2016年1月19日(火曜日)
【兵庫県】 三田市
とぅるるるるるるん!!
とぅるるるるるるん!!!!!
「もしもしー……………」
「あ、金丸様のお電話ですか?こちら愛媛南海放送です。本日のお電話でのラジオ出演よろしくお願いします。では本番の流れなんですが、まずご紹介をいただいてから……………」
ね、眠すぎる……………
昨日、別府から16時間という運転でやっとの思いで大阪まで走ってきた。
幻覚見えそうになって、眠気を覚ますためにウェルカムトゥザジャングルを声が枯れるほど絶唱し、なんとか深夜の3時過ぎに大阪に到着して寝たの4時過ぎ。
朝の情報番組はきつい……………
目が開かん………………
でもラジオの生電話だ。なんとか話さないと。
本当は布団の中で寝癖ボサボサのかっこうなんだけど、5時に目を覚まして10キロのランニング終わらせてパワーブレックファーストを食い散らかしてなんなら今現在立ちバックしてますけど?みたいなハツラツとした声で喋ろうと試みる!!
「えー!本日は1月のパワープレイCDのアンダルシアの風を歌ってらっしゃる金丸文武さんとお電話が繋がっております!!金丸さ~ん!おっはようございま~す!!」
「お……お……おっぱい……じゃなくておはようございまむにゃむにゃ……………」
「今愛媛はすごく寒いんですけど大阪はどうですか~!?雪は降っていませんか~!?」
「カーテンに手が届かないのでわかりません……………」
出演時間は5分ほど。
DJの熊本フミさんはやっぱりお喋りがめちゃくちゃ上手!!
本当に楽しく出演させてもらえる!!
でも今日はフミさんのいつもの元気ハツラツな声じゃなくて、囁くような優しい声が聞きたかったな!!枕元で!!金丸くん、起きて、ゆうべ素敵だったよ………つって!!
嘘です!!ごめんなさい!!フミさんファンに殺される!!!!
フミさん、いつも本当にありがとうございます!!!!
寝起きの情けない声ですんませんでした!!
さて、フミさんのモーニングコールで目が覚めたのでそのまま日記書きに没頭。
宮崎では毎日人と一緒にいたので日記がまったく書けてなかった。
思いっきり集中して何日分も書いて追いつきたいところだけど、今夜はライブ。
準備をしないといけないので、日記もそこそこに車で練習と声出しをした。
いやー、やっぱり車があるとすぐに声出しが出来るから助かる。
思い物販の荷物も運べるし、野宿場所を探す必要もない。
たったの5ヶ月しか乗ってないけど、もうすっかり体の一部みたいなもんだ。
ずいぶん助けられたこの車とも、もうすぐオサラバか。
昼すぎになったら仕事を終えたカンちゃんと合流して、電車で三田に向かった。
暖冬だったはずの今年だけど、昨日から一気に気温が下がってビュウという川風が吹くたびに震え上がるほど寒い。
大阪でこれだと三田だとさらに寒くなる。
三田は神戸の山手よりもさらに北に行ったところにある町。
神戸までほんのすぐの所なのに、ここは山に囲まれているため雪が降る。
今夜の天気予報は大寒波の影響で思いっきり降雪だ。おそらく路面も凍結する。
すでに今夜のライブに来るはずだったお客さんから、帰りが心配だからということでキャンセルをされている。
仕方ないことだけど………よりによってこのタイミングで大寒波。
いやー、楽しませてくれる。
電車は梅田経由であっという間に三田に到着。
田舎ではあるけど、神戸や大阪のベッドタウンなのでマンションが多く、駅前はそれなりに近代的な歩道橋がのびていた。
ここで待ち合わせしているんだけど……………っていうか寒い!!!!
三田寒い!!!
