8月1日 木曜日
【アメリカ】 アッシュビル ~ チェロキー
朝ごはんをみんなで囲む。
目玉焼きとサラダ。コーヒー。
おだやかな時間が流れる。
ジェイムスが足湯を用意してくれた。
ただの足湯ではなく、医療用の塩を溶かしたもの。
こんなお婆ちゃんがやってくれるような古典的なやり方をアメリカでもやるってのがなんだか面白い。
ジンジンと患部に染みて効いてるのがわかる。
痛みはまだあるが、快方に向かってはいるかな。
膿がすげーことになってるけど怖くて出せない。
マヤもソフィアももうすっかり心を開いてくれ、俺たちの周りで遊んでいる。
まだまだこのご家族といたい。
でも行かなきゃ。
「ヨシ、ソレデハコウソクドウロノトコロマデオクッテイキマスヨ。」
メーガン、美味しい料理と笑顔をありがとう。
ソフィア、いつかオリンピックのテレビで見るのを楽しみにしてるから。
みんなで写真を撮った。
いい写真だな。
いつか俺もこんな家庭を築こう。
ジェイムスが俺たちを近くの高速道路の乗り口まで送ってくれた。
荷物をたくさん積んでギュウギュウの車内なのに、そこにマヤもついてきた。
狭い車に入り込んできて俺のギターを持ってくれている。
マヤ可愛い。
「ソレジャアミンナオゲンキデ。マタニホンデアイマショウ。アメリカニモマタキテクダサイ。」
「ジェイムスも、今度は宮崎に来てください。北海道に負けないくらい食べ物が美味しいですから。」
この愛に溢れた男と出会えて良かった。
そしてジェイムスに日本は最高だという印象を与えてくれた北海道の人たちに心から感謝。
外国人が日本にきて、俺が海外で受けているような無償の優しさによりたくさん巡り会えることを願います。
ジェイムス、マヤ!!
ありがとう!!
よーし!!
すっかりスローモードになってた気分を入れ替えて!!
ヒッチハイク行くぞコノヤロウ!!
でナイスタイミングで土砂降り。
近くのダンキンドーナッツに避難!!
Wi-Fiにつないでブログを更新し、コメントを返し、Facebookのメッセージを返し、Gmailの返事をし、その間で世界地図のピンの打ち直し。
そして毎日の日記書き。
さらに毎日増えていくお世話になった人たちへのお礼の連絡。
あああ!!追いつかねぇ!!
メールをくれたみなさん、返事が出来ない時はゴメンナサイ………
ユージン君は楽しそうに彼女とスカイプしている。
どうやら8月末に彼女がアメリカに会いにくるというではないか。
どチクショウ!!テンガばっかり使ってるくせに!!
悔しいね!!カッピー!!ね!!
「あ、俺も知り合いの女子大生が日本からラスベガスに会いに来てくれるんだよね。8月末に来てくれるから、それまでにベガスに間に合わなさそうだったら先に行って待っとくよ。」
…………………
………お、お、おおお、俺だけチョメチョメなしいいいいいいいいいいいい!!!!!!!
この裏切り者どもめええええええええええ!!!!!!
コスメルに行ってみんなで恋するって約束したじゃないかああああああ
恋するコスメルまで童貞を貫こうって誓ったじゃないかぁ………
ううう…………
チクショウ、こうなったら全力でやつらのチョメチョメを阻止してやる。
グランドキャニオン見た後で、もうひとつのグランドキャニオンを探検してトゥモローネバーノーズなんてさせないぞ。
嘘です。
2人とも幸せになってください。
あとトゥモローネバーノーズのプロモーションビデオはグランドキャニオンじゃなかったです。
くだらないこと言ってないで、雨が止んだのでヒッチハイク開始です。
高速の入り口で親指を立てる。
さっきまであんなに土砂降りだったのに、いきなり雲が晴れてギラギラとした太陽が顔を出した。
うう……暑い………
早く捕まえないとまたぶっ倒れそうだ。
あまりにも捕まらないのでギターを取り出して弾き始めるユージン君。
お、確かに楽器出してるほうが捕まるかも。
ジャカジャカ弾いてるユージン君。
「人間なんてララーラーラララーラー。人間なんてララーラーラララーラー。」
ヒッチハイク中に1番歌ったらいけない歌(´Д` )
しかしそれでもなかなか捕まらない。
ドンドン車が通り過ぎていく。
ああ、暑すぎる……
頼むー、止まってくれー…………
あ!!止まった!!
きたーー!!!
「ノックスビル?悪いな、俺はチェロキーに帰るとこなんだ?チェロキーじゃダメかい?いいとこだよ。それとも高速道路の分岐で降ろそうか?」
チェロキー?
チェロキーは地図上ではナッシュビルに向かう高速道路から外れて山の方に入っていったところにある小さな村。
なんとなく名前に惹かれて気になっていたところではある。
でも高速道路を外れ、山奥に入れば次に進む道が険しい山越えのルートになる。
どうする。
って悩む時間1秒。
流れのままに進むのが旅だ。
思いがけない展開、ウェルカム!!
もちろん行きます!!
そしてこの選択が最高の夜をもたらすことになるとは、この時はまだまったく考えてなかった。
荷台にカッピーたちを載せた古いトラックを運転するのは、タフガイを絵に描いたようなお兄さん。
しかし無精髭に覆われたその笑顔はどこまでも優しい。
名前はマーク。
アクセルはうなりを上げ坂道をドンドン登っていく。
周りにはどこまでも鬱蒼とした森が広がり、その中を綺麗な高速道路が伸びている。
開けられた窓から吹きこむ風が少しヒヤリと冷たくなった。
「そうかそうか、旅をしてるのか。インディアンは分かるかい?ネイティブアメリカン。」
「はい、知ってます。ダンスウィズウルブズに出てきますよね。」
「ははは、あれは有名な映画だね。俺はインディアンだよ。」
え!!?
ほ、ほんとに!?
ま、まさか本物のインディアンの方と出会えるとは!!!
さて、この日の出来事はあまりにも僕にとって衝撃的だったので、文字数や写真数でひと記事に収まり切りませんでした。
申し訳ありませんが続きは明日またあげたいと思います。
今もまだ夢を見ているかのようです。