2006年9月1日 【長野県】
うう……………気持ち悪い………………
飲みすぎた……………
俺二日酔いなりすぎ……………
ゆうべはライブの後、わんずのマスターと2人、シメのつもりでラーメンを食べに行ったのだが、マスターが、飲みに行こうよううううううう!!!!げはああああああ!!!とダダをこね始めたので、1軒だけということでキャバクラへ。
身長146センチのネコ耳のメイドさんがスーパー可愛くてテンションが上がってしまい、1軒だけで終わるはずもなくフィリピンパブへ。
「いくぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!ニューヨーク!!!ニューヨーク!!!!」
上半身裸で店の中を転げ回りながらBOWYを絶叫しているマスター。
チンチン触ってくるフィリピーナ。
そんな狂乱のドンチャン騒ぎを終えて店を出たのが朝6時。
「だいたいあいつら………………なめてんだよなー……………チクショウー…………くそー………………」
さっきまで絶叫してたのになぜかボッロボロ泣きながら朝の街を歩くマスター。
感情のジェットコースター半端ねぇ。
そんな感じで車の中で昼まで眠った。
案の定、二日酔いの体を無理やり起こし、ゲロを一発噴射して、さぁ気を取り直して長野県の続きだ!!
高原の中を突っ走り、諏訪の町に戻って来たころにはもう真っ暗になっていた。
この前顔を出した商店街にある楽器屋さん『ロックハート』へ。
今日はここでアコースティックのライブが行われるという情報をゲットしている。
二日酔いで気持ち悪いので今日は飛び入りさせて下さいとは言わないで大人しく観客になるか。
楽器が並ぶ店内にイスが並べられ、奥に簡単なステージが組まれている。
スタートの21時が近づくとだいぶ観客も集まってきた。
高校生からお爺ちゃんまでいる。
そしてライブスタート。
1組目は高校生の2人組。
洋楽中心のレパートリーで最後に『天国への階段』でシメ。
カッコイイじゃん。
お客さんの反応も暖かい。
「うおー!!よっしゃ!!やるぞぉぉぉーーー!!」
超元気なおじさん2人組コンビ『シュビサク』はよかった!!
ボーカルのシュビさん、ぺろっと舌を出しながらはにかみ笑顔でノリノリの演奏。
独唱パンクにいてもいいくらいの強烈な個性の持ち主だ。
そしてピアノ弾き語りの『葉月』さん。
スイッチが入った瞬間、劇団員みたいな表情とアクションでこれまた強烈。
ちょっと引いてしまうくらい強烈。
トリで登場した諏訪の大御所『インディゴムーン』さんの諏訪をテーマに歌った曲もとてもよかった。
飛び入りなんてする隙間もないくらい熱いプレイヤーばかりだった!!
「ロックハーツのオープニングライブに来てくださって本当にありがとうございました!!これからどんどん諏訪の音楽を盛り上げていきたいと思います!!」
まだ若い情熱に燃える店長さん。
頑張ってください!!!!
帰りに腹が減ったので『北さん』という食堂で木曽名物のソースカツ丼を注文。
うおっ!!
富士山かこりゃ!!
めちゃくちゃデカくて最高!!
うーん、うまい。
明日は先日路上で出演依頼されたミクロ発條の納涼祭だ。
頑張るぞ!!
翌日。
諏訪は温泉の町。
朝温泉をキメてステージモードに変身し、昼に会場であるミクロ発條の会社に到着した。
今日はこの会社の納涼祭。
先日、路上をやってるところに貫禄ある社長さんが声をかけてくれ、オファーをくれたこのイベント。
駐車場にテントがかけられ、社員さんたちが忙しそうに動き回っている。
「おー!!金丸君!!今日はよろしくねー!!」
楽しそうに指示を出して回っていた社長さんに挨拶し、社員さんに会社の中を案内してもらう。
無数の機械がガチンガチン!!とせわしなく稼動しており、ちっちゃい鉄屑を吐き出している。
何だこりゃ?とよーく見てみる。
んん……………バネ……………?
