スポンサーリンク 久しぶりのドブロブニクで映画の撮影やってた!! 2017/3/9 2017/02/23~ ボスニア・ヘルツェゴビナ, 2017/02/26~ クロアチア②, ■彼女と世界二周目■ 2017年2月26日(日曜日)【ボスニアヘルツェゴビナ】 モスタル~【クロアチア】 ドブロブニクモスタルのバスターミナルからドブロブニク行きの国際バスに乗り込んだのは10時15分。3時間ほどの移動で値段は1人30マルク、1770円。預け荷物が1ユーロ、120円。バスの壁にはデカデカとワイファイマークが書かれているけど、え?ワイファイ?何それ食えるの?ってくらい1ミリも飛んでない。いつも思うけど、ワイファイをアピールポイントにしてるのに実際は使えないっていうバスってどういうつもりなんだろ?聞いたとしても、は?使えないよ?家帰ってクソして寝れば?みたいな顔をされるだけ。まぁこんなのよくあることなので別に怒ったりしないけど。それよりもこのバス、1番後ろにパーティースペースがあってビビった。おお、こりゃ快適!!しかもこの時期は閑散期なので乗客もほとんどおらず、2人でパーティースペースを占領。世の中色んなバスがあるなぁ。ドブロブニクはボスニアを挟んで飛び地になっていることで、モスタルから行こうと思ったら4回も国境をまたぐ。その度に何度もパスポートコントロールがありながらバスは進んでいき、やがてアドリア海が見えてきて最後の国境越えをしたらドブロブニクまではもう少しだ。懐かしいドブロブニク。4年前に来た時の1番強い思い出といえば、美しい城壁よりも、路上で日本人旅行者のおじさんに5000円いただいたことよりも、結婚式撮影をしていたカップルに歌を歌わせてもらったことよりも、崖の上にテントを張って寝て暴風雨で死にかけたこと。朝起きた時に綺麗な海の景色を見ようと思ってあんな崖の上に野宿場所を決めたんだけど、一晩中暴風雨が吹き荒れて、雨が浸水してきてびしょ濡れになるわ、風が強すぎてテントのポールがへし折れてグシャグシャになるわでとんでもない夜だった。 意を決してずぶ濡れになりながらテントをたたもうとしたら突風であおられて崖から落ちそうになって、ひいいいいい!!って泣きかけていたなぁ。もはや原型をとどめないくらいにテントが謎の物体に変化して、まったく眠れずに、頼むからやんでくれええええ!!って1人で叫びながらテントを内側から手でおさえるという孤独な戦いの辛さは経験したことのある人しかわからん。あんな思いカンちゃんにはとてもさせられん。もちろん今回はちゃんと個室の宿だ。いやぁ、あの頃の俺の肩を叩いて言ってやりたいわ。ドンマイって。バスはドブロブニクのバスターミナルに到着。観光のメインである旧市街はこのバスターミナルから3キロほど離れており、坂道も多いので歩くと40~50分かかる。前回はアホだったので海外で市バスに乗るなんて高等技術はまだ持っておらずいつも10キロくらいなら歩いていたけど、今はもう市バスくらいチョチョイのチョイ!!旅人スキル上がってる!!いや!!ていうかそのくらいできようよ4年前の俺!!一律15クーナ、240円の市バスに乗り込み、宿の近くまでやってきたら待ち受けていたのは超絶長い石段。ドブロブニクは山と海に挟まれた狭いスペースに形成されており、斜面に町並みがへばりついているので無数の石段が民家の間をのびている。カンちゃんとハァハァ言いながら頑張って階段を登っていくんだけど、アドリア海に出てきてまた気温が上がったおかげで久しぶりに汗をかいてしまった。そうしてやっとこさ住宅地の中にある宿の住所にたどり着いたんだけど、相変わらずこの辺りの宿は建物に看板がないのでわかりづらい。どの宿もSOBEという文字が書いてあるだけ。これはルームという意味のよう。予約サイトではちゃんとそれぞれの名前があるのに、実際の宿にはその表記がないので毎回めっちゃ混乱してしまう。このドブロブニクでもそうで、おかげで辺りをウロウロしてようやく別の場所にあるレセプションの家を見つけだし、宿に入ることができた。うん、俺の旅人スキルなんてまだまだ。今回予約したのはライムストーンハウスという宿。個室で170クーナ、2700円。ちなみにもうひとつ言いたいけど、残念ながらクロアチアの宿ってシャワーの質が悪い。ボイラーが一定量しかお湯を作れないので、体を洗ってる途中にどんどんぬるくなっていき、最終的に水になる。こういう宿って途上国にたまにあるので無駄に出しっぱなしにしないで小まめに止めることが必要なんだけど、それでも2人分は出ないのでどっちかが寒い思いをしないといけない。このライムストーンハウスもそうだった。まぁまだお湯がでるだけマシか。いやー、アフリカので宿が楽しみだわ。宿に荷物を置いたら早速町歩きに出かけた。移動でもう遅くなってしまったので路上は明日やるとして、今日のうちに観光を済ませておこう。宿を出て歩いていくと、早速赤い屋根がひしめく町並みの中に巨大な石の城壁が現れる。