2月25日 月曜日
【エジプト】 ダハブ
目を覚ますと、そこは海の目の前。
パラソルがちょうど日差しをカバーしていて、気持ちよすぎる。
なんて贅沢な野宿なんだ………
穏やかなカフェ通りを歩き、フレンズというカフェに入る。
ゆうべショウゴ君に教えてもらったんだけど、ここが安くて店員がフレンドリーで、オススメなんだそう。
南国ムード漂う店内。ヤシの葉が風に揺れる。
海に飛び出した窓際に座り、コーヒーを飲む。
猫が膝に乗ってきた。
スタッフもフレンドリー。
ソファーに足をのばし、クッションを背中に入れる。
暖かい風。
優しい波。
静かな音楽。
あ、なんだ、ここただの天国なんだ。
天国ううううううううう!!!!!!!!!
なめてたぁー、俺ダハブなめてたぁー。
なにこの開放感。
なにこの気持ちよさ。
なにこの自由さ!!!!!
ダハブなめてたあああああああ!!!!!!!!!
「おはよーございまーす。」
やってきたショウゴ君。
すでに今から2ヶ月の沈没宣言をしている彼は、なぜかダハブでジムに通っている。
「体ムキムキにしようかなーと思って。暇だし。」
旅中にジムに通うって斬新だね(´Д` )
ちなみにジムの料金は月150ポンド。
2100円。安い!!!!
アパートも、家具付きで2万円とかであるらしい。
なんて天国なんだ??
時間がゆっくりと流れる。
いや、あっという間に飛び去る。
こんな開放感今までで初めてだ。
今まで気づかなかったけど、旅中は常にルートや金や治安など、いつも気を張っていたんだということがここに来てわかった。
友達や仲間を作り、美しい景色を見て、常に感動の連続の日常でも、やっぱりピリピリしてるんだよ。
出会う人出会う人、こいつは嘘を言ってるか?とか、あいつは俺の後をつけているんじゃないのか?とか。
今初めて、心からリラックスしている。
暖かい風が心まで優しく包んでくれる。
ダハブ、有名な沈没スポットと言うけど、こりゃわかるわ。
いや、沈没しなければいけない町だよ。
物価安いし。
長い旅の中のオアシスのような場所だ。
たまにこういうリラックスできる場所がないとやっていけないな。
これエジプトのファストフード、コシャリ。
こんな屋台で売ってる。
5ポンド。70円。
「あ、そういえばさっき、向こうの方でヤシの葉っぱ持って歩いてる人いたっぺよ。髪の毛の長い人。」
ヤシの葉っぱ?
まさか?
探しにいってみた。
ダハブで日本人が泊まる宿はふたつ。
セブンヘブンとディープブルー。
ディープブルーのほうが安いという話。
ディープブルーの階段を上がると、そこにはあの人がいた。
「おー、フミ君、また会えたねー。」
南国ムードがよく似合うその清々しい笑顔の持ち主は、そう!!カオルさんだ!!
「4日ほど向こうで野宿してたんだけど、洗濯物しに今日は泊まることにしたんだよ。」
エルサレムで別れて、こんなにまたすぐに会えるなんて!!!
カオルさんはほとんどインターネットを使わない。
なので連絡の取りようがない。
だから会えたら奇跡。
「いやー、気持ちいいね、ここ。フミ君は働きすぎだからここで思いっきり休まないと。」
ディープブルーの屋上で昼間っからビールを飲んだ。
日差しが照りつけ、風が吹きすぎる。
最高だ。
ここ、最高。
それから少し散歩して、ビールを買い、夕闇が迫る浜辺へ。
月あかりが海に線を引く。
昔、夜空に続く道という曲を作った。
こんな美しい月の線を見て作った曲だった。
潮騒、夜風、
なんて気持ちいいんだ。
ダハブが抱きしめてくれる。
「よし、明日は釣りしようよ。」
「いいですねー。直火で焼いて食べましょう。ビール飲みながら。」
明日の予定はそれだけ。
それだけでじゅうぶんだ。