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モンテネグロに入った

12月15日 土曜日
【ホスニアヘルツェゴビナ】サラエボ
~ 【モンテネグロ】 ポドゴリツァ







荷物をまとめて受付におりた。


みんなまだ眠っている。

起こさないでこのまま出て行こう。



いつの間にか誰かがいなくなって、また新しい旅人がやってくるんだな。


「フキ、俺からの忠告は、必ずホステルに泊まってくれということだ。野宿してはいけない。バルカン半島ではいい人ばかりに会えるだろうが、信用しすぎてはいけないよ。」


「わかったよ、ボス、ありがとう。」


「元気でな!!チンカス!!チンカスウウ!!」



ゆうべファックユーはなんて言うんだと聞かれたから、チンカス、と教えたんだけど、おかげで昨日からずっと連呼している。
チンカスを連呼するボスニア人。
渋い。



楽だったなぁ、この1週間。
なんの心配もしなくていい快適なホステル暮らし。
4日分は無料にしてもらったし。




よし、もうしばらくホステルはやめよう。

楽すぎる。

楽して何が悪いの?と思うかもしれないけど、楽なことが嫌いなんだよな。
愚直なのがいい。シンプルに、シンプルに。


ボブディランやウディガスリーのホーボーソング、
カウボーイ映画にでてくる流れ者が、俺の旅人像。
荒野の真ん中で火を起こして、星屑の下で眠りにつく。そんなイメージ。


ホステルに泊まる旅になんの魅力も感じないことを、今回の滞在でよく理解した。
これからは、よほど危険な場所、よほど悪い天候でなければホステルには泊まらない。
でもまぁ意地は張らないように………




と、まぁここまで思わせてくれるほどの素晴らしい泊まり心地だったということです。
サラエボセンターシティー。

ボス、ほんとにありがとう。
ホステルの良いとこも悪いとこも全部教えてもらいました。


感謝!!!







photo:01



今日はずいぶんと暖かい。
移動日和だな。
路上にはたくさんの人々が歩き、物売りのおじさんたちが通りに並んで色んなものを売っている。

クリスマスと新年に向けた特設のテントもオープンした。

街は活気に溢れている。

photo:02






雪がべちゃべちゃの路上をキャリーバッグを引き、いつものカフェへ。


「ヘイ!フミ、これをあげるよ。」


約束の時間にやってきたハリス。
渡してきたのは映画のDVDだった。
パーフェクトサークルっていうサラエボ包囲の映画だ。


「これはとてもいい映画だよ。これを観れば当時のことがよくわかるはずだから。」



戦争の真っ只中に生まれたハリス。
彼はまだとても若い。
髪の毛や肌に瑞々しい若さが輝いている。

photo:04




戦争を知らない世代の時代が来ているんだ。







ハリスとバスに乗り、長距離バスのターミナルへ。

落書きだらけの汚いバス。破れたシート。
オンボロの車体。

photo:03




ちなみに市内を走っている黄色いバスは日本からの支援品らしい。






中心部を出て郊外になると、いたるところに廃墟が見られる。
手をつけていない荒れた雰囲気。
ボロボロのアパート。

戦争からの復興は全然進んでいないな。



ボロさもだけど、なんだか町の雰囲気が変わったな。
看板の文字がロシアっぽい。

ハリスに聞いたら、どうやらこの辺りはセルビア人の地域らしいのだ。

同じ町の中で言語が変わるってどういうことだ!!








西バスステーションに着いた。


次の国、モンテネグロの首都、ポドゴリツァ行きのバスチケットを購入。
35マルク。18ユーロ。
移動時間は6時間半。


「フミ、食べ物と飲み物がいるよ。」


そう言ってファストフード屋さんでチェパピを買ってくれるハリス。
すぐにお金を払ってしまう。


俺のほうが金持ってるんだから!!と何度断っても、ハリスは俺に金を出させようとしない。


「フミは僕のゲストなんだから、僕が払うのが当然だよ。」



ハリス、君は、僕はブラックシープ、白い羊の群れの中いる黒い羊なんだ、と言っていたね。

俺もだよ。黒い体であることを誇りに思ってる。
でもそれは自分の中でだけのイメージ。人からはそうは見えないものだよ。
卑屈にはならない、美しい黒さでいような。


いつか日本に来なよ。
その時は、力の限りにもてなすからな!!

photo:05






ボスニアヘルツェゴビナ、
あの絶望の夜から、いつの間にか1週間もいてしまったあああ(´Д` )

数時間でバイバイしようとしてたのに(´Д` )


思えば雪の中で車を押してあげただけで、こんな展開になったんだもんな。

どう転ぶかなんて、面白いくらいわからない。
最近出会いがとめどない!!

