12月23日 日曜日
【ブルガリア】 ソフィア
ソフィアに向かうバスはただのワンボックスカーだったよ。
需要少ないんだね。
国境のカスタムでは、いつものようにろくなチェックもないんだけど、唯一聞かれたのが、タバコを3パック以上持ってないか?ということでした。
楽勝。
朝、5時半にブルガリアの首都、ソフィアに到着。
バスターミナルはなかなか洒落ていて、バーやカフェがたくさん入っており、この時間なのにたくさんの旅行者で溢れていた。
みんな眠そうにベンチでうなだれている。
俺もそれに混じる。
ボロいワンボックスカーは揺れまくりでまったく眠れなかった。
バスターミナルを見る限り、ブルガリアって活気のある国なんだな。
バッグパッカーも多く、人気があるのがわかる。
どんな国なんだろ。
聞いた話ではヨーグルトのお風呂に入るらしいよ。
気持ち悪そう!!
ごめんなさい、嘘です。
ブルガリアのミニ情報!!
★首都……ソフィア
★人口……750万人
★言語……ブルガリア語
★独立……1908年、オスマン帝国から
★通貨……レフ
★レート……1ユーロ = 1.9レフ
★世界遺産……文化7件、自然2件
紀元前から文化が栄えていたようで、それらの遺跡が残っており、ようやくアジアっぽくなってきたなって感じだな。
様々な人種が混じりあい、ブルガリア人となり王国を作るが、オスマン帝国に滅ぼされ、1400年から500年間、オスマン帝国の支配下におかれる。
その後はまぁ東欧らしく、ロシアに乗っ取られ共産主義国となり、冷戦終了後はそれなりの経済成長を続けている。
が、他のヨーロッパ諸国の人たちが言っていたように、いまだヨーロッパでも最低ランクに貧しい国であることは変わりない。
安全な国、とは言えないこのブルガリア。
攻略開始。
今回もバスターミナルで換金した。
最近甘えてるなぁ。
15ユーロだけ換金して、後は路上で稼いで行こう。
明るくなり始めた街に出て、どこかカフェを探して歩いた。
綺麗な街並み。
大きな古い建物がズドンズドン建っている。
ソフィアは久しぶりの都会だ。
1時間ほど歩き回るとマクドナルドを見つけたので、ここでノンビリ。
うん、マケドニアのマクドナルドはろくなWi-Fi飛んでなかったけど、ブルガリアでは質のいいWi-Fiをゲットできる。
1ユーロのマキアートを飲みながらネット。
充電もバッチリできる。
日曜日の早朝、マクドナルドにはそんなに人もいない。
ブルガリア人たちが静かにコーヒー飲んでます。
静かにネットをしていると、いきなり変なオッさんが俺の前で立ち止まった。
身動きひとつせずにじっと俺を見つめているので、めんどくさいなこいつと思いながらハローと言うが、返事をしない。
なんだこいつラリってるのか?と思ったらいきなりガバッと体をかがめて俺に顔を近づけてきて、ものすごい秘密を打ち明けるような真顔で、声をひそめて僕にこう言いました。
「チンギスハン………」
でも僕は日本人です。
おはよう!ブルガリア!!
その後も久しぶりにスピードの早いWi-Fiに満足しながらインターネットを楽しんでいる僕に、ひたすら話しかけてくるオッさん。
ひたすら。
こいつ完全にラリってるな、と鬱陶しくてしょうがないですよね。
するとオッさんが立ち上がり、帰り支度を始めました。
やっとどっか行ってくれると思ったら、やっぱりこっちに来てブルガリア、ブルガリアグッドだよ、的なことをひたすら連呼して握手した手を離してくれません。
そして彼はおもむろに懐から財布を取り出し、なぜか僕に1枚の紙幣を差し出してきました。
これで何か食べな、みたいなことを言っている。
うわ!なに優しい人だったの?!
オッさんごめん!!ラリってるとか言ってごめん!!
笑顔でその紙幣を受け取ろうとすると、オッさん、手をスッと引っ込めてスタスタお店を出て行った。
……………てめーーー!!!!!!なめてんじゃねえええぞコノヤロウ!!!
なにこの気持ちどうすればいいの!?
