スポンサーリンク あのさんぴん茶みたいなカップル旅人と再会 2017/6/8 2017/05/18~ オーストリア③, ■彼女と世界二周目■ 2017年5月22日(月曜日)【オーストリア】 シュタイアー神田さんが朝からご機嫌なのは、朝ごはんが死ぬほど美味しかったからだけではありません。池田さんの家がオシャレきわまりなくて、清潔が嬉しいってだけではありません。理由はもうひとつあります。アフリカにいる時からずっと連絡をとっていた大好きなあの人たちと、今日お会いする予定だからです。いやぁ、アフリカを回りながらこの日をどれほど楽しみにしていたことか……………あああああああああああああ!!!!!!!ノリ君ユキちゃん久しぶりいいいいいいいいい!!!!!すげえ!!あの旅するにこいちが池田さんの家にいる!!!2人と出会ったのはアフリカ旅の最初であるエジプトのカイロ。安宿サファリでふむふむと漫画を読んでた2人があの旅するにこいちだと知ったときは驚いたなぁ。沖縄人のノリ君とブラジル人のユキちゃんという美男美女カップル。ブログでも爽やかな2人だけど、会って話してみると、さんぴん茶並みに爽やかな2人で、俺もカンちゃんもすぐに大好きになってその夜は遅くまで色んな話をして盛り上がった。あれからずっと連絡をとっていて、ヨーロッパに戻ったら会おうねー!!と言っていたんだけど、とうとうこの日が来た。うわああああ!!!旅中に旅仲間と再会とかめっちゃ旅っぽいいいいいいいい!!!!!キモいコミュ症の変態って思われてたかもしれないから友達できて嬉しいいいいいいいいいい!!!!「うわー!!久しぶりですー!!また金丸さんたちに会えたー!!ていうかこの家なんなんですか!!す、すごすぎる…………」「オシャレすぎるー!!」池田さんのスーパーオシャレハウスに度肝を抜かれてる2人。いやぁ、ここにバッグパッカーが来たらそりゃ驚くよなぁ…………俺たちも最初お邪魔させてもらったとき、あまりの綺麗さにとりあえずシャワー浴びて服全部クリーニングかけて歯もホワイトニングして出直してきます!!ってなったもんなぁ。せっかくオーストリアで再会できるならば、俺たちだけ池田さんの奇跡の和食をひとりじめするのは可哀想なので、池田さんにワガママを言ってもう2人連れてってもいいですか?とお願いしていた。快諾してくださった池田さん!!ありがとうございます!!ノリ君たちには、今日は僕らの知り合いの家でお会いしましょうってことしか伝えてなかったので、このオシャレな家と和室にめっちゃ驚いている。「2人は飯はまだなんか?」「あ、軽くつまんだくらいです。」「ほんなら余りもんやけど、これ食べやー。」「な!!なんなんですかこれは!!!え!?ええ!?こ、これ食べていいんですか!?」池田さんの奇跡の朝ごはんがテーブルに並べられ、拾われてきた子犬みたいな顔をしてる2人。「あ、い、いただきます!!うわああああああ!!!!なんだこれ美味しすぎる!!!」「きゃああああああ!!!お祭りの日とかにしか食べられないやつだー!!美味しいー!!」「ううう………僕らこの間までウクライナでパンにキュウリ挟んで食べてたのに…………なんだこの展開ー!!」パンにキュウリて…………さすがにそれは質素すぎる……………いやぁ、それにしてもいい顔で笑うよなぁ。2人とも沖縄とブラジルだから太陽みたいな笑顔だ。するとそこに庭仕事をしていたラウラさんが戻ってきた。「アラまぁ、お2人のお名前はなに?」「山田といいますー。」「んんん…………それって確か…………あれだったわよね…………あの、楽器のメーカーの……………」「それはヤマハやろ。」「アッハッハッハー!!」腰が低くて礼儀正しくて、爽やかな2人のことを池田さんもラウラさんもすぐに気に入ってくれ、もちろん今夜は2人も泊まって行くんやでー、ていうか好きなだけおればええんやでーと言ってくださった。池田さんの優しさに呆然としてるノリ君ユキちゃん。ああ、友達を連れて行くなんて厚かましいかなとも思ったんだけど、きっとノリ君たちなら池田さんも仲良くなってもらえると思ってた。よかったー。「ほんならちょっと散歩に行こかー。」このシュタイアー郊外の田舎にある池田さんちの周りにはたくさんの山が広がっており、それぞれにハイキングコースがあるんだそう。