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ニューシネマパラダイス好きさん、お待たせしました



2017年6月11日(日曜日)
【イタリア】 チェファルー ~ カステルブオーノ






うーん………うーん…………







暑いいい…………暑いよおおお……………










暑いいいいいいい…………………










うううううううう暑いいいいいいいいオラアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!






飛び起きて車のドアを思いっきりブチ開けると、超絶爽やか。











うわあああああ、天国うううう。




海沿いのパーキングで寝たんだけど、ドア開けた瞬間に信じられない透明度。



俺の心くらいの透明度。



嘘、実はドス濁りです。





いやー…………シチリアの海、めっちゃ綺麗だわー……………















車の中を整理したらぼちぼち走り出した。


今日の目的地はカステルブオーノという町。



昨日チェファルーの町で歌っていた時に在住の日本人のかたが声をかけてくださったんだけど、このチェファルーから30分くらいのところにカステルブオーノという小さな町があるらしい。



お城がひとつあるだけで特に見所もない小さな小さな町なのに、なぜか観光客が多く、夜になるととんでもない数の人でまともに歩けないくらいの賑わいになるんだそう。



なにやら食べ物が美味しいことで有名なグルメの町らしく、特にキノコ料理が名物で、路上に試食の食べ物が並べられて、それをつまみながら町歩きができるとのこと。



いいところだから行ってみるといいよー!とオススメしていただいたんだけど、そりゃもう行くしかない。



謎であればあるほどこっちはワクワクしてくる。



現地の人オススメの場所に行って、思いがけない展開を楽しむ。シチリアではそうことしてみかったんだよな。



















海沿いから内陸に入り、ぐんぐんと坂道を登っていく。





緑豊かな田舎の山道がどこまでも続いており、山並みのうねりがとても爽快だ。


空が広くて、空気が美味しい。







そんなのどかな山道をくねくねと上っていくと、やがて木々の隙間に町の姿が見えてきた。


赤茶けた民家が山の斜面にグジャーっと密集しており、まるでなんかの巣みたいだ。



あれがカステルブオーノか。


あんな山の斜面に作られてるなんてすげぇ町だな。


















町の中はまぁ道が狭く、蜘蛛の巣みたいな路地が入り組んでいた。













地面はガッタガタのゆがんだ石畳で、その上をいつの時代だ?っていうレトロな車が今にもぶっ壊れそうなエンジン音で走っていく。



そして三輪オートも多い。



シチリアに入ってから急にたくさん見かけるようになったんだけど、道が狭く、路地まみれの島では車よりも小回りのきく三輪オートが昔から活用されてきたんだろうな。


ぶいんぶいんとエンジンをうならせて走る三輪オートの姿に、アホの子みたいーっていつも喜んでカンちゃん。



どの建物もとにかく古びており、完全に昭和っていうかナポレオンあたりから時が止まってそうな雰囲気だ。

















テキトーに裏路地に車を止めて歩き出した。



山の斜面に町が作られているので路地という路地がかなりの坂道で、長い年月の中で地面の石畳がボコボコに歪んでいるのでなかなか歩きづらい。






古ぼけたアパートがずらりと並んでおり、その全てにベランダがあるんだけど、シチリアに入ってからこうしたベランダに日よけのホロがつけられているのをよく見かける。


きっと相当日差しが強いのでこのホロが必需品なんだろうな。


おばちゃんたちがホロの陰でぼんやり外を眺めている。




すると山から吹き降ろす風が、びゅううう、と勢いよく町に吹き抜けると、それらのホロが一斉にバタバタと揺れて音を立てた。


それがたまらなく懐かしい光景だった。


きっと、これがシチリアの人たちにとっての原風景のひとつなんだろうな。

















坂道を下って町の中心部に降りていくと、ささやかなホコ天の道があった。




店もまばらで人もほとんど数えられるくらいしか歩いていないんだけど、面白いのはジヤンがそこらじゅうでたむろしてお喋りしていること。



まぁジヤンまみれ。


















町のあちこちにジヤンが椅子を出して集まってお喋りしており、それがなんだかすごく可愛らしい。



