スポンサーリンク 超絶景!2日目! 2016/7/24 2016/06/27~ ノルウェー, ■彼女と世界二周目■ 2016年7月12日(火曜日)【ノルウェー】 オッダ ~ ボルグンドゆうべの寝床は当然のごとくフィヨルドの谷底のど真ん中。だってどこまで走っても、どこに行ってもフィヨルドしかないんだから。そんな谷底の水際で、ゆうべは久しぶりに俺がご飯を作った。最近買ったタイ風のカレーペーストという調味料が当たりで、これを入れるだけで味が一気にタイになる。というわけでタイ風の焼きそばを作ると、ようやく辛ラーメンとビールがそれぞれ2箱目に突入した。レンタカー旅を始めて1ヶ月経ったけど、まだ買いためていた食料は余裕がある。絶景まみれだった1日を終えてゆうべは静寂の中で眠りについた。そして朝。目が覚めてドアを開けると、そこは霧に閉ざされた世界だった。あたり一面、霧に覆われ、おそらく俺たちは今雲海の中にいるんだろう。うっすらと霧の向こうに黒いものが見えるんだけど、はっきり見えない分、余計にその巨大さが強調されて押しつぶされそうな感覚になる。あれはフィヨルドの断崖だ。あまりにも静かで、静寂が霧の粒子と一緒に目に見えそうだ。荷物をまとめたら雲海の中でエンジンをかけてゆっくりと走り出した。今日は昨日の遅れを取り戻すためにも、なるべくたくさん走らないといけない。週末にトロンヘイムにたどり着きたいんだけど、まだ地図を見ると無数のフィヨルドによって道が切り裂かれている。こいつは長いドライブになりそうだなぁとアクセルを踏んでいると、やがて霧がうっすらと晴れてきた。そうするとそこに幻想の世界が現れた。霧に覆われたフィヨルドの水面。そこに周りの岩山が映り込み、波紋すらなく静まり返っている。あまりの現実離れした景色にすぐに車を止めた。車を降りるとひんやりした谷底の空気が体のうぶ毛に付着していく。こいつはなんだ。この世の光景なのか?寝起きだったからか、自分がまだ夢の中にでもいるんじゃないか?と思えるほどの自然の神秘が目の前にあった。そこから先も、どこまでも続くおとぎの国の景色。窓の外に飛び去るのは、よくできた絵画だ。なんて美しく、そして感情的な風景なんだろう。寂しくて、どこか気高くて、触れることのできなさそうな儚さがありつつも、すべてを包み込む自然の力に満ち満ちている。自分たちが一体どこを走ってるのか、少し混乱してくる。これは本当に俺たちが暮らしてきた地球なんだろうか。しばらくして霧が霧散し、視界がはっきりしてくると、そこからは滝のオンパレードだった。もうマジで滝祭り。周りにそびえ立つ岩山の断崖絶壁の上から、雪解け水とゆうべの雨水を含んだ巨大な滝が轟々と大地に降り注いでいる。白く糸を引くもの、崖を伝って落ちていくもの、あまりの落差に途中で霧状になくなってしまうもの。日本だったら余裕で百名瀑に名を連ねるであろうレベルの滝が、そこらじゅうから降り注いでいる。遠く向こうの山の上には巨大な雪の塊がこんもりと積もっており、よく見ると青い色がついている。あれは氷河だ。何万年もの歳月をかけて堆積した雪の層があの神秘の色を醸し出している。だとしたらこれらの滝は何万年も昔に降った雪のとけた水なのか。ここは本当にジュラシックパークの中だ。そんな中、道路際にひときわ大迫力の滝があった。二股に別れて轟々と水しぶきを上げて大地を叩くその滝があまりにすごかったので、こいつは車を止めて見るしかない!!と止める場所を探したんだけど、まぁすごい数の観光客が滝の周りに群がっていた。大きなキャンピングカーまみれで駐車場はいっぱいで、誰もがカメラを持って記念撮影している。ここまで来る間にもキャンピングカーや、キャンピングトレーラーを牽引した車などが無数に走っていた。そうそう、これが夏のノルウェーの風景なんだよな。ノルウェーの人たちは夏に5週間の夏休みがある。子供だけではなく大人もだ。なのでみんなこの時期は遠出の準備をして長期間のサマーバケーションに出かける。ノルウェーの多くの人たちはセカンドハウスを持っており、普段都会で仕事をし、サマーバケーションになったら大自然の中のセカンドハウスに行ってのんびりとフィヨルドを眺めて過ごすという贅沢極まりない遊びをする。もちろん走っている車はノルウェーのものだけではなく、北欧の他の国も、ドイツやフランスなんかの国のものもある。誰もがこのジュラシックパークの中で自然を満喫するべく大量の食料やアウトドアグッズを車に詰め込んでやってくる。どうやらようやくノルウェーも本格的なサマーホリデーシーズンに突入したようだった。こんな可愛くないトロールじゃなくてよかった!!滝祭り会場を抜けて走っていくと、やがて小さな町に入ってきた。フィヨルドが入り組んで陸が細くなっているところに小さな港町が形成されている。これがまたものすごく綺麗で、カラフルな家々が断崖絶壁の斜面にへばりついており、その上に氷河が見える。あっちを見てもこっちを見てもフィヨルドで、ここに暮らす人たちにとってはこのフィヨルドは当たり前の、なんにも珍しいものではないんだろうな。オッダという名前だった。町の横を通り過ぎようとしている時、チラッと町のメインストリートが見えた。本当に小さな、短いホコ天の通りなんだけど、今のサマーバケーションの時期ということもあってアウトドアファッションの観光客たちがたくさん歩いていた。こ、これは…………「………神田さん、やっちゃいます?」「やっちゃいますー?」「よし!やろ!!」ハーバー沿いに大きな無料のパーキングがあるのも田舎の町らしくてよかった。