前回来たときからあの山に登ると綺麗だぞーと聞いていたので、それをみんなで登れるなんて嬉しいな。池田さんの車に乗り込み、坂道をくねくねと登って山の中腹まで走り、駐車場に車を止めてハイキングした。木々のトンネルを6人で歩いていく。ほどよく冷たい空気に木漏れ日が揺れ、とても気持ちのいい遊歩道。たまに木々の切れ間に眼下の集落が見える。こうして森の中を歩いていると、つい木々の間に面白い動物がいないか探してしまう。まだアフリカの感覚が抜けてないな。さて、ここで問題です。この後ろ姿からどちらの会話をしてるか想像してみましょう。★A「気持ちいいねぇ。ユキ、ほらお花さんが揺れてるよ。」「わあああ、可愛いねノリ。」「このお花、ふたつ並んでカップルさんなのかな?」「きっとそうだよー。こんなに仲よさそうで私たちも見習わないとね!」「ユキは可愛いなぁ。お花さんみたい!」「えへへへー。」★B「あ、汚ねぇ花だな。踏み潰してしまおう。」「やめてよ、ノリの靴が汚れるよ。」「お、この花野郎、生意気に寄り添って咲いてやがる。」「よし!じゃあ私たちも見習って仲良く踏み潰しましょう。せーの。」「楽しいなぁ。あー、世界が信じられないくらい闇に覆われればいいのに。」どっちだろ!!!難しい!!絶対Aですけどね。ノリ君とユキちゃんの周りに平和のオーラが放出されていて、それに触れると僕とカンちゃんはジュッ!!とヤケドしてしまいそうです。な、なんて汚れのない2人なんだ…………いやマジでノリ君とユキちゃん、これくらいピュア。平和を愛して、人に優しくて、腰が低くて、周りに気を使いながらも曲がったことは大嫌い、あんまりいい人たちすぎて俺もどこまで気持ち悪い下ネタを言っていいのかわからなくて、とりあえずスカトロあたりから攻め崩してみようか?と思いながら空気を読んでお花の話に混ざってみる。「うわぁ、このお花、真ん中の花弁を抜いて舐めたら甘いですよ。」「えええ?私わかんないなぁ。甘いかな?」「ホラ、ここの花弁のところだよ。」「ホ~ラほらほら、こっちの花弁を舐めてみたら甘い蜜が出るよ~。ほらぁぁ!!」「あ、金丸さんは甘いのわかりますか?」「え、あ、は、はい、分かるに決まってるじゃないですか!!昔小学校の帰り道に赤くて細長い花の蜜吸ったりしてたよね!!今じゃピンサロで俺の赤くて細長いの吸ってもらったりなんかして!!なんつって!!」「うわぁ、山々が綺麗だなぁ。ユキ、やまびことか聞こえるかな?」「聞こえるかも!!ノリやってみてよ!!」「よーし、いくよー。ピーーーー!!!!」ゴミの存在を無視して口で犬笛を鳴らす爽やか沖縄県民。うわぁ、ビギンみたい……………カッコいい……………ハイキングコースの途中でいつも池田さんとラウラさんが立ち寄るという休憩ポイントにやってきたんだけど、そこは木々が開けた草原で、緑の草に小さな可愛らしい花が揺れ、遠く向こうに山々の連なりが見えた。かすみながらどこまでも連なる山の1番遠い頂きには白い雪も見える。あれはもうアルプスだよと池田さんが笑う。「ほら、これは乾燥させたらお茶にできる花や。こっちはわらび。持って帰って天ぷらにもできる。季節になったらキノコも採れるし、ベリーを採ってきてジャムも作れるで。」地面の植物をなでながら色んなお話を聞かせてくれる池田さん。昔爺ちゃんが聞かせてくれたような話を普通に知っている。オーストリアの人々は本当によく山に入って山菜や果物を採ってくる。秋なんかになると山の中の道路脇にたくさんの車が止まってたりするんだよな。この国に住むと自然との距離が近くなる、オーストリアは本当に自然に抱かれた国だ。山のてっぺんにある櫓のような展望台にみんなで登り、シュタイアーの町を一望してから家に帰った。「今日はバーベキューでもしよう思うとるんやけど、どうや?」「バーベキュウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!」「大丈夫です!!異論があるやつがいたら僕が殺します!!!!ビービーキューでよろしくお願いします!!!」もう本当にこんなにお世話になってるのにさらに神の料理が食べられるなんて天国でしかない!!!!池田さんマジでありがとうございます!!!