大阪よりも明らかに気温が下がって、駅の構内から出たくないほど。
カンちゃんも横でプルプル震えている。
うぅぅ………………早くどこかに入りたい……………
「あ、金丸さん、どうもどうも。三田によう来てくださいました。」
「金谷さん!!どうもです!!!!三田寒いです!!」
「あはは、ですよね。ほなこっちです。」
待ち合わせしていたのは三田にお住いの金谷さん。
ずっとブログを読んでくださっていたかたで、帰国してすぐの大阪でのライブに来てくださり、東京世田谷のライブにも、この前の神戸のライブにも来てくださった男性だ。
体格が良くてオシャレで、ぱっと見、ワイルドでイケイケな感じのお兄さんなんだけど、笑顔の素敵な優しいかただ。
今回のライブも金谷さんがセッティングしてくださった。
このライブの話が出たのはこの前の神戸の時。
俺がリコーダーを集めていることに協力してくださり、金谷さんも知人からリコーダーを集めてくださっていた。
三田に取りに行かせていただきます!!と言うと、じゃあどうせなら来た時にライブもやってまいましょーという流れ。
日本を出発するまで今日くらいしか日程が空いてなかったのでかなり強行的に宮崎からかっ飛ばしてきたというわけだ。
金谷さんもこのライブが決まってから1ヶ月もない中でたくさんのお客さんを集めてくださり、素敵なチラシも作ってくださり、本当に尽力していただいている。
ただ、好きで旅をしてる男が、あれしたいこれしたいと言っていることにこんなに協力してくださって、マジで感謝の言葉もない。
俺にできる精一杯のライブをやるぞ。
「じゃあ、先に腹ごしらえしましょうか。こっちです。」
金谷さんについていくと、駅前のオシャレな飲食ビルに入った。
2階のワインバルのドアを開ける金谷さん。
おお、こ、こんな素敵なところでお食事なんて嬉しすぎる、と思ったら…………………
三田の男はマジですごかった。
店の奥のドアを開けると個室になっており、テーブルにコンロと鍋が置いてあった。
ワインバルで鍋?
なんだ?
「金丸さん、ブログですき焼きが好物って書いてはりましたよね。せっかく三田に来たんです。三田牛を食べてもらわなあきません。」
………………………………………………………………
「金丸さん、どうですか?三田牛は?」
「金谷さん…………………」
「どないですか?味つけは大丈夫ですか?」
「…………………肉を口にした瞬間、射精していたんだよ私は!!!」
もうね、ジャック・リー・ビオンデ。
ジャック・リー・ビオンデにしかなれない。
なんなの…………………?
実年齢97歳ってなんなの?
財宝発見しちゃうの?
死ぬの?
今までの人生が肯定されます。
生きてきて良かったって思えます。
マジで死ぬほど感動した!!!!!!!!!
三田牛のすき焼き、マジでウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラウルトラ
美味すぎる!!!!!!!!!!!!
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!!!金谷さん!!このあたりにタトゥー屋さんありますか!?ちょっと今から背中にタトゥー入れてきます!!!三田牛って!!!!」
「美味しいいいい!!!!なにこれなにこれ!!!美味しすぎる……………」
「ははは、喜んでもらえて嬉しいですよ。三田ではすき焼きがすごくメジャーで、どこの家庭もよくすき焼きをやるんです。昔ながらの三田スタイルは、三田牛とマツタケだけ。これしか入れない。それが三田のすき焼きのやり方なんですよ。」
「よおおおおおおおおおしいい!!!!!!今すぐ役所に行って転入届けもらってきます!!!」
「こうやって、あんまり具材を入れ過ぎないんです。ドサッて入れないで、少しだけ入れて、それを食べてまた1から作るんです。」
「そういうのマジで好き!!!!焼肉も1枚ずつ焼くのが好きなんです!!!!1度にドサって焼かないで!!!!あああああ!!!!今度から三田(サンダ)のことをミタって読むやつがいたらマジソッコー木刀っす!!」
至福です。
金谷さんのお友達のみなさんも集まってきてどんどん賑やかになり、もう美味しすぎて、ライブとかやらないでこのまま飲みませんか?って言いかけたら、俺が言う前に金谷さんが、それ言ったから、マジ一生ついていきます!!!って言いかけたけど、ライブはしますよ………………
え?イヤイヤじゃないです。
喜んでやらせてもらいます!!!!
