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旅の重さは自由の重さ

8月16日 木曜日


最近の俺の三大欲求といえば、もっぱら食欲と睡眠欲と創作欲なんだけど………



夢精をしてしまった。


寝袋の中で夢精をして目を覚ましたときのやるせなさったらない(´Д` )

星空の下、タオルを一枚ダメにした。


気を取り直してバルゲン探検!

photo:01



あー、こいつはきれいな街だわ。
港町らしい密集した家並み、その家々の間には石畳の細い路地、賑やかな波止場のマーケット、

そしてなんといっても世界遺産のブリッゲンの倉庫群。
岸壁沿いに三角屋根の古い木造倉庫が規則正しく並んでる。周りではオープンカフェで憩う人々。
うじゃうじゃと観光客。

photo:02







こりゃ歌うとこないぞ?


とりあえず倉庫群の探検。
正面からの写真が有名なんだけど、細い隙間を入って行くとこの建物がどんなものかよくわかる。
奥行きが長く、迫る両壁の間からわずかに空が見え、そこに渡りの階段が架かっている。
建物の裏まで迷路のような路地が伸びておりすべて散策することができる。

photo:03




もともとはドイツ人の商人がこのベルゲンに交易の拠点を構えたことがはじまりで、この倉庫群は1700年代後半のその当時の面影を偲ぶことができる。
今ではたくさんの土産物屋さんがテナントとして入っているショッピングモールとして利用されている。
ほんと、長崎みたいだな。グラバー邸みたいなもんだ。
ちなみに見学無料!!


倉庫群だけでなく、街全体が古びた面影をとどめており、どこを見ても写真を撮りたくなるような美しい街並み。
中心地には歩行者天国のショッピング街。
セントラルパークの芝生の上では水着姿の男女が寝転がって太陽に体をさらしている。

photo:06




photo:04







さて、どこで歌おうかなー、って


ジープス多すぎ(´Д` )


物乞いジープス、アコーディオンジープス、他にも色んな楽器を演奏してる人がいいポジションごとにいやがる。
見事な配置!

photo:05





無理かなー、と思いつつも仕方なく中心地の歩行者天国で強引に路上を始めるが、すぐに近くのショップの人からストップがかかる。


うーん、どうしよう。


とりあえずツーリストインフォメーションで次の町であるスタバンゲルへの行き方を調べる。
このノルウェー南部の西海岸地域は複雑なフィヨルドと数百の島々で道がかなり寸断されており、たくさんの船が縦横に行き交う複雑な地形。
なのでヒッチハイクでスタバンゲルに行くためには何回も船に乗らなければいけない。

めんどくさいからもう船で一発で行っちまうか!ってわけだ。

てなわけで料金をたずねると、


ベルゲン~スタバンゲル
800クラウン


クソ高ぇ。

バスもありますよ、ってバスの値段。
510クラウン。


ちなみにヒッチハイクで行くとして、各港の渡し船の運賃は、

36クラウンと47クラウンだったかな。

かなり頑張って島ヒッチをすれば安くすむことはすむな。

んー、悩む。


よし!もういい!!
バスで行っちまうか!
思い立ったが吉日。夕方のバスに乗ろう!

そして駅前の地下道で路上。
小1時間で450クラウンゲット。




腹ごしらえして19時のバスに乗車。
ノルウェーのバス、綺麗。
あー、楽チンー!!
やみつきになりそうだ…。


フェリーに2回、海底トンネルを何回かくぐり、バスは走る。
たくさんの島々の向こうから夜が訪れる。

そして日付が変わった頃にスタバンゲルに着いた。

バスが走り去ると、夜中の町は静寂に包まれる。
ここはどこだ?街の中心地は?西も東もわからない。


最近、孤独がじわじわと心を侵食している。
出会いは無数にあるし、それなりに受け入れてもらえている。
不自由なく旅を続けられているが、その自由さが孤独の影を強めているようだ。
旅の重さは自由の重さ。

みんなに会いたい。

肩を痛めながら歩き、暗い墓地に入っていった。

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