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みそ汁の出来は上々

7月31日 水曜日
【アメリカ】 アッシュビル






ガタガタという物音で目を覚ました。

台所のほうから会話が聞こえる。

女の子の幼い声と、それに優しく応えるお父さんの声。


それと同時にガリガリという何かを削る音も。

どうやらコーヒー豆をミールにかけている音。


ここはジェイムスの家だ。

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「オハヨウゴザイマス、コーヒーイレマシタデスカラー。」


スターバックスの豆で淹れたコーヒーを飲む。
足元を嬉しそうに駆け回る犬たち。

8歳のマヤが張り切ってお皿をテーブルに運んでいる。

普段からしてるのか、俺たちがいるからしてるのかわからないが、少なくとも俺たちがいることを楽しんでくれているのはわかる。

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ジェイムスがホットケーキを焼き終わったころに、10歳のソフィアが眠そうな顔して降りてきた。

赤毛の髪の毛にソバカスのある白い肌。
お人形みたいに愛らしい。

ソフィアは水泳の選手らしく、なんとノースカロライナで2番目、全米では7番目の順位を持つ強豪選手だった。


棚や暖炉の上に、ソフィアの水着姿の写真が飾ってある。
試合前の真剣な顔だ。



photo:04




幸せな家族。

その和やかな空気にすっかり虜になってしまっている。







「イイステーキガモッテアリマス。デスカラキョウモ、シュクハクヲシマセンカー?ワタシキョウハシゴトヤスミマシタ。」



する!!
します!!

よし!!俺もなんか日本食を作る!!
みそ汁作ろう!!

ああ、居心地が良すぎて離れられなくなるよー!!










photo:03




さて滞在は延ばしたけれど、日中は稼ぎに行かないと。

カッピーとユージン君はダウンタウンに狙いを定め、バスに乗って行った。

俺は近くのショッピングセンターを責めることに。








バッグをからってギターを持ち、ショッピングセンターに歩く。

あ、からうってのは背負うって意味ですからね。
宮崎弁カッケェ。

そんなことはどうでもいいんですけど、





実は歩く足がとても痛い。

この3日くらい前から右足の親指の爪が異常な痛みを持ってきている。

歩く時に指が曲がると激痛が走る。

アスファルトの上、ヒョコヒョコとびっこをひきながら歩く。

photo:05






前々から親指の爪が少し割れていたんだけど、ヨシキさんの家にいるときに、それを強引に引きちぎった。

爪はかなり奥の見えないところからズルッと抜けんだけど、どうやらそこが怪我になってしまってるようだ。


サンダルばきで不潔な状態のまま過ごしていたので、バイ菌でも入ってしまったのか、爪のつけ根が日に日に腫れ上がり、針でさしたら破裂しそうなくらいパンパンになってしまっている。


いつもたいがいの怪我ならほったらかして自然治癒力に任せるところなんだけど、今回は結構シャレにならない痛みと見た目になってきている。

予防接種なんて何にもしてないので、下手に悪化して指切断なんてこともありうる。

そろそろ手を打とうと思っていたところなんだけど、これがまたナイスタイミングで今回のお泊まりの家主であるジェイムスは医者の卵。

ありがたい。


指を見せるとすぐに色々と準備してくれ、今朝とりあえず抗生物質は飲ませてもらった。

患部がジンジンと熱をもったように痛むが薬が効いてるんだろう。










ヒョコヒョコと足をかばって歩き、スーパーマーケットにやってきた。

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ドラッグストアーやスーパーマーケット、ファストフード屋さんなどが入った大きな建物。

しかし人が少ない。
ポツポツとまばらにしかお客さんがいない。

ベンチで日記を書きながら人の流れを見るが、どうにも変わらないままなので、仕方なく演奏開始。



わずか2曲で10ドル入った。

よし、こいつはいける!!