「ていうか、ここワインバルですよね?ワインバルですき焼きって……………」
「あ、これ全部僕の持ち込みですよ。ここのお店、僕が作ったんですよ。だから結構自由に使わせてもらえるんです。」
建築のお仕事をされている金谷さん。
設計図も書くし、ご自分で施工もする。
地元である三田でたくさんお店や住宅を手がけている人なんだそうだ。
「すげぇ!!金谷さん、僕いつかゲストハウスやりたいんですけど、その時は改修とか相談させてください!!」
「やりましょうやりましょう。みんなで話し合って、自分でやれるとこは自分たちでやって、水回りとか最低限のとこは職人さんにやってもらって。そういう仕事が面白いですからね。」
いやー………………素敵すぎる…………
金谷さんにお会いできてよかった………………
三田牛でワインに突入したいところだったけど、これ以上飲んだらさすがに歌えなくなるので、ちゃんとセーブしてご飯は終了。
そして移動してやってきたのは、郊外にある小さなバーだった。
お店の名前は「ニューオリンズ」。
小ぢんまりとしたアメリカンな雰囲気漂うバーで、戸棚にはたくさんのボトルが並んでいる。
おお………こりゃいい雰囲気だ。
すき焼きが楽しすぎて遅くなったので急いでセッティングをし、音出し。
音出ししてるうちにオープン時間になってお客さんがやってきてしまった。
俺のお客さんも来てくださったので、あれよあれよという間に店内は満席に。
こんな寒い日に本当にありがたい。
ライブはとてもアットホームで楽しいものになった。
前半後半に分けてトークもしながらたくさん歌わせていただくことができた。
みなさん素敵な人たちばかりで、お酒の力もあってスラスラ喋りまくった。
そしてここでまた三田の人のパワーを見せつけられた。
アミーゴさんという男性が大きなカバンを持ってきて、お店の真ん中でそれを開くと、中には半端じゃない数のリコーダーが入っていた。
その数、なんと45本!!!!
金谷さんたちが集めていたのも合わせると、全部で55本!!!
しかも鍵盤ハーモニカも数台ある!!!!!
「す、すげぇ!!!!今日だけでこんなに集まるなんて!!!!もうほとんど目標の100本を達成だ!!!」
「金丸くん!!もしインドで他にも必要なものがあったらいつでも言ってや!!服でも靴でもなんでもかき集めて送るから!!俺らは日本でできることをやらせてもらうから!!」
「熱すぎる!!!三田の男カッコよすぎる!!!アミーゴさんありがとうございます!!」
「まぁアミーゴさんは丹波の人やけどな。」
「丹波ええとこやで!!」
マジで震えた。
ひとつの町で55本。
このリコーダー集めを初めて何ヶ月か経つけど、まだ15本くらいしか集まっていなかった。
ブログで呼びかけてはいたけど、それだけではなかなかくれると言ってくれる人はおらず、100本はさすがに無理かなぁと思っていた。
なのに、ここでまさかの、こんな大逆転が待ってるなんて。
まったくノーマークだった三田でこんなに集まるなんて!!!!!!
三田の人たち、マジでマジでマジでウルトラ優しすぎる!!!!!!
こんなに人情があって、温かくて、熱くて、
もう、マジで三田に着いてから感動しっぱなしだよ……………………
「よし、ほな打ち上げ行きましょう。」
打ち上げ会場の居酒屋さんもまた金谷さんが手がけた店舗で、2階にプライベートな隠れ部屋があって飲み放題のセットが全て揃っており、自分たちで好きに飲める仕組みになっていた。
まさに地元の人たちの遊び場。
大人の秘密基地。
美味しい料理を食べ、飲みすぎてノックダウンしないようにほどほどでお茶を飲み、たくさんお話をして、大笑いして。
打ち上げが終わり、店を出て駅まで送っていただいたんだけど、三田は夜になって気温がグッと下がり、すでに氷点下になっていた。
張り詰めた空気がピシッと立ちこめ、鼻と耳がすぐに痛くなった。
寒い。
でも心はこれ以上ないほどに暖かかった。
こんなに最高の1日、そうそうない。
飛び上がって大声出したいくらい嬉しくてしょうがなかった。
金谷さんと別れ、電車に乗り込む。
大量のリコーダーは、実際持ってみるとあまりにも重すぎたので、後日大阪に送っていただけることになった。
歌わせていただいて、ギャラもいただいて、あんなに美味しい三田牛のすき焼きを食べて、カンちゃんのこともみんなで受け入れてくださって…………………
感謝してもしきれない。
金谷さん、松尾さん、梅沢さん、アミーゴさん、三田のみなさん。
この想い、絶対に絶対に無駄にしません!!!!!!
最高の1日をありがとうございました!!!!!
日本最後のライブ、詳細発表!
最後が山口県岩国市。大好きな町で、かなり渋い場所で歌います。2日後には飛行機です!!
共演も豪華なのでぜひ遊びにきてください!
★日にち………2016年2月7日(日曜)
★場所…………山口県岩国市 『水西書院』
★オープン……13時
★スタート……14時
★チケット……1500円(ワンドリンク付き)
★共演…………原田侑子、高瀬裕充