しかもなぜかバヤンはまったくおらず、全員ジヤン。



バヤンはどこで遊んでるんだろ?って不思議になるほどジヤンしかいない。


なんかこの辺りでは昔は女性は勝手に1人で出歩いたらいけないっていう決まりがあったという話を聞いたことがあったけど、もしかしたらそれが習慣レベルで残ってるのかな。






ジヤンたちがたむろしてるのを可愛いなぁと思いながら眺めて歩いていると、そんなジヤンたちが珍しいアジア人を見ておいでおいでしてくる。


近寄っていくと、みんな何言ってるか1ミリもわからないけど、とにかくニコニコしながら俺たちに話しかけてくれる。









犬をいじくったり、ジヤンたちと話したり、とにかくみんなフレンドリーで驚いた。



やっぱり田舎はいいなぁ。



都会では発生しない地元の人たちとの絡みがそこらへんで起こって胸が温かくなるよ。





散髪屋さんの前を通りかかるとおじちゃんがおいでおいでしてきて、中に入ると今まさに散髪中のお客さんを囲んで、さぁ、写真撮るんだ!!と撮影会。






バリカンを渡してきて、みんな笑い、お客さんも椅子に座りながら仕方ないなぁって顔で写真に撮られてる。


いいなぁ、マジで都会の人たちとは大違いだ。


これこそがイタリアの、シチリアの素顔なんだなぁ。























とりあえずお昼ごはんがまだだったのでそこらへんにあったパスティツェリアに入ってみた。














ショーケースに並ぶ菓子パン、お惣菜パン、それにお惣菜の数々。



もちろんジェラートもあるし、当たり前にエスプレッソマシーンもあっておじちゃんたちが小さなカップをクイっと傾けている。



どのお惣菜も美味しそうで、注文したのはこれ。









ナスとチーズのプレート、それとラザニアのパスタが違うパターンの料理。



見た目が綺麗!!



隠れたグルメの町ということだったけど、どんな味なんだろ!!!










と思ったらめっちゃ普通。

うん、大衆的な味って感じ。


みんなこういうのを普段から食べてるんだろうなぁ。



値段は全部で7.5ユーロ、930円。


こういうロスティツェリアだとサービスフィーも発生しないので安く上がる。


















町の真ん中にやってくるとささやかな広場があった。






















小さな塔と古びた教会、カフェが何軒かあって椅子が並べられている。



背景に見えるのは大きな山のダイナミックな山肌。


ジヤンたちがこれでもかってくらい集結しており、みんなでカフェの椅子に座ってなんも注文しないでお喋りしている。


あー、めっちゃ田舎だなぁ。みんな友達なんだろうなぁ。






もうこの広場の光景があまりにもひなびており、ニューシネマパラダイスのロケ地はここなんじゃないか?って思えてくるほどの田舎の風景。












「うわぁ……めっちゃ綺麗だー………こんな田舎に来たかったんだよー…………」



「綺麗だねー…………」




花が輝き、風が吹き渡り、ベランダのホロがバタバタと揺れる。



ジヤンたちがこっちを見てニコニコしているけど、それほど構ってこないで、みんな俺たちのことを知らんぷりしてる。


イタリア人は俺たちから話しかけなければ向こうからはほとんど接触してこない。



あー、静かな田舎町の風景が、ただそれだけでドラマチックに見えてくるよ。





1台のオンボロクラシックカーがガタガタ震えながら走ってきたので写真を撮ったら、運転している兄さんが窓から手を出して手を振り、通り過ぎるときに投げキッスをしてくれた。






























通りの奥に、町の名前にもなっている立派なお城があったけども入場料が4ユーロしたのでやめた。500円。








まぁ多分そんなに見所もないだろう。







13時を過ぎるといつものシエスタタイムに入って完全なるゴーストタウンになったので、かろうじて開いてるカフェでネット作業をした。



レモネードにレモンのジェラート。


酸っぱいレモンの爽やかな味が口いっぱいに広がって鼻から抜けていく。




あー、日本にいるころからシチリアンレモンっていう言葉は知ってたけど、やっぱり本当に有名な特産なんだよなぁ。


















数時間頑張って、それから裏路地にあった小さな小さな軽食屋さんで少しご飯。




シチリアでよく見かける軽食にライスコロッケという食べ物がある。


この丸っこい楕円のコロッケ。





まだ試してないんだけど、どんな味がするんだろ?