海に飛び出した高い高い城壁がぐるりと町を囲っており、この中にあの有名なドブロブニクの旧市街が広がっている。あれから4年経って世界中の綺麗な遺跡を見てきたけど、相変わらずここは良くできた中世の町が残ってる。観光地としてのクオリティはさすがの一言。「ほらー、あそこの城門の橋の下で寝てた人がいるんだよー。」「そうなんやー、すごいとこで寝てた人がいるんやねー。」ドブロブニク初日の夜にこの橋の下で寝たんだけど、こんなところで寝るようなやつ他にいないだろうなぁって思ってたらハンドパン奏者のソウ君もここで寝ててウケたよなぁ。ソウ君今も元気に旅してるかな。城門をくぐり旧市街の中に入ると、そこには完全なる中世の町が広がっている。クリーム色の石でできた建物がぎゅっと密集しており、無数の小径がアミダのように入り組んですごく旅情がある。アジア人観光客の数も半端じゃないし、普段あんまり見ない日本人旅行者もすごく多い。「わー、確かに綺麗だねー。そしてやっぱり日本人に人気なんだねー。」「ねー。……………ん?…………あれ?なんか違うな…………こんな町だったっけか?」町に入ってすぐに違和感を覚えた。旧市街の真ん中に大きなメインストリートがあるんだけど、その通りに見覚えのない門がある。あれ?4年前に来た時はここは遮るもののないガランとした通りだったはずなんだけどな。新しく建設されたのか?まさか。この完成された世界遺産の町に新しい建物を付け加える必要なんてない。俺の記憶が間違ってるのか?と近づいていくと、たくさんの人たちが今まさに作業をしていて、高所作業車が何台も動いている。中世を再現したような大がかりな門、建物の窓にとりつけられた発泡スチロール製の鉄扉、さらには脇道の入り口に巨大な柱までもが設置されている。な、なんだこれ?!メインストリートがテーマパークみたいに大改造されてる!!これってもしかして…………映画の撮影なんじゃないのか?そうだ、さっきから外壁の裏とかに色んな機材がストックされているし、水辺に古めかしい集落みたいなのが作られていた。首からネームプレートを下げた人がたくさん歩いているし、インカムをつけたいかにも業界人みたいな人もいるし、奥のほうにはタッパのあるセットの下にマットを敷きつめたところまである。おお、こいつは間違いないぞ。しかも飛び降りるようなスタントのあるやつだ。舞台がこのドブロブニクってことはスリーハンドレッド的なアクションものか。「すごいね!!なんの映画だろ!!」「わからんけどなんかジョニーデップ出てそう!!ジョニーデップいないかな!!」「ジョニーデップ会いたい!!」これほど大がかりなセットを町のど真ん中に組み上げて、きっと町の観光にもものすごく影響してるはず。巨額のお金がこのドブロブニクに落ちてるんだろうなぁ。俺はまだ4年前に来てるからこんなところに遭遇できてラッキーって思えるけど、ここまで町のメインストリートが思いっきり大改造されてたら、素のドブロブニクを期待してやってきた人からしたら残念極まりないはず。この超観光地のドブロブニクを、いくらシーズンオフとはいえ映画のセットにして規制をかけるってどんな気合いの入った映画なんだ?相当金のかかったやつのはず。主演もきっと大物のはず!!ジョニーデップ見られるかなー!!というわけでジョニーデップを探して旧市街の中をのんびり散策した。今日はあいにくの曇り空だけど、入り組む路地と石段の多い風景はさすがの美しさ。いやー、この石段まみれの町をよく荷物全部持って散策してたよなぁ…………野宿旅は荷物を常に全部持ち歩かないといけないのが本当大変でもう最高なんですよ。肩とかもげそうになりますから!!石畳ばっかりだからキャリーバッグのタイヤとか2秒で崩壊しますしね!!もうあんなの絶対しなくない…………いや、1人だったらまたしてもいいかな。野宿は楽しいです。4年前にこの町を歩いていた時に、ひとつすごく印象に残っていた場所がある。確かあれは旧市街の海側、石段を登って住宅地が広がるエリアだった。城壁にぽっかりと入り口が開いており、そこを入ると城壁の裏側に出るんだけど、突然崖になっており、目の前に真っ青な水平線が広がる。遮るものがなにもなく、ひたすら真っ青なその水平線。その海に面した城壁の崖の上に、へばりつくようにひとつのカフェがあったのを覚えている。崖の岩場に無理やり作ったようなそのカフェ。あんなにすごいロケーションのカフェは、世界中を回っても未だかつて見たことがない。うわぁ、こんな素敵なカフェでコーヒーを飲んだら最高に気持ちいいだろうなぁってあの頃、大荷物を抱えて憧れていたことをはっきり覚えている。もしまたこのドブロブニクに戻ってきたならば、きっと行ってやろうと思っていた。それが今俺は大好きなカンちゃんと一緒。行くしかない。おぼろげな記憶を頼りに石段を登り、住宅エリアを抜け、海側の城壁に出てきた。この辺りはだいぶ中心部から離れているので、静かで観光客の姿もほとんどない。