されたんだそう。



現在、エクアドル政府から彼らのテリトリーに行ってはいけないという警告も出されているそう。

同じ国の中にそんな禁断地帯が存在するというこの南米の底知れないディープさ。


まだまだ地球は未開だし、人間という生き物も未開だ。



photo:07




「フミ~、遊ぼうぜ~、どこ行くんだよ~、川で泳いだらぁああ、とってもおおおお、気持ちいいぜえええええ」


社会不適合者試験というものがあったら軽く200点満点叩き出しそうな幸せな顔をしてるみんなを残して、リーナと一緒に歯医者さんへ出かけた。










バスが止まるところまで歩いていると、近所のおじさんの運転する車が通りかかり、どこ行くんだー?と聞いてくれる。

そしてリーナと乗りこんで町へと向かう。

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町の端っこに大きな空き地があるんだけど、普段は何もないだだっ広い空き地。
そこに昨日から何かステージみたいなものが組まれてるなぁと思っていたんだけど、今日やってきてみると空き地を埋め尽くすような人混みができており、何やらパレードをやっていた。

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ブラスバンドの賑やかな行進。


「ミリタリーのフェスティバルなのよ。昨日と今日、そして本番の明日はものすごい人出になるのよ。ナポ県中の人が集まるんだから。」


教えてくれるリーナ。



ぬおお………マジか………
そりゃ明日レストランバスキングしたらめちゃくちゃ稼げるじゃねぇか………


でも早く進まないと………

でもそんな美味しい日を目の前にしてスルーするのも………






いやいや、早く進まないと。

今の俺ならどこでだって間違いなく稼げる。

それにすでにペルー入りしているケータ君やナオちゃん、エビちゃんたちから早く来てよーとメールが来ているし、先日もハンパなく興奮するメールが届いたところ。

あの歩く地球の歩き方、歩くウィキペディアの異名を持つボストンの天才、てっちゃんがなんとペルー入りを果たしている。

久しぶりに会いたい。



さらにペルーの先に待ち構えるウユニ塩湖は、公共の交通機関がないらしく、最寄の町から車をチャーターしないと行くことができないそう。

となるとどうしても人数を集めないといけないわけだけど、どうせなら超気まずい空気より気のしれた友達とのほうがいい。

ペンライトでウユニとか描いたりするお約束なことをする気はないけど。

ナオちゃんは俺にどうしてもさせたいみたいだけど。




何より飛行機の期日まであと29日。

ぶっ飛ばすぞ!!










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そして歯医者さんに到着。


「あー、今ねこの辺りの電気が止まってて機械が動かないんだわ。明日来て。」


はい、フェスティバル決定。

そしてケータ君やナオちゃんたちと会える可能性が5%くらいになる。



こりゃもう無理かな………

誘ってくれてるのに間に合わなかったらごめんね………






町の電気が止まるという、ナイスタイミングにもほどがあるハプニングでまたしても歯の治療をすることはできず、すごすごと家に帰った。










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「いええええい、フミ~、泳ぎに行こうぜええええ」


昼間っから出来上がってるみんなとフラフラとジャングルの中をうろつく。

近くのあばら家の商店でお菓子を買い、みんなで分け合って食べる。

飲み物も、食べ物も、食器も、タバコも、全部分け合う。

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同じフォークでも、ペットボトルのラッパ飲みでも、それがごく自然なこと。

ソロビーノという人懐こい犬がいるんだけど、いつも俺たちのそばにいるので、みんなナデナデするんだけど、そのなでた手で果物を切ってみんなに配る。

かぶりつくと甘さが口一杯に広がる。

俺もだいぶジャングルの暮らしに馴染んできた。

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夕闇はすぐにやってくる。

森の中にいると、世界が全て静まり返っているかのような感覚になる。

でも今も町では賑やかな活気が溢れている。
ネオンがまたたき、音楽が鳴り響く眠らない街がある。


俺たちも仕事に行かないと。



トラックのタクシーを呼び、みんなで荷台に乗り込み、満天の星が広がるジャングルの中を抜け出した。








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昼間のお祭り具合からすごい人出になってるんじゃないかと思っていたけど、それほどでもなく、レストランを回っていくがお金の入りはまばらだ。


ヘロニモとマリアンナは明日、キトに行くと言っていた。

でもきっと明日のお祭りのことを話したらもう少しいようかなーって2人のことだからなるだろうな。


あがりは34.5ドル。









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リーナの家に戻り、真っ暗な中、今夜も火を囲む。

生ぬるいビールをあおると、今日という日が溶けていく。

月がぽたぽたしたたって、髪の毛がからまる。

明日も同じ1日。
新しい1日。


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