というところでお店からストップがかかった。

あああ………またか。

最近止められてばかりだな。






スーパーマーケットバスキングはギャンブルだなぁ。

ハイリスクハイリターン。

ものすごく稼げるか、全然稼げないか。

ダウンタウンのストリートは怒られずにやれるけど、あがりは平坦なもの。

場所選びは本当に難しい。







それからも足を引きずりながらやれそうなお店を探して回るが、どこもお客さんの数は少なく、今日はもう日記書きに集中することにした。

このところ目まぐるしくたくさんの事が起きているので、なかなか日記が追いつかない。


ベンチに座って険しい顔やニヤニヤした顔をしたりしながらiPhoneをチョンチョンいじっていると、それなりに怪しい人物になれる。

みそ汁の食材を買って家に戻った。




家に入ると、台所ではすでにジェイムスと奥さんのメーガンが料理をしていた。

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「フミー、オツカレサマデシタ、カンパイデスヨネ。」


ビールを渡される。
たいして稼いでないんだけどな。

乾杯して飲みながら2人の料理の邪魔をする。


「サッポロノコウエンデノジュクシタコトアリマス。ホームレスタクサンイマシタケドー、ミンナヤサシイカッタデスー。」



メーガンは北海道にいる時、学校で英語教師をしていたこともあるそう。
2人とも日本での生活経験があるので、英語がとても聞き取りやすい。

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「ニホンノガッコウ、バッドボーイバッカリデシタヨー。デモタノシカッタデスカラネ!」


「でも日本の先生は誰も怒りませんよね。昔の教師はすぐにパンチしてきましたよね。」


「ソウデスネー。スグウッタエマスカラー。」


そんな甘やかされて育った若者たち。
日本では彼らが社会人となってきているが、少し厳しくされただけで、あーこの会社は自分には合わないな、と言ってすぐに辞めてしまうんですと教えた。


アメリカでも同じようなもんで、仕事がない仕事がないと世間では言われているが、実際選ばなければいくらでも仕事はある。

メキシコ人の移民たちはそういったキツイ仕事でも選り好みせずにやるので、アメリカ人たちは、メキシコ人が俺たちの仕事を奪っている、と批判するんだそう。


「オカシナコトデスヨネー。」


とニコッと笑うメーガン。

冷蔵庫にたくさんの写真が貼ってあるんだけど、その中にジェイムスとメーガンの若いころの写真があった。

色あせたその写真にはまだ幼さの残るハイスクールボーイとハイスクールガールが笑っていた。

2人は高校生のこらからずっと一緒にいるんだな。


一緒に海外を旅し、一緒に困難を乗り越え、今こうしてキッチンの中で2人で料理をしている。
可愛い子供に囲まれて。





ふと、たまらなく苦しくなる。

なんで失ってしまったんだろう。

俺も、あいつとずっと一緒にいたかったはずなのに。

遠い記憶は、色を失うにつれて鮮明になっていく。

あの日々はなんだったんだろう。
ポッカリと半分が欠け落ちた青春は、もはや昔見た映画のように淡い記憶。

今もまだ夢を見ているように。




さて、今も俺はまだ追いかけ続けた夢の真っ最中だ。

アメリカの田舎のお家で玉ねぎと豆腐と長ネギを切り、味噌をとかす。

もちろんダシも忘れずに。

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そこにカッピーとユージン君が帰ってきた。

ダウンタウンでバスキングし、60ドルのあがりをゲットしてきた。

2人は折半なしなければいけないというのもあるが、順調に稼いでいるな。
くそー、負けてられねぇ。





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豪華な料理がテーブルに並ぶ。

みんなが席につき、賑やかな晩ご飯。



「オイシイ!!オイシイヨコレハー。マヤ、オイシイデショ?」


「イエス。」


我ながらなかなかの出来の味噌汁にみんな喜んでくれた。





ご飯の後、演奏会になった。

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俺が歌い、ユージン君がソロギターを披露し、カッピーのサックスが響き渡る。

目を丸くして聞いているマヤとソフィア。
ニコニコしてるメーガン。

足の上でグデーンと寝っ転がって動こうとしない犬のユキがとても可愛い。


俺たちの番が終わると、今度は古びたピアノでマヤとソフィアが演奏してくれる。

アメリカ南部らしく、ブルースのスウィングをたどたどしく弾く2人。

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お酒も回り俺もピアノが弾きたくなってマヤに教えてもらった。

横にピタッと座って、指をこう置いて、こう弾いて、次はこう、と一生懸命教えてくれるマヤ。

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すぐ横に座ると女の子のミルクのような幼い肌の匂いが鼻をくすぐる。


白い餅のような肌、クルクルと巻いた金色の髪、青い瞳、あどけない英語がたまらなく可愛い。

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ああ、このご家族と会えてよかったなぁ。
心から癒してもらった。



毎日毎日、急展開の連続だ。
アメリカが始まってからゆっくりとした出だしだったけど、いきなり激流に変わり、その勢いにどこまでも飲み込まれていきそうだ。


そしてこの次の日も、またとんでもない出会いが待っていた。

とどまることを知らない奇跡の連続。





アメリカは全てを叶えてくれる。

描いた夢がことごとく予想を上回ってくれる。

人との出会いこそが金であり、それをかき集める俺たちはゴールドラッシュのトレジャーハンターだ。

まだまだ先は長いぞ!!

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