スポンサーリンク フュッセンでリベンジ!!!ならず!! 2017/8/12 2017/07/08~ ドイツ③, ■彼女と世界二周目■ 2017年7月25日(火曜日)【ドイツ】 フュッセン ~ ケンプテン高速のパーキングで目を覚ました。どんより雲だけど雨は降っていない。よし!!これならなんとか路上できるかもしれない!!と思ったら走り出した瞬間、嵐。うわぁ、すっごい何も見えない。路上なんかできるわけないですね。でも諦めん!!!今日の町はあのフュッセン!!!4年前も雨で歌えずに諦めたあの美しい小さな町でどうしても路上をやってみたい。今はサマーシーズン中なので、きっとたくさんの観光客で賑わってるはず。なんとか軒下でも見つけて歌ってやるぞ。高速を降りて田舎道をトコトコ走っていくと、小さな集落の民家が見覚えのある作りになってきた。軒の大きな屋根は雪国仕様で、窓辺には花が飾られ、壁に綺麗な絵が描かれている。これはいつもオーストリアで見てきた家の造りだ。南ドイツに下ってきて、アルプスエリアに入ってきたみたい。草原が広がり、寂しげな教会が立ち尽くし、その向こうに雄大な山並みが連なっている。久しぶりの伸びやかな大自然の風景に胸が高鳴る。そんな草原の中を走っていると、山並みの中腹に抱かれるように白い建物が見えた。あ、懐かしいなぁ、ノイシュバンシュタインだ。「あー、すごいね、雰囲気あるね。」「そうだねー、これくらい離れて見ると綺麗だね。近くで見ても綺麗は綺麗だけど、まぁ他にもいいお城はたくさんあるから。」日本人がこぞって行くノイシュバンシュタイン城の横を素通り。大胆。いや、別に観光に疲れてるわけじゃないですけどね。南ドイツではここではなく他に1ヶ所行ってみたいお城があるので、そっちをお楽しみに。かなり僻地にあるお城なので、そういうののほうがそそられます。ノイシュバンシュタインを過ぎて少しすると、小さな町に入ってきた。田園風景の中に現れる城壁に囲まれた町、フュッセン。古い町並みが残る南ドイツのメルヘンチックなこの町にまた戻ってくることがあるなんてなぁ。4年前に一瞬しか滞在してなかったのに、町の風景もお店の感じもはっきり覚えているのは、やっぱりこのあたりの日々がすごく充実していたからなんだろうな。草原で野宿し、ヒッチハイクして、何にもない一本道をひたすら前へ前へと歩いていた。すごく旅を感じられていた頃だったな。中心部から離れた住宅地に車を止め、ギターを持って町に向かうと、ものすごくたくさんの観光客が通りをワラワラ歩いていた。おおお!!すげぇ!!!前回俺が訪れたのは10月あたりだったのでシーズンオフで静かだったけど、やっぱりサマーシーズンはすごい。カッコいい自転車に乗ったサイクリストたちや、アウトドアファッションに身を包んだ欧米人たちがたくさん歩いている。アジア人の姿は意外と少ない。アジア人たちはツアーでノイシュバンシュタインだけ行って次の町に移動してるのかな。ていうか天気悪すぎる!!!!雨降ってるし風吹いてるし、観光客はたくさん歩いてるけど、とてもギターを取り出せるような状況じゃない。くそおおお…………今回も雨でリベンジ果たせずなのかよおおお……………いや、もう俺はあの頃の俺じゃないぞ。あれから世界中を旅してきたんだ。雨の日も風の日も雪の日も風邪の日もひたすら歌ってきたんだ。これくらいで諦めてたまるか!!!するとしばらくして雨が小雨になってきた。おおお!!願いが通じたか!!!雨が止み、なんなら厚い雲間に青い空も見えかけている!!!!よっしゃどうだコノヤロウ!!!!簡単に諦めてたら路上やんてやっていけんぞ!!!!すかさずギターを取り出した!!!!チラホラと見ている観光客たち!!!!よっしゃああああああああ!!!!!これまで世界中の路上で生き抜いてきた俺の実力をおおおおおおおおお、見せてえええええええええ、やるううううううううううううううううううう!!!!!!!「ジャカジャーン!!!」「おいコラ、ライセンス持ってんのかこのソーロー?」おばさん警備員登場。「いえ、持ってません。ソーローってなんで分かるんですか?」「ソーローにライセンスはやらん。