駐車場にはたくさんの観光客の車が止まっており、山の中の風光明媚なハイキングの拠点となる町には、静かで穏やかな活気が漂っていた。早速ホコ天の真ん中でギターを鳴らした。見上げれば雪をかぶった山々。崖に囲まれた谷底は輝くフィヨルドの水面が水平に広がり、その真ん中で歌った。誰もが微笑みながら歌を聞いてくれ、お店の人たちもガラス越しに親指を立ててくれる。地元の人、アウトドアファッションの観光客、みんなお金を入れてくれ、あがりは2時間ちょいで1358クローナ、2ユーロ、20デンマーククローナ、計16500円。おお、こいつは移動日だとしても途中途中の町で歌っていくことができるのかもしれない。景色を堪能しながら走り、綺麗な町があったらそこで歌い、また絶景の中を走っていく。完璧すぎる。なんて完璧なんだノルウェーの車旅。スーパーで買ってきたお惣菜をこんなフィヨルドの絶景を眺めながら食べることもできる。どんなレストランよりも贅沢だ。パンはこうやって切ります。スーパーにあるパン切りマシーン。ただ問題なのが、やはりシャワーと洗濯。他のことは全てバッチリなんだけど、シャワーだけは宿に泊まらないとどうにもならない。洗濯も。洗濯においては宿で出来たとしてもそこそこの値段がかかりそう。俺はまだ我慢できるけど、カンちゃんは女の子。この北欧が気温15℃くらいだとしても、さすがに何日もシャワーなしはキツい。最初のころはガスコンロでお湯沸かして体を拭こうなんて言ってたけど、こんな気温でそんなこと苦行に近い。どうしたもんかなぁと思っていたんだけど、その時ひらめいた。キャンプ場はどうだろう?このノルウェーにはマジで大袈裟じゃなく5キロおきくらいにキャンプ場がある。それもRVパーク完備でコテージがホテル並みに整備された豪華なものが一般レベルだ。いつも無数のキャンピングカーが大自然の森の中にうじゃうじゃ止まっているのを見かける。それくらいノルウェーはキャンプで回る人が多い国。シャワーくらいなんとかなるんじゃないか?そう思って次に見つけたキャンプ場に入っていき、レセプションの建物で聞いてみた。「どうもー、僕たち泊まってないんだけどシャワー浴びられますか?」「もちのろんよー。このコインを買えば自動で使えるからー。」やった!!トークンになってるコインが1枚20クローナ。230円。1枚で5分間、暖かいお湯が出てくるという仕組みだそう!!「よっしゃあ!!えーっとじゃあ3枚でいいかな?」「え?2枚でいいんじゃない?」「ええ?!10分で浴びられる?!カンちゃん俺よりすごいね!!」「なんなら5分でいけるかなと思ってた!!」カンちゃん( ^ω^ )というわけでコインを2枚レセプションで購入し、キャンプ場の中にあるトイレシャワーの建物に行き、機械にコインを投入。そして2人で暖かいお湯を堪能した。2人で背中を洗いながらヒゲも剃ったりしても10分あれば充分足りる。すっきりさっぱりしてこれにて車旅のシャワー問題、完全解決。さらにさすがはキャンプ場。もちろんコインランドリーも設置されており、フリーワイファイまで飛んでいるという至れり尽くせりの施設。キャンプ場の中にはキャビンサイト、キャンピングカーサイト、テントサイトがあり、子供たちの遊具コーナー、さらにはレストランやバーまである。これのどこがキャンプですか?って言いたくなるくらい町と同じ環境が整っているけど、これが一般的なキャンプってものなんだろうなぁ。おかげで車中泊をしながらの旅でもノルウェーではまったく苦労を感じなくて済みそうだ。もはや何の文句もない。シャワーでさっぱりしながら走り出せばこの辺りもまたトンネル祭り会場。内壁がゴツゴツした岩の、インディージョーンズみたいなトンネルを無数に駆け抜けていくんだけど、たまにインディージョーンズトンネルじゃなくてクラブトンネルもある。中が虹色にライトアップされていたり、真っ青なプラネタリウムみたいなトンネルもある。そうしてトンネルを抜けると今度は滝祭り会場。マジで視界に何個滝入ってんだ?ってくらい、あっちからもこっちからも滝が天空から降り注いでいる。そのたびに車を止めて見入ってしまうのでノルウェー全然先に進めねええええええええええええええ!!!!!絶景がマジで日本のコンビニみたいやわ!!当たり前すぎる!!!変なおじさんも!!!そうして祭り会場を駆け抜け、山の間の穏やかな一本道を走っていく。脇道のところに看板が立っていて、この向こうに歴史的な道があると示している。どうやら昔使われていた牛馬車の古い道があるらしかった。熊野古道のようなものなのかな。ほのかに歴史が香るそんな一本道。何もない山の谷間に車を止めた。うおー、やっぱいつ見てもすげぇなぁ。ボルグンドのスターブチャーチ。おとぎの世界のシンボルのような黒い異様な教会がそこにポツリとたっていた。炭化した木の壁が独特の風合いを出しており、いびつに歪んだ屋根のひさしが素朴な迫力を漂わせている。スターブチャーチの中でもその派手な姿形で有名なこの教会。まるで生き物みたいだ。物言わぬ老人のようだ。時間は23時。カンちゃんと2人で夕暮れの空の下、その老人と向かい合った。妖精やら小人やら、そこらへんに隠れてるんじゃないか?そんな不思議な世界に迷い込んでいた。~~~~~~~~~~~~~~~~~ノルウェーのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!スターブチャーチ、マジでオススメなのでお時間がありましたら行ってみてください!!どうもありがとうございます!!