一流料理人、池田花板の手にかかったら、バーベキューがどんなことになってしまうのか……………すると、いつもただ肉を買ってきて炭で焼くというチンケな選択肢しかない俺たちの前に謎の物体が現れた。なんだい?こりゃ。牛肉と玉葱とエリンギを鉄串で刺したやつとポークステーキ。それらに特製タレを付けて炭火で焼いているという所業。ただのバッグパッカーがやっていいこと、バラモンくらい超えてます。完全なる違反行為です。はぁはぁ……………し、死ぬかもしれない……………なんだこの平和な光景は…………春の花の匂いが立ち込める庭で大好きな人たちとバーベキューを囲んでる……………山の中で崩壊した道の上をバッグ担いで泥だらけになりながら渡っていたあのマラウィ、なんだったんだろう……………「よーし、こんなもんやな。ほんならお好みでこのソースつけて食べや。」池田さん手作りのソースは、トマトケチャップベースで魚のすり身やらなんやらが入った特製のもの。ふぅ…………心頭滅却。精神統一だ。美味いのはわかってる。この皿に盛り付けられたお肉を口に運ん、ヒイイイイイ!!!!!!マジで美味すぎる。肉の味もつけダレもソースも全て完璧すぎる。ザンビアやナミビアの路上で肉の網焼きしてるのも確かに美味しかったけど、これ食べたら2秒。衝撃的な美味さ。「池田さん!!美味しすぎます!!」「そうかそうかー、残してもしょうがないんやから全部食べるんやでー。お米はいらんか?」「あうあうあー!!私米食いなんです!!このお肉でご飯3杯いけるかもしれないー!!」「あ!!自分もいただいていいですか!?僕はこのお肉で丼5杯いけます!!」バッグパッカー4人が悶絶してるのをニコニコ見ている池田さん。オーストリアのシュタイアーには、なにわの神がいます。ご飯を食べてから少しみんなで散歩に出かけた。池田さんが運転してくださり、シュタイアーの町にやってきて旧市街をのんびりと歩いた。「うわあああ………めっちゃ綺麗ー…………あんなに美味しいご飯を食べて、それからこんな綺麗な町を散歩して、贅沢すぎるー…………」深い緑色の水をたたえたエンス川添いに築かれたこのシュタイアーの町。城門をくぐると石畳の町が広がり、大きな教会とお城を中心に美しい中世の町が残っている。建物の壁にはそれぞれに年号が記されており、江戸時代に作られた建物なんてザラだ。それらの建物の1階に今ではケータイショップなんかが入っているというのがヨーロッパ。古いものが当たり前に今でも使われている。「その家、そこでシューベルトが有名な鱒を作曲したって言われとるんや。シュタイアーは昔から鉄鋼業が盛んでな、裕福な町やったから、ヨーロッパで1番最初に街灯がともった町なんや。」池田さんと一緒に町を歩いていると、ガイドさんみたいに色んな話を聞かせてもらえる。知らない話ばっかりだ。もう何回も来てる町だけど、この町のことなんにも知らなかったなぁ。どの町にも、面白い歴史がある。それがヨーロッパだ。「池田さん、あの広場の真ん中に立ってる木の飾りってなんなんですか?オーストリアに入ってから色んなところでみかけるんですけど。」「あぁ、あれは5月になったらオーストリアの各村が立てるものでな。隣村の連中とこれを盗みあうんや。ワインばっかり飲んでないでちゃんと見張っとけよーって感じでな。もし気づかずに盗まれてしまったら6月1日に返してもらいに行かんといかん。その時に酒やら食べ物を持って行って、これで返してくださいーってお願いするんや。そんな風習が今も残っとるんやな。」オーストリア、本当に味があるなぁ。それから家に帰ってラウラさん手作りのロールケーキやオカキをつまみにワインを飲んだんだけど、ノリ君もユキちゃんも酒めっちゃ強い!!!いや、俺が弱すぎるのか?何杯飲んでも顔色ひとつ変えずにケロっとしてて、俺とカンちゃん、ペロンペロンになってしまった。あぁ、楽しいなぁ。こんな旅仲間ができるなんてなぁ。限界が来て、ごめんなさいいい…………とカンちゃんにもたれて部屋に連れてってもらった。頭ふらふらだ。~~~~~~~~~~~~~~~~~~スペインのホテルをアゴダでとったくださったかたがいました!!もうすぐスペイン!!バル巡りがめっちゃ楽しみでヤバイです。どうもありがとうございます!!