昨日彼女と最後の別れをした。
彼女の職場に行き、ご飯を食べた。
そしてエレベーターに乗り、手を振る。
じゃあねー、って軽い言葉を断つようにエレベーターの扉は無情なスピードで閉まる。
見慣れた笑顔がエレベーターの隙間の向こうに消えた。
久しぶりに日豊本線の電車に乗り美々津に向かう。
あー、エレベーターを降りて走ってって抱きしめるくらいしたほうがよかったかなー、
2年の別れにしてはキスもしてないなー、
そんなこと思ってたら美々津に着いた。
実家に帰って荷物をバッグに入れていく。
どういう風に詰めたらいいのかなー。
こまごましたものは小袋に分けて、重いものは上に入れて、貴重なものはすぐに取り出せない深いところに隠して………
持ってくものを広げてみるんだけど、ほんと色んな人に餞別をもらったな。
ありがたいんだけど、でも全部は持っていけない。
餞別を選別しないと。
は?ジョークですけど?
写真はテディさんが出発に合わせて作ってくれたパスポート入れ。
肌身離さず持ち歩けるよう、柔らかい皮でかさばらないような作りになっている。
俺のお母さんは登山をやってるのでバッグのパッキングテクニックをたくさん知っている。
教えてもらいながら寝袋やカッパを詰めた。
最後の夜は家族で過ごしたほうがいいかなと思って一日のばしたのに、親父は飲み方でいなかった。
お母さん
「あんた、ほんとにいくとね。」
文武
「うん。」
お母さん
「はぁあ、ここまで育てたのに。エイズになってマラリアにかかってタリバンに捕まって首切られるんやね。恥ずかしい恥ずかしい…………明日の夜、ご飯でも行くね。」
文武
「大袈裟やとよ。俺、明日の昼には出発したいとよね。」
お母さん
「あっそ。ならメガネかけてちゃんと見とこうかな。これが今生の別れになるだろうから。」
お母さんがネチネチ寂しそうなことを言うので、出発は日曜になりそうです。
どっちにしろ今外はどしゃ降りだ。
この雨でヒッチはきつい。