消えろ、今すぐに。」お、おばさん厳しいいいいいい………………ゴーアウェイとか言われたの久しぶりだよ…………あんまり横柄だからさすがにカチンときたんだけど、ここはちゃんと礼儀正しくしといた。おばさんに聞いたところ、この町のライセンスは10ユーロくらいで取得できるようだけど、面倒なことに明後日の分しか買えなんだそう。当日ライセンス、翌日ライセンスはなし。1日あけないといけないとなると、ほぼ地元の人間しかできんやん。厳しいルールだなぁ。一応1曲は歌えたので、聞いてくれていた人たちがおばさんに注意されてる間にもパラパラとコインを入れてくれ、1曲で5ユーロにもなった。ぐうう…………めっちゃ稼げるやん……………でもライセンスにはかないません。おとなしくギターを片付けていると、ナイスタイミングで雨がめっちゃ降ってきた。ほ、ホラネ!!どうせやめるつもりやったし!!!おばさんに言われなくてもやめてたし!!!やめてたしいいいいいいいいいいい!!!!!!チクショオオオオオオ!!!!怒られ損んんんんんん!!!!!もういいわ!!もうフュッセン来んし!!!!って濡れながら車に戻り、そこから急いで隣町のケンプテンにやってきた。大好きな大好きなケンプテン。4年前にミュンヘンからノイシュバンシュタイン城を見に行こうと電車に乗ったんだけど、前の日に死ぬほどクラブで飲みまくったせいでビビるほどの二日酔いになり、電車の中で爆睡して気がついたらまったく知らないところまで来てしまっており、慌てて電車を降りた。それがこのケンプテンだった。降りる予定だった駅をとっくに過ぎていたけど、別にいいかー、それも縁やわーってそのままケンプテンで路上をやるとすごく稼げ、しかもめっちゃいい友達も出来て、偶然やってきた町だったのにドイツで1番大好きな町になったんだよな。旅なんてそんなもん。思わぬ展開の先にどんな楽しいことが待ってるかわからない。去年もこのケンプテンには来ているんだけど、ちょっと大事な用事があるので今回も数日滞在させてもらおう。よーし!!!!それじゃあ大事な用事は明日済ますとして、とりあえず路上行くぞコノヤロウ!!!裏路地に車を止めてギターを持って町に向かうんだけど、もはやケンプテンは地元なので道も全部知ってる!!!しかもフュッセンではめっちゃ土砂降りだったのに、こっちは雨が降ってなくてアスファルトも乾いている!!!よし!!!!いけるぞ!!!!というところで土砂降りスタート!!!!ぎゃああああ!!!と木の下に逃げ込む!!!!うわぁ、すっごい降ってるなぁ。ラーメン食べたいなぁ。でももう今日はこのままじゃ終わらんぞ。ケンプテンには軒のあるポジションがあるのはわかってる。雨はどんどん激しくなるけど、何としても1時間くらいは歌わんと気が済まん!!!!濡れながら町にやってくると、こんな天気なのにものすごくたくさんの人たちが通りを歩いていた。よっしゃ!!だからケンプテン好き!!!ソッコーで軒下のポジションに行き、有無を言わさず路上スタート!!!!雨めっちゃ降ってるし、風が強くて嵐みたいになってて軒下まで吹き込んでくるけど、それでも歌っていると、パラパラとコインが入っていく。みんな傘をさしたりカッパを着たりしてるのに、わざわざ足を止めて財布を取り出してくれる。ありがたいなぁ、やっぱりケンプテン好きだわー。雨は降ったり止んだりで、もしかしてこのまま晴れてくれるんじゃないか?と期待したけど、1時間経ったところでまた雨脚が強くなってさすがに人もまばらになってきた。こりゃ誰も足止めんわ。まぁこんな中で1時間やれただけでも良しとするか。今日のあがりは1時間で53ユーロ、6900円。でも頑張って町に出てきたご褒美もあった。車に戻っている途中にディスカウントスーパーみたいなのがあり、覗いてみるとだだっ広い店内に色んな掘り出し物が売ってた。しかもめっちゃ安い!!充電器1.6ユーロ、200円!!ケータイケース5.9ユーロ、760円!!!探してたのが一瞬でも見つかってしまった!!!昨日のサターンなんだったの!!!??ケータイケース40ユーロとかだったよ!?充電ケーブル20ユーロだったよね!?