もったいぶって隣のひよこ豆を潰してのばした揚げ物を食べてみたけど、まぁめっちゃ普通の想像通りの味だった。









もう1個揚げパンみたいなのをもらって食べていると、店の中にガヤガヤと子供たちがやってきた。


みんなお小遣いを握りしめてあれやこれやと注文してかじりついている。




うわぁ、めっちゃ懐かしいなぁ。

学校の帰り道の駄菓子屋さんの風景だ。


この町の子供たちの買い食い場所なんだろうな。






でいうかみんなニューシネマのトトに見えてくる。

可愛いなぁ。



「うわぁ!!ナガトモ!!インテル!!ナガトモオオオオ!!」




そんなトトたちが俺たちを見つけると、大興奮してそう言ってきた。



みんなサッカー好きなんやね。


人懐こくて可愛いなぁ。きっと都会の子供ではこうはいかないはず。


そのままのピュアな心でいてほしいな。

























ていうか本当にこんなど田舎の町で人が出歩いたりするのか?






夜になったらなぜかすごい人出になるのよーってチェファルーで会った人に教えてもらったけど、どう考えてもそんなに人口のある町じゃないし、観光客も美々津くらいしかいない。


こりゃ夜に路上しようかなと思ってたけど、アテが外れたかなぁ。
















なんて考えながらシエスタ終わりの広場に行ってみると、お、それなりに人が戻ってきていた。

















でも路上をやるほどではない。


田舎の町の賑やかな時間帯ではあるんだろうけど、いっても田舎の風景だ。





あー、こりゃ路上は無理かなぁ。



だったら早めに車に戻って、明日向かうニューシネマパラダイスのロケ地のために予習復習でもう一度映画を見直そうかな。


うーん、そうしようかなー。
















て、あれ?





なんだか人が増えてきたな。







ん?どんどん増えていってるような…………










ちょ、え?なにこれどういうこと?








19時を過ぎたあたりから異様な現象が起こり始めた。



このど田舎の過疎の小さな町で、どこにこんなに人がいたんだ!?ってくらいとんでもない数の人が溢れてきた。








マジで通りを人が埋め尽くし、誰もが町に繰り出している。


なんで!?こんな小さな町なのに!!!







おおお!!!なんだこれ!!!



よくわからんけど、とにかくこれなら路上イケるぞ!!!



慌ててギターを取り出してホコ天の一角で演奏を始めた。























もうなんかお祭りか?っていうくらい通りに人がうごめいている。


人出はどんどん増す一方で、夜になって街灯がともると、さらに信じられんくらいの人がどこからともなく流れてくる。


マジで謎すぎる!!!町の人が全員出てこないとこんな大混雑にならないぞ!?




「す、すげぇ!!でも騒々しすぎて全然誰も足止めない!!!」



「心斎橋筋みたいになったある!!!」







あまりにも人が溢れて、しかもみんな楽しそうにお喋りしており、あちこちでキャー!!と盛り上がっているので、建物に挟まれた路地は雑踏が入り乱れて俺の演奏ほぼ聞こえない!!!



チューニングの音が自分で聞こえないくらいの騒がしさ!!!