確かこのあたりのはずなんだけどなぁ。その時、1匹の猫が道の上で行儀よく座っていた。ドブロブニクは野良猫が多く、みんな人懐こくて、とても絵になる。近づいても逃げることなく座っていて、可愛いなぁと写真を撮っていると、その後ろに見覚えのある看板があった。あ、ここやん。ここだここだ。城壁に開いた入り口。まさにここだ。ドキドキしながら入り口を入ると、あの頃と変わらない水平線が広がった。残念ながら曇り空ではあるけども、海に面した崖の岩場に作られたそのカフェは相変わらず最高のロケーションだ。すごいねー!って喜んでるカンちゃんに、なぜか俺が自慢げにすごいやろ!って言いたくなる。こりゃ綺麗だわ。よーし、それじゃあ念願だったコーヒーを飲むぞー!!ドブロブニクは物価ウルトラ高いけど、ここだったら多少高くても出す価値あり!!「コーヒーないよ。サマーシーズンだけだから。あるのはビールとワインとジュースだけ。」ほ、ほへ…………?ちょ…………なにそれ…………見てみると簡単なクーラーがあって、その中に小さなビール瓶とワインボトルとジュースが入ってるだけ。こ、こんな天気で冷たい飲み物とかいらんし………………………………………………………結局注文せず。コーヒー飲みながらタバコ吸いたかった…………カンちゃんもお昼からビールはいいかなぁ………って感じで、退散。せっかくこんないいロケーションなんだからコーヒーくらい出せばいいのになぁ…………いつか世界のどこかに最高に理想的なカフェを見つけたいなぁ。仲間と、1週間後にあのカフェに集合ねーって言えるようなとこが世界のどっかにあったらいいなぁ。それからもササっと町を歩いて回ったんだけど、正直俺はドブロブニクよりもスプリトのほうが好きなのでそんなにテンションは上がらない。前回もそうだったけど、北から南下してくるルートだとどうしてもスプリトが先になるので免疫ついてしまうんだよな。それにドブロブニクはあまりにも観光地化されすぎてて正直テーマパークみたいな感じなのに比べ、スプリトはほどよく地元の人たちの生活圏と混ざり合っているので、アドリア海の町の素顔をちゃんと見ることができる。カンちゃんも同意見。そんな中で大事なのは路上の具合。これでキチンと稼げたら何日か滞在して少しでもお金を作ろう。ドブロブニクでの前回の記録は400クーナ、6400円。スプリトが300クーナだったので、かなり期待できる。でも問題は今やってる映画の撮影。もしこれで規制がかかっててやれなかったら結構痛い。逆にジョニーデップが歩いてきて一緒に歌うという奇跡が起こるかもしれない。ジョニーデップが主演か知らんけど。まぁなんにせよ明日やってみよう。ここ地獄の野宿場所。うわぁ…………ここで死にかけてたなぁ…………さて、町歩きを終えてあとは宿に戻るだけなんだけど、晩ご飯をどうしよう。ドブロブニクは物価がウルトラ高い。観光地エリアである旧市街周辺だけ物価が日本かそれ以上で、現地民エリアのだいたい倍はする。コーラのペットボトルが商店だと6クーナ、96円なのが、観光地エリアだと15クーナ、240円する。めっちゃ高い。なのでなんとかローカル値段のスーパーを探して回ったんだけどなかなか見つからず、結局妥協してそこらへんでビールを買ったら、宿の近くまで帰ってきたところで小さな商店を発見。ビールの値段3分の2。やっちまった…………まぁ見つけられんかったのがしょうがない。この日は日曜日ということもあってご飯屋さんもほとんど開いておらず、どうしようか考えたんだけど、カンちゃんがササっとサラダを作ってくれてそれを晩ご飯にした。レタスとツナ、マヨネーズと醤油。うん、これだけでめっちゃ美味しいやん。たまにはこういう野菜だけのご飯ってのも食べなきゃな。今日みたいなカフェのことにしても晩ご飯のことにしても、2人の意見が合うのってすごく嬉しい。と同時に奇跡的だなぁとも思う。どっちかがあそこでどうしてもカフェでジュース飲みたい!!って言う人だったら、質素なサラダだけの晩ご飯なんて嫌!!って言う人だったら上手くやっていけてるだろうか。色んな価値観が合ってて、好き嫌いもほとんど合ってて、お互い譲り合える妥協点も近く、趣味や大好きなことに共通点が多い。それでいてお互いをリスペクトできて、補い合えることがたくさんあって、求める外見のタイプも理想的。奇跡だよなぁ。こんな人が世の中にいるという奇跡。その人に巡り会えた奇跡。大事な大事なカンちゃんとこのドブロブニクでツナサラダを食べられた夜のこと、絶対忘れんよ。~~~~~~~~~~~~~~~~~~上海のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!上海って言ったら真っ先に陽水の歌声が思い浮かます。陽水天才だよなぁ。リバーサイドホテルとか、今考えるとすっごいホテルカリフォルニアにインスパイアされてるなって発見があって面白いですよね。どうもありがとうございます!!