ヨーロッパも安く買おうと思ったらとことん安く買えるところってあるもんです。もうこれでケータイケースが年季入ってますね、って言われないぞ!!ケータイケースもカッコよくなって、充電ケーブルもバッチリ充電できるようになり、ウキウキでマクドナルドにやってきた。こんな雨だったらやることはネット作業くらい。あー、早く日記を追いつかせて、ブログの消えてしまった画像の修正しないとなぁ。と、その時マイケルからメールがきてるのに気づいた。ケンプテンの大好きな友達、マイケル。4年前に路上で仲良くなってからずっと繋がってる友達なんだけど、今回は仕事が忙しくてどうしても遊ぶ時間が取れないんだよと言っていた。なので今回は仕方ないと諦めていたんだけど、マイケルからのメールには、フミ!!今どこにいる!?2時間だけ空いたんだ!!って書いてあった。メールが送られてきた時間は………1時間前。あぁ、もう1時間しかないやん…………まぁ忙しいマイケルに無理させるのも申し訳ない。今マクドナルドだけどまた今度にしようぜー、と返事をしておいた。それからまたネット作業に集中してブログを投稿していく。マクドナルドの1日3時間ワイファイは基本あんまり早くないのであっという間に過ぎてしまうんだよな。あー、早いワイファイで作業したいなー。ガシッ!!その時、誰かが後ろから肩を掴んできた。はぁ!?誰!?え!?なに!!痴女!!?痴女が来た!!??ごめんなさい!!乳首だけは触らないで!!!!「フミ!!久しぶりだな!!」「ヌォウ!!痴女じゃなくてマイケル!!!お前来てくれたのかよ!!」「当たり前だろ!!フミがマクドナルドにいるって分かったら来るしかないだろ!!結婚おめでとう!!」「わーい!!マイケルだー!!」まさかのマイケル登場。もうすでに2時間の空き時間の30分くらいしか残ってないのに、わざわざ雨の中車を飛ばして来てくれたことにすごく感動した。マイケル嬉しいよ!!!「ごめんなぁ、今日も明日も仕事がめっちゃ忙しくてさ。これからどこに向かうんだい?」「スイスに行くよ。もうしばらく旅したら日本に帰るよ。」「そうかー、俺と彼女の夢は日本に行くことだからね!!日本でフミたちに会えるかい?」「当たり前田のクラッカーに決まってるだろこのヤロウ!!!吐くほど日本を案内してやる!!!」「マイケルは日本の何が楽しみ?」「俺は食べ物だね!!日本の食べ物は最高だよ!!でも彼女は歴史かな。」「ふふふ、日本の歴史的名所を回らせたら美々津で俺の右に出る者はいない!!!ご飯もおいしいところいっぱい連れてくし!!!」「ドイツより日本のソーセージのほうが美味しいよー!!」最初出会った頃はマイケルはエミリーっていう女の子と結婚していた。エミリーもまためっちゃいい子で、3人ですごく仲良くなったんだけど、この4年の間に2人は離婚。ケンプテンに来るたびにマイケルには連絡しているけど、エミリーには遠慮してメールしていないんだよな。別にマイケルに気を使ってるわけでもなんでもないんだけど、なんとなく男は男のほうに連絡をとってしまう。マイケルは今新しい彼女がいる。結婚も考えているみたい。そのうちマイケルたちが日本にやってきたら、その彼女とも仲良くなるはず。こうやって新しい友達が増えていくんだよなぁ。マイケルの彼女ならきっといい子のはずだ。「フミ、すまん、俺そろそろ戻らないといけない。こんな短い時間でごめんね。」「何言ってんだよ、来てくれただけでめっちゃ嬉しいよ。あ、そうだ、ちょっと待ってて。」車に行き、残りひとつだったアフリカのお土産をマイケルに渡した。オーマイゴッド…………!!ってちょっと涙目になって喜んでくれたマイケル。そして固くハグをして、マイケルはまた仕事に戻っていった。あー、やっぱりケンプテン大好き。町を好きになる理由は歴史とか風景とかいくつかあるけど、1位はもちろんどんな人と出会えるかだ。マイケルと出会えたこの小さな南ドイツの町は、俺にとってドイツで1番大好きな町。そんな町をそれぞれの国に1個ずつでも作っていけたら最高だよなぁ。次の国はスイス。どんな風景と友達に出会えるかな。あー、カレードリア最高。