深い悲しみも雪に負けない暖かい美しさも、すべてを込めたもてなしに心から感謝するよ。


ボスニアヘルツェゴビナ!!

フアラ、フアラ









さて、今までの長距離バスの中で1番オンボロなバスが、深い山の中を走って行く。

photo:06




登ってはくだり、くだっては登り、クネクネの細い山の中を抜けて行く。



そして深い山の中、雪に閉ざされた峠に、国境のカスタムがあった。

やはりここでも簡単なチェック。
ろくに顔も見ない。


そんな楽勝な入国!!
何ヶ国目だっけ?
モンテネグロに入ったぞ。





モンテネグロのミニ情報

★人口……62万人
★言語……モンテネグロ語
★首都……ポドゴリツァ
★人種……白人
★独立……2006年。セルビアモンテネグロから。
★お金……ユーロ
★世界遺産……文化1件、自然1件
★ビール……パブで120円くらい


中世から400年近くオスマン帝国の支配を受け、その後はイタリアやオーストリアに支配され、戦後はユーゴスラビアへ。

クロアチアやスロベニアがどんどん独立していく中で、モンテネグロは最後までセルビアを見捨てずにユーゴスラビアに残っていた。

そしてセルビア・モンテネグロっていう国にもなった。


モンテネグロの宗教はセルビアと同じ正教会っていうところもあるんだろう。


独立したものの、人口65万人て。
宮崎より小せえ!!



観光地としては、海側にコトルという世界遺産の小さな港町があるみたい。
この辺りの人にモンテネグロでどこに行けばいい?とたずねると、みんな必ずコトルと言う。

ボスニアヘルツェゴビナのモスタルみたいなとこだ。


めんどくさいから別にいいかな。
もう綺麗な港町はスプリットでじゅうぶん!!

首都を回ってしまったらさっさと次に進もう。





夜9時。
バスはモンテネグロの首都、ポドゴリツァに到着した。

photo:07




雨に濡れながらとりあえず歩く。

タクシーの客引きがウザい。
まぁ、こんな雨の夜にタクシーに乗らないやつのほうがおかしいか。


なんの情報もなしに駅から町の中心部にたどりつけるか?選手権大会があったら、かなり上位に行けるんじゃないかってくらい勘のいい俺が、中心部がわからない(´Д` )



い、田舎すぎる(´Д` )


首都ですよね?



の、延岡?!




適当に見つけたバーに飛びこんだ。

可愛いウエイトレスの女の子に高いベックスのビールを強引に進められて、デレデレしながら言いなりになる日本人。

photo:08





でも150円。
安いやつは500mlで1.2ユーロ。


賑やかな土曜の夜のバー。

男の人たちの顔もアラブ色が強くなってきたな。

みんながこの不思議なアジア人を見てくる。
投げキッスをしてくる陽気な人々。

この国も優しい国かな。


Wi-Fi教えてもらって、ひとしきりネットをした。








photo:10



深夜、雨の中、寝静まった町を歩く。
濡れる体。
ギターもバッグもみんな濡れていく。


誰もいない。
静かな中で自分を見つめる。

あっちにいこうかな。

いや、あっちのほうがいいかな。

photo:09




静かで、人の来ない、安全で、綺麗な公園はどこだ。
もしくは橋の下でもいいよ。




ひたすら歩き続ける。

山の中に入っていく。


濡れてしまうのは面倒だけど、1週間ぶりの彷徨い歩く夜が心地よい。

やっぱりこの夜が好きだな。

夜の闇に紛れて、一匹の動物のようになるんだ。


モンテネグロ、よろしく!!



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