こんなのポロポロとロマンチックに、なんて程遠い状態だ。


おかげで雑踏にまぎれてなにやってるか全然わからないことになってしまい、チップもまるで入らない。




こ、こりゃダメだ……………


さっきまで、こんな田舎でやれるのー?って思ってたけど、逆の意味でやれないわ……………




カステルブオーノ、謎の町……………




あがりは1時間半やって20ユーロ、2500円。




















さてー、人通りはどんどん増えるし、盛り上がりがとどまることを知らないカステルブオーノの夜だけど、今日はもう引き上げよう。



こんな賑わってる町を背に帰るのは心残りだけど、帰ってニューシネマパラダイスを見て明日のために勉強するのも大事なやるべきことだ。


いやー、ついに明日、あの大好きな大好きなニューシネマパラダイスのロケ地に行けるんだ。



マジでドキドキしてくるー。


そんじょそこらの観光地なんか目じゃないくらい興奮してくるわ。











というわけでギターを片付けたら、ちょびっとだけワイファイにつないでメールの返事だけして帰ることに。




「いやー、神田さん、明日楽しみですなぁ。ついにあのトトとアルフレードの町に行くんだねぇ。」



「そうですねぇ、ていうか私もう神田ではないんですけどねぇ。」



「ぬふぉう!!ビビるー。嫁ビビるー。」



「ウケるー、名前変わってもうたウケるー。」



「ねー、ウケるねー。」



「カペエエエエエエエ!!!!!カペペッ!!!!」





いきなりパソコンを見ながらカンちゃんが発狂しだした。





「な、なに!?カンちゃんどうしたの!?」




「ぬふ!!のふ!!オフッ!!!」




「落ち着いてカンちゃん!!顔が丸くなってる!!」




「こ、ここ、ここここ、こ、ここの町!!!!ニューシネマパラダイスのロケ地!!!!!」




「…………………またそんな冗談言ってー。はいはい、冗談は顔の丸さだけにしといてよね。あー、チキン南蛮食べたい。ていうか今なんて言った?」




「今日行ったお城!!!!あそこトトが通っていた小学校!!!!」




「なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!なんかそういうシーンがあったようななかったような!!!!」




「コポっ!!!コポポ!!!!コペッッ!!!!」




「こ、今度はどうしたのカンちゃん!!?」




「コポっ!!!コッポッポ!!ぺけぺけ!!!!」




「カンちゃん落ち着いて!!!!」




「チェファルーもロケ地だったみたいでござる丸!!!!トトがよく行ってた海辺のシーンはチェファルーで撮影されたものらしいです!!!!!」




「ふーん……………ところで大島優子がツイッターに上げてた動画について謝罪してたみたいだけどあれってどういう動画だったんだろ。大島優子ってエロいよねー。困り眉だよねー。ていうか今なんて言った?」









まさかのテキトーにやってきた町がニューシネマパラダイスの主要なロケ地3ヶ所のうちの2つという俺たちの引き寄せマジパナい。





ぬああああああああああああああああああ!!!!!!!


チェファルーそうだったのおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!




確率すごすぎやろ!!!!!


このシチリアで町なんていくらでもあるのに、テキトーに選んだ町が全部行きたかったロケ地て!!!!


奇跡すぎる!!!!!





ていうか今いるこの町!!トトの小学校があった町だとおおおおおおお!!!!


あのお城がトトの小学校だっただとおおおおおおお!!!!















興奮がヤバいことになりながらとにかく車に戻り、ビール飲みながら超集中してニューシネマパラダイスの予習復習鑑賞。






うん、いつも通り最高。


いや、シチリアで見てるっていう特別感でいつも以上に最高。






ていうかハゥアッ!!!!!!!







こ、こ、こ、この小学校!!!!!!







子供たちがワラワラと登校しているこの小学校!!!!!!






まさしく今日見たお城!!!!!!






うおおおおおおおお!!!!!この中でトトがアホのボッチャに5×5の掛け算の答えを教えようとしてあげたんだああああああああああ!!!!!!


クリスマスの25だよ!!ってトトがこっそり教えてあげたらボッチャバカだから先生にクリスマス!!って言って怒られてたあの微笑ましいシーンがこの町でええええええええええええ!!!!!!!




はぁはぁ………………もうどうしよう…………








このスクリーンの中の村に、人々のささやかな暮らしが営まれるシチリアの田舎の村にとうとう明日だと?


感動してどうにかなってしまいそうなほど楽しみ!!!!!




すでにいつの間にかロケ地を2ヶ所も行き、映画も観て心の準備はこれ以上ないほど万端。




ああ、アルフレードの言葉が頭の中にこびりついてる。





「風車はもうないが、風はまだある。」






明日とうとうニューシネマパラダイスだ。








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フィリピンのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


フィリピン行く人多いです!!行ってみたい!!どんなとこだろ!?とりあえずイタリア以上にめっちゃ暑そう!!!


どうもありがとうございます!!

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