やっぱりラリってんじゃねえか!!
いきなり楽しませてくれるブルガリアですね。
マクドナルドで日記を書いていると、連日の寝不足でウトウトしてきた。
こりゃいかんと、荷物をかつぐ。
一応首都なので、それなりに観光するところもあるようで、教会を3つ回りました。
あ、ブルガリアは9割がオルトドクス、正教会です。
あとはイスラムですね。
これと、
これと、
これ、
建物の屋根が丸っこいのはロシアと同じで正教会の特徴なのかな。
カトリックはピューンってとんがってるもんな。
最後のアレクサンドルネフスキー大聖堂は、もうめちゃデカイ。
そして壁画が見事。
聖堂の外にはたくさんの骨董の露店が並び、銀細工やアクセサリーをたくさんの観光客たちが眺めています。
団体のツアー客も多く、久しぶりに観光地ってとこに来た気分。
バルカンではろくに観光しなかったもんなー。
ちなみにアジア人の姿はなし。
サンタがギター弾いてた。
せ、切ない!!
お腹空いたので適当にファストフード屋さんへ。
そろそろケバブの本場トルコが近づいてきたことだし、だいぶ本格的になってきてるんじゃないかなと、久しぶりのケバブを注文。
…………なんだい?こりゃ?
(ジャックハンマー風)
うめええええええええええええ
!!!!!!
今までのケバブがお遊びだったような美味さ!!
なにこれ?!!
あれですね。
ソープばっかり行ってたもてない男が、始めて出来た彼女とチョメチョメしたときに、これが愛か、と感じるような感じですか?
どうでもいいけど美味すぎる。
値段、3.2レフ。
170円。
日本にあったら行列もん。
オルトドクスの国だけどムスリムも住んでます。
というわけで街の真ん中あたりに大きなモスクがあります。
そしてその道路向かいにはちょんとバザールもあります。
イスラム名物、バザール。
でもここのバザールは、スコピエのバラック市場ではなく、綺麗な建物の中にあります。
おしゃれなお店がいっぱい入ってて、食事も買い物もなんでもできるね、ここで。
暖房きいてるし、休憩スペースあるし、なんとWi-Fiまで飛んでるもんだから、ここで1日ノンビリできるね。
まぁそんなナイスな場所だからホームレスのたまり場になってるけど。
臭え!!
お前ら臭え!!
あ、俺もか。テヘ!
パンツ洗いたいー(´Д` )
でも寒くて洗えないいい(´Д` )
イスに座ってゆっくり日記を書いていたら、さすがの寝不足でやっぱりウトウト………
こりゃダメだ。
もう今日は早めに寝よう。
外気温は-7℃。
やっべぇなあ。
明日は最低気温0℃にまで上がるみたい。
今日まで乗り切れば。
今日まで乗り切れば。
スーパーでビールを購入。
どれがカールスバーグの値札ですか?!(´Д` )
街から歩いて30分くらいで大きな公園を見つけた。
真っ暗な林の奥に入って行く。
地面の氷で滑りながら、白い息をはきながら。
顔が凍てつく。
どこにテント張ろうかなと思っていたら、林のかなり奥に、ポツンと小さな東屋を見つけた。
もうここで寝てしまうか。
ベンチにマットを敷き、寝袋に潜りこむ。
寒い。寒すぎる。
全然温まらない。
体温が奪われていく。
野犬がそこらじゅうで吠えている。
かなりの数がこの林に住みついているようだ。
頼むから襲ってこないでくれよ。
その時、東屋の屋根の端から少しだけ見える夜空に、流れ星が光った。
シュッと落ちてすぐに消えた。
………あ、願い事。
願い事は………
ふと世界平和と思った。
世界平和て。
日本にいたら、願い事、世界平和です!!テヘ!とかいって冗談のネタでしか使われないような恥ずかしい4文字。
でも、ここ毎日、紛争やホロコースト、民族浄化の惨劇の地を回ってきて、今この4文字がものすごく現実味を帯びて俺の中にあることに、素直に驚いてしまった。
おそらく叶わない。
だからこそ流れ星なんて儚いものにふさわしい。
森の中の公園のベンチ。
ひとりぼっちの夜。