スポンサーリンク イギリスはワクワクさせてくれない 2017/1/17 2017/01/01~スコットランド, ■彼女と世界二周目■ 2017年1月5日(木曜日)【スコットランド】 パース ~ インヴァネス目が覚めたら窓がびっしり凍っていた。どうりでゆうべ寒かったわけだ。さすがにちょっと寒くてモゾモゾと動いてしまっていた。しかも窓の外側だけじゃなく内側の結露も凍っていた。そりゃ寒いわ。オリーブオイルもカチカチ。エンジンをかけて温めると、しばらくして氷が溶けて窓の外の景色がフロントガラスに現れてくる。のどかな田園風景。ここは道路沿いのパーキング。イギリスにはこの道路沿いのパーキングがたくさんあるので寝床には困らない。そして車中泊を邪魔する人もいない。ゆうべなんだけど、ビールを飲みながら龍馬伝を見ているところに警察がやってきた。なにしてるんだいー?って数人のお巡りさんに囲まれたんだけど、車中泊ですー、ここで寝たらマズイですか?って聞いたら、全然問題なしだよー、ちょっと心配だったから声かけたんだわー、って言ってすぐに去っていった。パスポートチェックのもなしに。これビビった。普通あの状況になったら必ず100パーセント、パスポートのチェックと照会をされる。身元チェックのない職務質問なんて初めてだった。それくらいイギリスの警察はゆるい。カンちゃんの作ってくれたパワーブレックファーストを食べ、のんびり車を走らせた。パースから離れ、広大な内陸部に突入していくと、風景がガラリと変わった。それまでの羊が散らばるおだやかな牧草地帯から一変して、木々のない禿山がうねる荒涼とした風景になった。背の低い茶色の植物が絨毯のように大地を覆い、山肌に雪が見え始めた。ダイナミックで、寂しげな自然の中をただひたすらにアクセルを踏む。こりゃどんどん北に向かっている。あのノルウェーの北極圏に似た最果て感が、窓の外を飛び去っていく。時間はすでに13時だというのに太陽は驚くほど低い。1番高くのぼっている時間帯のはずなのに、まるでまだ日の出か夕日のように、地平線近くでぼんやりと光っている。もっと北にのぼったらこれが極夜になり、太陽がまったく地上に出てこない暗闇の世界になるんだ。地球にはまだまだ見知らぬ姿がある。インヴァネスの町には15時ごろ着いた。大きな川沿いに栄える地方都市で、さっきまでのこの世の果てみたいな風景から一気に近代的な建物が増え、かなり孤立した町という印象だ。しかし町自体はなかなか大きく、とてもたくさんの人が行き交っており、ホコ天のショッピングストリートも何本も通っている。こんな北部まで来たんだ。このインヴァネスでの日々を確実に充実したものにしないと。この日はそれからテスコでお買い物をし、そのまま店内のベンチでネット作業。風邪気味だけど、これくらいの鼻づまりならなんとか明日は路上できるはずだ。晩ご飯はまさかの焼きそば、もう連チャン目だ? だって本当美味しいもん。フィッシュ&チップスの100倍はうまいもん。そうしてビールを飲み、今日も布団にくるまる。そんな毎日の繰り返し。明日も起きて、朝ごはんを食べて、1日をつつがなく過ごしてまた眠る。最近、睡眠時間を8時間もとってしまっていることに罪悪感がある。そんなに寝てる時間があったらもっと何かクリエイティブなことに時間を回すことができるはず。路上に行く時間も増えるはず。なのにこんなにグータラ寝て、毎日を怠惰に過ごしているような気がして少し気が滅入る。なんだか毎日に張り合いがない。美しい町や、綺麗な風景にはそれなりに出会ってはいるのに心が踊らないのはどうしてだろう。イギリスは俺をワクワクさせてくれないよ。なんとかしたいんだけどなぁ。