バネかこれ?
髪の毛くらいの細い針金が機械の中でアームにクルクルといじくられ、あっという間に小さなバネが出来あがりピンッと出てきた。
すげー、バネってこうやって作られてるんだ。
50円玉と一緒に写真を撮らせてもらった。
超小せぇ!!!
世界トップレベルの工業力を誇る日本の技術は、こういう中小企業が支えてるんだよな。
諏訪市の市長、銀行の支店長などのそうそうたる来賓を中心に、150人を越えるパーティーが始まった。
信州牛のスキヤキや松茸、明石タコのたこ焼き、福岡の有名ラーメン店『一蘭』のギョーザなどなど、諏訪におけるこの会社の存在感を存分に感じさせる贅沢すぎるバイキングを食べまくる。
うまいーーー!!!
って、飲んだくれてる場合じゃない。
今日は余興で歌うためにここに来ているんだ。
宴も中盤にさしかかったころに余興が始まった。
まずは地元のブラスバンドによる演奏。
それからミクロ発條の中国支社の方が連れてこられたプロのニ胡奏者が流麗な音色を奏でる。
そして最後に俺の出番。
みんなだいぶ出来あがっているので騒々しいことこの上ないが、そんな状況でも楽しんでもらえてこそ本物だ。
大事な修行だ。
ガツンと歌ってステージを終えた。
15時にパーティーは終了。
ギャラを2万円もいただいてホクホクでミクロ発條の会社を後にした。
社長、みなさん、ありがとうございました!!
そして!!
今日はまだこれで終わりじゃない。
タイミングよく今夜はあの諏訪湖の全国新作花火大会の日。
新作大会といえば、茨城の土浦、秋田の大曲が有名。
ここ諏訪の花火大会の売りは諏訪湖の湖面に花火が映る二重花火だ。
中心部に向かうと、晩夏の信州の風物詩を求め町中に人が溢れかえっている。
車を止めて会場の湖岸に向かって歩いていると、道沿いにある空き地に立ててある即席の看板が目につく。
『駐車場→車5000円、バイク2000円、自転車1000円』
という法外な金額に、いやがおうでも期待が高まる。
俺の車はミクロ発條のパーキングに止めさせてもらってるから安心だ。
湖岸にはウジャウジャと恐ろしいほどの人がうごめいていた。
地面に張られた場所とりのブルーシートの隙間をかいくぐって波打ち際に腰を下ろした。
ワクワクするねーと話す相手もいないので、1人夜空を見上げる。
19時になり花火スタート!!!!!
うーん…………
正直こんなもんかって感じかな……………
スターマイン(創作花火)ではなく各花火会社の新作を1玉ずつポーン、ポーンと上げて玉の出来を審査しているようだ。
ドバドバドバババババーーーーーーン!!!!!!!
というど派手な連発は、途中途中の大会提供もので多少見られたが、大曲のそれに比べれば地方のイチ花火大会レベルかなぁ。
でもまぁ最後の最後に目をひくものもあった。
名物の水中花火だ。
湖面で爆発する水中花火がちょうど水に映って玉の形になる。
そして上空にも上がり、2ヵ所の共演というなかなか見事なものだった。
しかし、やはりあの大曲での感動には程遠いかな。
ぞろぞろと家路につく人波にまぎれて車に戻り、そのままギターを持って飲み屋街へ。
昼に稼げたからといって土曜の夜にさぼるわけにはいかない。
これが長野県のライトプレイだ。
気合で歌い、あがりは1万円ほど。
歌を聴いてくれていたオーディオ屋さんの安藤さんと軽く飲みに行き、今日は早目に切り上げて車に戻った。
長野の、そして日本一周最後の夏のシメが、いい花火大会で締めくくられたことが嬉しくて、充実感に包まれながら日記を書く。
窓を開けるとふと涼しい風が吹いた。
花火の渋滞ももう落ち着いていた。
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